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第158話「母となる者の孤独」
Lineage

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・イントロダクション
廊下。
パリスと一緒に歩いてきたトレスは、廊下にいたクルーに声をかけた。「おはよう。」
パリス:「ご機嫌だなあ。」
トレス:「デルタ宇宙域も捨てたもんじゃないわ。」
「今朝は何食べたんだ?」
キスする二人。
トレス:「また今夜。」

機関室に入る。部下がパッドを渡した。「どうぞ、中尉。」
「ありがとう。」
コンソールで作業している機関部員に声をかけていく。「その調子よ。」 「いい腕だわ。地球への帰還が早まりそうね。」

2階で、イチェブ※1はセブンに話している。「艦隊マニュアルでは、0.3 のズレなら許容範囲だ。」
セブン:「それは指針に過ぎない。甘えるな。」
トレスがリフトで上がってきた。「ここで作業していいなんて許可してないわよ!」
イチェブ:「ああ…すいません、中尉。」
セブン:「ワープ工学の勉強をさせているのだ。」
トレス:「先に言っといてよ。今日はすごく忙しい…」 前に倒れそうになる。
支えるセブン。「中尉。」
「大丈夫。」 また姿勢を崩す。
トリコーダーを使い、トレスを調べるイチェブ。「別の生命体を感知した。」
セブン:「どこに?」 周りを見る。
「トレス中尉のからだの中だ。寄生体かもしれない。」
イチェブからトリコーダーを受け取り、自分で調べるセブン。表示を確認するとトリコーダーを閉じ、通信を行った。「セブンからドクター。」
ドクター:『続けたまえ。』
「今からトレス中尉を医療室へ連れて行く。」
『どうした。』
「どうやら、妊娠したらしい。」
驚くトレス。

※1: Icheb
(Manu Intiraymi) 前話 "Shattered" 「対決する時空」に引き続き登場


・あらすじ
トレスは妊娠 7週目で、クリンゴン人の妊娠期間は 30週だが早まる可能性もある。パリスと二人で、クルーには内緒にしておくことにしたが既に次々と伝わっていた。お祝いの言葉をもらう二人。だがトレスは落ち着きがない。ドクターは生まれてくる子供に起こりうる問題を調べており、性別は女の子ということがわかった。二人はホログラムで赤ん坊の姿を見る。額にはクリンゴン人の隆起。トレスは父親との出来事を思い出し始めていた。
幼い頃、トレスは父親や従兄弟たちと一緒にキャンプに出かけた。ドクターはトレスの胎児に必要な処置を行う。幼いトレスは、クリンゴン人の血を引いていることでからかわれた。独りでホロデッキに来たトレスは、成長後の子供の姿を映させる。そして遺伝子を操作し、額の隆起をなくした顔にした。
胎児の遺伝子を変えようとするトレスの提案は、ドクターに拒否される。パリスも子供を別人にしようとするのには反対だが、自分だけが異なるという辛さはわからないというトレス。話し合おうとするパリスを、トレスは聞き入れない。トレスは再びキャンプのことを思い出していた。
テントにいたトレスは、父親が母親やトレスと暮らすのは難しいと話しているのを聞いてしまう。パリスと仲直りしたところで、二人はドクターに呼ばれた。やはりトレスが提案した遺伝子操作を行う必要があるというドクター。奇妙に思ったパリスがデータをセブンたちに調べてもらうと、ミスのせいだということがわかった。ドクターのプログラムが操作されていたのだ。そしてトレスの手術が始まろうとしていた。
手術を邪魔されないようにトレスが事前に工作していたが、無事止めることができた。パリスと二人になり、父親とのキャンプのことを話し始めるトレス。父親はトレスと仲直りするために来たキャンプだったのに、トレスはクリンゴンが嫌いなら出ていけばいいといったのだ。そして本当に父親は家を去った。パリスはトレスのせいではないというが、トレスはパリスもいつか出ていってしまうのではないかと思っていたのだった。パリスは娘が幸せになることを保証すると言い、抱きしめる。トレスはドクターにプログラムを改造したことを謝り、名づけ親になってもらうよう頼むのだった。


・用語解説など
ジョン・トレス
John Torres
(Juan Garcia) ベラナの父親で、ミラルの夫。後にも登場。声:中村秀利
(幼いベラナ)
Young B'Elanna
(Jessica Gaona) 声:水間真紀
カール
Carl
(Javier Grajeda) トレスのおじ。声:長克己
ディーン
Dean
(Paul Robert Langdon) トレスのいとこ。声:亀井芳子
(エリザベス)
Elizabeth
(Nicole Sarah Fellows) 同じくいとこ。名前は言及されていません。声:戸田亜紀子
(マイケル)
Michael
(Gilbert R. Leal) 同じくいとこ。名前は言及されていません。声:重松朋

オマラ・サラス
Omara s'alas
タラクシア語で「いい知らせは服を着てない。」("Good news has no clothes.")
チェル
Chell
ボリアンのクルー。VOY第150話 "Repression" 「狙われたマキ」などに登場。ボリアンは「ワープコアの近くで出産すると性格のいい子が産まれる」と信じているということです
ピーナツバター・トースト
peanut butter toast
ミラル
Miral
トレスの母親。VOY第123話 "Barge of the Dead" 「さまよえるクリンゴンの魂」に登場
テヤ
Taya
「チャコティ」の女性形
フロクシア
Floxia

・感想
早くも妊娠してしまったトレスが、父親ジョンとの辛い出来事を思い出します。いじめられる辺りまでは「またクリンゴンの血を嫌うのか」と単純に考えていましたが、出ていってしまった父親ということが大きなトラウマだったんですね。母親のミラルが登場する、第6シーズンの "Barge of the Dead" 「さまよえるクリンゴンの魂」と関連付けて観ると興味深いです。セリフをじっくりと噛み締めて観るべきタイプのエピソードですね。
ただ一言くらい「優生戦争」関連のことは出してもらいたかったと思いました。本来ならドクターのみならず、ジェインウェイも遺伝子操作を絶対止めるべき立場のはずですが。


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