更新日 : 1998/6/26
窓のおもり−生活の知恵、ちょっとした工夫−

ドライブ容量の見直し

ハードディスクが浪費されていませんか?


なにがいけないの?

あなたのパソコンのハードディスク、ドライブC、ドライブD...の容量はそれぞれいくつですか?またそのフォーマット形式はFAT16ですか?それともFAT32ですか?

と、突然聞かれても、容量はともかく、フォーマット形式はわからない方が多いと思います。そもそも「フォーマット形式」ってなんなの?というほうが普通ですよね?

フォーマット形式というのは、ハードディスクにファイルの内容を保存するやり方のことです。Windows 95では通常FAT16かFAT32が使われます。FAT16は昔から使われている形式ですが、大容量ハードディスクに対して使うと無駄が多くなります。一方FAT32はFAT16の欠点を補うために最近出てきた形式ですが、OSR2と呼ばれる版のWindows 95以降でしか利用できず、Windows NT4.0やそれより前のWindows 95では利用できません。

もしあなたが1997年より前にパソコンを購入していたのであれば、多分FAT16のフォーマットしか使えないと思います。そしてもしドライブの大きさを1GB以上にしているのであれば、ハードディスクの利用効率はかなり悪いことが予想されます。
実際、FAT16でフォーマットされた容量1.5GBのドライブCで1.2GB程度を使っていた場合、実に300MBが無駄になっていたという例がありました(1/4は無駄だったということです)。この例では1GBと500MBの2つのドライブに分けたところ、無駄を100MBに減らす、つまり200MBを有効に使えるよう回収することができました。

調べましょう。

各ドライブの中にどの程度無駄があるかを調べるためのツールとしてWDU for Win32というフリーソフトウェアのツールがあります。なおこのツールには他にもいろいろと優れた機能、たとえば本来の機能である各フォルダ毎のディスク使用量の調査や、フォルダの圧縮/解凍などがあります。まだおもちでないかたはぜひ入手されることをお勧めします。

さて、このツールを起動しますと、ウィンドウの左側に各ドライブが縦に並んでいますので、調べたいドライブをダブルクリックします。すると指定したドライブの中を調査し、その結果が右側に示されます。ここでTOTALに関するGAP欄の値を見てください。これが現在無駄になってしまっている量です。また現在のクラスタサイズもウィンドウの一番下のところに表示されます。

なぜ無駄がでるの?

無駄ができてしまう理由は次の通りです:
ハードディスクはその内部をクラスタと呼ばれる一定の大きさの領域に分割して管理されています。そしてファイルが作られると、いくつかのクラスタを使ってその内容を記録します。たとえ数バイトしかない小さなファイルでも、最低1クラスタは使います。このときクラスタの中で使われていない部分は他に使うことができないので、無駄となるわけです。

ここで、FAT16では扱えるクラスタの総数がそれほど大きくないので、大容量ハードディスクを扱う場合、各クラスタの大きさがかなり大きくなります。具体的には容量500MB〜1GBのドライブではクラスタサイズは16KB、容量1GB〜2GBのドライブでは32KBとなります。その分無駄となる部分も増えます。たとえば1KBのファイルをつくった場合、クラスタサイズ16KBの場合(容量500MB〜1GBのドライブ)では15KBが、クラスタサイズ32KBの場合(容量1GB〜2GBのドライブ)では31KBが、無駄となってしまいます。

どうすればいいの?

無駄を減らすにはクラスタサイズを小さくするしかありません。WDU for Win32を使うと、その効果を事前に調べることもできます。WDU for Win32のメニュー[オプション]→[クラスタサイズ...]で今より少ないクラスタサイズの値、たとえば[16,384 Byte]を選択し、再度検索してください。TOTALのGAP欄の値が先ほどより小さくなったと思います。この差が、クラスタサイズを小さくしたときに減るであろう無駄の大きさです。

ところで、FAT32の使えないWindows 95では、クラスタサイズを小さくするためには各ドライブの容量を小さくするしか手がありません。これは、たとえば2GBのドライブCを1GBづつのドライブCおよびDに分けるという事で、ドライブやフォルダ構成の見直しも必要な、結構大変な作業となります。

正攻法としては、Windows 95を完全に再インストールし、その時に各ドライブが1GB程度の容量になるようドライブ構成を変えるというのがあります。私自身はハードディスクの交換を機会にそうしました。
もう少し簡単に行うためには、「PartitionMagic」(販売元:ネットジャパン)という市販ソフトウェア(¥10,000-ぐらい?)、あるいは同じような機能を持ったシェアウエアやフリーソフトウェアを使うという手があります。これらのソフトウェアを使えば、再インストールなしでハードディスクの中のドライブ構成(パーティション構成ともいいます)を自在に変更できます。

ただし、どちらにしても、ドライブの構成を変える時には、前もって必要なファイルを保存(バックアップ)しておく必要があります。しかしMOやCD-R、大容量FD、2台目のハードディスクなどがなければ、これも難しい話です。もちろんファイルの保存(バックアップ)はドライブ構成を変えなくても適宜行うべきことではありますが、ちゃんと行っている人は少ないのではないでしょうか。かくゆう私もその一人ですが。

ですので、ドライブの構成と容量を変えてハードディスクの無駄を減らすという話は、ここで止めておきます。ただ、今どのくらい無駄があって、どのくらい改善できそうかは知っておくほうがよいと思います。
最近どうもハードディスクの空きがなくなってきた、という方は、ぜひ一度無駄がどのくらいあるか調べてみてください。驚くような結果がでてくるかもしれません。

ほかのやりかたは?

ハードディスクを効率よくつかうための別のやり方として、「ドライブスペース」(画面左下、タスクバーの[スタート]から[プログラム]→[アクセサリ]→[システム ツール]→[ドライブスペース])を使う方法があります。
これは、いまあるドライブの中に大きなファイルを作り、データ圧縮技術を用いることで、そのファイル全体を容量の大きい新しいドライブとして扱うものだそうです。私は使ったことはありませんが、見かけの容量を2〜3倍にすることができ、ファイルのアクセスも早くなるなど、かなり効果があるという話を聞いたことがあります。興味のあるかたはどうぞ調べてみてください。


「WDU for Win32」の入手方法

「Windows Directory Use-ratio for Win32 (WDU)」というこのソフトウェアは、 無償で利用できるフリーソフトウェアです。
インターネットにはいろいろなところに、このようなフリーソフトウェアを配布しているところがありますが、私は「窓の杜」というところからとってきました。以下にその手順を示します。
  1. まず先に、ダウンロードするファイルを置くフォルダと、インストールするフォルダを決めておきましょう。
  2. ダウンロードするファイルはデータ圧縮されていますので、ファイルを解凍するためのツールも用意しておきましょう。LZH系の圧縮ですので、Lhaないしそのお仲間のツールが必要です。私はやはりフリーソフトウェアであるLhasaを使っています。もし解凍するためのツールがなければ、それも一緒にダウンロードしましょう。
  3. お使いのWWWブラウザで「窓の杜」Go to Windows Forest http://www.forest.impress.co.jp/を開きます。
    INDEXがありますから、そこから[エディタ・ファイル操作]→[その他、ファイル関連]と移り、「Windows Directory Use-ratio for Win32 (WDU)」のところに行き、ファイルをダウンロードします。
    なおLhasaはINDEXから[エディタ・ファイル操作]→[圧縮・解凍・変換]と移り、「Lhasa」のところに行って、ダウンロードしてください。
  4. もしLhasaもダウンロードしたなら、こちらから先にインストールします。
    ダウンロードしたファイルは実行ファイルのはずですので、そのファイルをたとえば「エクスプローラ」でダブルクリックすることで実行します。インストール先のフォルダと、解凍先のフォルダを聞いてきますので、適切に設定します(解凍先のフォルダをたずねられるのは最初に解凍動作を行ったときかもしれません。ちょっとうろ覚えです)。
    なおこのとき、デスクトップにLhasaのアイコンを置くよう設定しておきましょう。
  5. 次にWDU for Win32のためにダウンロードしたファイルを解凍します。
    「エクスプローラ」を使い、ダウンロードしたファイルをデスクトップにあるLhasaのアイコンまでマウスで左ドラッグします(マウスの左ボタンを押して、移動して、移動先で離す)。
  6. 解凍されファイルを一式、インストール先に持っていきます。
    「エクスプローラ」を使って移動してください。
  7. 実行ファイルWdu32.exeを起動しやすいよう、Wdu32.exeへのショートカットをデスクトップや画面左下の[スタート]メニューに追加します。
以上でダウンロードおよびインストール作業は終了しました。Wdu32.exeを実行してみてください。

なお表示されるフォルダ名に変な文字が現れたときは、メニュー[オプション]→[フォント設定]→[ディレクトリリスト...]あるいは[ディレクトリツリー...]を選択すると「フォントの指定」のウィンドウが出ますので、使うフォントをそれぞれ適切に設定し直してください。私は共に[フォント名]をMS Pゴジック、[スタイル]をRegular、[サイズ]を9に設定し直しています。



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