更新日 : 1998/8/16
窓のおもり−生活の知恵、ちょっとした工夫−

ディスクキャッシュサイズ上限の設定

メモリが浪費されていませんか?


ここでの技術的な情報はWelcome to the Naohiko Saito's Pageにあるメモリ関連のぺいじのなかの「Tipsらしきもの」から知りました。

ディスクキャッシュって?

あなたのパソコンの最大ディスクキャッシュサイズは何MBになっていますか?

と、突然聞かれてもわからない方が多いと思います。そもそも「ディスクキャッシュ」ってなんなの?というほうが普通ですよね?

ディスクキャッシュはパソコンのメモリの使われかたの1つです。
パソコンのメモリは主に2つの目的に使われます。1つはソフトウェアが動作するときに使うデータを置くための作業領域です。もう1つは、ここで話題にしている、ハードディスクやCD-ROMの見かけのアクセスを早くするためのディスクキャッシュです(ディスクバッファと呼ぶこともあります)。

ハードディスクの中には大変多くのフォルダやファイルがありますね。その意味でハードディスクは、ファイルやフォルダがぎっしり詰まった本棚が数多く並ぶ、とても大きな書庫のようなものです。
ではCPUはなんでしょうか、それはあなたです。あなたはCPUになって、机に向かって仕事をしています。机の上、これがメモリです。机の上には仕事を進めるためのメモをおくこともできますし、本棚から出してきたファイルを広げることもできます。あなたは書庫にあるファイルを読んだり、書き換えたり、新しく作ったりしながら仕事を進めます。
残念ながら書庫はあなたの仕事部屋とは別の建物にあります。ですから、あなたが仕事を進めるとき、ファイルを使うたびに毎回書庫まで行っていては大変な手間と時間がかかってしまいますね。そのため、あなたは机の上の適当な部分、たとえば1/5ぐらいを、書庫から持ってきたファイルの一時保管場所に使うことにし、必要なファイルが机の上にないときだけ、書庫まで行ってファイルを持ってくることにしました。
ここで机の上でファイルの一時保管場所になっている部分、これがディスクキャッシュです。

なにがこまるの?

さて、机の上が本棚から持ち出したファイルで溢れてしまっては仕事にならないように、ディスクキャッシュは、メモリ全体の量に対し適当な割合に収まっているべきです。しかしWindows 95では、ファイルをアクセスするとメモリをどんどんディスクキャッシュに割り当てるため、メモリのほとんどがディスクキャッシュに使われてしまい、ソフトウェアの使う作業領域はほとんど取れない、ということがよく起こります。
つまり、CPUの速いしメモリもいっぱい持っているパソコンなのに、ソフトウェアの動作が遅い、数万円かけてメモリを増やしてもソフトウェアの動作はほとんど速くならない、ということが起こるのです。

調べましょう。

では、あなたのディスクキャッシュの大きさを調べてみましょう。
画面左下、タスクバーの[スタート]から[プログラム]→[アクセサリ]→[システム ツール]→[システム モニター]と起動します。なお[システム ツール]あるいは[システム モニター]がない時もあります。その場合は「Windows 95 CD-ROM」から追加インストールが必要です。

「システム モニター」が起動したら、メニュー[編集]→[項目の追加...]で「項目の追加」のウィンドウを開き、[グループ]の欄で"メモリ マネージャ"を選択、[項目]の欄で下の方にある"最大ディスク キャッシュ サイズ"を選択、そして[OK]のボタンを押してください。"最大ディスク キャッシュ サイズ"のグラフが現れます。具体的な値を知りたいときはメニューで[表示]→[数値表]とすると数値がでてきます。で、何MBでしたか?

「最近ソフトウェアの動作が遅くなった... Windowsの終了にも時間がかかるようになった...」と嘆いていたある友達のところでは、Active Desktopを使ってしまっていたためか、Windows 95が起動した直後で、実装メモリ80MBに対し最大ディスクキャッシュサイズが70MBを超えていました。
机の上の7/8がファイルで溢れている、これはまともな状態ではありませんね。なんとかしなくてはなりません。

直しましょう。

幸い対処方法は判っています。それはC:\Windows\system.iniの内容を書き換えることです。作業は次のように行ってください。
  1. まず念のため「エクスプローラ」を使って、変更する前のファイルをコピーし保存しておきましょう。
    私はC:\Windows.BACKUP\system.iniとして保存しています。
  2. 「メモ帳」(画面左下、タスクバーの[スタート]から[プログラム]→[アクセサリ]→[メモ帳])を起動し、C:\Windows\system.iniを開きます。これは普通のテキストファイルです。
  3. ウィンドウを直接スクロールするか、メニュー[検索]→[検索...]をつかって、[vcache]という記述を探してください。私の場合は以下のようになっていました。
    [NonWindowsApp]

    [vcache]

    [display]
  4. [vcache]の下に、たとえば以下のようにminfilecacheおよびmaxfilecacheの指定を追加してください。
    [NonWindowsApp]

    [vcache]
    minfilecache=8192
    maxfilecache=8192

    [display]
    8192というのは8MB(8×1024KB)の意味です。この値はパソコンの主メモリ容量の1/5程度に設定します。私の場合、メモリ48MBに対し1/6の8MB=8192KBとしました。
    メモリがもっと多いときは、もっと高い比率で割り当てててもいいと思います。この値を大きくするとファイル操作が多少は速くなるはずです。ただあまり大きくするとソフトウェアの動作が遅くなり、Windows 95の終了も遅くなるようです。パソコンの使い方がほぼ決まっていれば、より適切な値を求める方法もありますが、手数がかかりますし、そこまで凝る必要はないでしょう。
    なおminfilecacheとmaxfilecacheの値は同じ値にしておいたほうが無難です。minfilecache≦maxfilecacheはOKですが、逆の指定は絶対しないでください。
  5. メニュー[ファイル]→[上書き保存]で修正した内容を保存します。
  6. そしてWindows 95を再起動します。
起動し直したWindows 95の最大ディスクバッファサイズを、「システム モニター」をつかって確認してみてください。minfilecacheの指定値以上、maxfilecacheの指定値以下になっているはずです。
前述の友達のところでは、この修正で最大ディスクバッファサイズを10MBに抑えたところ、ソフトウェアが軽快に動くようになった、Windowsもすぐ終了するようになった、と喜んでおりました。

メモリはいっぱい積んでいるはずなのに、どうもソフトウェアの動きが遅い、ファイルを開いている訳でもないのにやたらディスクをアクセスする、というあなた、もしかしたらディスクバッファがメモリのほとんど食いつぶしていませんか?でしたら効果てきめんです。
作業は慎重に行う必要がありますが難しくはありません。チャレンジする価値は大いにあります。


「システム モニター」の追加インストール

まずおもちのパソコンの再インストール説明資料を一読しておきましょう。作業の途中でたずねられるCD-ROMのパス名が書かれているはずです。また「Windows 95 CD-ROM」はあらかじめCD-ROMドライブに入れておいたほうがよいでしょう。
さて、タスクバーの[スタート]から[設定]→[コントロール パネル]と起動し、さらに[アプリケーションの追加と削除]を起動します。そして[Windows ファイル]のタグを選択し、[ファイルの種類]の欄で"アクセサリ"を選択、[説明]の欄の[詳細]ボタンを押し、さらに出てきたウィンドウの[ファイルの種類]の欄で"システム モニター"にチェックを付け、[OK]ボタンを押してそれぞれのウィンドウを終了してください。
これで「システム モニター」がインストールされます。



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