AIの帰りのフライトは深夜だ。
ホテルでバンコクの空港までのタクシーをチャーターした。
ダングとは、出発の時間までホテルで過ごした。
あの街での「演劇」が終わるのだ。
またあの街に行くことはあるだろうか?
空港に向かう、いやに直線の長いハイウェイで、ふと思った。
バンコクの空港で、たまたま、はのまん氏ファミリーとお会いした。彼らはバンガン帰りだ。
わたしは、リュックを枕に、空港の床に寝転がっていた、と思う。雑巾のように。
はのまん氏には悪いが、あのとき、わたしは、なにかが「ヌケて」いたのだ。
あれから、2ヶ月経った。
もう、夜のストーブの火が、懐かしい季節だ。
その後、ダングとは、インターネットのメールでも何度か連絡を取り合った。
お互い怪しい英語でのやりとりだ。
いつか、それも、なくなった。
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