Factory43's Best CD in 2006


2006年はメチャクチャ音楽を聴きました。半分は趣味、半分は必要に迫られてですが、アルバム・シングル合わせて多分300枚以上は聴いたと思います。
須永辰緒からBurning SignのCD-R(from 京都)、のこいのこCM曲集からMaximo Park、Go!のニューシングル(!)やケミストリーのDVD付ベスト盤まで、今までならあり得ない幅で買い続け、浴びるように聴きました。
でどうだったかというと、すでに軽く思い出せないバンドや音源も多々あったりして、もちっと絞ってジックリ聴くべきだとつくづく思いました。どうしても1枚1枚が「軽く」なるというか。単に量を聴きゃいいってもんじゃないというのと、自分が好きなものを消費物として扱ってるみたいな感じなのもどうかと。
あと、実は外出してる間は音楽でなくpodcastを聴いてることも結構多かったことと、年の後半はキャプチャーボードで昔のアナログ音源をPCに取り込んで聴いてた時間も多かったです。

そんな2006年のベスト10+α。順不同ということで。なんだかんだで最終的には、わりと普通のモノが並びました。


-、Another Breath 『Not Now, Not Ever』 MCD   Rivalry recs. RVL007

Racing a Fading Image/Token/Rotting/Clio/Passing the Torch/Surfacing/17 Minutes/Truth in the Television

NY産メロディックオールドスクール・ハードコアバンド、8曲入りミニアルバム。プロデュースはConvergeのギターの人。
直球で猛進するパートとスロウでドラマチックな展開を織り交ぜた楽曲はComeback KidやKilling The Dream、Give Up The Ghost等と同じ方向性だが、メタリックながらもロックンロールなドライヴ感もあり、とにかく単純にカッコイイ。特に冒頭M-1から突っ走った挙げ句にM-4の泣きのリフが出てくる辺りは相当燃えるものがあります。
正直目新しいものは何一つ無いが、全8曲、直情的に走り抜ける最高の一枚。続く1stフルアルバム『Mill City』 (RVL019)も必聴ながら、15曲だと一気に聴くにはちょっと多いかも。
リリース元のRivalry recs.は、The First StepやGo It Alone、Verseなどこの手のバンドが多い上にどれもレベルが高く(Bridge Nine recs.とアライアンス組んでる模様)、2006年はGet Revenge recs.と並んで存在感が大きかったと思います。


-、Another Year 『(s/t)』 MCD   Monument recs. MONU003

Everyday/Hearts Won't Go Away/Letters/Morning Breaks/Young And Unchained

スウェーデン・トロールハッタン出身(何所だ?)のエモーショナル・爆裂メタルコア、6曲入りミニアルバム。
北欧らしく超メタリックながらクラスティ、吼えるボーカル、叙情性やドラマチックな展開も織り交ぜつつ、Tragedyとかのダークな方向には行かない微妙な陽性と乾いた感じが非常に良いです(隠しトラックではスローでダークめな絶叫曲もやってますが、正直蛇足かと)。隠し味のユースクルー風味も良い塩梅。
メンバーの好きなバンドにIsisやModern Life Is Warに混じって、Sigur RosやAt The Drive-In、さらにBlink 182が入ってるのが判るような判らんような。あとツインギターがヘンリクさんとラーションさんというのも個人的にポイント高すぎ(笑)。
個人的には2006年春の心の一枚でした。これ聴かねえと家から出られないっつーか。


-、Amusement Parks On Fire 『Out Of The Angeles』 CD   V2(Columbia Music Entertainment) recs. V2CP-288

Out Of The Angeles/A Star Is Born/At Last The Night/In Flight/To The Shade/So Mote It Be/Blackout/Await Lightning/No Lite No Sound/Cut To Future Shock/Solera La Reina/Motown Ritual/Back To Flash

イギリス・ノッティンガム出身、4人組ギターロックバンドのセカンド・アルバム。
一部では「21世紀のシューゲイザー」と言われていたが、実際はそういった感じよりもポストロックを通過した現代版ロックという印象だ。
(強いて言えば前作『Amusement Parks On Fire』(V2/Filter Us recs. VVR1034762)が、『Isn't Anything』当時のMy Bloody Valentineっぽく感じられなくもない程度。少なくともRideとか、ああいうニュアンスは無し)
1stでは当時10代だったフロントマンのMichael Freerickが、全作詞曲に加えて全楽器まで演っていてほとんどソロプロジェクト状態だったが、本作からはバンドとして活動。その影響か、前作でのロウでささくれだった激しさは抑えめになり、代わりに音響的なギターが階層的に展開していく楽曲が印象的な作りになっている。これは意図的に(?)ザラッとした音作りだった前作と比べ、クリアでタイトになったサウンドプロダクションの為でもあるだろう。この辺は好みが分かれるところか。
ラウドでアトモスフェリックなギターは、特にインスト曲ではSigur Rosを思わせる音響的な鳴りだが(実際に録音はアイスランドにあるSigur Ros所有のスタジオにて)、スライドしていくギターリフとメロディ、ボーカルが生み出すモアレが独特の色彩を生み、ポストロックを超えた普遍的な魅力を感じさせる。
まあ比べるのも何だが、完全にマイブラのアウトテイク集にしか聞こえないSoundpool(あのAll Natural Lemon & Lime Flavorsを超えた完コピさに驚愕)とかよりも遙かに前向きな方向性だと思うし、なんだかんだでよく聴きました。そういやサマソニ'06で来てたのね、この人たち。


-、Cartel 『Chroma』 CD   The Millitia Group recs. TMG033

Say Anything (Else)/Honestly/Runaway/Matter of Time/Burn This City/Save Us/Luckie St./Settle Down/If I Fail/Minstrel's Prayer/Q/A

アトランタの5人組メロディック・エモバンド。2005年発表の1stフルアルバムで、リリースはメロディックエモの総本山、The Millitia Groupから。
メロディックパンクとロックの中間的な音で、安易な速さに依らず、ひたすら良いメロディを聴かせてくれる。ボーカルの伸びやかな声、地味に小技の利いたギター、タイトなリズム隊。コンピレーションではOasisのカバー("Wonderwall"…ベタだ)を演ってたりするので、立ち位置としてはギターロック寄りなのだろう。
元は自身のレーベルからの自主制作盤だったシングル『The Ransom EP』(The Millitia Group recs. TMG028:2004年)では「結構よく曲の書けているバンド」程度の認識だったのが、ジワジワと染みてくる感じで、結局アルバム・EPともやたらよく聴きました。
このバンドは2006年に入ってメジャーのEpic recs.に移籍、このアルバムも3曲入りライヴCD同梱で再発されている模様(TMG盤しか見たことないけど)。今は新アルバムが待たれるところだが、この1st収録前に初代ギター(実はかなりの中心人物)が抜けたのに続いて、今年夏には初代ベースが脱退したとのこと。大丈夫なのかこのバンド。


-、D-Day 『Crossed Fingers』 2xCD   Caraway/Hayabusa Landing recs. CARA-3014/15

Disc1:Yacht Harbour/失した遊園地/Peaches/Night Shift/CITRON/わたしの昼と夜/NOSTALGIA/Sweet Sultan/Dead End/MEMORY/DUST/KI・RA・I/So Thst Night/Vale of promises/Hills Dream/Float a Boat/僕には特別なクリスマス/ジェリー・ビーン/In The Midnight Hour
Disc2:Kiss Me At The Garden Gate/天使に似た君/Sunday Thinker/a slice of the night/Innocent Lover/Pho'be/Last Summer Wind/ひとりじめのx'mas/Here I Am/シェリーにくちづけ/Milky Way/さよならは突然いうものだから/Winter Wink

2002年12月リリース予定が流れて数年。もうこのまま出ないんじゃないかとすら思われていたD-Dayの2枚組32曲収録コンプリート・ディスコグラフィー、2006年に遂にリリース。
Disc1は既発表曲集ながら、1990年のベスト盤『All Leaves』(Chop/Balcony/Vivid recs. CHOPD-010)になぜか未収録だった2ndEPのB面曲、M-15が初CD化。
Disc2はモノラルで音質は悪いが、結局完成しなかった2ndアルバムの未発表デモ音源を収録。そちらは従来の曲よりもポップ性が強く、かつて吉川洋一郎や板倉文が持ち込んだニューウェーヴ・ロック的ニュアンスはかなり弱い(M-10は打ち込みのHouseだ)。しかしそこでも川喜多美子のボーカルが楽曲をD-Dayたらしめている。
2006年5月にあった、本作発売記念の川喜多美子ソロライヴには元メンバーたちが駆けつけていたようで(何が何でも観に行くつもりだったが、その日アメリカにいたよオレ…トホホ)、川喜多本人は自身のブログで、他の未発表テイクの存在や今後の活動を匂わせる発言もしていて(D-Dayとしてなのかソロなのかは不明だが)、このCDが本当にD-Dayの終止符となるかは神のみぞ知るという感じだ。

純粋さも無垢さも世俗さもセクシャリティすらも含んだ少女/女性の揺れ動く心が、「私」を中心に(一方的に)世界を再構築するという暴力性。全盛期Dischargeと比較されたガールズポップも世界広しといえどこのバンドだけだろう。
それを現出させる川喜多美子のアイドルっぽくも不確かで揺らぐ歌声、歌詞に漂う「想い」という加害性、そしてニューウェーヴ然とした楽曲の数々。便宜的に言えば、そのギャップが持つポップでドライなダークさがD-Dayの本質だろうと思う。
こういうガールズポップを表層の音でなく本質論で聴いてしまうこと自体が極めて'80年代的なのだろうが(New Order的だよな)、まあ「年寄りと病人には優しくしてあげてください」ということで。

エロマンガを「面妖系」と言ってしまう貴方、いいから買って聴きなさい。(<'80年代サブカル風の発言)


-、The Fullblast 『Short Controlled Bursts』 CD   Inya Face(Dine Alone/Distort Ent.) recs. FACE-008

Spoons, Gats, (White Collar) Prison Tats/Stu Ross, Good Dude; Great Dude/Fred's Got Slacks/The Song That (Actually) Doesn't End - Part 1/Ghettoblaster (TFB v. Circlewerks)/Sober Pud Would Never Wage A War/Radio/James Eats Planet; Loves PCP/She Hudini (Where Did Her Boobs Go?)/The Song That (Actually) Doesn't End - Part 2/All I Need Is A Jetpack And Rollerskates/No One Says Anything Funny Anymore

カナダのメロディック・ファストパンクバンド、2ndでこれがラストアルバム(2006年春に解散)。Alexisonfireのギターのレーベルから、2005年のリリース。
最初聴いたときにはとにかく異常に曲が長いのがシンドかったが(この手の曲で平均5分近いって…あり得ねえ)、これがまた、聴き慣れるにつれてハマりました。
ポップなようでそうでもないメロディがどんどん展開していき、一度聴いただけでは全体像がよく分からない構造の曲がだんだんとクセになるというか。この辺は1stアルバム『Contagious Movement Theory』(Black Box Recordings. BBR 001)やミニアルバム『Punk Technology』(*self label./no number)などの過去作でも芸風は同じで、部分的にかなりの疾走感や速さはあるものの、基本的に展開重視で曲も長いもの(3分半〜4分弱)がほとんど。
ただし、このままの曲調で短かくなって展開もストレートだと、それはそれで個人的には「良くあるタイプのバンド」で落ち着いてしまったと思う(Belvedereとか)。普通に聴いたら結構タルいアルバムと思うかも知れないし、何というかこう、非常に説明のしづらい魅力を持った一枚だと思う。

この速くてポップなんだけど分かりづらい感じ(ある意味『Allroy Saves』の頃のAll的)と、微妙に隠し味のStainedとかCreed以降のアメリカンロック風味が、妙な味で面白いんだろうな。R.I.P.。


-、Nothing Done 『Powertrip』 CD   Dead&Gone recs. D&G-21

Control/Wasting My Time/Powertrip/Crackhead/Time Out/Dead Weight/Leech/Gotta Get A Fix/Imposter/Stop Trying/Up To You/Nothing Left Ot Lose/Intro/Incompetence/Up To You/Put Down My Foot/Stick It Out/Stay On Top/Your Life/Idiot Stomp/What I Think/I Don't Care/Stay On Top/Your Life/Put Down My Foot/Leech (live)/Put Down My Foot (live)/Up To You (live)/Stick It Out (live)/Wasting My Time (live)/Idiot Stomp (live)

オランダの4ピース・ハードコアバンド。活動停止したKnow Your Enemyに、Reaching Forward(結構好きでした。R.I.P.)のベースが加入して、たぶん2004年に誕生。
この英Dead&Gone盤は、2005年に米Not Just Word recs.から出たアルバムに7インチ『Idiot Stomp EP』(NJW-007)の曲やライヴトラックを追加した全31曲で、ほぼ現在までのディスコグラフィー・アルバムといえる内容。
ほぼ全曲1分半以下だが激速ではなく、ロックンロール的な粘りのあるリフと異常にテンションの高いボーカル、ミッドテンポで重みのあるリズムというスタイルは、Dead Stop(ベルギー産:これも相当カッコイイです)と同じく、全体的にはむしろ「ハードコアパンク」と言いたくなる印象。
次々とたたみかける暴力的なトラック群は'80年代初期〜中期USHC、The FixとかNegative Approach、Batallion Of Saints等と通じる凶悪さ。もうカッコ良すぎて死にそうです。
2007/Feb.予定で2ndアルバムが出る予定らしいので、そっちも期待大。


-、Royksopp 『Royksopp's Night Out live ep』 CD   Toshiba EMI(Wall Of Sound) recs. TOCP-61109

What Else Is There/Only This Moment/Remind Me/Sparks/Poor Leno (Istanbul Forever Take)/Go Away/Alpha Male/Go With The Flow/Teppefall

ノルウェイ・ベルゲン出身のエレクトロポップデュオ、来日記念ライヴ・ミニアルバム。2005年11月19日・20日、オスロでのライヴを収録。
言ってしまえば北欧版Daft Pankという感じの音だが(ボコーダーの使い方とかアナログシンセとか)、「斬新な音作りよりも良いメロディ書く方が楽」と言うだけのことはあって、本家よりもポップセンスではこちらが上。
大ヒットした前作2nd『The Understanding』(VJCP-68734:2005年)の曲と1st『Melody A.M.』(VJCP-68418:2002年)からの曲が半々ぐらいだが、選曲もツボを押さえていてベストアルバム的にも聴けます。さらに、ライヴだけにアルバムのキッチリしたプロダクションよりも若干のラフさがちょうど良いアクセントとなっていて、元アルバムでは地味だったM-3がやたらと魅力的だったりと、単なる企画モノCDに終わらない出来の良さがあります。
ちなみに国内盤・輸入盤ともCCCDなので、PCのドライヴによってはiTunesなどで読めません。さっさと滅びて欲しいもんだよ糞規格。


-、Saosin 『(s/t)』 CD+DVD   EMI/Capital recs. CDP-0946-3-73772-2-2

CD:It's Far Better To Learn/Sleepers/It's So Simple/Voices/Finding Home/Follow and Feel/Come Close/I Never Wanted To/Collapse/You're Not Alone/Bury Your Head/Some Sense Of Security
DVD:(Making of the album in the studio, behind the scenes footage, videos and more)

スクリーモ業界期待のバンド、待望のデビューアルバム。 1stEP『Translating the Name』(Death Do Us Part recs. DDUP001)で特徴的だったボーカルAnthony Greenが脱退(現Circa Survive/The Sound of Animals Fighting)、2ndEPでは新ボーカルが単なる前任者のそっくりさんという印象だっただけに正直アルバムの出来が危ぶまれたが、これが予想を遙かに上回る高水準の出来。
新ボーカルにスクリームが合わないと見るや本作では絶叫ほとんどゼロ(たまにギターの人が叫んでますが)、持ち味の高音ヴォイスで歌い上げるテクニックを中心に楽曲を構成。手数の多いテクニカルなドラムス(元Open Hand)とメタリックで凝ったギターワークを前面に押し出した結果、このアルバムではオーセンティックなハードロックに大きくに接近。というか、これはもう完全に「新世代ハードロック」でしょう、ジャンルとしては。
EPではスクリーモ然とした楽曲だったが、本作ではテクニックよりもメロディを聴かせてくれる(ただし曲の長さは3分前後と冗長にならない辺りも相当素晴らしい)。そしてやはり注目すべきは、やたらに良く出来たメロディと曲の完成度。こんなの出したら次がシンドイだろうなあと思うくらい良く出来てます。いや、参りました。
ロックやパンクに情感や凝った曲構成とテクニックを持ち込んだのがスクリーモなら、その最新型が到達した極みが普通にハードロックだった、というのは2006年の出来事として覚えておきたいと思います。この人たち、地味に秋口に来日していて、2007年初頭に国内盤が出る模様(ボーナス1曲あり)。


-、Set Your Goals 『Mutiny!』 CD+DVD   Inya Face (CR Japan/Eulogy) recs. face-020/bhi-003

CD:Work in Progress/We Do It for the Money, Obviously!/Dead Men Tell No Tales/Mutiny!/This Song Is Definitely NOT About a Girl/Old Book Misread/This Very Moment/Flight of the Navigator/To Be Continued.../Don't Let This Win Over You/Echoes/Forgotten (by.Gorilla Biscuits)
DVD:PV's

カリフォルニアの5ピース・メロディック・パンクの、満を持しての1stフルアルバム。日本盤の初回のみ、DVD付き。
小気味いいツインボーカルの掛け合い(2MCと言いたくなる)とキャッチーなコーラスでやたらポップに聴こえるが、実のところ甘さは1stEPよりも抑えめで、ギターのハードな感じは予想以上。隠し味的なエモっぽい哀愁メロディも効果的でしょう。歌詞も、まさに"Start Today"なモノもあれば「人気出ていろいろあったのね」的なモノもあったりと、率直な印象で良かったです。
同じ傾向ではノルウェーのDeath Is Not Glamorous(元Damage Control…芸風変わりすぎだろ)も悪くなかったが、完成度ではこっちが圧倒的に上。
国内盤のボーナストラックではGorilla Biscuits、1sEPの再発盤である『Reset』(Alveran/Eulogy recs. AR065)のボーナストラックはJawbreakerという、あまりにも分かり易いカバー2連発もなかなかでした。



次点、Deny Everything 『(s/t)』 CDs   Rising Riot Recs. RRR-07

Declaration/When There's No More Room In Hell The Dead Will Walk The Earth/Bad Liver And Two Broken Hearts/The Return Of The Durruti Column/Notes On A Shitty New Year's Eve Party/A Different City For A Different Life

ドイツ・ケルン出身、4人組ハードコアバンド。たぶん1stEPで6曲収録、録音はあのHighscoreの地元、ミュンスター市(陸軍の訓練施設と戦車博物館があることで軍事オタには有名な街)にて。
音楽的には有り体に言ってKid Dynamiteフォロワーなのだが、ハードな曲の途中から極端にポップに展開するあり得ない曲作りにビビリました。ある意味新しすぎる。しかも曲名が「The Return Of The Durruti Column」とか(ヴィニ・ライリーの1st?スペイン市民戦争?)、どこまで天然なのかは分からないが、何とも言えない素敵すぎるセンスです。
このバンドの方向性を期待していたCrime In Stereoの新アルバム『The Troubled Stateside』(Nitro recs. NT0015871)が個人的にかなりアレな内容だったので(1stの頃のStrike AnywhereとAlkaline Trioを足してエモっぽくした感じ…悪くないけどKill Your Idolsとスプリット出してた頃と比べると随分芸風変わったよなあ)、このEPがなかなかの出来で良かったです。


次点、Fleet 『Brand New Reason』 CDs   Lantis(King) recs. LACM-4287

Brand New Reason/My Material/Brand New Reason (Instrumental)/My Material (Instrumental)

日本の男女3人組のポストロックグループ、たぶん1stシングル。テレビアニメ『イノセント・ヴィーナス』エンディング曲。
反復しながら展開するコード、アコースティック楽器とエレクトロニカを通過したアレンジに加え、甘さや抽象性に埋没しない「口ずさめる」メロディセンスと日本語歌詞のマッチングが特徴だろう。公式HPで公開されている未リリーストラックは英詩やインストものだが、この素晴らしいポップセンスを活かしていって欲しいところです。
ちなみにこれが流れるアニメ番組の方は、何というか、相当微妙でアレな感じでした。僕は嫌いじゃないですけど、人には勧められないというか。


次点、Life Crisis 『Unpeaceful Protest』 7"EP   Get Revenge recs. GRR-001

Slave/For What/Warstarters//Unpeaceful Protest/Steady Decay/Gasmask

サンディエゴ出身のロウスラッシュ・ハードコア、2004年リリースの6曲入りEP。
暴走するRKLというか、甦ったDRIの1stEPというか、ロック的なドライヴ感と激速リズム、さらに時々入る無茶すぎる展開が良い感じ。初めて聴いたときにはかなりのインパクトがありました。2ndEP『Churchstate ep』(Deep Six recs. No.不明)では爆走にややトリッキーな風味も加わってますが、こっちのストレートさの方が好み。
リリース元のGet Revenge recs.のレーベルオムニバス『Raw Aggression』(GRR-007)ではNegative Approachのカバーもやっててシビれます。


次点、レイ・ハラカミ 『わすれもの』 CD   Sublime/Music Mine recs. IDCS-1020
にじぞう/あるテーマ/いとぐち/まちぶせ/わすれもの/きえたこい/おかし/おむかえ/めばえ/さようなら

テクノ/エレクトロニカ系に非常に疎かった(でもなぜかBasic Channelだけは良く聴いた)2006年だったが、これは和み系ローテーションとして活躍した一枚。
内容は新曲(M-1)とリミックス曲(M-2)、未発表音源によるコンピレーションアルバムで、一番古い曲(M-10)は1989年のクレジットとなっている。音源の時期は結構バラバラだが、楽曲は相変わらずの「原神玲」節というか、いつも通りのポップでぼんやりとした、気持ちの良い電子音楽を聴くことが出来る。というかむしろ、近年の特徴だったコンセプチュアルな感じが非常に薄い分だけ前作『Lust』(IDCS-1014)よりも肩の力が抜けた感じで聴ける気がするが、その辺はわりと気のせいかも知れない(笑)。
残念ながら「暗やみの色」(at 日本科学未来館)は未見なのだが(なんせ出不精なので…)、公開終了する前には一度行きたいですなあ。


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