WWWサーフィンをしていると、以下のような注意書きを見ます。
このような言葉に根拠はあるのでしょうか?
2と3については、リンクを張る前に事前の許可が必要という旨をアピールしています。なぜ、そのようなことを書くのでしょうか?私なりに理由を考えると、
「ウェブサイトには著作権があるから、勝手にリンクを張って参照されるのは困る」
「自分のページがどのように紹介されるかをチェックしたい、参照文に勝手なことを書かれては困る」
「リンクで参照されることで、プライバシーの侵害のおそれがある」
てな具合でしょうか?
あまりにも2,3のようなことを書くサイトオーナーが多いものだから、リンクフリーの立場をとっている人は1のような注意書きを書かざる得ないのだろうと思います。
で、先日私の別サイトに、とあるサイトのリンクを張ったことで、サイトオーナーから以下のような内容でおしかりを受けました。
「リンクフリーと明記していないのだから、事前に連絡をしろ、それが最低限のマナーだ」
リンクフリーとは明記されていませんでしたが、リンクに関する注意も一言もありませんでした。ですので、一応、張った旨はメールで連絡しました。
正直言うと、どうしてこのようなおしかりを受けなければいけないのか、不可解です。だいたい、サイトにリンク張る許可がいるのなら、注意書きの一つぐらい書くべきでしょう。リンク張る前に連絡するのがマナーだと言われても、はっきり言えばナンセンス。コンセサンスのないことに対して「マナー」と言うのがそもそも間違い。WWWでサイトを公開しておきながら、リンクフリーでないなんて、矛盾してます。
後日談:私に上記のようなことを言ったサイトオーナー、現在では注意書きをつけるようになりました。けど、知り合い(オフライン)だからと言って、安易にリンクを張るものじゃないとつくづく感じた出来事でしたね。しばらくの間、自分のサイトからリンク張るの嫌になりましたから。
WWWの発明者であり、現在W3Cのディレクターであるティム・バーナーズ=リーは、以下のように主張しています。
原文(英語)は、http://www.w3.org/DesignIssues/LinkMyths.html を参照して下さい。
「リンクは著作権を侵害する」
「リンクには対価を求めることができる」
「リンクはプライバシーの侵害になる」これらの3つの意見は誤解であり、以下に挙げる原理に基づかなければ、「ハイパーテキスト」の世界は成り立たない。その原理とは、
「ほかのサイトにリンクを貼る前に許可を求めなければならない理由はない」
「言論の自由がなくならない限り、『参照されない権利』は認められない」
「公開された文書にリンクを張ることは、プライバシーの侵害ではない」
なお、この訳文は、INTERNET magazine 2000年11月号(インプレス社) 217ページ 「特集」:五つ星ホームページの作り方(文責:神崎正英)より引用しております。
すなわち、単なる参照として、a要素でリンクを張ることは、完全に自由なのです。だから、リンクを張ることに関して、許可を求めるというのはサイトオーナーとしてはおかしな態度だと思います。本来なら、「リンクフリー」なんて注意書きはサイトに必要ないはずです。
それと、リンクを勝手に張られては困るという主張も通りません。WWW上で公開している以上、参照されない権利なんて存在しないし、リンクを張られるのが嫌であればオープンなWWWではなくて、クローズドなシステムを使うべきです。
WWWはハイパーテキストによって成立しているものだというのを理解して、そのハイパーテキストの充実のためには自由なリンクが必要不可欠であることを理解しておいて下さい。
ただ、残念ながら、フレームを正しく使えていないサイトも多く、フレームありのサイトで他のサイトが参照された場合、参照元のサイトのURLが表示されたままという、著作権に抵触することをやっているサイトが多いのが現状です(この話については、「フレームは訪問者にとって本当に優しいの?」で詳しく説明しています)。
私自身はリンクを張ること・張られることについて、以下のように考えています。
「私のサイトから個人サイトへリンクを張る場合は、注意書きがあれば、相手のリンクに関する意思を尊重する。注意書きがないもしくはリンクフリーの明記があれば、張ったときにメールで相手に連絡をする。団体・企業サイトについてはリンクフリーが当然なので、連絡はしなくてもよい(注意書きを書いてあるような企業や団体サイトは、企業や団体そのものもダメだと思う)。
一方、リンクを張ってもらうことに関しては、自由である。ただ、どのようなサイトからリンクしていただいてるのかを知りたいのと、紹介文が不適切でないかを確認したいので、できることなら連絡していただきたい。」
注意書きについてですが、WWWの本来の精神から言えば不必要なものですが、リンクに関する考え方が統一されていない現状では、リンクに関する注意書きを書くのはやむ得ないし、リンクに関する意思表示をしておくのが、Webマスターとしての心遣いなのでしょうね。
リンクに関してはご自由にどうぞ。