■第2章 出発前の成田空港にて


いつも何かがある恒例の出国前荷物検査。しかし出国7回目にして今回初めて何事もなく無事通過することができた。もちろんいつも怪しいものは持っていないつもりなのだが・・・。

さていつもはこの荷物検査が話のネタになっていたのだが、あまりにあっけなく終わってしまったので、ネタがなくなってしまった。

と思いきや、そんなことはありません、別のおもしろいネタを発見しましたので紹介します。


(1) 強制送還らしき人々を発見

カウンターでビールを飲んでいると、ある御一行様が横を通りすぎていった。

普通なら何も感じない、強いて言うならば

”おお、インドのツアー客か?しかし随分いっぱいいるなあ?”

と感じる程度。しかしどうも様子が違う。

それは何とこの御一行様の中には空港職員と思われる格好をした人達が物々しくいっぱいいたらかなのだ。

彼らは搭乗口付近のベンチに着くと、私服を着た人達を座らせ、その周りを囲うように陣取った。

どうやら私服の人達は不法滞在で捕まり、強制送還されるためにいるようだ。

早速数を数える。1・2・3・4・・・、おお何と私服の人達16人に対して制服を着た人達16人もいるではないか?

男性には男性の係員、女性には女性の係員がきっちりついている。

本当はこの風景を写真に撮りたかったのだが、さすがにあまりいい気持ちではなかったので自粛することにした。

さてこの人達は一体どこから来た人達なのだろうか?

よく見るとどうもインド人っぽくない

そうか、同じ飛行機に乗るならきっとバンコクだな?するとこの人達はタイ人なのか? ふむふむふむ、納得。

えっ、待てよ、同じ飛行機?

この人達はオレ達と同じ飛行機に乗るのか?彼らの飛行機代は一体どうなっているんだ?

この人達のためにオレ達はチケットを購入時に一時期キャンセル待ちをしていたのか?

この辺がなぞである。

さて結局同じ飛行機に乗ったかどうかは確認できなかったが、もし同じ飛行機に乗った場合、係員もやはり同乗するのだろうか?疑問が残る。


(2) 再検査の実施

カウンターでビールを飲んでいると、何やら搭乗口の付近が騒々しい。

何か変だ、とりあえず行ってみようということでビールをさっさと飲み、歩いていった。

するといっぱいいる空港職員の格好をした人達が例の御一行様とは別にさらに数人おり、なんと荷物検査をしているではないか?

あれっ?2年前はそんなことはなかったぞ?と思いながら歩いていく。

”荷物の再検査です。かばんの中身を見せてください。”

と言われ、きっちり中身を調べられた。

まあ、これといってやましいものは持ってはいなかったが、せっかくの物々交換用goodsを没収されるわけにはいかない。

今回の土産物は

ライター10個(1個35円)、小さい電卓(キーホルダー式)10個(1個100円)、ボールペン12本(100円)、ノート3冊(360円)、腕時計1個(980円)、レーザーポインター1個(980円、これが今回のポイント)、フラッシュ式カメラ1個(無料)、フラッシュ無カメラ1個(300円弱)

といったラインアップであったため、少々金がかかっている。没収されたら悲劇である。

しかしそこは何食わぬ顔をして何とか無事にクリアすることができた。

やはりインド行は成田でもあなどれない、と改めて実感した。


(3) ボランティア募集

搭乗時刻になっても一向に飛行機に乗り込む気配がない。

まあ、Air Indiaのこと、まともに定刻で出発するわけがない。

気長に待とう、そう話していると航空会社らしき人が何かみんなに叫んでいる。

”おお、20分遅れで済んだか?”と搭乗口の付近へ歩いていくと、これまたどうも様子が違う。なんと

”どなたか2名ボランティアを名乗り出ていただけないでしょうか?”

なんてことを言っている。

”何々、ボランティアって何だ?”

話をよくよく聞いてみるとどうも成田〜バンコク間のオーバーブッキングをしていて2名分まだ多いから飛行機に乗れないとのこと。

オーバーブッキングはよくあることだし、時間ぎりぎりでこのようなことは米国ではよくあるらしい。

”名乗り出ていただいた方には補償とホテル代を提供させていただきます!”

すると何人かが手を挙げるのだが、そのような人達はどうも話をちゃんと聞いていない。航空会社の人がしきりに”成田〜バンコク”と言っているのに手を挙げる人はみなカルカッタへ行く人達ばかり。

みんな人の話をよく聞いていない。

しかも補償の内容なんて何も聞かされていないのにすんなりと手を挙げる。

みんな目の前のえさにつられて血眼にならずにもっと話を聞こうゼ!

こういう時は航空会社を焦らせて補償の内容をどんどんつり上げていけばいいのに・・・。

例えば米国の場合は最初は$100当たりからスタートして$500程度につり上がるのを待つといったことがよくある。

ともあれ2人該当者が出たようなので、約40分遅れで離陸することができた。

やれやれ、これでようやく旅がスタートできる。


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