■第7章 カラスに”プッ!”


相変わらずインドの交通事情はすごい。

排気ガスとオイルの臭いが混じっていて、とってもsmokey!

ぜんそくの人はここで生活はできない、それくらいすごい。

そしてドライバーはみんなクラクションをまるでブレーキのように使う。

信号で止まれば”プ〜!”、前に車がいると”プ〜!”、牛が前にいても”プ〜!”、そして人にも”プ〜!”

まるで自分の快適な運転を邪魔する奴にはクラクションを鳴らせ〜、と言わんばかりに鳴らす。

で、彼らが鳴らしていないときは前に何の障害もなく全快で車を走らせているときのみのようだ。

とはいっても彼らの快調なスピードとは50km/hr程度であるが・・・。

それ以上はどうやらスピードが出ないようである。

車がぼろいから出ないのか、それとも出さないのかは不明だが・・・。

でもこのような快適な状況は皆無といってもよい。

何故ならそんな状況は街にはほとんど存在しないからだ。

全くうるさいったらありゃしない

しかもドライバーは顔色ひとつ変えずに”プ〜プ〜!”鳴らす。

こればかりはなかなか慣れない。

疲れているときなどこの騒々しさを聞いていると、”うぉ〜っ!”と気が狂ってぶち壊したくなる、それくらいうるさいのだ。

当の本人達はよくあのやかましい音に耐えられるなあ、と感心する。

日本ではクラクションを鳴らしたことがきっかけで事件が起きたりもするのに・・・。

さてそんな中、カルカッタの街を歩いていると、歩道に一羽のカラスがいた。

このカラスは歩道に落ちていた長さ約20cmの電線を見つけ、くちばしで拾って飛んでいった。

しかし電線が重かったのだろうか?

歩道から飛んでいったカラスは一度車道へ降りた。

そこへ1台の車が通ろうとした。

そしてその車はなんとカラスに向かって”プッ!”とクラクションを鳴らすではないか!

この光景を見たオレは思わず”ぷっ!”と吹き出してしまった。

だってカラスに向かってクラクションを鳴らしても何の意味もないし、普通は鳴らさないだろう?・・・、そう思ったからだ。

しかしインド人は何に対してでもクラクションを鳴らす。今もきっと盛んにみんながクラクションを鳴らしていることだろう。


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