その2 -25℃の世界@2002-1-28〜2-9


れは一生忘れることはない、カナダのケベックでの出来事だった。

2002-1-14〜4-21までの3ヶ月間の間、再びHoustonへ長期出張していたときのこと。

世界地図を見ると分かっていただけると思うが、Houstonは沖縄と大体同じ緯度で、年間を通した気温も大体同じ。

つまり真冬とは言ってもHoustonでは朝晩を除きあまり10℃以下になることはない。

それに車社会なので、外気に触れる時間はそう長くない。

それに冬の出張は衣類がかさばるため、防寒着を含めてできるだけ簡素にする。

今回の出張ではユニクロで買った表地がポリエステルで中綿が入っている膝までの長さがある防寒着(7,800円)しか持って行かなかった。

ちょうど東京の冬に近所のコンビニへちょっと買い物をしてくるみたいな軽装だ。

まさか-25℃の地域へHoustonから出張するとは思ってもみなかったし・・・。

まず最初に1/28からモントリオールへ行ったのだが、ここで東京では経験できない-10℃の世界を体験した。

ちなみに-10℃の経験は私の人生では4回目。

1回目は高校のときの修学旅行(スキー)での蔵王、2回目は同じく会社に入ってから同じく蔵王へスノボーしに行ったとき、3回目は一年前(2001年)の札幌温泉旅行。

話を戻そう、モントリオールでは吹雪とは言わないが、大雪警報が出ていた。

にも関わらず私の格好はというと、普通のスーツに革靴、ユニクロの防寒着、そして手袋のみ。

当たり前だがマフラーなんてものは荷物が増えるので持参していない。

つまり東京の12月上旬あたりの格好以下(さすがに私もウールのコートは着て会社に行く)の防寒対策の状況。

道で足を滑らせながら歩き、とんでもない寒さだと凍えながらも何とかモントリオールでは耐えた。

そしてTonyさんの車で彼の住んでいるケベックシティまで車で移動した。

モントリオール〜ケベックシティまではハイウェイで約200km(とTonyさんは言っていた)で、ほぼ2時間。

当然車の中は暖かいのでケベックシティに到着したときの-25℃の気温にまずびっくり。こんな気温は生まれて初めてだったし・・・。

移動日が金曜日でホテルへ着いたのが夜だった。

翌日の土曜日はTonyさんと彼の奥さんといっしょにケベックシティの雪祭りへ出かけることになった。

休日なのでスーツでなくジーパンだったものの、靴や衣類はこれまた荷物になるので革靴&トレーナしか持って来ていない。

出かける前に近くで急遽服を調達しようと思ったのだが、あまり服屋がないしサイズもなかなかない。

とにかく外は雪が相変わらず降っているし、顔や耳、手、太もも、足のつま先まで寒さというツララが常時突き刺ささってくるような痛さだった。

さらに頭もこの寒さでガンガンする。

結局2〜3時間くらいだと思うが、私にとってこれ以上過酷な寒さはない状況の中、3人で雪祭りの会場を歩いた。

当然日曜日は外へは一歩も出ずにホテルで仕事した。

月曜から水曜まではケベックシティ近辺の客先周りをし、再びモントリオールへ戻り別の顧客を訪問した。

するとどうだろう、-10℃が楽勝なんです。一気にモントリオールの-10℃の気温に慣れてしまった。

さらに自分でもびっくりしたのは、この経験以来東京の冬は全く楽勝になってしまったんです。

この経験をする前までは東京の+5℃でも死ぬほど寒いと心底思い、冬眠できるものならしたいと本気で思っていたくらいなのに・・・。

人間って凄い、意図も簡単に環境に慣れるものなんだ・・・と。

2/9に東カナダ地区での仕事を終え、Houstonへ戻ったときは10℃くらいで暑く感じるくらいだった。

その後-10℃の世界を味わったのはモントリオール(2002年3月)、韓国(2005年1月)、中国(2004年12月)くらいです。

でもマイナスの気温はやっぱり嫌だなぁ。


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