その24 PermittivityとDielectric constant(誘電率)で大喧嘩!?
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る単語を辞書で調べたとき、複数の単語が記載されていたとします。
あなたはどっちの単語を選びます?
そしてどういった基準でその単語を選びました?
例えば、誘電率という単語を辞書で調べるとPermittivityとかDielectric constantが記載されています。
あなただったらどういう基準でどちらの単語を選んで使いますか?
私はPermittivityという単語を選びました。
理由は一つの単語だし、こっちの方が専門用語っぽくてカッコよさそうだから・・・・・・。
実はこの誘電率という言葉をめぐってアメリカ人である友人と大喧嘩したことがあるんです、信じられないとお思いでしょうが。
Houstonに滞在していた1998年のある日、職場の同僚との会話で私が誘電率という言葉をPermittivityという言葉を使って話をしました。
その単語は前から使っていた単語で、ある化学辞典にもこの単語が使われていたから通じると思ったんです。
ところが、何度言っても通じない。
どういうスペル?と聞かれPermittivityと書いても、“???”の始末。
私もDielectric constantって熟語で言い換えればよかったのですが、すっかりこの言い回しを忘れていたのです。
そして彼らが普段使っている国語辞書(私たちから見ると英英辞典)を引っ張り出してきて、Permittivityを調べると、=Dielectric
constantと記載されていました。
すると、同僚の一人が“Permittivityなんて単語なんて初めて知った。何でこんな単語を使うんだ?”
と責めてきた。
私は当然のように“だってオレの辞書に書いてあるから・・・。”
と反論。
すると彼は、
“何で日本人はいつも難しい単語ばっかり使うんだ? そんな専門用語なんて普通使いやしないぜ!”
それに対して私は反論する、
“そんなの知るかヨ! 分からない単語を辞書で調べたら、そう書いてあったから使っただけの話。
だったら辞書に文句を言えばいいじゃぁないか! 大体Permittivityなんて言葉本当にみんな知らないのかヨ?”
“化学の専門用語だし、そんなの学校で習ってない!”と彼も反論。
“日本では高校で物理と化学の両方で習うゾ! そんなに言うなら周りの人たちに聞いて回ってみようじゃないか?” と私。
“じゃぁ、そうしよう”ということになって、二人で事務所内を歩き回っていろいろな人たちに質問してまわることにした。
(後から考えるといつのまにか議論の焦点がずれてきてはいたが、二人ともそのときは気づいていない。)
機械系のエンジニア、電気系のエンジニア、制御系エンジニア、マーケティング部隊、セールス部隊など、同年代の人たち(ちなみに彼と私は同じ年齢で誕生日もたった2週間違い)に聞きに行った。
結果、電気系のエンジニアは両方の単語を知っていたが、その他の人たちは皆Dielectric constantの方を知っていた。
また電気系のエンジニア曰く、
“Dielectric constantという言葉の方が一般的だが、Dielectric constantもPermittivityという言葉は大学で学んだ。”と言っていた。
そうこうして、誘電率という言葉を巡った大議論(結局は大喧嘩ではないとは思うが・・・)は無事に終了した。
このことがあって以降、私は和英辞書の単語を鵜呑みにはしないように心がけている。