その5 ラッキー!(航空券の払戻し編)@1998年9月


張するときはいつも最短期間&できるだけ安い費用が勝負。特に航空券代がいくらになる(なった)かは興味津々。

しかしそのおかげでマイレージが分散してしまい、なかなか貯まらないのがネック。

短期間で出張中に変更が起きそうもないときはFIXなどを使うが、長期(1ヶ月以上)の場合はPEXを選ぶ。

航空券には他にもいろいろと割引条件があるが、中でも面白いのは企業割引。

これは正規運賃から○%引きという形になり、航空券には正規運賃の金額が記載される。

もちろんこの割引率は航空会社〜各企業間との契約になる。

2004年度は世の中のビジネス戦線からだいぶ遅れながらも中国への出張が多かった。

そんな中で日本の航空会社を選択すると、なんとこの企業割引がPEXとほとんど変わらないだけでなく、満席でなければ貯めた自分のマイレージを使わずしてビジネスクラスへのアップグレードできる確率もグンと上がる。

ただし注意点がある。当然マイレージでアップグレードする人の方が優先順位は高いし(コレは本当の話)、ビジネスクラスが満席の場合は素直に諦めなければならない。

ここであまりにもごねると、その航空会社にてブラックリストに乗ってしまい、次回以降の融通が利かなくなってしまう。

 航空会社名や地名は明かせないが、以前にこんな経験をしたことがある。

ある場所(仮にA国のBとする)へ長期出張をし、上記の理由の通りPEXを選んだ。PEXは一回のみの変更が許される。

当時Bへ行くためには途中A国のCという場所でトランジットをしなければならなかったし、そして成田〜CとC〜BまではSkyTeamといった協力関係にもない航空会社だった。

3ヶ月間に及ぶBでの滞在もそろそろ終わりの時期となり、行きのルートと同じようにC経由で一旦予約を入れた。

が、その後諸事情があってその日に帰れなくなってしまったため、急遽2回目の変更を入れてしまった。

さらにその2回目の変更のときはC〜成田までのフライトが満席状態だったため、仕方なく同じA国内のD経由のフライトで航空会社は変えずに予約した。

さて、Bからの出発の当日を迎え、Bの空港でチェックインをした。

すると航空会社Eがコンピュータを操作した後にその場でどこかと電話をし、終わると私にこう言った。

Dにある航空会社Fへ問い合わせたところ、あなたはC経由ではなくD経由へ変更したことからこの航空券は無効です。”

“えっ? 何で?”

知らなかったのだが、PEXの場合はA国内(というか、その国の国内線)でのルート変更はNGだとのこと。

本当は2回変更した理由からNGと言われるかもしれないと思っていたが、その指摘は全くされない。

内心ラッキーと思いながらも、ここで引き下がるわけにもいかない。

“では、ここBからDまでのチケットは有効?”と聞いたところ、

“このルートの航空券は航空会社Fが発行しているため、弊社としてはこのB〜Cまでは有効とさせるし、幸いCとDは近いので新たなる費用は普段発生させない。

しかし発行元の航空会社Fがダメだと言っているので、このPEXチケットそのものがNGです。”

とのこと。

“では、どうしたら良い?”と聞くと、

“とりあえずDまで新規で航空券を購入して、Dで航空会社Fと交渉してみると良い。”との返事。

しょうがない、ではそうしようということになって正規運賃(当時のレートで計算すると約20万円)を払ってDまでの航空券をその場で買い、Dに到着してから早速航空会社Fのカウンターへ行き、マネージャを呼んだ。

当然2回変更したことは全く触れず、話の焦点はCからのフライトが満席だったため、やむを得ずここDを選択したことと、今日どうしても帰らなければならないということを主張した。

もちろん大声や怒り爆発といったことはしない。あくまでも普通に、でもかなり困った感じで話をした。

するとマネージャがやさしい女性だったため、

“本当はこのPEXチケットは無効(つまり私が悪い)なのですが、今回は特別にD〜成田までのフライトだけはこのPEXの航空券を適用することとしましょう。”

と融通を利かせてくれ、無事に帰国することができた。

帰国後、会社の出張清算時に上記の説明をした上で、そのPEXの航空券の領収書を会社側の了解を得て一時的に拝借した。

何故か?それはB〜Dまでの航空券を買ったこと。いくら会社のお金であろうと払ったこと自体がちょっと気に入らない。

そこでダメ元で日本にある航空会社Eの事務所へ電話してみたところ、払戻しの件は航空券を購入した空港でないとできないと返答された。

よっしゃ、ではもう一度近いうちにBへ出張する機会があるので、そのときにもう一度交渉してみようと思い、そのPEXチケットの領収書を持って行った。

 Bへの出張中のある日曜日、Bの空港の航空会社Eのチケットカウンターへ車で行った。

そして2回変更したことには触れずに上記の説明をしてみた。

その際私は“まぁ会社のお金だし、自分の懐が痛むわけではないので別にいいんですけれど・・・。”という言葉と、

“もしあなたが私の立場でかつ航空会社Fの立場だったらどう処理します?”なんてことを聞いてみた。

すると意外な返答。

“私だったらそのB〜Dの費用も払戻しするでしょうネ。別に弊社(航空会社E)ではB〜Dまでの航空券を新規で請求する必要はないし・・・・・・。”

そっか、まぁ今回はもう終わってしまったことだし、とりあえず私の主張が通ったということで満足した。

“念のためコピーを取らせてほしい”とチケットカウンターの人が言うので、取らせてあげた後その場を離れた。

 そうこうして出張も終わり、拝借したPEXチケットを会社へ返し終えたある日のこと。

銀行のATMでお金を下ろして残高を見て???

あれっ、変だぞ? 20万円多い・・・・・・んっ何でダ?

どうやらBの空港で購入したB〜Dのチケット代が払戻しされていたのダ!

あらららららっ、どうしよう? 会社での出張精算はもう何の問題もなく全ての領収書の原紙を提出して完了してしまったし・・・・・・。

まぁ、いっか?これは交渉した戦利品にしてしまおう!

ということで、20万円も得してしまった、ラッキー!

でも、会社を含めた関係者のみなさん、ゴメンナサイ!


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