●長崎の児童文学散歩●

 平和運動に力を注いだ児童文学者、片山昌造


 片山昌造は、1911年埼玉 県生まれの児童文学者(1911〜1986年)。長崎の地で、被爆者問題に関わるようになり、平和運動を行った。長崎市古賀町に居をかまえ、長崎造船大学(現・長崎総合科学大学)教授、長崎大学講師などを務めた。
 戦後直後には「ふしぎなボール」「森の子ミニー」「まきばものがたり」など、楽しい少年少女小説を執筆。「ふしぎなボール」(昭和23年発行、世界社刊)は、かみしばいのなかから飛びだしたボールを追っていた少年がうさぎに変身してしまい、不思議なお城に連れていかれてしまうという、ちょっとへんてこで楽しいお話。武井武雄が挿し絵を描いている。
 そののち、片山昌造は平和運動に力を入れるようになる。1956年に米軍基地反対運動について書いた「あかつきの子ら」、1973年には自由を求めて放浪する主人公の犬に原爆被爆者たちの姿を重ね合わせた作品「脱走者たち」など、平和と自由を訴える力強い作品を遺した。

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