●港町・ヨコハマ〜山手の児童文学散歩●

 「乙女の港」川端康成

 この作品は、雑誌「少女の友」に川端康成が連載(昭和12年6月〜13年3月)した少女小説。
  当時まだ無名の中里恒子氏による原作を川端康成が書き直したもので、神奈川近代文学館には2人の往復書簡が所蔵されている(展覧会会場にも展示されていた)。

 このお話の舞台は、横浜山手のミッションスクール。
  入学したばかりの主人公、三千子さんは上級生の2人から手紙をもらって……、という女学生の友情物語だ。
  「おねえさまが卒業なさっちゃったら、あたし学校がきらいになるわ」。

 当時の清楚な女学生たちは屈託なく笑いながら、「おねえさま」「ごきげんよう」とかいって、山手の坂道を歩いてたんでしょうねえ。絵になりますなあ。



山手本通りにある「フェリス女学院」横の坂道。
坂を下ると元町商店街に出る。

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