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いわゆる児童文学のちょっとレトロなページ

私が読んできたいわゆる「児童文学」関係の本を、思い出すままに記録にとどめておきたいと思います。
有名なのもそうでもないのもあるでしょうが、いずれにせよ私が今まで読んだものなので、
幾分(かなり)レトロな趣味になる可能性大です。
絶版にするのは惜しいものもあるので、知ってほしくて。

ちらっとならべただけなので、少しずつ中身の充実に努めます!


|ペイトン|ジョアン・リンガード|ナルニア国ものがたり|指輪物語|メアリー・ポピンズ|
|クマのプーさん|小さい牛追い|みどりのゆび|まぼろしの白馬|ダーシェンカ
|五次元世界のぼうけん|ファージョンの作品|ピアスの作品|
(順不同)そのほか以下続く


ダーシェンカ あるいは子犬の生活 カレル・チャペック SEG出版 1995

 最近相次いでこの本のいろいろな版が出版されているようであるが、私が持っているのは上記のもの(完訳版)でA4版のハードカバーのものである。チェコ版・第5版の装丁、レイアウトをそのまま日本語に移し替えただけ、と言う装本。

 「長い長いお医者さんの話」「山椒魚戦争」などで知られるチェコの作家・チャペックが、飼い犬が産んだ子犬を見つめて書いた/描いた、絵と写真入りの愛らしい本である。黒いお耳の、ボールと見分けの付かないまん丸な子犬が、いたずらをしまくったり、かあさん犬に甘えたり、飼い主を手玉に取ったりする様子がそれはもう独特の親ばか的視点であれこれ描かれている。

 最初にこの作品を読んだのは小学生の低学年の時で、たぶん講談社の世界文学全集の中の1冊ではないかと思うのだが、一緒に載っていたのが懐かしい「ほんとうの空色」だったように思う。もちろんその時は今のように完訳ではなかったと思うが、私の頭にはこれがフィクションなのか、なんなのか、よくわからなくて、ただただ絵を見ながら読むのがたのしくてかわいくて仕方なかった。ダーシェンカ、と言えば丸い毛玉の姿ばかりが記憶にあり、立派なテリアの姿の写真も目にしているはずなのだが、そのテリアとダーシェンカの名とが、今に至っても結びつかないでいる。しかもなんだか、ダーシェンカは犬ですらなくて、私にとってはただ「ダーシェンカ」という動物であり続けているように思える。

 『長い長いお医者さんの話』もとてもとても好きな1冊である。これもまた別の機会に。


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最終更新日2001.12.31