Wednesday, October 4, 2000
歌を聞くのは好きな方で、よくCDアルバムを聞いている。誰でもそうだと思うが、まんべんなく聞いているつもりでも、好みは偏る。私の場合は若い女性歌手が好みだが、若い女性歌手なら誰でも良いわけはない。
で、結果として本田美奈子、浅香唯、高橋由美子、となるわけだ。本田美奈子 は今年シングルで 「風のうた」 をリリースしてくれたし、10月15日のデビュー15周年リサイタルも楽しみだが、アルバムは久しく出ていない。復活したはずの浅香唯 はしばらくCDが出ていないし、高橋由美子 は歌手活動にご無沙汰。CDアルバム中心の私としては、どうも具合が悪い。
最近話題の若手女性歌手と言えば 宇多田ヒカル や 倉木麻衣 だろうが、ちょっと私の好みとは違う。解散した SPEED の HIRO (島袋寛子) には少し興味があるが、今は充電中のようだ…後で言うが、充電中なのは良いことで、将来に期待している。デビュー直後はかなり期待していた 知念里奈 だが、歌よりバラエティ中心の活躍で当て外れ…彼女は訓練さえ間違わなければ、もっと豊かな声が出ると思うのだが。MAX のMINA (天久美奈子) はわりに好み…但し厚化粧は嫌い… だが、グループの方はマンネリ気味。浜崎あゆみ のメッセージ性と活動力は評価するが、独特の声質がどうも引っかかる。
そういうわけで、最近、アメリカの若手女性歌手に少々興味を持っている。アメリカでも 10代の Girl Pops がかなり話題になっているらしい。私は近所の大型レコード店の推薦コーナーで知って、いくつか輸入盤を購入した。日本盤を買わない理由? 何と言っても輸入盤の方が安価だ。それに日本盤は、「日本向け」と称して、オリジナルの選曲と異なることが多い。私はどうせ歌詞カードなど読まないし、聞き続ける場合は曲順を重視する方なので、輸入盤の方が好ましいのだ。
最初に聴いたのが Jessica Simpson。1980年7月10日生まれだから、1999年11月23日に、米Columbia (SONY) からファーストアルバム Sweet Kisses を出した当時は19歳だ。よく知らないが、バックミュージシャンも相当な人が付いているらしい。日本盤は4か月遅れ(!)で ソニーミュージック(日) から発売された。イチオシ扱いで特典ポスター付きだが、ポスターは貼らないから、私は輸入盤で十分…。
彼女の歌を一言で言うなら 「本格派」 か。それになかなかの美人でもある。ファンサイトのビデオクリップで見るガンガンと踊る姿も迫力がある。テキサス州ダラス生まれと言うから、何となく西部劇に出て来るおてんば娘、カウボーイハットが似合いそう、という感じだ。声量も声質も上々なのだが、私の感覚ではちょっとがんばり過ぎ、若干声に頼りすぎの面があるように思う。だから長く聞いていると、ちょっと疲れる。まあ若いしデビュー間もないし、そのうちだんだん角が取れて円熟して来るのだろうと思う。
次に聴いたのが Britney Spears。1981年12月2日生まれだそうだ。ファンサイトには18歳とだけあって誕生日が書いてないが。昨年のデビューだが、既に ...Baby One More Time と Oops!... I Did It Again という、記録的な売り上げの2つのプラチナアルバムが、日本ではあまり馴染みがない、ZOMBA レコードの JIVE レーベルというところから出ている。日本では エイベックス から微妙に違う選曲で出ている。...Baby One More Time は、ジャケット写真も本家と違う…。今度、ZOMBA の日本法人が出来ることになったそうだ。 たぶん Britney の大ヒットの影響だろう。
"Oops!... I Did It Again" を訳せば 『わっ!... またやっちまった。』 だろうか。曲名も変わっているが、この娘自身もなかなかユニークだ。ルイジアナ州ケントウッドという、アメリカ西部の小さな町始まって以来の大スターらしい。西部の娘、と言うよりはちょっと異星人っぽい独特の声質、それに容姿も…。ビデオクリップでも異星人に扮しているものがあるが、実によく雰囲気が出ているし、ステージもなかなか面白そうだ。ティーンのファッションリーダーとして、雑誌にも頻繁に登場しているようである。今後どこまで世界を「征服」するか、なかなか楽しみな存在だ。
最後に取り上げるのが Mandy Moore。私は今一番ハマっている。1984年4月10日、ニューハンプシャー州ナシュアの生まれでフロリダ州オーランド育ちの16歳…ありゃ、まだ16歳だったか。東海岸の北端で生まれて南端で育ったというわけだ。日本では 「マンディ・ムーア」 と読んでいるが、ビデオクリップを聞いてみると、「メァンディ・モォア」 と聞こえる。米Epic (SONY) 系の550 レーベルから、1999年12月に So Real 、2000年6月に I wanna be with you の2つのアルバムが出ている。どちらも CD EXTRA 仕様で、ビデオクリップも入っている。後者は日本盤もあるが、So Real の曲が一部入っている。当初、日本サイドは彼女に全く興味が無かったようで、世界的なヒットを受けて、慌てて編集したように思える。
彼女の持ち味は、ひとことで言えば素直さだろう。Mandy の声は、耳にすっと入ってくる感じで、聞いていて疲れない。ファンサイト を見ると、小さい頃から、各種のイベントでの National anthem singer (国歌を歌う人) として活躍していたそうで、若い割には芸歴も長いようだ。やや早口でよく喋る、明るくはつらつとした娘、という感じで、顔もなかなか可愛い。しかし ソニーミュージック(日) の 「マンディちゃん」という呼び方はどうも…しっかりした印象の彼女のイメージに合わない。若さゆえステージ (ビデオ) は素直過ぎてイマイチな感もあるが、活躍の場がどんどん広がっているようだし、今後もっと伸びる事だろう。
3人に共通して言えること…実は他のアメリカの歌手もそうなのかも知れないが、幼少の頃から歌がうまいと評判で、かなり早いうちにレコード会社と契約していること。じっくり時間をかけて制作したアルバムが、全世界でミリオンセラーを記録していること。そしてインターネットのファンサイトが、レコード会社のサイトや通販のサイトとも連携して、いずれも充実していること、だろうか。日本の歌手はどうなのだろうか。流通の制約もあるだろうが、ファンサイトからクリックしてCDが買えるところは見たことがない。私は日本で売っていない Mandy の So Real (自筆署名入り) を、ファンサイトから購入した。アルバムにしても、よほど著名な歌手でもない限り、十分な時間をかけて制作することなどなさそうだ。日本発の世界的ミリオンセラーの代表が、いまだに 坂本九 の SUKIYAKI (上を向いて歩こう) では、ちょっと寂しいと思う。
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