とぜんそう98年7月分

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98/07/01

IME98の不具合、一発で変換したものをそのまま確定すれば問題ないが、再変換したり文節区切りを変更すると、文字入力中のアプリケーションのほうがエラーになって強制終了されます(何度読んでも気色悪いエラーメッセージであるなあ)。

最初はアプリケーションがおかしいのかと思ったが、別のアプリケーションでもかな漢字変換中に上記の確定操作をするとエラーになるし、かな漢字変換をAtok11に切り替えた後は起こらないのだから、原因はIME98にあると考えるしかない。しかも、とあるアプリケーションで異常動作が起こる直前までは正常に動いていたので、その異常動作と無関係とも思えない。

ということで削除の上再インストールしてみたが、症状は同じ。とほほー、またWin95から再インストールか(いつになるやら)。


ASCII24にunicodeコンソーシアムのメンバーによるあるセミナーでの報告の内容が紹介されていた

この中で、unicodeが6万5千字しか扱えなかったのはVer.1.1での16ビットコード体系の時の話であり、Ver.2.0では32ビットで100万字を扱えるし、ISOでも同様の方式で文字数拡張を議論しているので、文字数の少なさからこれらを批判するのは認識不足だと語っている。また、完璧なコードなどあり得ないのにunicodeは完璧だと売り込んでしまったことが反発を呼んでしまった、としている。

なんだか話がずれてるような気がするなあ。まあ情報源が少ないからたまたまお目にかからなかっただけかもしれないけど、少なくとも私が目にした範囲では、unicodeを批判していた人たちは文字数が少ないこと自体完璧かそうでないかなどは問題視していなかったはず。

批判されたのは「“米企業による漢字文化の侵略”」と呼ばれた「日中韓の漢字のうち、共通の文字を統合(CJK統合漢字)することにより、日中韓の漢字約5万字」を「約2万字にまで統合」した行為そのものであり(しかも、同じコードなのに国によって字体が違っている)、そんなものを「完璧」とするその態度だろう。

文字数の拡張がなされるのはめでたいことではあるが、すでに一太郎8やWin98にはunicodeが組み込まれているという。とりあえずはこれらがVer.2.0であり、かつ、ISOが議論している拡張方式と整合性を持つものであることを祈るばかり。

あ、そうそう、日本学術振興会が進めている“GT明朝プロジェクト”(98年末に完成予定)の結果を実装することで、JISやUnicodeを上回る6万4000字の漢字が扱えるようになるという32bit版のPC/AT互換機パソコン用OS『B-right/V』(BTRON仕様に準拠)がパーソナルメディアから発売されるというニュースもASCII24の7月1日分で紹介されていた。

なにが標準になるんだかますます混沌としてきたなあ、やれやれ。おまけにこの前書いたとおり、国語審議会は国語審議会で印刷字体について独自の判断を示すし。

どこかに本気で舵取り・まとめ役をやる人なり組織なりはいないのかしら。

98/07/06

んーと、とりあえずお見舞い申し上げます>朋輩


会社の同僚が、Outlook Expressで電子メールを送る方法を教わりに来た。

送る相手の名刺のe-mailアドレスを指差しながら、
「受信者の欄にこれを書くんですよね」
「そう。で、ここに用向きを書いてここに内容を書いて送信ボタンを押したら終わり」
「はいはい。で、電話はここにかければいいんですよね」
と、指差す方{かた}を眺むれば、そこには相手の会社のFAX番号が。

もう一つ世間の理解を得られていない模様の電子メールであった。


CNNの米軍越南対脱走兵サリン使用報道撤回事件についてUSAトゥデイで読者アンケートをとってみたら、この件で信用が傷ついたとする回答が34%、傷つかないが16%で、残り50%がはじめから信用していない、てな話が新聞に載っていた。

案外健全な社会なんですね、向こうは。マス・メディアとのつきあい方を心得ているというか。まだ事情聴取段階の第一通報者や裁判段階の人を週刊誌報道や新聞報道だけで国をあげて犯人だと思いこむとことはえらい違い(シンプソン事件なんてのはけっこうな騒ぎだったみたいだけど)。

私自身は、新聞・テレビ・ラジオなどからはさまざまな情報を得ることができて大変ありがたいと思っているけど、それだけに送り手の主観が入っていない、できるだけ公正・中立な報道が欲しい。取り上げる報道内容の取捨選択自体に主観が入ってしまってはいるが、まあそこいらへんも社会での重要度を鑑みて公平に願いたいもの。

そういえば昨日の朝日新聞では、先日来の暑さのせいか人に飼われている爬虫類が逃げ出す騒ぎが相次いでいることについて、爬虫類は暑い日が続くと活動が活発になるからと飼い主に注意を呼びかけていた。それに対して中日新聞では同じ騒ぎを取り上げて、連日の暑さのために檻から逃げ出してコンクリートで涼んでいたのかもしれない、みたいなことを書いていた。あえて批評はしないけど、報道姿勢があらわれていて興味深い。やっぱり新聞は読み比べなくちゃ(時間くれー)。


どうでもいいけど「該当」を「かくとう」と読まないでよう>NHKアナウンサー

98/07/08

今日は7月8日の語呂合わせで「質屋の日」だそうだ。それなら8月7日は「風車{かざぐるま}の日」かというと、そういうものでもないらしい(意味不明)。

そういえば「一六銀行{いちろくぎんこう}」なんて呼び方はまだ通用するのかしら。Atokでは「質草」は変換するけど「質札」は登録されていない。

落語の「掛け取り」にこういう狂歌が出てくる。

  貧乏をすれどこの家{や}に風情あり 質の流れに借金の山

これに感心した狂歌好きの大家さんがその暮れは借金を見逃すのだけど、今はサラ金で個人破産。徒{いたずら}に移ろってしまうのは花の色に限ったことではなさそうね。


今度の日曜日は参議院選挙の投票日ということで、某民放局のニュースバラエティー司会者が投票に行こうと繰り返しているそうな。

確かに政治への無関心とそれがはっきりと表れる投票率の低下はあまり歓迎できることではない。20代で「必ず投票する」と答えた人は3割に満たないともいわれているし(NHKの電話アンケートによる)。

ところで、たとえばこの投票に行こうという呼びかけにこういう情報も付け加えたらどうなるだろう。すなわち、過去の例でいくと投票率の高い国政選挙では野党有利の結果が出やすい傾向にあるようだ、と。

今回の呼びかけの意図が那辺にあるか不明ではあるものの、5年前にはどこだかのテレビ局の幹部が選挙前に「自分たちが野党連合を選挙に勝たせてやるんだ」と言ったとか言わないとかいう話もあったし、こういう角度から見ても選挙は楽しめるというお話でした(悪趣味)。

98/07/11

常用漢字表外字の印刷字体のことで新聞の投書欄に読者の意見が掲載されていた。曰く老人なので繁雑な字体は書くときに困る、曰く手書き文字を拾い上げていくのが時代に合わせるということだろう。前者は印刷字体を手で正確に写すときの話だと思うので、結局どちらも手書き字体に印刷字体を合わせた方がいいという主張になる。

まあこれを掲載していたのが独自の簡略字体で批判を受けていた新聞なのでこういった意見だけを選んで掲載したという可能性がないわけでもないのかもしれないけど、さて、実際にはそれほど漢字は正確に書かれているものなのだろうか。また、世間の実態に合わせて手書き文字は印刷活字に生かされているのだろうか。

1970年前後まで世間は所謂{いわゆる}安保闘争で揺れていた。学生運動の盛んな大学では立て看板にいろいろなアジテーションを書き殴って闘争をいよいよ盛り上げたものだ。

この立て看板、通称タテカンに使われた文字は一部で「タテカン文字」と呼ばれる独特なものだった。何というか、漢字を変形させて万葉がなからひらがなを創り出した手法と漢字の一部を借りてカタカナにした手法とを併せて、さらに金釘流{かなくぎりゅう}宗家直伝{じきでん}の筆致に乗せたような文字だ。たとえば機動隊の「機」を「機」と書いたり、全共闘の「闘」を「斗」と書いたりするのわけ。

そんなタテカンの中に「慶應大学」を「慶應大学」と書いたものがあったそうである。赤塚不二夫だったかの漫画に「KO大学」というのが登場したが、これはその一段上を行くものだ。これなんかは、まああまりに奇抜すぎて一般受けはしないかもしれないが、私信にちょっと使ってみるなんてのはいいかもしれない。

そういえば、子どもの頃に母から草書で「喜」は「喜」、「嘉」は「嘉」と書くと教わった。七が二つ並ぶから七十七歳のお祝いを「喜寿」というのだ、と(「広辞苑第四版」には「喜」は「嘉」だと書いてある)。また、「門」は手書きでは一般的に「門」と書かれることが多い。これとさっきのを併せると、今年のNHK大河ドラマの登場人物は「徳川慶喜」と「伊井嘉門」となる。

疲れてきたので先を急ぐが(うう、某氏みたいな進め方)、「慶」はともかく、草書や「門」が活字に取り入れられたという話はあまり聞かない。

それから、「質問」は「貭問」、「第一回」は「第一回」、「研磨」は「研磨」、「廃止」は「广止」などなど、いずれも手書きではけっこうな頻度で使われると思うが、新聞で活字になったのを見たことがない。常用漢字表という規範があるからというのかもしれないが、それなら表外字には康煕字典{こうきじてん}という規範があるわけで、手書きだとこう書くことが多いから表外字の部首はこれに合わせたというのもなんだか矛盾を感じる話。

で思い出したけど、実はさっきの「貭」は既にJISに入っている。第2水準のコード番号6C44「」がそう。しかし、この字が実際に印刷物やパソコン通信などで実用的に使われているのを不勉強にして見たことがない

まあ結論としては、印刷活字がどんな字体であろうと手書きによる省略は行われるし、現実問題それで流通しているし、また、手書きによる省略文字はいわば普段着で印刷活字は正装、同列に議論するのはちょっと違うのではなかろうか。

98/07/13

新聞電子メディアの漢字−朝日新聞CD−ROMによる漢字頻度表−という本が出ている(横山詔一、笹原宏之、野崎浩成、エリク・ロング 編、三省堂刊)。朝日新聞の紙面とCD-ROMを照合し、JIS外漢字も含めた全漢字の頻度と順位を調べた漢字頻度資料だそうで、この種の調査資料としては約30年ぶりに出版されるものらしい。

「貭」が使われているかどうか調べようとて(失笑)早速注文したが、版元にも取次にも在庫がないらしい。速{すみ}やかなる増刷をお願いします>三省堂様

そういえば「速やか」なんて言葉は子供の頃「キャプテン・スカーレット」というテレビ人形劇のエンジェル編隊の発進シーンで覚えたんだっけ。


では手書きによる省略が全く活字になっていないかというとそんなことはなく、まずひらがな・カタカナ自体が漢字を省略したもので……って、これはちょっと性質が違うか。

代表的なところでは「一ヶ月」「一ヶ、二ヶ」の「ヶ」。これは別にカタカナの「ケ」の小文字などではなくて、「箇」という字の竹冠を半分だけ書いたもの。「一ヵ月」の「ヵ」のほうは「風大左ヱ門」の「ヱ」などと同じく単なる仮名書きでしょう。


なんかつまらない話が続いてますが、これも三週間休み無しのせいかもしれない。

98/07/18

B-right/Vが届いた。BTRON仕様準拠のOSで、ワープロ・表計算ソフト・作画ソフト・カード型データベース・Webブラウザ・かな漢字変換ソフトなどが標準で付いている。漢字はJIS第1・第2水準・JIS補助漢字・6点点字・8点点字・中国語(簡体字)・ハングルなどが使え、年末には東大文学部などが開発を進めているGT明朝6万5千字が追加されて合計10万字が使えるようになるという。

見積もりだけのつもりだったのだが、こっちの頼み方が悪かったため注文と解釈されてしまったので、やむなく購入。うん、事故だから仕方ないね(と、ともすれば吊り上がりそうになる唇の端を必死に押さえるの態{てい})。

早速リブレット70にインストールを試みる。CD-ROMによる供給だけど、B-right/Vが立ち上がるSCSI規格のCD-ROMドライブは限られているということで、起動・登録用フロッピーディスクを作成し、それで登録(所謂{いわゆる}インストール)することにした。

で、リブレットにCD-ROMドライブとフロッピーディスクを同時には繋げないので、PC9821ノートのCD-ROMドライブを利用しようとしたものの、なんだかDOS/V限定のMS-DOSコマンドを使ってるらしく、PC9821からはB-right/Vのフロッピーが作れない

そちらの方は会社のDOS/V機を利用するとして、とりあえずリブレットのパーティションだけは確保しておこうとB-right/V添付のフリーソフトをフロッピーにコピーし、リブレットをWin95のMS-DOSモードで再起動、Aドライブに移動してコマンドを……Aドライブに移動して……移動できない。リブレットのフロッピーディスクドライブはPCカードスロットを利用しているため、MS-DOSモードだとそのままでは認識してくれないらしいのだ。

で、Win95の再インストール時には起動ディスクを使えるのだから、と、リブレットからWin95の起動用ディスクを作成し、パーティション確保用のフリーソフトをそれにコピーすることでこの問題は解決、100MBあればインストールできるという触れ込みなので、とりあえず256MBをB-right/V用に用意した。残り1.3GBにはWin95がそのまま残っていて、設定次第で起動時に二つのOSのどちらを使うか選択できる。

会社のパソコンで起動・登録用フロッピーも作成できた。いよいよOSの登録である。
(続く)


金曜日のNHK総合テレビ「明日を読む」でたまたまTRONを取り上げていた。何ともタイムリー。

情報化が進む中でこれからパソコンでもさまざまな種類の漢字用コードが要求されるようになり、TRONで使える6万5千字が福音になるのではないかという話や、JIS第3・第4水準漢字は他のコードとぶつかって問題になりそうなので見直しが必要だ、というような話など。詳しい話はこちらを参照のこと。

98/07/19

梯子高パソコンで使える漢字が増えることについて、そうなれば戸籍名や住所などが正しく扱えるのはもちろん、原文により近い形でデータ転送やデータ検索ができるようになるし何より表現が広がるということで一人の友人と喜び合い、もう一人の友人とはあまり気にしていない一般の人には迷惑な話だろうなあということで意見の一致を見た。

かな漢字変換システムで、変換する言葉を蓄えておく部分を「辞書」と呼ぶが、以前何かの本でこれはおかしいという話を読んだことがある。辞書なら意味が解説してないといけないという趣旨。本来なら「変換語句データベース」とでも呼ぶべきなのだろうが、いかんせん名付けられた当時は「データベース」の意味の分かる人はほとんどいなかった。言葉が並んでるんなら「辞書」にしちゃえ、てな感じの理系人間の発想だろうという話だったと記憶している。

閑話休題{それはさておき}、そのかな漢字変換辞書の登録語数が最新のものだと10万語とか20万語以上。6千字ちょっとのJIS第1・第2水準漢字でこれである。その十倍の字数となると、えーと、えーと……ちょっと気が遠くなるぐらいの語数になることは想像に難{かた}くない。

たとえば右上の記事は本日付け朝日新聞朝刊のもの。現在のJISでは「包摂」ということで「高」と同じ字だとされている所謂「梯子高」が使われている。最近朝日新聞はどうした加減か常用漢字表外字を結構記事の中で使い、さらに読みが難しそうな言葉にはルビが振ってあって、なかなか読みやすくついでに知らない読みまでわかることがあって助かっている。その割に一面トップが「『破たん』」なんだけど(苦笑)。

てな話はこっちへおいといて、普通の「高」に「梯子高」まで加わると、現在「高」の付いている名字の種類が単純計算で2倍になる。他にも現在同じ字とされている字が別の字ということになると、いよいよ以て大変な話。

さて、漢字が10倍使えるようになるとどんな世界が展開するのでしょう。


てなことで、B-right/Vを登録するに当たって一つの不安がでてきてしまった。GT明朝やそれを使った変換辞書を追加登録するのにHDD容量256MBで足りるのだろうか。

熟考5.38秒、「なるようにしかならないだろう」という結論を得た。

リブレットの電源を入れて、すかさず起動ディスクを差し込む。起動画面は宇宙を思わせる空間で頭上と足下の見えない平面にいろいろな漢字が並んだイメージの間に「B-right/V」のロゴ。かなり渋め。

OS登録画面が出てくるので確認事項を入力。リブレット70に造り付けのマウス代替品・リブポイントでもちゃんとマウスカーソルが動いた。これは助かる。

湯呑み登録が始まると、それまで指差す形だったマウスアイコンがWindowsみたいな砂時計ではなく、湯気の立った湯呑みを持った手の絵になった。コーヒーの紙コップでない証拠に、下に糸尻が付いている。このあたり、実に日本的である。

登録の際、次のフロッピーに交換するときには「ドライブ0のフロッピーを取り出してください」と表示され、フロッピーを取り出すと自動的に「システム登録用フロッピーディスク#nを入れてください」(n=01〜18)とメッセージ表示窓が出て、マウスアイコンが指差し型に。で、フロッピーを入れるや否やメッセージ窓が「システム登録用フロッピー#nの登録中です/しばらくお待ちください。」に変わって、またマウスアイコンが湯呑みの絵に。ディスク交換のたびにいちいちボタンをクリックしたりしなくてすむのはとても楽ちんだ。

フロッピーディスク18枚を小一時間掛かりで登録後、終了ボタンを押すとB-right/Vが再起動……は、早い。MMX120MHzのリブレットで32秒である。

32MBのメモりチェックが終わるまでが14秒、そこから18秒で起動画面が表示される。Win98のOnNowはサスペンド・レジューム機能にすぎないとはいえほんの数秒で再起動するものの、インターフェースが適合していないと効果が期待できないというからB-right/Vの前では靴下はだし(それぐらいは履く余裕がある)かも知れない。況{いわん}やWin98の起動においてをや。

起動設定でB-right/VとWin95を選択できるように設定したあとさらに計ってみると、選択してからB-right/Vの起動終了までが14秒で、Win95のほうはスタートボタンが現れるまでが45秒、HDDの動きが止まるまで(Win95を実質的に使えるまで)が1分20秒。

さてさて、これで使い勝手がよかったらモバイル環境はそっちに移行してしまうかも知れないなあ。
(続く)

98/07/21

会社の周りでは中休みから抜けて平年並みの気温になった梅雨空を秋の訪れと勘違いしたつくつく法師が鳴き始めた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。


B-right/Vはようやく添付の入門書の練習用文書+図形を入力し終わったところ。なかなか軽快に動いていて、Win95と違ってハードディスクの動作音がほとんど聞こえない。まあ某氏によれば私の環境にメモリが足りないだけなのだそうだが、MMX150MHz + 64MBよりMMX120MHz + 32MBの方が動きが軽やかなのだからメモリだけの問題ではないだろう。

シフトキー+矢印キーで範囲選択したり選択範囲を変更したり、コントロールキーを押しながらドラッグするとコピーになったりといった操作はWindowsとほぼ同じ。マックについてはあまり知らないけど、まあ合わせたんでしょうね。メニューバーやツールバーは表に出てないものの、マウスの右クリックでメニューが現れるからそう不便はない。Win系からはあまり抵抗なく移行できるのではなかろうか。

一つ問題なのは、かな漢字変換のときに右Altキーで変換確定なのに、リブレット70には右Altキーがないこと(エンターキーだと確定後に改行が入ってしまう)。とりあえずは変換後に何か一つキーを押して確定したのちにそのよけいな入力を消しているが、やや面倒。それと、取り消しが右Ctrlキーなのだが、これもリブレット70から廃止されている。当面は右クリックでメニューを出して[編集]−[取り消し]を使うしかない。

まあ何にしてもしばらく使ってみるとしよう(って、使ってる時間がないぞ、おい)。

98/07/25

先日、某イベントの打ち合わせのために名古屋国際会議場(あの名古屋デザイン博の白鳥{しろとり}会場)に出かけた。時間潰しに会議場の8月分催物案内パンフレットのセンチュリーホールのところを何気なく見たら……。
8月の催物ごあんない(センチュリーホール)
まあ笑える人は笑ってください。


名鉄電車の御嵩行き急行に乗っていたら、関西弁の若い会社員数人の話し声が聞こえた。

「この電車、どこ行きですのん」
「『御嵩』って先頭車輌に書いてあったやろ」
「そんなんいうたて、見たこともない地名なんかわかりませんやん」

どうやら岐阜県御嵩町に建設予定の産廃に絡む町長宅盗聴事件やら町長襲撃事件やら賛否を問う住民投票やらは中部地区でしか話題になっていないらしい。


ASCII24の7月24日分にB-right/Vの発売元へのインタビューが掲載されていた。それによるとB-right/Vはまだ半完成品で、年末に完成予定のGT明朝が組み込まれることで当初予定していた姿になるそうな。

まあTCP/IPは備えているもののPPP接続はできないし(パソコン通信(ニフティなど)には繋げるらしい)、まだこれからといったところですか。

ところでB-right/Vのかな漢字変換辞書だけど、標準辞書には補助漢字を使った登録単語はないらしい。つまり、JIS以外の漢字はコード一覧などから入力することになる。

GT明朝を配布(有償の予定)するときには、せめて単漢字変換ぐらいはできるようにして欲しいものです。あ、候補が多すぎてコード表から探すのと大して変わらないか。やっぱりある程度の熟語は追加登録できるようにして欲しいなあ。


『新聞電子メディアの漢字』(三省堂)が手に入った。取次にも版元にも在庫がないと言ってた割に早かった。同時に頼んだ『飛鳥昭雄の大真実!?』(古関智也著、文化創作出版刊)も取次・版元在庫なしだったけど三日遅れで届いた。案外何とかなるもんだなあ。どうにもならなかったのも多かったけど。

でまあ『新聞電子メディアの漢字』。中身は国立国語研究所の調査報告で、CD-ROMになった朝日新聞の新聞記事とその元になった紙面を読み比べて使われている漢字を調査し、JISコード順に仕様順位と使用頻度を並べたものと、使用頻度の多い順に漢字を並べたものが掲載されている。

たとえば、使用頻度トップ3は「日」「一」「国」。特定漢字の使用順位だと「男」は260位で「女」は176位、「父」は690位で「母」は613位。

他にも異体字関係の一覧表やら幽霊漢字・辞書非掲載字の出現状況、秋に新版の出る今昔文字鏡の漢字データを使う方法などが書かれている。

漢字に興味のある人は必見。


確かに部屋の状況を考えたら液晶ディスプレイは必須……って、何言わせんのど>朋輩

98/07/27

おっと、肝腎の「貭」。『新聞電子メディアの漢字』で区点76-36を調べてみると、紙面・CD-ROMとも順位なし、使用頻度0。早い話が使われていない。なんだ、手書き文字を尊重する訳でもないじゃないか。

そういえば、とある業務用ソフトの中で改行幅を指定するところに「行」と書いてあったっけ。「巾」が常用漢字表から外されている関係からか常用漢字である「幅」を使うことが多い現在、勇気ある行動と称えるべきかもしれない。


忙しさにかまけてNN4でのチェックを怠っていたら表示のおかしいところがでてきていた。

NN4
IE4
NN4-1 IE4-1
NN4-2 IE4-2
NN4-3 IE4-3

なんで同じファイルの表示がこんなに違うんだろう。傾向としては、NN4ではスタイルシートで改行幅を指定してしまうと状況の如何{いかん}に関わらずそれを墨守するみたいだ。もっとも、最初の例の下5行は一つの段落なのに各行の位置がまちまちで、法則性が見いだせない。対応の仕方がわからないので表の看板から「NN4対応」の謳い文句を外すことにする(泣)。

98/07/29

ということで、NN4向けにちょっと変更してみたけどどうだろう。振り仮名の問題は……来月考えよう。

98/07/31

『週刊文春』掲載の「お言葉ですが…」は先週から「臥薪嘗胆」シリーズ。といっても高島先生が臥薪嘗胆しているのではなく、「臥薪嘗胆」にまつわるあれこれの紹介。先週は、『史記』および『呉越春秋』には「嘗胆」はあるが「臥薪」はなく、「臥薪嘗胆」という語ができるのは史記等より千年ものちのことである、という話。

で、今週は、それなのになぜか日本を代表するような辞書にさえ「臥薪嘗胆」の出典が『呉越春秋』だと書いてあり、その基本は諸橋大漢和の既に削除された記述だという。さらにその記述の出所を追いかけて……。

で、偶然にも『週刊文春』今週号と同じ日に書店に並んだ横山光輝著『史記』(小学館)第2巻の収録エピソードの一つが「臥薪嘗胆」。ストーリーは呉の夫差が父の仇を忘れないために薪の上に臥し、越の勾践が会稽の恥{かいけいのはじ}をすすぐために苦い胆を嘗めて屈辱を思い出した、となっているが、そこまで描いていきなりこんなナレーションが入る。

将来のために苦労に耐えることを「臥薪嘗胆」薪に臥し胆を嘗めたというが、史記では「嘗胆」だけで十八史略によって成語となった。この二人の故事から由来したものである。


それがわかってるなら『史記』というタイトルの作品に「臥薪」を入れるなよー>横山光輝

しかし、そこいらの辞書より漫画の方が当てになりそうというのもなんだかなあ。人に「辞書を引け」というのはかなり危険な行為なのかも知れない。

辞書といえば、『今様こくご辞書』(石山茂利夫著、読売新聞社)という本を見つけた。読売新聞日曜版に連載していたもので、さまざまな言葉について「国語学者の方が読んでも参考になるレベルの材料を少なからず盛り込めた、と自負」するぐらい「資料を漁り、用例を集めた」そうだ。さらに代表的な国語辞書十九種を調べる一方、辞書の編者十三人にインタビューし、辞書を作る立場の人の見解を紹介しているという。

とてもおもしろそうなのだが、読み終わるのはいつになるだろう……。


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庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp
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