とぜんそう2001年12月分

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01/12/02

i モードの「The News(無料)」というところには「新聞コラム」というコンテンツがあり、最近まで毎日新聞「余録」、讀賣新聞「編集手帳」、産經新聞「産經抄」のみっつが並んでいて、たまに読み比べて楽しんでいたのですが、きのう覗いてみたら讀賣新聞の「編集手帳」が消えておりました。

フジサンケイグループによる横浜ベイスターズ・ヤクルトスワローズの株式所持問題をナベツネ氏が指摘したことで横浜ベイスターズ筆頭株主移動が白紙撤回されたことが関係しているのでしょうか。


「クイズ赤恥青恥」のサイトで「カテゴリー別問題集」に「漢字の読み」があったので眺めていたら、『●「杜撰」を読んで下さい。』という 問題が2回出てきました。身をもって杜撰を体現しているわけですね。なかなか奥が深い。

ついでに11月16日の『三重県は何が三重なのでしょう?」という問題の答えの解説。

 蝦夷征伐の後、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がこの地で「吾が足は三重にまがるほど疲れた」と嘆いたという<古事記>にある記述から起こった地名だと言われています。(略)


古事記の記述をいうならヤマトタケルノミコトは「日本武尊」ではなくて「倭建命」になるような。

01/12/03

【きょうの判明】
あの、名前だけが知られて実体のわからなかった発明品「ジンジャー」の正体がわかったようです

もうちょっとおもしろいものかと期待してたのですが、最終評価は実物を見てからにした方がいいのかしら。

01/12/10

【きょうの残念】
いまごろになって妖怪根付をぼちぼち集めはじめたのですが、すでに第1期が8月下旬から売られていたのね。忙しいさなかで全然気づきませんでした。

ちなみに当地で現在手に入るのは「陽の巻」で、これは11月19日から「西日本」で売られているもの。フルタ(本社:大阪)から見ると名古屋は西日本なのですね。

ということで、カップうどんの東西ではなくてプロ野球二軍のイースタンリーグ・ウェスタンリーグの分岐点に近いようです。だから星野氏も同じ西日本の球団に移るだけで以下略。


【きょうの執念】
それでもなんとか分福茶釜の赤と天然色だけは確保。


【きょうの情念】
ろじぱらは他人の日記をパクったのか?(ネタ元はちゃっとマスター12月7日分の「雑記」)

うーん、日付を操作してまで他人のネタをぱくらねばならなかった心情っていったい……。てなことはおいといて、ちゃっとマスターおもしろすぎ。こっちのネタ元はお笑いパソコン日誌でした。


【きょうの妄念】
『新世紀エヴァンゲリオン(7)』(GAINAX原作、貞本義行漫画、角川書店)、
『柳生十兵衛死す(参)』(山田風太郎原作、石川賢作画、集英社)、
『すごいけど変な人×13』(唐沢俊一+ソルボンヌK子、サンマーク出版)、
『「競売」マイホーム激安購入術』(夏原武、宝島社新書)、
『ザ・歌舞伎町』(夏原武+鎌田和男+小川隆行、宝島社新書)、
『地ひらく 石原莞爾と昭和の夢』(福田和也、文藝春秋)、
『真性活字中毒者読本 版面考證/活字書体史遊覧』(小宮山博史・府川充男・小池和夫、柏書房)、
DVD-BOX『探偵物語』、
DVD-BOX『大魔神封印函』など。

ほんの一週間ほど書店に行かなかっただけでこんなに反動が出るとわ。しかしいつ消化するんだろう……。

01/12/11

【きょうの中日新聞】
さっそくどこそこの愛子さんちの表札が盗まれたという記事もおもしろかったけど、経済面のルポもなかなか。

こっちの地元の大手企業・某 T 自動車では、新車ラッシュのため技術系の社員が深夜に及ぶ残業や数百もの評価事項をこなしているうち休日も仕事のことが頭を離れず、上司と顔を合わせれば「成果を出せ」といわれるうちについには鬱病で入院したり、組合の手前もあって「サービス残業」で足りない人手や時間を補っているのが社長に知れたりして、たいへんなのだそうです。最近になってようやくよその会社から応援が入り、鬱病で入院した社員が「会社もやっとわかってくれたのかな」と安堵した、みたいに記事を結んでおりました。

大手企業はとりあえずそれですむのでしょうけど、「よその会社」のほうはどうなんでしょう。協力するからにはへたな人材は出せないだろうし、そうなればそっちの会社の戦力がそのぶん少なくなるわけで。当然記事はそこまで触れてはいない。

まあ大手企業に恩と顔を売っておけるし、このご時世で仕事がないからかえって助かるというところもあるんでしょうけどね。

ちなみに、ちょっと前からうちの会社の若い技術者がひとりその大手企業に出向してたりして。


【先週の忘年会】
ひさびさにしゃぶしゃぶ(当然、ギュウ)をたらふく食いました。うまかったー。

でも、ちょっとは頭がすかすかに軽くなって肩こりも楽になるかと思ったけど、あまり効果はないようです(誤解)。

01/12/12

【きょうの危機一髪】
ふと気が向いておもちゃ屋に立ち寄ったところ、ビリケン商会製のフジアキコ隊員のフィギュアが。

超人的な自制心の持ち主である私は必死で視線をそらし、逃げるようにその場を立ち去って事なきを得たのですが、なんとも危険なものが市販される世の中になったものです。

01/12/13

【最近のちょっとした驚き】
最近の、といっても、きのう書き忘れただけなんですけどね。

何ヶ月か前のこと、たまたま聞いていたラジオ番組でパーソナリティ同士のこんなやりとりが(記憶によっているのでだいたいこういう感じ、程度です)。

「今度の勝負は俳句にしよか」
「おれ俳句と標語の違いがよくわからないけどどういうのが俳句なの?」
「たとえば『古池や蛙飛び込む水の音』とか」
「うん、それは俳句だね」
「『雀の子そこのけそこのけお馬が通る』とか」
「それは標語」
「えー? これは俳句でしょ」
「いや、標語でしょ、それは」

まあタレントに教養を求めるのは政治家に徳目を求めるようなもので、いうても詮無きことかと思っていたのですが、きのう聞いた同じ番組でこの標語男は相当の量の本を読んでいて、しかも職業は構成作家と判明しました。

本をたくさん読んでいるからといって俳句に詳しくなるわけでもないとは思いますが、それにしてもこういう人間が台本書いた番組が電波に乗ってるのかと思うとちょっとうすら寒いものを以下略。

それとも世の中こんなものなのでしょうか。

01/12/16

【最近のちょっとしたしあわせ】
子供のころから「サヨナラだけが人生だ」という言い回しを折に触れて見聞きしたものですが、いまごろようやく出典がわかりました。

『週刊文春』連載の「お言葉ですが…」(高島俊男)によりますと、江戸時代に潜魚庵中島魚坊という人が『唐詩選』の五言絶句七十数首を臼挽歌という俗謡のスタイルに訳して本を出し、巡り巡ってこのコピーを目にした井伏鱒二が十首をとって「田園記」として発表したところ好評だったので次に「中村健藏に」でこんどはほとんど自分で訳し直した七種を出したもののうちのひとつなのだそうで。

もとは「勸酒」(宇武陵)で、原詩は以下の通り。

勸君金屈巵、滿酌不須辭、花發多風雨、人生足別離


で、井伏訳がこれ。

コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトへモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ


こういう長年の疑問に回答が見つかるというのも本を読む楽しみのひとつですね。ああ、すっきり。


先日の朝日新聞「天声人語」より。

 1年を振り返る時期だが、今年は、いろいろなことが何も片づかないままここまで来たような気がする。住友生命が募集した恒例の「創作四字熟語」の当選作を借りて振り返ってみると。
(略)
 わが国初めての狂牛病が確認されたのは22日だった。世間は一時もっぱら「関話牛題」である。行政の対応のまずさが「被害牛騒(もーそう)」を招きもした。


まだいうか。「一時もっぱら本題に戻る」ってのはどういう使い方なのだ。


唐沢俊一の裏モノ見聞録第55回より。

(略)その他、お包み、きつね、きぬかつぎ、虚無僧、こもかぶり、さといも、すっぽん、すぼけ、どてら珍宝、頬かぶり、みのむし、目無し棒、らっきょうなどなどといった語彙にいとまがない。


枚挙してるわけではないのかしら。まあ意味は通じるのですが。

ナニについての話題かは自粛。

01/12/23

【中日新聞投書欄・其ノ壱】
きょうの投書欄に「心が広いドラゴンズファン」というタイトルがあったので、ドラゴンズファンにも阪神・星野監督を容認している実例は多いのだ、てな話かと思ったら、「ここは一番、ドラゴンズファンも心を広く持ったほうがいいのではないでしょうか」みたいな内容。

内容とタイトルの乖離にしばし呆然。


【中日新聞投書欄・其ノ弐】
きのうの投書欄に35歳主婦から最近の中東情勢に関するご意見が。

(略)この長い歴史の中で、どれだけ多くの人が犠牲になったことだろう。特に、エルサレム旧市街は、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の三つの宗教が混在し、それぞれの信者がそれぞれの神を信じて祈りをささげている街である。このような聖地で、紛争が繰り返されていいのだろうか。皆、神の前では同じ人間ではないか。(略)


この場合、「神の前では同じ」というのは三つの宗教のうちどの神のことでしょうか。

いや、元をたどればひとつなんだけど、この人は「それぞれの神」があると認めてるわけだし。


【中日新聞投書欄・其ノ参】
これもきのうの投書欄。高齢の実母と車いすの奥さんの介護に明け暮れる人と同窓会で再会した78歳男性から。

(略)彼は趣味のアマチュア無線のほか、最近はパソコンにも熱中していると目を輝かせて語った。日々の介護にめげずに新しい時代を力強く生きる T 氏に、私は「日本の老人力」を見たように思って力づけられた。(略)


「老人力」というのは、本来なら忌むべき老人の特色を都合よく解釈するいわゆるプラス思考の一種のことなのですが、いつのまにやら「老人にもこんなに元気があるんだぞ」みたいなつかわれかたで定着しちゃってますね。

01/12/28

【きょうのクイズ】
ようやく年賀状が片づきました。毎度のこととはいえ、やはり今年も「もう少し早くから始めてれば」という反省で幕。

ところで、年賀状に付き物の干支えと、まあ最近は十干まで書くことは少なくてたいていは十二支だけなのですが、この十二支の中に実在が確認されていないものがふたつあります。ひとつは「辰」ですがあとひとつは何でしょうか?

答えがわかったかたは……かなり○○○○○な性質をお持ちと思われます。


『細腕三畳紀』(あさりよしとお、講談社)、
『キックの鬼(2)猛虎編』(梶原一騎原作、中城けんたろう作画、道出版)、
『キックの鬼(3)大鵬編』(梶原一騎原作、中城けんたろう作画、道出版)、
『アグネス仮面(1)』(ヒラマツ・ミノル、小学館)、
『暗殺鬼フラン衆伝 ユーラシア1274』(石川賢、小学館)、
『古今集・新古今集』(大岡信、学研 M 文庫)など。

01/12/30

【きょうの物欲】
音が出てプロペラが回って灯火類が点灯する零戦だそうです。欲しー。


【きょうの書評】
きょうの朝日新聞投書欄は書評委員だったかの今年の三冊。中で東大の坂上教授が今年の第1位に挙げていたのが先ごろ8刷まで増刷された『漢字と日本人』(高島俊男、文春新書、私の感想文はこちら)。

あんがいこの本が JIS 漢字コードを批判してるあたりを気に入ってるんだったりして。


ということでことしはこのあたりで。みなさん、ええ年取って。


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