とぜんそう2003年7月分

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03/07/02

きのうの朝日新聞「ポリティカにっぽん」にはかなり腹が立ちました。

劇団四季のミュージカル「李香蘭」の中で軍の参謀と新聞記者とでマスコミが率先して開戦への機運を作っている様子を話し合う場面があるのですが、それについての感想がこれ。

 いやだなあ、新聞記者がお先棒を担いで戦争をあおり立てていった歴史は身が縮む思いがする。一方で、映画「スパイ・ゾルゲ」で描かれる尾崎秀実のような信念の新聞記者も、桐生悠々のような反骨の記者もいたのだが。


自分たちの所属する組織が我が国を戦争へと導いていったことを謝罪するでもなく反省するでもなく「いやだなあ」ですますとはいったいなんなんでしょうね。おまけにあまり表に出てこなかった(出てきてれば戦中の新聞の論調がああなるわけはない)少数の記者をひっぱり出して相対化をはかる卑劣。

それでいて自社の主張は過去を反省してアジアの人々に謝罪せよ、補償せよ、だもんなあ。今後は朝日がそういうことを書いても「いやだなあ」でことたりるわけだな。


言葉が間違って伝わっていくのには、ほかにもわざと崩したつかいかたをするのとかいろいろありますけど、まあそのへんは略、と。

で、最近見かけた「人まね」というよりは「猿まね」といいたくなるような例。

よく新聞記事やニュースなどでつかわれる「ショックを隠しきれない様子だった」とか「怒りを隠しきれなかった」などの表現がありますが、なぜ隠しきらなきゃならないのか、隠しきれたらどうだというのか、まったく意味がわかりません。これほど気色悪い表現も滅多にありませんが、百歩譲って、ほんとにショックを受けているのか、実際にはどのぐらい怒っているのかを取材側が推測するしかない場合はまあこういう記述もなくはないという解釈もできないこともないでしょう。

情けないのは、最近自分の感情を「〜ということに対して私は戸惑いを隠しきれない」などと書く人がぼちぼち出現していること。誰に対して隠しきる必要があるのやら。素直に戸惑えばいいじゃないの。

新聞やニュースが考えなしに流すみっともない表現をもったいをつけたありがたい言い回しだと感じる人がじわじわ増えていることに驚きを隠しきれません(つるかめつるかめ)。


もうひとつ「猿まね」言葉。

ファストフードから広がったのだと思うけど「お持ち帰り」というやつ。テイクアウトの日本語訳ですね。

店員が「お持ち帰りですか?」とたずねるのは当たり前ですが、けっこう多いのが注文する側が「お持ち帰りで」という例。

大阪人(男性)を見分ける方法のひとつに、えっちな本などを見せて「こういうの、おきらいですか?」と聞いてみるというのがあるのだとか(「探偵ナイトスクープ」より)。たいていの大阪人(男性)は「お好きです」と答えるそうですが、このばあいの「お」とは違うようです。

自らの行為に対して敬語をおつかい遊ばすあなたはいったい何様?

03/07/04

今日の朝日新聞投書欄、危うく口に入れた晩飯を吹き出してしまうところでした。

年配の女性からのご意見なのですが、アンマンの空港での一件で毎日新聞社を懲戒解雇された元記者について、責任はすべてクラスター爆弾をばらまいたアメリカにあり、元記者は被害者だ、という趣旨。

この人にかかると、ヤマト運輸での砲弾爆発事件は自衛隊にすべての責任があり、宅配小荷物に爆発物を入れた人間は被害者ということになるのかもしれない。

それにしても、朝日新聞はこんな情けない意見まで使ってあの元記者をかばいたいのでしょうかね。

03/07/11

今週の週刊文春「お言葉ですが…」の話題は誤変換による誤植。

一番最後のがやはり一番おもしろく、本来「奉行」であるところを「奉公」にしてあったそうな。「奉行」の読み方がわからなかったので「ほうこう」で変換してしまったのだろうと推測しておられます。

今は奉行なんてわかる人はいないだろうからしかたない、みたいなむすびでしたが、冬になると少なからぬ鍋奉行が出没しますよ、高島先生。


で、この話題に花を添えようというのか、今日の朝日新聞投書欄のタイトルのひとつが「戦争責任への謝った歴史観」。

むろん本文は「誤った歴史観」になっているのですが、この投書の主の主張は、日本軍が敗北したことがアジア諸国が現地の抵抗勢力によって植民地支配から独立するきっかけになったというもの。これに異を唱えるのは「誤った歴史観」なのだそうです。

なぜ日本軍が負けると欧米の植民地支配からアジア諸国が独立することになるのかもうひとつよくわかりませんでしたが、たぶんこのように考えてしまうこと自体誤っているのでしょう。逆らわないほうが身のためと思うのでごめんなさいと誤っておきます

03/07/15

坂口祐三郎、というよりも仮面の忍者赤影が亡くなりました。まあ中には某スポーツ紙の某占い以下自粛。

おもえば時代劇にいきなり怪光線を発する魔神像だの巨大な蝦蟇だのを登場させて度肝を抜いたかと思えば、それを迎え撃つ主人公はスーパーマンさながらに空を飛んでロケット弾を放ち、しまいには通信機さえ使うというハイテクぶり。

荒唐無稽と片づけるのは簡単ですが、そのそしりを跳ね返す楽しさを味わわせてくれた傑作番組でした。

思い出は今も心に焼き付いています。ありがとうございました。安らかにお眠りください。


今日の殿下様沸騰の日々『てめーらなめんなよ』に「朝日新聞と同じく自らの主義主張に反する投稿が朝鮮新報に掲載されるはずもないから」と書かれておりましたが、少し前の朝日新聞投書欄には「世の中をよくするためなら教育基本法に国を愛する心を入れるのもやむなし」とか「戦争を放棄する憲法を掲げていれば他国から攻められることはないという理屈はおかしい」といった意見も掲載されておりました。驚くべきことにしばらくしてもこれらに対する有効な反論はなし。こういうこともあるんですね。

朝日新聞も変わったのかな、と思っていたら、最近はまた「憲法には『武力の行使はこれを永久に放棄する』と書いてあるのに」という趣旨の、あからさまな引用ルール違反まで使ったイラク特措法批判が載っていたり(投稿者も担当編集者も日本国憲法第九条をまともに読んだことがないという可能性はありますが)。

第18光洋丸やからしまにまつわる報道でも垣間見えるとおり我が国の報道機関はもはや救いようがなくなってしまったのでしょうか。

03/07/17

北陸では今月に入っても暖房器具を使ったという話が伝わってくるというのに、こちらでは今日この夏初めての油蝉を目撃。夏本番近し。デジカメで写真も撮ったのですが、あまりにわかりづらいのでパス。

にしても、どうして私のデジカメで撮った花は色が薄く写るのでしょう? 特に紫系。


第1巻発売以来愛読している『Dr.コトー診療所』がいつのまにやらテレビドラマに。

でも原作のイメージが崩れるのがいやで見ていません。知り合いの女子大生はおもしろいと勧めてくれるのですが。時間もないし、どうしよう。

03/07/26

いや、天下の『週刊少年マガジン』の表紙に名前が載るぐらいなんだからそりゃ2ちゃんねるで叩かれもしますぜ、旦那。


ネタに困ったときは朝日新聞投書欄でお茶を濁しましょう。

先日掲載された37歳アルバイト女性のご意見。

アメリカでアニメが放映される時、子供たちに裸体を見せないように日本では裸のシーンで孫悟空が下着を着けているそうです。日本の性教育を女性と子供の側から見て考え直してほしい。


アメリカで孫悟空が下着を着けているのは少なくとも子供たちに見せないためだけではないと思いましたが。どちらかというと(自粛)の大人に(自粛)な気持ちを起こさせないためではなかったかと。そういう観点からするとまだ日本の方がまともなのかも。


こちらは75歳無職のかた。

 辻元清美前議員が今頃になって逮捕され、大々的に報道されている。まるで国民の金を詐取したような扱いだ。しかし本当にそうなのだろうか。


この人、何が原因で辻本清美が議員辞職したのかわかってるんでしょうか。また、毎度のことながら朝日新聞はなぜこんなものを平気で載せるのでしょうか。担当者はこの人に個人的な恨みでもあるのかしらん。

03/07/30

7月も終わろうというのにまだ自宅ではこの夏一度も冷房を入れてません。早いときは6月中に入れることもあるのに。

こんな異常気象が起こるのも阪神が以下略。


零式艦上戦闘機ゼロ/ゼロ戦21型&52型“世紀の競演”入手。

思った通りインタビューは CAF(南部連合空軍)のパイロット相手でした。ちなみに以前ビデオテープで販売していた内容に52型の分を映像特典としてつけたものだそうです。


先日の朝日新聞夕刊の連載『私の「寄席」遍歴』にこんな部分が。

若い作家が、古今亭志ん生の思い出を記したくだりに、「高座で脱いだ羽織をいせいよくほうり投げたのがかっこよかった」とあったのを読んで、いまや高座で「羽織を引く」風習が失われてしまったことに気がついた。


この後にもう一度「拠り投げる」が出てきたので、少なくとも原稿を活字にした人はこういう字を書くと思っているらしい。あるいは、活字も手書きによる変化を取り入れて変わっていくべきだと主張する朝日新聞では「抛」を手で書くときは「拠」にしているのかもしれません。

2回続けて、しかもルビまで振っているのに単純誤植とも考えにくいし。

03/07/31

ようやくほんとに梅雨が明けたらしい。今年初めて自宅の冷房を入れました。


このところ帰りが遅いためよく立ち寄るラーメン屋でアルバイトの女子大生と一緒に朝日新聞木曜日朝刊のクロスワードパズルを解いていたとお思いください。

「愛媛の旧国名」(カナ2文字)という横のカギに悩んでいるので「みかんにも名前が付いてるよ」とヒントを与えたところ即座に「ポン」と答えた女子大生も相当なものですが(「ポンの国」ってなんだよ)、「阿波」「土佐」「伊予」「讃岐」はすぐさま出てきたのに「愛媛」「高知」「香川」で止まってしまった私もかなりのものです。

十円拾って徳島県の皆様、ごめんなさい。


そんな事情(ええと、毎日帰りが遅い、というほうですね)に加えて古い IME の入ったパソコンとインストールメディアが文字通り「埋没」しているため「光栄/兵」(by MS-IME2002)の件はちょっとお待ちください>お笑いパソコン日誌


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庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp