やまいもの雑記

鉄腕バーディ

ゆうきまさみ・著
株式会社小学館・刊
1996年8月15日初版第一刷
定価1200円
ISBN4-09-124821-7

月刊の『別冊少年サンデー』に連載していた漫画。「究極超人あ〜る」(『週刊少年サンデー』)とほぼ同時期か先行してたから、えーと……とにかく古いです(笑)。買って三ヶ月ほど積んであったので「積ん読書庫」の方でもいいかと思ったのですが、こっちにもそろそろ何か入れておかないと恰好が付かないので(苦笑)。

作者のゆうきまさみとのつきあい(読者としての、だけど)が始まったのは、今は亡き『月刊OUT』。アニパロ特集号かなんかで、岩崎摂とか浪速愛とかと一緒に見かけたような(すでにうろ覚え)。たしか「墜ちた偶像」だったと思うけど、日本サンライズの美形悪役三人衆(?)ガルーダ(「超電磁ロボ・コンバトラーV」)、プリンス・ハイネル(「超電磁マシーン・ボルテスV」)、プリンス・リヒテル(この名前いい加減)(「闘将ダイモス」)がシャア(「機動戦士ガンダム」)のポスターにペンキを塗ってるところをプリンス・シャーキン(「勇者ライディーン」)がたしなめるという、実にそれもんの漫画でした。

その後、「伝説巨神イデオン」の映画製作に「旋風メカ・ザブングル」やら「機動戦士ガンダム」やら絡めたパロディで大いに笑わせてもらい、「時をかける学園(ねらわれたしょーじょ)」で「うわぁ」と顔を赤らめ、気が付いたら小学館の雑誌で「鉄腕バーディ」と「究極超人あ〜る」が始まってたようなそうでもないような。

さて、「バーディ」の話の方ですが、天才犯罪者・クリステラ・レビを追って地球にやってきた宇宙連邦警察の捜査官・バーディが、誤って地球人の少年・千川つとむに致命傷を負わせてしまう。バーディはつとむの命を救うために体細胞をつとむと合体させ、つとむの日常生活を全うしながらもレビを追うという、奇妙な二重生活を始める。

とまあ、簡単に言ってしまえば発端は現代版「ウルトラマン」ですな。宇宙怪獣ベムラーを護送中に逃げられ、それを追って地球に来て、誤って科学特捜隊員・ハヤタを死なせてしまって、やむなく(?)ハヤタと合体して地球にとどまったウルトラマンとほぼ同じ設定。もっとも、その後はバーディとつとむのひとり漫才(?)が展開されて、なかなか楽しいのですが。

実は雑誌掲載中に第一話を見逃してしまい、この二人の合体のいきさつを今回単行本で初めて知ったしだいでして、まさか手術までしてるとは思いませんでした。単に行きずりに不定形生物が入り込んだのかと。

で、行きずりに不定形生物が入り込むといえば、平井和正の「転生」。冒頭部分を忘れてしまいましたが、死にかけた人間に宇宙から来た不定形生物が入り込んで組織を補うものの、やがて二人(?)とも危篤状態に。そして……てな話でした。

実はこの「転生」とよく似た話を読んだことがあります。桑田次郎の「怪少年ジュン」(『週刊少年マガジン』掲載。1971〜2年頃)のエピソードのひとつです。時期的にはこっちを先に読んでますね。

事故で瀕死の状態の青年を救うために宇宙から来た不定形生物が組織を補うものの、やがて無理が来て二人(?)とも死んでしまう。一人事実を知る主人公の超能力者・ジュンは、危篤状態の青年の父に青年の幻を見せて安らかな死を迎えさせる、という話です(単行本も見かけないし、まあネタバレご勘弁)。

この二つの話の相似をずっと気にかけていたために、つとむの中にバーディがいるのを見て、あ、不定形生物か?などと考えたのでしょう。

で、バーディとレビの追跡劇ですが、話の進展が(苦笑)。この作者、もうちょっとストーリーがスピーディになると助かるのですが。

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