1 論文題目
高校物理教科書の語彙調査(仮題)
2 目標と目的。
この論文は理数分野における使用語彙の傾向を分析し,その特徴を調査することを目的とする。
また,国内における理工系留学生への日本語教育の一助とするべく,その基礎研究としての役割を果たすよう努力する。
高校物理教科書の使用語彙の分析。およびその使用語彙表の作成。
資料; 分析には啓林館出版の「高等学校物理IB」の教科書を用いる。
@しつもん。
?「物理IBと標準物理IBはどうちがうんですか?」
「標準」のほうが簡単だそうです。
?「物理IBと物理IIはどうちがうんですか?」
「センターにでるかでないか」の差だそうです。
?「「高校教科書の語彙調査」とどこがちがうんですか?」
1 語彙の分析です。形態素まできりません。
2 教科書が改訂されてます。
3 あっちは紙テープです。
(4 語彙表作ります。多分。あと,部,章ごとに分析します)
方法(手段)。
教科書をスキャナで取り込み。(読み込み)
そのままでは絵情報なのでOCRによって文字情報に変換。(入力)
誤字脱字の訂正,節情報の追加等しつつ見開きページごとの書類を作成。(校閲/原版)
誤字訂正,段落単位に切り,各章ごとに統合。(統合版)
「分かれ道だ!」>Word.の文書チェックにかける。(それで終わりにすると,多分怒られる。)
誤字脱字を訂正しつつ,文章単位に切り。
誤字脱字を訂正しつつ,文節単位に切り。
>EXELにかける。(終わるかどうか分からない。)
@分析対象とするもの
分析は教科書本文を対象とし,ノンブルその他についてはもちろんの事,
図表に付されている説明文等についても対象としない。また,付録などについても対象としない。
分析対象の取捨選択に関しては国立国語研究所「高校教科書の語彙調査」を参考にするものとする。
(とくに本文しかやらない言い訳あたり)
@区切り方
基本的に文節区切りとする。
本論文は使用語彙の調査が主目的であり,形態分析が目的ではない。よって,形態素に関する分析は行わない。
また,単位区切りに関しての例外則は国立国語研究所「高校教科書の語彙調査」およびその先行論文である「高校教科書用語調査の言語単位について」 を参考にする。
分析は,各部,各章,各節ごとに行う。物理教科書は各部,章ごとに取り扱う内容が分かれており,これは文部省の高等学校学習指導要領および高等学校学習指導要領解説(理科編・理数編)に準拠している。
よそうと考え。
>各部,各章ごとに主題がはっきりと異なることから,使用語彙には一定の偏差が予想される。このため分析は各部,各章,各節ごとに行う。
>おそらく資料教科書は各部各章ごとに分担して執筆されたものと思われる。このため,部,章の単位で偏差が見られた場合においても,個人の使用語彙の差(書き癖/パロール)である可能性を念頭に置いて分析を進める必要がある。
>逆に,執筆者が異なるにも関わらず,同一の語彙がしばしば用いられている場合,特に部,章を越えて一定の傾向が見られる場合にそれは有意な傾向であると予想できる。
>ただし,(個人的使用語彙の差ではない有意差が認められた場合においても,)教科書に特有の言い回し,語彙等である可能性を考慮すべきである。
(Wordの文書チェックにかけてみました)
@チェック対象; 第4部第1章第1節
@備考;
>段落数には誤差があります。(原文の書式のため/表題・式がカウントされています)
>文字数,文の数には誤差があります。(原文の書式のため/式・記号のカウントが曖昧です)
@同音候補(ex. 電気>電器,電器,電機)以外で
文書チェックに引っかかった単語一覧。(4-1-1のみ)
(「誤字脱字の可能性」「誤用」「(辞書にありません)」等のエラー。)
@考察
「オノマトペだから」>パチパチと
「専門述語だから」>誘電体,荷電粒子,箔検電器
「あきらかに書式がいけない」>(式/(改行))と定められて
#「コハク」について
物質名(動植物名)のカタカナ書きは理科に特有の書式である。
#「(方向)にはたらき」について
文書チェッカーのせい。
文節を切り損ねた可能性/この場合の「はたらく」の用法を知らない可能性。
#「ねじれの(角)」
文書チェッカーが「ねじれ」の名詞的な用法を知らない可能性。
(ためしに三省堂国語事典でひいてみましょう。.......あった。「捻れる;ねじれ(名)」)
ただし,この用法は理数分野に独特のものである可能性を有する。
ex. 「ねじれの位置」