マグライト(ソリテール)の改造
2005.7.20 | 【その4】3灯化 LTC3490コンバータ製作を追加 |
2002.8.31 | 公開 |
はじめに
MAG-LITEシリーズの末っ子、SOLITAIRE(ソリテール)は単四電池一本で点灯するとても可愛いライトで、携帯するにも邪魔にならず何かと重宝するので、キーホルダー代わりにカバンにぶら下げて愛用しています。
今回はこのソリテールのLED化を三種類ほど行ってみました。
【その1】 LED化(12V電池使用)
高輝度の白色LEDに交換する方法はいろいろな方がやっておられ、Webページ等でも公開されているので、ここでは簡単に報告します。
LEDは3φの物がちょうど電球の径と同じなので都合がよいのですがあいにく5φの物しか手元になかったのでこれを研磨して3φにダイエットしました。
足も加工して電球と同じサイズにしておきます。
白色LEDは単四一本では点灯しないので、単四と同径(ただし長さは単五サイズ)の12Vアルカリ電池(23A)を使用します。これは秋葉原で一個70〜100円ほどで購入できます。
LEDの点灯電流調整は定電流ダイオード(CRD)を使いました。12V電池を使うのでどうにか定格動作してくれそうです。
下図のようにスペーサーを作り、その中に定電流ダイオードを内蔵しました。23A電池とスペーサーでちょうど単四サイズになります。
左から白色LED(NSPW500BS-b 3φ化)、定電流ダイオード内蔵スペーサ、23A電池
余談ですが、定電流ダイオード(今回はE-153 ; 標準15mA)は個々のバラツキが非常に大きいです。手持ちのロットでは11mA〜15mAでした。LEDの点灯には最低20mAくらい流したかったので、11mAの物を2本選別して22mAとしました。
花火大会への夜道で使ってみました。ノーマルのソリテールに比べると全体的な光量はやや少ない感じですが、配光のムラがとても少なく白色光であることから、足下を照らしながら砂利道を歩くのに充分役立ちました。
【その2】 3灯化(1)
さらに勢いで5φ(NSPW500BS)の3灯バージョンも作ってみました。 LEDは3個直列。これだと23A電池を使う分には抵抗やCRDの必要はなさそうなので、LED直結です。
むちゃくちゃ眩しいです。 電池の消耗もそれなりに早いですが(^^;
【その3】 3灯化 (2) DC-DCコンバータ使用
マグライトのLED化(その2 Luxeon)で使ったDC-DCコンバータがかなり小さく組み立てられそうだったので、ソリテールに組み込んで単四電池一本だけで点灯させるようにしてみました。
例によってコンバータは結構苦労しつつスイッチパーツの大きさに組み上げて、スイッチの代わりに・・・あれ、入らない?・・・直径間違えちゃいますた(T_T)
コンバータを作り直す元気もなくなったので、ボディの内側を削って内径を広げるはめになってしまいました。すんごく疲れました。もう二度とソリテールに組み込むなんて考えません。ごめんなさい(って誰に謝ってんだおい3φのLEDが幾つか手に入ったので、5灯くらい入れて「InovaなんちゃってX5」にしようかナーと思い試してみましたが、5φ×3灯のほうがどうやら明るいみたいなので、素直にNSPW500BS×3個にしました。スペースの関係で部品を減らさないと厳しかったので電流制限は抵抗のみ(10Ω)として、コンバータは5V出力固定、LEDは3個並列接続としました。
仮組した時に超小型のチップコイルを使ったところ、間違って(許容A数が低いのに負荷かけすぎ?)焼いてしまったので一般に入手できるうち比較的小型の22μHを使いました。
DDコンバータ作成途中を撮影したのが1枚だけありました(^^; 上:コイル
中:左から基板、タンタル、チップ抵抗。コントローラICやFETはまだ取り出していません。
下:元々のスイッチパーツ
どうにか組み立てられました。 部品一式。手前左から、LED、DDコンバータ、ヘッド、テールキャップです。 点灯。上(その1)のA23電池の物と比較してみると、こちらのほうがやや明るいです。 1灯あたり40mA弱でオーバードライブしているのでLED、コンバータとも結構発熱します。
点灯時間と明るさのグラフをとってみました。使用電池は新品のアルカリ単四。
明るさの測定はCdSを使い、その抵抗値で得ました。CdSは照度(lux)と抵抗値の関係がほぼリニアなので問題ないと思います。暗くなってしまってからは、スイッチを切って少し休ませるとまた明るく点灯することができました。
それにしても連続点灯で100分ほどしかもたないとは・・・(^^;
【その4】 3灯化 (3) LTC3490コンバータ
(2005.7.20 追加)
その3で作成したコンバータが動作しなくなってしまいました。製作後は人にお譲りしていたのですが、ずっと携帯してご愛用頂いていたようで全体もかなり痛んでいます。
せっかくですから修理のついでにコンバータも新しい物を製作することにしました。
今回使用するのはリニアテクノロジのLTC3490です。
1セルの電池(最低1Vから)で使えて0〜350mAの定電流動作が可能なため、パワーLEDに特化したコンバータICと考えていいでしょう。
回路図
ICの外付け部品はバッテリーとLEDを除き、コイルとキャパシタ、半固定抵抗のみです。
今回は以前作った5φ×3LEDをそのまま流用する関係でLEDは並列に接続されています。
できれば直列に変更するかパワーLEDに変更するのが良さそうですけど、それほど大電流は流さない予定(計120mAくらい)なので、各LEDへの電流配分も問題ないと思います。コンバータユニット製作に使うパーツはこれだけですが・・・
ICをDFNパッケージ(3mm角)で発注してしまったので作るのに苦労しそうです。
SOパッケージにしたほうが足が生えているので楽でしょうね。仕方ないので、チップにφ0.2線材でワイアリングを行います。ハンダ付け後は足が取れないようにエポキシでモールドします。
何度も失敗して泣きそうになりました(爆+電極基板、コイル、IC、VRとキャパシタの順に立体配線で組んでいきます。
適宜、接着剤を併用して固定しながらの作業になりました。LED側コネクタ+マイナス接点基板でサンドイッチにして配線は完了。 ユニット本体をエポキシ樹脂でモールドして完成。半固定VRは脇から回せるようにして、出力電流値の調整用としました。
今回は120mA定電流の設定としています。
ソリテール改造(その2)へ続く