道楽者の成り行き
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1.じょにーは演奏しなかった

2月12日 ハンブルク その2

GONNER KLANG

Dirigint: Ingo Metzmacher
Klarinette:Rupert Wachtner
Das Philharmonische Staatsorchester Hamburg


Richard Wagner
Tannhauser-Ouverture

Wolfgang Amdeus Mozart
Klarinettenkonzert A-Dur K.622

Bela Bartok
Konzert fur Orchester


本日のお目当ては、CDでしか聞いたことがないメッツマッヒャーの指揮ぶりを実演で確認しようというものではありますが、実際はこの日に見聞きしたい演目が他に無かったという消極的理由もありましたので、このような日本は行かないような名曲コンサートに臨むことになりました。
さて、結論から言いまして、メッツマッヒャーの指揮ぶりは相当なオーヴァー・アクションでした。しゃがみ込むのは日常茶飯事、生きながら伝説と化したクライバー息子のように真横に指揮棒を振ることもしばしばで、あれでオケが拍子が取れるのかいなと言うほど変幻自在な指揮ぶりでしたが、さすがそこは長いこと一緒に演奏してきた州立歌劇場管弦楽団、急なテンポの変化も強弱の変化も見事についていってました。

1曲目はワーグナーの「タンホイザー序曲」、近現代物のCD(例えば「誰が20世紀音楽を恐れるかvol.2」)では今一つ非力の感もある金管も、さすがにこの曲ではいい鳴りっぷリです。しかし、それに負けじ劣らじとヴィオラ・セクションが高い合奏能力と大きいな音を出して、あまり聞きなれない中声部が浮び上がらせていました。

続くモーツァルトのはじまる前にオーケストラの代表からスピーチ、内容は不明。

モーツァルトの「クラリネット協奏曲」滑らかな響きの中、ビールともども心地よい眠りを提供してくれました。

休憩後、バルトークの管弦楽のための変奏曲。精度の高い合奏がドライヴ感に溢れた演奏をひり広げていましたし、さらにいろいろと普段聞き鳴れない響きをヒョイヒョイと掬い上げているので、とても面白い響きを楽しめました。もっとも、前半は寝ぼけ眼で、3楽章くらいからしか記憶にないんですが。

猛烈な拍手の嵐に応えるかのようにメッツマッヒャーもスピーチ、内容は不明。その後おもむろにアンコールを演奏しました。曲目はコルンゴルト「軍隊行進曲」。どんな曲か知らない方は「誰が20世紀音楽を恐れるかVol.2」を聞いてくださいな、武満の作品とならんで浮かんでいます。終わると再び猛烈な拍手とブラボーの叫びが飛び交っていました。


ところで、ホールの2階にはビュッフェとあわせて「これまでの歩み」展的な展示もありまして、ブラームスが2番を演奏したとか、マーラーが5番の初演をしたとか、そういったものを眺めながら、ふと壁に掲げられている胸像群を眺めて気になることがありました。胸像群にはマーラーやハンス・フォン・ビューローと並んでシュニトケがありまして、言わばここの町と縁の深い作曲家・音楽家の胸像を飾っているようでした、さらに視線を動かすと、あと一つ胸像が飾れるようになっていました。誰のためでしょうか?何はともあれ、当分の間はリゲティではないことを祈りたいものです。




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