ちょっとしたぜいたく 2008.07.27

言うまでもないことだが、私は金持ちではない。いや正確には金持ちでないのではなく、貧乏なのである。それも昨日や今日の貧乏ではなく、筋金入りの貧乏である。終戦直後に田舎のビンボーな家に生まれ、ビンボー人に囲まれて育ち、歳をとった今もまだビンボーである。
そんな私であるが、やはり贅沢はする。
贅沢は敵ではなく、贅沢は素敵なのだ。
ベンツだよ
とはいえ私の贅沢とはアルマーニやローレックスを身にまとい、ベンツを転がし、高級なレストランで食べるといったものではない。そういうのも贅沢というのだろうが、なにしろ私はそういう経験をしたことがないので、それが素敵なのか素敵でないのかわからない。

私のちょっとしたぜいたく、あるいはなにかしたあとで少し罪悪感を感じるというのはそんなこととは違う。
本当を言えば罪悪感など感じることはないのかもしれないが、感じるという人間感情を抑えることもできない。

今日は日曜日である。私は日曜日しか休まない、というか休まない日曜日もある。正確には休めないのかもしれない。
さて、ともかく今日は休みで7時過ぎまで寝ていた。窓のカーテン越しに光が入るので寝過ごしたなと感じた。夏とはいえど片田舎、市街地から離れた、いや肥やしの臭いのする田園に所在する我が家は結構涼しい。窓を開けると蝉の声も聞こえる。そんな休みの朝、寝坊することが私のちょっとした贅沢である。

正直言って私は怠け者である。働くのが嫌いだし、混雑した電車で通勤するのも苦痛だ。会社で書類を作るにしても「AはBである」という文章なら簡単だが、美辞麗句を重ねるのは苦手である。それにパソコンのキーボードを叩くのは好きだからまだ苦にならないが、もし私がキーボードアレルギーだったら現在の仕事でも発狂するのではないだろうか?
../sunbath.jpg
怠け者の私の理想は、サンゴ礁のビーチで寝転がり、ひなが一日太陽が動いていくのを眺めることだが・・
そんなことは二日で飽きることは体験済みだ。

それから本棚に読んでいない本があるのも、私にとってはちょっとしたぜいたくである。
私の生まれたところにはまともな図書館もなくろくな本屋もなかった。ときどき親父に買ってもらえる本が至上の宝物でした。三つ子の魂百までといいまして、子供の頃に染みついた考え方、意識というのは歳をとっても変わらないのです。社会人になって毎月一万円くらいは本が買える身分になるとせっせと買い、読みました。でも買った本を読まずに置くほど買えるはずはありません。齢60にして、やっと読むスピードより早く本を買えるようになりました。
公認会計士とかいろいろな資格を持って活躍している有名な女性の方は、毎月15万円本を読んでいるという。 それほど本を買ったら、我が家は破産だ 
着るもの、服が欲しいという発想は全くありませんね。
冬のスーツは2・3着あれば間に合うし、クールビズの現在では夏のスーツは無用、ネクタイは四季を通じて10本あればよい。家内が通販で買う下着類はなぜか丈夫で20枚もまとめて買うと、10年くらいは間に合う。Tシャツは一枚あればよく、海水パンツは毎年1回くらいしか使わないので15年はもつ。
腕時計は一つあれば間に合い、壊れるまで使う。私が社会人になったとき初めて腕時計を買ってから還暦の今まで買ったのは合計6個、平均6年半使っていることになります。
靴は履けば靴底が減るので毎年買うが、何足もはいらない。色違いが二三足あれば十分です。
私はビンボーな家に生まれたのは事実であるが、それを残念とも思ったことはない。そして少しは余裕が出た今でも余分なものは持たないようにしている。だからいつでも、子供時代の何もない昔のような暮らしができると思っている。
最近の日本はみんな贅沢になってしまって、すこし辛かったりすると大変だ大変だという。
そんなこと大変なことじゃありませんよ。
ガソリンが180円で大変だという。私が高校時代1965年頃、リッター50円でした。今はあの頃に比べて高卒の初任給が10倍でしょう。物価が10倍になったならリッター500円でもおかしくありません。当時、車を持っている人はお金持ちだけでした。ガソリンが高ければ車を手放しなさい。
電気代が高いですか? 電気製品を使わなければいいのです。電気釜を使うなとか、テレビを見るなとは言いません。無駄な照明を消しましょう。それぞれの部屋でテレビを見たり、エアコンをつけずに、家族ひと部屋で団らんすればいいじゃないですか?
身の程をわきまえて、お天道様に恥ずかしくないよう人間質素に暮らしくことは十分できます。
    そんなの無理だとか、嘘だとお疑いですか?
    じゃあ、ちょっと確認しましょう。
  1. あなたの家の広さはどのくらいですか?
    私の子供の時6畳と4畳半、風呂も水道もない家に7人が暮らしてました。
    江戸時代の長屋は台所兼玄関の土間を含めて6畳から8畳で、そこに家族が住んでいたそうです。
  2. 車をお持ちでしょうか?
    何ccですか? まさか3ナンバーってことはないでしょう?
    幅が広いだけで排気量は少ないなんて謙遜しないでください。私が子供の頃、軽自動車は車幅は1.3mでした。
    そもそも、私の子供の頃、自動車は身近なもんじゃありません。車どころか自転車が財産でしたね。だから毎晩盗まれないよう自転車を玄関に入れました。
    捏造はいけません
    子供の頃テレビは14インチ
    とか16インチでしたよ
    ● ● ● ●
    私は子どものとき三輪車を買ってもらえず、夜近所から盗んできて大目玉をくらいました 
  3. テレビは何インチでしょうか?
    14インチですか 
    まさか、40インチの大画面ではないのでしょうね?
  4. 携帯電話お持ちですか?
    必需品なのでしょうか?
    携帯持たないと、月々何千円も節約になりますよ。
    ところで、携帯電話がないと暮らしていけない人っているのだろうか?
人間、上を見て生きていかなくてはいけないなんて言う人がいます。向上心は良いことですが、やはり謙虚さを忘れずに下も見なければなりません。

キーボードを叩いていたら、私より遅く起きた家内が「ごはんよ〜」と呼ぶ
ありがたいことだ。遅い朝食をとりながら家内に「日曜日朝遅くまで寝ているのはちょっとしたぜいたくだね」というと、「早起きせずに昼まで寝てればいいのに、大きな贅沢ができるよ」という。
まことにそのとおりで・・寝ていられないのは歳をとったことだけでなく、私が骨の髄までビンボー症だからでしょう。

さて朝食後、居間でゴロゴロして本を読んでいると家内が「アイスコーヒーでも飲まない?」と声をかけてきました。おお、茶受けもあるではないか?
いやあ、極楽、極楽
ちょっとしたどころではなく、これは本当の贅沢というもの


萬太郎様からお便りを頂きました(08.08.14)
庶民の定義
萬太郎です。明日は朝イチの高速バスで靖国神社へ参拝にまいります。
それはさておき、ある公務員のHPに「マスコミがいう庶民の階層とは?」という一文がありました。庶民の定義、小生も示していただきたいですね。
7月のある夕方、定時で帰宅しテレビのスイッチを何気なく入れたら、「物価高の犠牲者になっている年金生活者」というようなテーマの特集をやっていました(確か10ch)。
その中の高齢者という方々の生活レベルがすごかった。本当に苦しい生活をしている年金生活者が見たら、怒り心頭になるのでは? とも思いました。一例を挙げれば、ある老人がスーパーに買い物に行くのですが、そこで彼女がこぼす愚痴。刺身パックを手にすれば「高くなって、滅多に買えなくなった」、牛肉を手にすれば「国産は無理。今夜は豚肉で我慢するしかないわ」・・・。冗談じゃない。小生夫婦は子供がいないので、女房も働いていて同じ年齢層の中でも収入は多いと思いますが、それでも贅沢はしません。牛肉はときどき(もちろんオージー)、鶏肉、豚肉は当たり前。刺身だってめったに買いません。魚はほとんどサンマ、サバ、イワシ程度。そして、買い物をする時間は食材、惣菜が3〜5割引きになる夕方7〜8時です。贅沢が悪いというのではありません。身の丈にあった生活をしろ、と言いたいのです。
当方、車なぞ40歳まで中古の安物を乗りつぶしでした。最近、50代にしてやっと300万円ぐらいの高いものを買いました。もちろん現金です。結婚してからこのかた、家以外で借金したことはありません。欲しいものがあったら、金を貯めて買うのが当家の決まりです。昨日は、2年前から雑音が混じり始めたテレビを買い換えようと、家電量販店に行きました。「DVDも、そろそろ買おうか」と夫婦で話しながら見ていたのですが、あんまり高いので買わずに戻ってきました。セットで買ったら40〜50万円ですよ。こんな買い物、「どのくらいの金持ちがするんだろう?」という素朴な疑問を感じました。苦しい庶民は買えませんよね?
それにしても、食料の4割を捨て、贅沢な買い物をする国民に対して「みなさんは苦しい生活をしているんですよ」と思い込ませるマスコミはどうなっているんでしょうか。彼らの視線はスポンサーだけに向けられているのでしょうか。
飢餓と隣り合わせの人達が世界中に数多くいることを知らせてくれる番組もときどきありますが、大方は「美味・美食」「食べ放題・満腹」「旅行・秘湯」ばかりの毎日。国民はバカになる一方です。外人が「日本は良い国」と言ってくれるのも今のうちだけ。「情けない日本に魅力はない」といわれるのも遠い将来ではないでしょう。困ったものです。
殿、抑えて抑えて! 
残念ながらそのテレビは拝見しませんでした。実を言いますと、私はテレビを見ないのです。
しかし想像はできます。モンスターペアレンツなんて言葉がありましたが、モンスター貧民とか思い込み貧民なのか?
私は高校を出て会社に入って1年間学生服で通勤しました。寿司を食ったのも会社に入ってから。
そういうのを当たり前と思うと、蛇口をひねるとお湯が出る、白米が食える、つぎのあたったズボンをはかなくてもいい、今の暮らしがなんてすごいんだ!王侯貴族の暮らしじゃねと思います。ありがたいことです。
きっとそのおばあさんは感謝という言葉を知らなかったのでしょう。
あるいは足るという概念を知らないのでしょう。

../jfk.gif 私はケネディの「諸君は国家が何をしてくれるかと問うべきではない。諸君が国家に対して何ができるかを問わなければならない。」という言葉が大好きです。最近これは元々上杉鷹山の言葉でケネディが気に入って使ったと知りました。
上杉鷹山は破産した藩の養子になって一生かけて再建した、現在で言えばめざしの土光さんのような方です。
足るを知らねば不満だけが積もります。

しかしマスコミの偏向報道はひどいですね。
久米にしても古館にしても正義の味方のような顔をしてますが、彼らの年俸で庶民の生活を論評してほしくないですね。
おおっと、我が国営放送も年収平均が1400万と聞きます。てめえらの月給のためにわざわざ契約してお金払えるか!
ましてその金をネコババされたのでは・・・・血圧に悪いので以下略

ひとりごとの目次にもどる