ISO事務局評価 2007.11.11

私はISOの3Rと思われているのでそういったスタンスの方からのお問い合わせが多い。
お間違えないように、3Rとは資源保護の3R(reduce、reuse、recycle)ではなく、審査結果のリフューズ(拒絶)、リジェクト(拒否)、レジスタンス(抵抗)である。
しかし本当の私はそのような過激・ネガティブな3Rのスタンスではない。単に見当違い、勘違い、思い違いの審査員にやわらかくコメントしているに過ぎない。
でもって、本日はそういった審査員同様にお門違い、読み違い、寝違えの事務局がないかどうかを考えたいと思う。
つまり事務局の評価である。
事務局といったものの既にISO9001とは縁が遠くなって早10年(ウソ)、とりあえずISO14001事務局の評価の尺度を提供しようと思う。
なお、どなたであろうとこれを引用しようと揶揄しようと勝手ではあるが、必ず出展を明示すること。雑誌に掲載する場合は著作権料をいただきます。 冗談ですよ 

以下の設問に答えることによって、あなたの会社のISO14001のシステムが会社に見合っているか、内部化されているか、バーチャルで無用のものか、事務局がしっかりしているかをたちどころに判定してくれるという優れものである(ウソです)
なお指標の名前をINDEX14001という(カッコイイ)
I :ISOが
N:内部化されているか
D:どのくらい有効であるか
E:評価(Evaluation)した
X:指標(indeX)
もうネーミングからしてばかばかしさ100%です。でも内容は案外まじめかもしれませんよ
まあ、だまされたと思ってお試しあれ
冗談抜きに、以下の設問をみれば私のISO14001規格の受けとめを知ることができるだろう。私はISO規格が会社の仕組みより上位にあるのではなく、以前からの会社の仕組みや仕事をISO規格に当てはめること、足りなければ足りるようにすることと認識している。
だが現実にはISO規格のための活動、ISOに振り回されている会社が多いのではないだろうか?
ISOのための文書、記録を作って何の意味がありますか?
審査員に喜ばれるより、真のステークホルダーに喜んでもらえるのでしょうか?
この設問と評価にご異議、ご質問あれば大いに語り合いたい。



それでははじめましょう。
そうだと思われれば○、違うと思われれば×を選んでください


ななし様からお便りを頂きました(07.11.24)
 なお、ななし様とはお名前を書かなかった方のことです。
事務局の評価について
紙ごみ電気の是非はいろいろ議論されています
いまさらそのようなテーマを取り上げることはないとは思いますが、その一方全員に協力してもらうためには取り上げたいアイテムではないかと思います
この評価はそれなりに面白いと思いますが、紙ごみ電気があると減点というのはおかしいのではないでしょうか
お便りありがとうございます。
確かにおっしゃるとおり、あったら減点というのは無茶ですよね 
まあ、ひとつ遊びということでお許し願いたいですが、まじめな話、紙ごみ電気より大事なことを忘れてはいないか? 考え直すことは必要ですよね。
紙ごみ電気の活動をするより、紙も電気も使っても売り上げを伸ばしたほうが会社にとって重要です。
あなた、取締役とか社長に「今年は紙の節約で30万円費用を削減しました」なんて報告するのでしょうか?
せめて「環境事業を推進して売り上げを2000万伸ばしました」位は言いたいですよね。
まあ、その程度のことですけど・・・その程度って大きな違いのような気がしますよ。

もしですが、環境活動を社長や取締役に報告していないなんてことでしたら、それはもうマネジメントシステムではないでしょうね。


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(08.01.02)
師匠、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
たしかに、中にはどうかなと思われるものもありますが、かなりオモシロイ設問がそろっていると思います。
ちなみに、ウチの現状をありのまま回答してみたところ「まだISOのための活動です」という結果でした。今後の方針と予定を加味して再回答してみたら「ISOを使いこなしています」となりましたが、ウチはまだまだ発展途上ということなのでしょう。
「カミ・ゴミ・デンキ」は、認証取得前か、せいぜい最初の定期審査までが妥当なところではないでしょうか。
これがいつまでも「環境目的・目標」として実施計画に盛り込まれているとしたら、何のためにやっている活動なのかということについて掘り下げて考える必要があると思います。言い換えれば、もし「ISO14001認証」というお墨付きを維持しなくてもいいという状況であれば、それでも「カミ・ゴミ・デンキ」の削減を実施計画として、しかも「社員全員が一丸となって」取り組んでいるでしょうか? ちょっと考えにくいですね。
「全員に協力してもらうためには」とありますが、なぜ「全員に協力してもらう」必要があるのかが私にはよくわかりません。トップマネジメントの意思を、各自が役割と責任に応じて理解する必要性はありますが、それと全員が何か同じ目標を定めて達成するということとは違うことではないでしょうか。

問1 以前認証していたが現在自己宣言にした
問2 審査機関を変えたことがある
この両問は“○”が正解なのでしょうが、“×”であっても不正解とは言えないでしょう。
顧客満足を得る一手段として(もし、それが重要顧客の取引継続条件であれば尚更)ISO14001認証を維持することは○ですし、審査機関を購買先として正当に評価した結果、所定のパフォーマンスを発揮していて自社の購買条件に合致していることが確認できれば変える必要はありません。
また、管理技術が未成熟な組織においては「ISO事務局を職制上の組織として設置」することも必要ですし、環境関連業務の文書作成をISO事務局が行うことは自然です。
例えば法令の順守評価といった非常に重要な要素であっても、ISO14001に触れて初めてその重要性を認識した会社もあるでしょうから、ISOのために手順書を作ったり新たな記録を備えることは何ら恥ずべきことではありません。
師匠が作られた設問の意図は、いわゆる「ISOの常識」とされていることを鵜呑みにしてそのまま業務に適用するのではなく、何のためにやっていて、何に役立たせるのかということを真剣に考え、組織のためになる「ISO」にしなければならないという問題提起にあると思います。
ISO規格との適合性を金科玉条のごとく最重視するのではなく実効性、すなわち「名より実をとることのススメ」がその真意なのでしょう。
ぶらっくたいがぁ様 あけましておめでとうございます。
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りで異議ありません。
ただ問1については私はISO14001は対顧客ではなく、対社会に対するコミットメントですから、第三者認証よりも自己宣言がふさわしいと考えているのは事実です。
飯田市などのように完全な自己宣言ではなくても、信頼性を担保しながら形にとらわれない地域性などを考慮したものがあるべき姿なのではないかという気がします。
問2については、脱帽です。
若干言い回しを変えました。いかがでしょうか?
それと、私は師匠ではありません。お間違えないように

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