汝自身を知れ 08.10.18

この駄文は先日の駄文の最終章の言葉、汝自身を知れの続きである。

私が対面(といめん)で対応するわけではないが、私に相談を持ち込む人の相手が審査員であるために、私は審査員の力量や人間性そして審査員の問題点について書いてきた。しかし良く考えてみると審査員個人が問題ではないのではないかもしれない。先日、認証制度の問題について審査員の責任だと書いたら、認定機関や認定審査員の責任を忘れてはいけないというお便りを頂いた。まさしくそのとおりである。私は視野が狭かったことを反省する。
ということで本日は切り口を変えて、認証機関の幹部について考える。

多くの認証機関の幹部が雑誌や講演などでいろいろなことを語っている。
そんな話を素直に聞くと感心することばかりだ。いやあ立派なことを語っていると感心する。そして彼らの認証機関は審査を申し込んだ組織に対して、ものすごく貢献するようなことをおっしゃる。ありがたいことだ。私のような単純な田舎者はどの認証機関に頼んでも明日にでも品質が良くなり、会社の社会的評価が良くなって、利益がドンドンあがり超一流企業になってしまうように思う。
もちろん、そんなことは絶対にない。 
そんな話や書いたものと審査の現実を見比べると、認証機関の経営者は自分のところの審査員がどのような審査をしているか知らないんじゃないか? 審査員が書いている審査報告書を見ていないんじゃないかと感じるのである。
私が認証機関の幹部や取締役クラスにお会いする機会はあまりないが、そういうチャンスがあれば彼らが自分のところの審査員の力量をどのくらい知っているのか、審査の実態をどのように認識しているのかということを話の中で知ろうと努めている。お話した結果、現場の実態を良く認識されていると思われる方もいるし、現場の実態をよくご存じないのではないかという方もいる。
認証機関の幹部はそれでもまだ審査というものがいかなるものか、いかなる仕組みかを知っているほうなのだろう。
認証機関の幹部が全員審査員資格を持っているわけでもない
大学の先生とかISOの評論家と自称する人になると、もうISO規格の中身も認証制度も知らないで、その効果とか意義を語る人も多い。彼らの話を聞いて信じる人もいるだろうと思うと、体中がムズムズしてくる。人は知らないことを語ってはいけないのだ。
日本のマスゴミで反日や自虐史観を語る人の中にもそんな輩がいて、さらにそんな輩のバカ話を聞いて信じるアホもいると思うと、居ても立っても居られない。
../stpchaina.gif BSEの恐怖からアメリカの牛肉の輸入禁止を唱える人が、中国の現実に危険な食品の輸入禁止を唱えないのはうっかりではなく、悪意としか思えない。
おっと、本日は認証機関の幹部の話であった。
認証機関の幹部はいろいろなところでいろいろなことを語っている。
以上述べたように本日は認証機関の幹部に対して二点を問題提起する。
一つはあなたの認証機関の審査の現実を知っているのかということである。
思い込み、想像、期待だけではいけない。自社の審査員が、審査基準を知っているのか? 審査の場でいかなる言動・行動をしているのか? どのような審査報告書を書いているのか? を知っているのですか?
そして自社のことを知るだけでなく、同業他社と比較して良いのか悪いのか、あるべき水準を満たしているのか? を認識しているのですか?
おっと、審査員だけではない。営業部門、苦情窓口、企業の構成員すべてがお客様のことをどのように考えて、対応しているのかを認識しているのか?ということです。

第二にはあなた自身が会社経営を知っているのかということだ。
顧客満足なんてISOだから重要だなんてことはない。企業が存在することが許されるためには社会から認められなくてはならない。そんなこと350年前に越後屋三井が店を開いたときからの真実である。
そして企業には認証機関も認定機関も入ることを忘れてはいけない。顧客満足を実現できない認証機関は早々に淘汰され消え去るべきなのである。
そしてまた会社経営を知らないで、経営に貢献するなどと大ぼらを吹いてはいけないということだ。ほらでないというなら、経営を知らないで他社の経営に寄与するできることを立証してほしい。


では、本日のまとめ
汝自身を知れ 

お断りしておく、
私は審査の実態を把握し、部下を指導している認証機関の幹部も存じ上げている。



うそ800の目次にもどる