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およそISOのケーススタディで「審査支援」などという表題を見たことがない。でも私は現実にはそういうことばかりしている。まあ実際の経験そのままは書けないから、シチュエーションは大きく変えているが、似たようなことは幾たびも経験している。審査員の名前を付けるに当たって適当なのが思い浮かばず、ご当人ではないが過去に相対した審査員のお名前を付けてしまっ た
笑い話でないのは、これは過去の問題とか架空の物語ではなく、2009年現在起きていることだ。まさにISO審査を受けることは艱難辛苦の人生修業である。
おれは山中鹿之助じゃないぞ!
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青森県の
青森の不法投棄は一段落した。
岩手工場に行政が調査にやってきて、廃棄物処理委託契約書、産業廃棄物管理票(マニフェスト)、業者の現地視察などを点検した結果、法に則り不具合がないことが分かったのである。
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形式犯という言葉がある。殺人や窃盗は人に被害を与えるので実質犯というが、法律で規制している免許不携帯や廃棄物処理委託契約書の要件不足などは誰にも被害を与えない。そういう書類の不備とか手続き上の不手際を形式犯という。もちろん形式犯にも罰則があり、上記の廃棄物契約書の不備などは懲役、罰金がある。
まあ直罰ということはないだろうけど、
そう言った形式上の不備があると廃棄物業者が不法投棄をすると、排出者の責任が追及され、形式犯であっても処罰されることになる。世の中大変である。
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ともかく岩手工場も本社の面々もホットしたのであった。
山田はこの一件で廣井と親しくなれたし、平目の立場も少しは分かったような気がした。
そんなある日、電話が鳴り、山田がとった。
「ハイ環境保護部です。」
「千葉工場の環境管理課の井上です。ちょっとISOのご担当の方にご相談したいのですが。」
山田は平目に電話をつないだ。
「ハイ、平目に代わりました。」
平目は少し話してすぐに受話器を離して廣井に声をかけた。
「廣井君、千葉工場で昨年のISO審査で不適合があったらしいのだが、法律に関わることなので君が聞いてくれないか?」
「はい、どうぞ」
「・・・・わかりました、それじゃ、明日午後、本社の環境保護部においでください。こちらで相談することにしましょう。詳細をお聞きしてから認証機関に同行するか決めましょう。」
廣井はしばらく話した後、そういって電話を切った。
「廣井君、どういうことだったのですか?」平目が声をかけた。
「千葉工場の昨年のISO14001の審査で法規制に関わる不適合があったというのです。」
「そこまでは聞いたが・・」
「審査では2件法違反があるという結果だったそうが、その後千葉工場で調べたところ違反でないことが分かった。それでその旨審査員に通知したそうです。それ以降審査員からなにも連絡がなかったが、来月に行われる定期審査で、昨年の不適合の是正を確認すると通知があった。さてどうしようかということです。」
「つまり法違反か否か問題と、審査での不適合のフォローの問題があるのか?、後者の問題はISO担当の問題だなあ〜」
「平目さん、工場のISO活動の指導もISO担当が行うのですか?」
「山田君、そういう役割になっている。廣井君、明日千葉の課長がここに来るんだね、じゃあそのとき廣井君とボクとが会って話を聞くことにしよう。山田君も出てくれたまえ。」
翌日昼過ぎに千葉工場の井上課長がやって来た。挨拶もそこそこに本題に入る。
「法違反として二件提起されました。ひとつは騒音規制法の特定施設の届け出が漏れているということ。もうひとつは産業廃棄物の契約書が不適切ということでした。
まず、最初の問題はクーリングタワーを1台新規に設置したのですが過去より送風機をたくさん届けていますので、1台増えてもそれ以前の届け出の倍を超えません。だから届け出対象にならないと考えておりました。昨年の審査で片桐さんという審査員が特定施設は1台増えても届け出しなければならないといって、それを届出漏れの不適合としたのです。その後私どもで調べなおしたのですが、多分片桐さんが振動の特定施設と勘違いしたと思いました。
もうひとつの問題は、廃棄物の収集運搬と処分を同じ業者に委託しているのですが、同じ業者ですので当工場では1本の契約書にしています。片桐さんはそれを見て、収集運搬と処分の契約書は別にしなければならないといいだして、やはり法違反の不適合としたのです。」
廣井はニコニコして聞いていたが、井上の話が一段落すると
「なんだ、簡単な問題じゃないか。話を聞くとどちらも法律的に何の問題もない。片桐とかいう審査員にそのことを説明すれば済む話じゃないか。」
「廣井さん、そう思いました。それで審査直後に片桐審査員にその旨の手紙と裏付ける資料を送ったのですが、なしのつぶて。とうとう11カ月も経ってしまい来月今年の審査がめぐって来たのです。そして先方から昨年の不適合是正を事前に出せと言われたのです。」
「平目さん、これは単なる審査上の手続きというかコミュニケーションの問題ですね。とはいえ行けば法律の議論になるかもしれない。井上課長は今日15時から認証機関で片桐さんに会うアポをとっているそうです。こちらから誰か同行した方が良いかもしれません。どうしたものでしょう。」
廣井はそう平目に言った。山田から見ても平目の顔を立てたというのがミエミエだ。
「そうだねえ、法律のことになるとボクは分からないので廣井君に行ってもらうしかないなあ。山田君も同行して勉強してきたらどうかな」
「ハイ、ぜひともお供させていただきます」山田は喜んで言った。
3人が約束の時間に認証機関に行くとすぐに片桐氏が現れた。
「こんにちは、片桐です。」
廣井と山田は初対面なので名刺交換をした後、井上が話を切り出した。
「今日は先日申し上げた去年の不適合の処置についてご相談に参りました。」
「はい、昨年千葉工場さんで法違反があったことですね。最近は認定機関からも法違反があったら認証するなと厳しく言われておりますので、御社のようなことがあると本当は認証を停止しなければならないのですよ。あの件は速やかに是正していただけたのでしょうね。」
なんかだいぶ話が違う。三人は顔を見合わせた。
「昨年審査の直後に私の方から法違反がなかったと書面で片桐審査員宛に送ったのですが、それを御覧になっていらっしゃらないのでしょうか?」
「ほう、そんなことがあったのですか?見ておりませんね。ところで法違反ではないとおっしゃいますが、私どもの法律担当が間違いなくクロだと申しております。」
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郵便の不達率というのは公式には発表されていないようだ。しかし大量に郵便物を出している人がブログなどで発言しているのを見ると、0.1〜0.3%くらいの間と思われる。
書留を使わなければ、その程度の危険率は一般国民は飲まなければならないだろうと私は思う。
しかし過去の審査機関とのやり取りの経験からは、不達率はそれより1桁以上高いようだ。認証機関の近辺はバミューダ海域のように難破しやすいのだろうか?
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「論点がみっつあるようです。まず弊社が送った書類が認証機関さんに届いていないということがひとつ、ふたつめは不適合とされた二点が法違反か否かということ、みっつめはもし法違反でなかった場合の処置ということですね。
はじめの件については正直申しあげますが、私どもでは配達証明とか書留で送ったわけではありませんので、もし貴社が受け取っていないというなら水かけ論になってしまいます。
二点目の問題ですが、騒音規制法については特定施設が倍になったとき改めて届けると法律に書いてありますから、これは議論の余地なく違反ではありません。振動の場合は1台ごとに届けることになっていますが、送風機は振動の特定施設ではありません。それでよろしいでしょうか?廃棄物契約書についても問題ないと考えております。
第三については、不適合でないものを是正はできないと考えています。」
山田は自分と同じくらいの歳に見える井上がしっかりしているなあ〜と感心した。
「昨年の審査で1台増えているのだから届をしなければならないと言った時、あなたは了解したじゃないですか。」片桐も簡単に自説を翻さない。
「そのときは同意したかもしれませんが、審査直後に問題ないことをご連絡したわけです。もっとも、あなたの方では受け取っていないというのですから困りましたね。
じゃあ、片桐さん、こう考えてくれませんか。問題でないことを不適合としてしまった。不適合とされた方は是正処置としてなにをすればよいのでしょうか?」
「それはあなたの方で考えることでしょう」
「
はあ!」廣井が大声を出したので、みな廣井の方を見た。
「いや失礼しました。なかなか面白い論理だなあと思いましたので。不適合としたものが不適合でなかったと判明したならば、不適合を取り消しということはできないのでしょうか?」
「できません。審査結果は私一人で出すものではなく、当認証機関の判定委員会が追認し、認定機関に報告しているのです。あとで間違っていたという修正はできません。」
「でもそりゃおかしいでしょう。間違いは間違いでしょうねえ」廣井はおもしろがっているようだ。
「廃棄物契約書は間違いなく法違反です。」片桐も引かない。
「それも間違いですよ。同じ業者であれば収集と処分を一つの契約書にできるというのは環境省から通知が出てます。それに東京都やその他の自治体は
廃棄物処理委託契約書のひな型をインターネットのウェブサイトなどに示していますが、そこには収集と処分が同じ会社の場合の契約書のひな型もあるのをご存じでしょう?」廣井は呆れたように言う。
「まず論点を整理しましょう。審査で不適合となった二点は法違反ではないということを確認しましょう。お宅で廃棄物の法律に詳しい方がいるでしょうからここに来ていただいて、まずそれを確認しませんか。」と廣井
「いや、そういう問題ではなく、審査の際に不適合として組織側が同意したのですから、その前提で考えていただかないとなりません。」
「脇から口をはさんで恐縮ですが、認証機関は企業からの異議申し立てを受け付けないとならないと聞きました。こうなった場合は私どもは異議申し立てすれば良いのでしょうか?」と山田が口をはさんだ。
片桐は顔面蒼白になった。
「異議申し立ては時効といいますか、期限があります。去年のことを今言われても困ります。」
「ともかく論点をひとつづつ片付けましょう。法違反かそうでないかをはっきりしませんか。当社としても間違っていれば直さなくてはなりませんから。」廣井が話を戻した。
片桐はしぶしぶ携帯を取り出して誰かに電話した。ほどなく白髪頭の年輩の人が現れた。
白髪頭は廣井を見てぎょっとしたようだった。それに気づいた廣井も白髪頭を見つめなおして、わずかにうなづくというか会釈をしたようだった。
「審査部長の新庄です。何か審査の件でご同意が得られないとか・・」
井上が経過の概要を述べた。
「はい、経緯は分かりました。騒音の特定施設は片桐の勘違いと思います。廃棄物契約書についても問題ないということですね。なるほど、私もそれは知りませんでした。では法違反という判定については審査側の間違いだったということになりますね。」
「では昨年の不適合を取り消していただけるのでしょうか?」井上が追い打ちをかける。
「しかし審査の際に貴社が指摘事項をその場で説明できなかったということは事実です。それでは不適合を法規制を参照できる状況にないという4.3.2の項番と変更することではいかがでしょうか?」
新庄はよほど不適合を撤回したくないようだ。
「すみません、論理がおかしくありませんか? 法違反ではないから指摘を取り消してほしいというと、決定されているから取り消しはできないと言い、法違反ではないことが分かったから指摘の根拠を修正するというのはできるというのは新庄部長の論理に一貫性がないようですが」
山田がそう言うと、廣井はホウと感心した顔で山田を見た。
「いやあ、おっしゃる通りですね、審査報告書というのは修正とか取り消しができないのですよ。昨年のことはそのままとして、今年の審査で是正処置を確認しないという運用でいかがでしょうか?」新庄も追い込まれてわけのわからないことを言う。
井上が発言しようとするのを、廣井が止めて
「それでいいんじゃないですか。ではそういう方向で前回のフォローはよろしくお願いしますよ。新庄さん、こんなところでお会いするなんて驚きました。またいろいろとお付き合いがあるでしょうからよろしくお願いします。」
そういって廣井は立ち上がり、新庄に頭を下げて部屋を出てしまう。
あわてて井上と山田もそそくさと新庄と片桐に挨拶して廣井の後を追った。
エレベーターのところで廣井に追いついた。三人はそのまま何も言わずにビルを出て地下鉄で本社まで戻った。
本社に戻ると打ち合わせ場に集まった。
「まあ、よかったじゃないか」廣井が言った。
「わけがわかりませんが、なぜあれでOKと言ったのですか?」と井上。
「別にゼニにならないことをネチクチ語ってもしょうがあるまい。相手も折れたんだから良いじゃないか。おれは井上君が送った資料を連中は見ていると思うよ。ただ諸般の事情で、それを見なかったことにしたのだろう。法規制についても片桐が間違えたにしろ、奴らもプロなんだから我々が行く前に違反がなかったことくらいとうにご存じだろうよ。ネズミだって追い詰めると猫をかむと言うから、正義を通せば良いというものでもない。まあ不適合のフォローをしないならいいじゃないか。」
井上は半分わかったようなわからないような顔をして帰って行った。
「廣井さん、新庄さんとは以前からの知り合いですか?」
山田が聞くと
「そうなんだ、あいつは同業他社にいて業界の公害関係の会合でいつも会っていた。当時は法律も知らずにでかいことばかり語っている男だった。最近、業界団体の会合で合わないと思ったら、認証機関の部長になっていたんだ・・うまくやったというべきだろうか」
「そんなことがあったのですか。
ところで、はじめ片桐さんはあの認証機関の法律担当が黒だと言ってたと話してましたね。法律を知らないで審査員をしているのでしょうか?」
「いや、山田君、あんなことは初歩の初歩だ。片桐が知らなくても普通環境を担当しているものなら常識レベルだよ。あれはハッタリなのか、あるいは内部で打ち合わせてそういうことにしようと決めていたのではないだろうか? 初めは新庄も断固拒否というスタンスだったよね。しかしやり取りをみて、これは言いくるめられないと考えて彼らとしてそうとう譲歩したつもりなんだろう。」
「あのへんが落とし所ですか?」
「山田君、世の中ある程度ナアナアというか妥協で動いているから、自分が正しいからといっても通らないこともあるよ。民事訴訟なんて判決までいくのは3割ちょっとだよ。ほとんどは和解とか当事者同士の話し合いで取り下げというのが現実だ。
君が異議申し立てと言いだしたとき、相手はギョットしたと思う。おれはISOなんて詳しくないが、時効のあるなしに関わらず大きな声でどこそこの認証機関が間違えて不適合を出したと言い出したらあの認証機関は大変困ったことになるだろう。審査員の知識不足、判定委員会の問題、書類をどう扱ったかなどなど、だからまあこの程度でいいんじゃないの」
山田は廣井の考えを完全に理解した自信はなかったが、営業だって出精値引きで損する契約もあるし似たようなものかと振り返った。
しかし待てよ、営業は商売だから駆け引きも戦略的値付けもあるし許されるだろうが、ISO審査で駆け引きとか戦略的判断というのがあるものだろうか?
考えてみよう
・あなたは審査の判定結果に同意できなくても、了解してしまったことがありますか?
もしあれば、どうしてでしょうか?
・その場で不適合を了解したものの、後で不適合ではないという結論になった時、どのようにしていますか?
あるいは、どのようにすべきだと思いますか?
・問題があったとき、長いものに巻かれろとか泣き寝入りしてはいませんか?
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一つ心配事が
いよいよ、認定機関とか認証機関から刺客が送られるのではないだろうか・・
まあその時は坂本竜馬や中岡慎太郎のように大義のために斃れる覚悟を持たなくて は
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まきぞう様からお便りを頂きました(09.10.24)
ケーススタディシリーズ楽しんでます。日経エ○で4年ぐらい前に連載されていた社内恋愛エコ小説なんかの2億倍ぐらい役に立ちます。
その場で不適合を了解したものの、後で不適合ではないという結論になった時、どのようにしていますか?
審査後に「このコメント意味分からなくない?」という議論になることは多いです。まるで暗号解読で審査を受けた者や立会ってた人への聞取りがまためんどくさい。余程でないと皆、審査終わると内容を忘れますので。(いかに業務に貢献しない指摘かという証明ですね)
私は事務局時代、変な指摘があった場合には、「この件はこれこれこういう意図と考えられるが、○○といった理由で、当社では採用しないこととする」と記録して残していました。内部監査でも監査員が前回ヘンテコな指摘をしっぱなしの時があるので、同じ対応をしています。本当ははっきり「無視する」と書きたいのですが。
弊社に来る審査員達はなぜか前年度の指摘、コメントへの確認をしないという「いいっぱなし」の技を持っているため、審査員と議論したことはありません。審査員が前年と同じでも違っていても。
不適合の時は一応確認されましたが、「すでに報告書を出していただいたのでいいです」 で終わりですし。
納得できない指摘の場合は、何らかの機会を作って反論するしかないと思います。
ケーススタディにもあるように、判定委員会に行ってしまうと取り戻せません。できる限り審査時間内で納得できない内容は審査員に申し出て、つぶします。これが弊社では事務局の仕事の一つでした。無意味な仕事のようで嫌でした。
たとえば、廃液タンクを建物ピット内に納めていて、「ピットが割れた時はどうするんですか?どうやって監視してますか?」、「液が土壌にしみ出たかどうかわかるように漏洩検知センサーをつけた方がいいですね」 と指摘されそうになったことがありました。
常に車両や振動機器がすわっているコンクリ床ならいざしらず、タンクが置いてあるだけのピットがそう簡単に割れますか? そりゃこの先30年もすれば劣化してヒビ割れることもあるでしょうが、その前にタンクから漏れなければピットの割れを考える必要はないでしょう。 しかもピット内での液だれは定期的に目視点検をしているのだし。さらに言うなら、仮に液がピットからしみ出たとして、それをどうやって発見できるのでしょう?まさか、点検したい時には毎回ピットのコンクリ床をすべてめくれと言いたいのですか?なんてバカなことを言う審査員だろう、と私もけっこうムキになりました。休み時間中にそこまで言ったところで、審査員が取り下げましたが。
でも今考えますと、そういった企業側の態度も審査員の「当たり障りのない指摘にとどめておこう」という業務姿勢につながっているような気もします。
理にかなわない指摘は仕事の邪魔なので願い下げですが、当たり障りのない指摘は時間と金の無駄です。審査という制度自体、もうダメなのかと思います。
法も知らない、相手の会社のことも知らない、業界特性も知らない、部門の業務も知らない、そんな人を審査に送り込む認証機関が悪いのか、それをナアナアで受け入れる受審企業側が悪いのか、どっちなんでしょうか。
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まきぞう様 毎度ありがとうございます。
お互いに苦労していますね。
結局、役に立つ審査というのはあり得るのか? という恐るべき疑問に突き当たってしまいます。
案外答えは、「審査なんて役に立たないのかもしれません」
いや、そもそも審査とは組織のMSが一定レベルか否かを調べることであって、役に立つことを目的にしていなかったような気が・・・
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ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(09.10.24)
あなたは審査の判定結果に同意できなくても、了解してしまったことがありますか?
もしあれば、どうしてでしょうか?
ありません。
納得がいくまで徹底的に議論させていただきます。
これは、何が何でも不適合の指摘を認めないということではありません。
根拠があいまいだったり審査員の主観・思い込みにすぎないことを受け入れても、自社に何のメリットも生まれないからです。根拠が明確でメリットのある指摘であれば喜んで受け入れます。
その場で不適合を了解したものの、後で不適合ではないという結論になった時、どのようにしていますか? あるいは、どのようにすべきだと思いますか?
当然、取り下げを要求します。
審査員の言いなりになる組織が多いように見受けられますが、とても奇異に思います。ケーススタディーのように論旨を明確にして堂々と主張すればすむことなのに、なぜそうしないのでしょうか。
問題があったとき、長いものに巻かれろとか泣き寝入りしてはいませんか?
認証機関は購買先にすぎません。立場はこっちが上か、百歩譲っても対等です。何を遠慮することがありましょうや。
だいたい、審査に合格しようが不合格になろうがそんなことはどうでもよろしい。そんなセコイことは考えずに、規格の意図に照らし合わせて自社の業務の仕組みに弱点はないか、補うべきところはないか、それを審査員に調べさせればいいだけのことです。そのためにカネを払っているのではないでしょうか。
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ぶらっくたいがぁ様
あなたはISO事務局なんて眼中にない、ISOとか審査とかを、完全に超越していらっしゃいます。
もう会社のマネージャーの鑑です。
恐れ入りました。
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ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(09.10.25)
まだ言い足らないことがあります。
「できません。審査結果は私一人で出すものではなく、当認証機関の判定委員会が追認し、認定機関に報告しているのです。あとで間違っていたという修正はできません。」
これはたいへんおかしいかと。
間違いが後で判明してそれを直せないというのは、その運用システム自身の設計の欠陥であり、重大な不適合ではないでしょうか。
もしその設計思想を正とするならば、審査プロセスには絶対にミスが発生しないということが前提になります。しかし、「人はミスを犯す」のは真理であり、いかなるプロセスであってもそれを前提に設計されています。司法システムですら例外ではなく、限りなく皆無に近いほどミスが起きにくいはずでありながら足利事件のような誤審が発生します。たかだか一介の認証機関ごときが、判定ミスは起きないから審査結果の修正には応じないなどとほざくのは明らかに不合理というものです。これは、自らのミスを認めたくないということに他なりません。
「異議申し立ては時効といいますか、期限があります。去年のことを今言われても困ります。」
これもおかしいですね。
認証機関の方が前年の不適合への是正処置を求めていて、その不適合が実は不適合でないと組織が申し出ているのに時効はないでしょう。
期限を設けるのなら、その不適合を巡る審査の取り扱いが全て終了した時点とするべきです。これは公平性の原則への重大な違反です。
以上、透明性と公平性をモットーとする認証機関にあるまじき対応と言わざるを得ず、もし私が組織の当事者であるなら登録移転を決意するに十分な事由となります。
一方、こんな欠陥システムを放置している認定機関による認定審査の有効性にも疑念が生じます。
当該認証機関の登録組織の数から起こり得る異議申し立て件数に対し、その実数が極端に少ない(あるいは1件もない)のであれば、異議申し立ての仕組みが有効に機能していないのではないかと疑うのが当然であり、認定審査ではそこにメスを入れて実態を調べるのが道理というものです。
認定機関はいったい何を診ているのでしょうか。シャンシャンで審査を終わらせているのではないかという気がしてなりません。
組織の形骸化したバーチャルマネジメントシステムの蔓延が市場・社会の認証制度に対する不信を招いているのではなく、認証機関と認定機関の不透明性がその要因かもしれません。それを払拭するためにも、認証機関の是正処置、認定機関の認定審査の結果、そうしたものを包み隠さず公開するべきであろうと思います。
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ぶらっくたいがぁ様
私の書いたものは、不適合の内容と、認証機関のリアクションは事実ですが、事実と異なるのは私が組み合わせをランダム(?)にしていることです。
ともかく知り合いから頼まれて某認証機関に行って「お宅が一年前に出した不適合なんだけど、こんなの法違反じゃないんだから不適合じゃないよね」と申し上げたところ
「審査報告書は認定機関に出してしまっているから修正はできない」
「異議申し立てできるのは一定期間以内に決まっています」
と言われたことは事実です。
そのとき、そのルールを見せてくれとまでは言いませんでした。気が回らなかったというか、そこまで強く出ませんでした。
私も弱腰ですね。
ですからなんという規則の何条にあるのか、あるいは先方のハッタリ(うそ)なのかは存じ上げません。
先方が語った仕組みが本当にそうなら、おっしゃるようにまったくおかしいです。あるいは先方が語ったことがうそであるなら、運用は嘘にまみれているということでしょう。
いずれにしても、第三者認証制度とは仕組みに欠陥があるのか、内部牽制機能がないのか、あるいは運用がまずいのか、問題がありそうです。
そして審査を受けるほうにはフラストレーションがたまるばかりです。
まあ、結果として認証件数減少とか、認証の信頼性低下というものが起きているのだと考えれば、見えざる手という社会の自浄作用は正常に働いているともいえます。
第三者認証制度が先細りになっているのは正常なことなのかもしれません。
ところで書類を受け取ってないなんてことを防ぐために、みなさんは配達証明郵便とか使っているのでしょうか?
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ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(09.10.25)
ところで書類を受け取ってないなんてことを防ぐために、みなさんは配達証明郵便とか使っているのでしょうか?
私は、基本的に認証機関の外部コミュニケーション品質というものを信用しておりません。
管理責任者が交代して正式にその届け出をしても、前の管理責任者の名前でそれからもずっと文書が届きます。用事があって電話をした際、担当者が不在で折り返し電話していただけるよう伝言しても、掛かってきたためしがありません。
文書管理がズサンで社内コミュニケーションもお粗末というのは、数ある購買先でも認証機関特有のものと言えそうです。
よって、認証機関に文書を普通郵便で送るということは一切しません。
原則はメール及びメールへの文書添付ですが、原紙でなければ受け付けてもらえないものは、すべて書留です。先日も、登録移転に伴い登録証を返却しましたが、もちろん書留を利用しました。今のところまだ返却してもらっていないという電話は掛かってきませんが、掛かってきても何ら不思議はないので、発送案内の控えに郵便局の受け取りを貼付していつでも提示できるように用意してあります。
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ぶらっくたいがぁ様・・・・
絶句!
たいがぁ様の足元にも及ばないことが良くわかりました。
過去何度も頂いておりませんと言われながら、通常郵便を使っていた私は未熟者、プロビジネスマンでなかったことを自覚しました。
と言いましても、もう会社勤めも定年まで半年を切り、反省しても時間切れのようです。
ああ我 未熟者なり
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