2010年審査報告書の現実 10.05.09

大分前のこと、私は審査報告書の内容が稚拙である、こんなものでお金(審査料)をもらうなんてとんでもないことだと書いたことがある。
調べてみたら、あれから5年経っている。
さて、5年の歳月は長い。当たり前だが、5年といえば生まれた子供も5歳になるほどの年月がたっているのだから、審査報告書中身も同じように成長しているだろうと期待するのが当然である。

さて5年経った2010年は少しは進歩しているのだろうか?
いくつか見せてもらった報告書をながめてため息をついた。
なぜため息をついたのかって? 例を上げよう

やれやれ、審査報告書は少しも進歩していないようだ。企業が虚偽の説明をしているからISO認証の信頼性が落ちていると語る人々よ、実際はそうではないのではないだろうか?
ISO規格を理解しないで、思い込み、思いつき、でたらめとしか言いようがない審査をしているのが現実である。
しかも判定だけでなく、小学生が読んでも笑うような、主語述語があっていない文章、「てにをは」が間違っている文章、どう読んでも日本語になっていない文章、そんな審査報告書ばかりなのですから信頼性以前ではないのでしょうか?
もしここに書いたものが私の捏造ではないかとお疑いならどの認証機関にでも行って、審査報告書を50件ほど見せてくれと頼んでみてください。なあに、50件といってもどれも薄いものですから合計はせいぜい150ページくらいでしょう。まして文字数が少ないですから端から端まで読んでも1時間もかかりません。
実際私が見た審査報告書で最大のものが17ページで、最も薄いものはA4で1ページであった。2ページというものも多く、平均して3から4ページである。
もちろん厚いから良いというわけではなく、上記に上げたトンデモ指摘は報告書が薄い厚いとは無関係のようである。

みなさん「企業が虚偽の説明をしているからISO認証の信頼性が落ちている」と言えるかどうか良く考えてほしいですね。まともなお方なら「認証の信頼性をあげるために審査員研修に小学校の教科書を使った国語を追加しよう」とおっしゃるかと期待しております。

本日の声明
ISO認証の信頼性を心配する人々よ
それよりもなによりも、審査の信頼性を心配しなければならない。

本日の提言
第三者認証しているから安心だとは絶対に考えてはいけません。
ましては取引先評価に使うなんてもってのほかです。



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