ケーススタディ 力量6
 藤本部長 登場

12.06.11
藤本である 森本と横山が来てから、早いものでもう1年が経ち、また4月になった。新年度はじめてのミーティングである。
いつものメンバーのほかに今日は、藤本部長いや藤本元部長が現れた。廣井に比べて貫禄があり、テレビドラマなどで見られるステロタイプの管理職というイメージである。
藤本さんである→

廣井
「今日は、藤本さんをご紹介する。藤本さんは3月まで開発部で部長をされていた。隠すこともないから話しておくが、今年秋には認証機関に出向してISO審査員になられる予定だ。そのため今年上期中は環境保護部に駐在して環境管理について勉強していただくことになった。藤本さんの指導は山田君が担当する。森本君ももう一人前だから、監査の事務局と環境法規制の指導については森本君が主体的にやってもらいたい。
もちろん山田君は藤本さん対応だけでなく、環境不具合対応と環境監査統括であるし、今年の目玉である当社グループの環境担当者の教育を企画実行してもらう。
中野君と横山さんはとりあえず環境会計の取りまとめと環境報告書発行、そして当社としてまとめて行う行政への定期報告を滞りなくお願いする。
藤本さん、この4人のメンバーがここのオールキャストです。ひとことご挨拶をどうぞ」
藤本
「はじめまして。廣井部長さんからご紹介ありましたが、私はずっと開発部門におりました。このたび異動となり、順調にいけば、秋にはISO審査員になる予定です。半年間勉強しろということです。正直なことを言いまして、環境管理というものは今まで関わったことがないのですよ。廣井部長といろいろ相談しまして、とりあえず環境保護部で研修をさせてもらうことにしました。半年で一人前になれるなんて考えておりませんが、がんばります。よろしくご指導をお願いします」

全員が拍手して、その後廣井は解散を宣言した。
藤本部長と山田が打ち合わせコーナーに残った。



山田
「山田です。よろしくお願いします。まず藤本さんの環境あるいはISO審査に関わるご経験と言うのはどのようなものがありましたか?」
藤本
「本社に来たのは5年前でそれまで工場にいたのですが、ISO9001もISO14001もISO審査も受けたこともないのですよ。当然当社のISO対応なんてことも知りません。せいぜい管理責任者と言うのですか、そういった担当の部長から審査の状況や不適合が出されたという話を聞いた程度ですね」
山田
「早速で失礼ですが、ISO審査員をご希望されたとのことですが、理由をお聞かせ願えませんか?」
藤本
「どういうふうに話が伝わっているか見当がつきませんが・・・本当のことを言っておきます。当社では役職についている人は57歳で管理職が解かれます。俗にいう役職定年ってわけですね。下位の管理職、つまりラインの課長・部長クラスでしたら役なしの平に戻って仕事をするのは珍しくありません。しかし事業所長クラス以上になると役職定年イコール引退となるのです。55くらいになると人事部から先のことについて打診があるのですよ。私の場合、役員になるなんて縁のない話で、子会社への出向も今までの仕事が管理というよりニッチな専門的技術でしたので引き取り手がありません。
人事部から業界団体出向とか当社が援助しているNPOの理事とかいくつかの提案がありましてね、その中にISO審査員というのがありました。行政との折衝とか総務的な仕事は無理だと思いましてね、消去法でISO審査員が残ったというわけです。ちょっと安易すぎましたかね」

山田
藤本はくったくなく笑った。山田もつられて笑ってしまった。
「藤本さん、私はなんでも本当の話をしますので、それを踏まえて聞いてほしいのですが・・」
藤本
「山田さん、そのほうがいいですね、オブラトにつつんだような婉曲な言い方よりもズバリとおっしゃってください」
山田
「まずISO認証の状況はご存じと思いますが、初歩的なことから話をさせてください。ISO審査の制度というかハイラルキーは、日本では日本適合性認定協会(JAB)という団体がトップにありまして、それが認証機関を認定、平たく言えば審査をしても良いと墨付きを出すわけですよ。JABの認定を受けた認証機関は現在47機関(2012/6/7時点)あります。更にJABの認定を受けていない認証機関も何十とあります。そしてこれらの認証機関がISO9001やISO14001の審査をするという構図になっています。認証機関は基本的に営利企業です」

ISO認定認定制度の図
(公財)日本適合性認定協会のウェブサイトから引用

山田
「現在JAB認定の認証機関が認証している組織の数は、ISO9001が36,000、ISO14001が20,000で、平均するとISO9001が700、ISO14001が400の認証をしているわけですが、実際は違います。大手といいますか上位4社で過半を占めているわけです。それで弱小認証機関は登録件数が数十件なんてところもあるわけです。そしてISO認証件数は、もう何年も前から減少傾向にあり、毎月100件くらいずつ減少している状況です。
またJABの認定を受けていない認証機関が安値攻勢をかけていて、ものすごい値引き競争があり、JABの牙城は蚕食されている状況です。
藤本さんは、現在のISO認証ビジネスがどんな状態かは知っておかなくてはなりません。ビジネスのライフサイクルなんて昔聞いたことがあると思いますが、既に衰退期に入っているのです。そんな状況ですから、端的に言えば、あまり厳しい審査をすると認証機関からお叱りを受けるかもしれません」
藤本
「山田さん、よくわかりました。認証ビジネスは将来の見通しが暗く、そして既に大変厳しい状況になっているということですね」
山田
「もちろん藤本さんは既にその辺は調査されていると思います。ただそんな状況ですので、10年も前は審査員はいくつになってもできるとか言われていましたが、今では認証機関の社員は60歳定年、60になったら認証機関の子会社に出向とか、契約審査員といって早い話が仕事があるときだけ雇われるという形態になります。そして契約審査員も今では70歳でおしまいというところが増えてきました」
藤本
「なるほど、厳しくなっているということでしょうね。とはいえ、当社の役員になっても社長にでもならなければ63でおしまいですし、子会社に出向しても62か63くらいでしょう。そんなことを考えると、まあ世間相場なのでしょう」
山田
「藤本さんが、そうお考えなら私も安心です。実際に審査員になってから、こんなはずではとなると、藤本さんも送り出した方も不幸ですから」
藤本
「アハハハ、山田さんがそんな気を使うことはありませんよ。ところで当面の私が心配しているのは、審査員になるための基礎的な要件としてどんなものがあるのか、それを私が半年で備えることができるのかということです」
山田
「廣井部長から聞いているのは、審査員補登録、環境監査の経験、環境法規制、企業の環境管理を理解していることと聞いていますが、それでよろしいのでしょうか?」
藤本
「正式に言われているのは審査員補登録だけです。口頭では環境に関わる資格を持っているかと聞かれました」
山田
「わかりました。とりあえず今日は本音の話を伺って、これからの半年どんなことをするべきかを考えたいと思います。
審査員補は研修を受けて産環協に登録するまで3月はかかります。だから今すぐに研修の申し込みをした方が良いですね」
藤本
「それはどの程度のレベルでしょうか? ハードルは高いのですか?」
山田
「まあ、ISO規格や審査に関する基礎的なことですし、先ほどおりました女性、横山といいますが、彼女は昨年4月にここに異動になりまして、10月に研修を受けて12月に審査員補に登録しました。
言いたいことは、難しくはないがまあやはりある程度はISO規格を理解しているとか、監査の実務を経験していないと研修を受けても何が何だかわからないでしょうねえ」
藤本
「ISO14001講習は、人事から話があったとき受講してはいます。そらんじているほどではありませんが」
山田
「ああ、それなら大丈夫ですよ。ISO14001はたった5,200文字しかありません。法律に比べたら短いものですよ。
注 この駄文は8,000字ある
じゃあ、審査員補は大丈夫として、環境に関わる資格のふたつやみっつはとっておきたいですね。
環境関連の資格とかお持ちですか?」
藤本
「環境と関係ないですが何年も前に管理職になったとき、講習会と試験を受けて衛生管理者という資格を取りました」
山田
「それは良いですね、ISO審査員の仕事に役に立つと思います。
そのほかに、環境に関わる資格といいますとたくさんあるのですが、環境計量士、エネルギー管理士は、半年では無理どころか二年がかりになりますからあきらめましょう。
公害防止管理者の種類はたくさんあるのですが、これは試験が年1回しかなく10月上旬実施ですから、もう今年は無理です。
こんなことを言っては失礼ですが、危険物取扱者はお持ちですか?」
藤本
「失礼も何も・・・ありません」
山田
「それじゃ危険物取扱者は、乙種第4類が一番ポピュラーですから、これをゲットしましょう。東京の場合、毎月に数回試験をしています。これは合格率3割くらいですからまじめに勉強しなければなりません。ですから一度講習会を受けた方が良いです。
それから作業主任者など持っていませんか?」
藤本
「昔実験室にいたとき有機溶剤と鉛の作業主任者の講習を受けた記憶がありますね。免許証は今でもあるかなあ〜」
山田
「紛失しても再発行してもらえますよ、衛生管理者とこれでみっつも資格をお持ちで安心しました。
もうひとつ手軽なところで、特別管理産業廃棄物管理責任者の資格を取りましょう。」
藤本
「なんですか、その特別ナンチャラというのは??」
山田
「産業廃棄物の中で危険なものを特別管理産業廃棄物、ふつう略して特管産廃といいます。特管産廃を出す事業所ではその特別ナンチャラという資格保有者がいないとならないのです」
藤本
「それは難しいのですか?」
山田
「居眠りしないで丸一日の講習を聞くのが難しいと言われていますよ」
藤本
「アハハハ、いやあ山田さんは冗談がうまい。じゃあ大丈夫でしょう」
山田
「ともかくすぐに対応できる資格はこんなものかな?
では、これで資格はOKということで・・」
藤本
「審査員としてその程度の資格があれば大丈夫なのですか? なにぶんにも右も左も知らないもので・・」
山田
「ちょっと待ってください」

山田はそういってファイル棚から数冊のファイルを持ってきた。
山田
「過去の本社のISO審査記録です。審査の前に審査員略歴というのを送ってきましてね、当社でそれをみて、諾否を回答するのです」
藤本
「拒否することもあるのですか?」
山田
「あります。審査員といっても認証機関の社員、それには出向している方も含みますが、だけでなく契約審査員という認証機関の社員でない人が多いのです。もし契約審査員が同業他社で働いているような場合は企業秘密が漏れる恐れがありますので拒否します。また評判の悪い審査員は控えておりますので、ご遠慮いただくことにしております」
藤本
「そりゃ興味がありますね。審査員は守秘契約をすると聞いていますがそれでは不足なのでしょうか?」
山田
「ISO審査で見せるEMSあるいはQMSが実態と離れたダブルスタンダードの場合、あるいは表面的な場合は、外部の人に見せてもなんら問題はないでしょう。しかし当社の場合、損益や新製品の開発状況などそのものを見せていますので、審査員が外部に漏らさなくても、その方が本来の業務においてその情報を利用されると困ります」
藤本
「なるほど、もうひとつ、評判の悪いとはどういうことでしょうか?」
山田
「ふたつあります。ひとつは礼儀作法の問題。といっても頭の下げる角度をどうこういうわけではありません。役員にため口をきいたとか、若い社員を『坊や』と呼んだなんて場合ですね。そうそう審査で大声を出したなんてこともありますね。そういうことは過去何度も起きています。さすがに役員から直接苦情がきたことはありませんが、周りの者から苦情がきます。担当者クラスですと本人から失礼だという苦情が事務局に来ますね。まさか言われた本人がその場で審査員に失礼だとは言えないでしょう。
もうひとつは、もっと大事なことですが、ISO規格を理解していない、間違った審査をしたというケースや法律を知らないで問題ないことを問題とした場合などです。
当社の工場や関連会社での審査でそんな問題があると、すぐに認証機関に苦情を言うのではなく、環境保護部にそういう情報が入ってきて、次回別の会社で審査の時に対応するようにしています」
藤本
「なるほど、大金を払って審査を受ける側からすれば当然のことでしょうねえ。審査をする側からすると、これは当然注意しなければならないことだ」
山田
「おっと、話を戻しますが、本社に来た審査員の保有資格ですが・・
この方は、公害防止管理者(水質1種)だけ、藤本さんも来年はぜひ公害防止管理者を受験してください。
次は、危険物甲種だけ
次は、OR学会、環境経営学会会員・・・これって資格ですかね?
次は、特管産廃、危険物乙種4類、有機溶剤作業主任者
次は、技術士(環境)これは難しい試験ですが、資格というより力量証明ですかね?
次は、工学衛生管理者、公害防止管理者(騒音振動)・・・まあ、こんなものです。
平均して大したことはありませんね。藤本さんが先ほどの資格を確保すれば十分ですよ」
藤本
「わかりました、さっき山田さんがおっしゃったものを必ずゲットしましょう」
山田
「大丈夫、受験勉強はバックアップします。ご安心ください。
藤本さん、のどが渇いたでしょう。コーヒーでも飲みましょう」
../coffee.gif 二人は立ち上がって給茶機に行くが、話は続いたままだ。
山田
「それから環境監査というものに慣れておく必要がありますね」
藤本
「そうそう、私は恥ずかしながら環境監査をしたことも、されたこともない。
ぜひ山田さんがしている環境監査にお供して見学したいと廣井部長にお願いしておいたのですが」
山田
「ちょっと話が込み入っているといいますか、微妙なこともあるのですが・・」
藤本
「山田さん、なんですか? 今までの山田さんとトーンが変わりましたね」
山田
「当社ではISO認証を受けているわけですが、その効果があまりないというのが実情です。それは当社の仕組みが悪いのか、審査が悪いのか、それともISO規格がその程度なのか何とも言えませんが・・
それで環境保護部で行っている環境監査は、ISO規格とは別の考えで行っています。それで藤本さんが環境保護部の監査に参加していただいても、これから藤本さんが行っていくISO審査の役に立たないのではないかと思います」
藤本
「山田さんの話を聞くと、ISO審査というものが価値がないように思えてきたよ」
山田
「いえいえ、我々のような考えもあるということですよ。それはともかく、当社の工場がISO審査を受けるとき陪席してもらうことを考えてます。当社には工場が6つありますので、ふた月に1回審査があることになり、9月まででも3回は見学できます」
藤本
「又聞きだけど、審査のとき部外者がいては困ると言われるそうじゃないか?」
山田
「藤本さんは社員ですから問題はありません。いっそのこと、環境保護部から審査立会に来ていると明言した方が先方は真剣に審査するかもしれませんね」
藤本
「私は何も知らないから、そのへんのことは山田さんにお願いするしかない」
山田
「お任せください。それから廣井部長の話では、藤本さんはこれから環境保護部の事務所にずっといらっしゃるということですね?」
藤本
「そう願いたい。皆さんの邪魔にならないようにして、環境部門がどんなお仕事をされているのか雰囲気だけでも知っておきたいと思いましてね」
山田
「いや、なんでも積極的にといいますか、出しゃばってほしいと思います。
ところで、ぜひ読んでほしいものがあります。
まず当社の工場や本社の過去のISO審査報告書です。当社は工場と本社で7つの組織で認証を受けてますし、記録は10年分保管していますから、つごう70件あります」
藤本
「おいおい、そんな膨大な資料を読んでいる時間があるのですか?」
山田
「アハハハ、藤本さん、ISOの報告書ってご覧になられたことがありませんね。いったいどれくらいのボリュームと想像されたのですか?」
藤本
「そりゃ、あれだろう。一回の審査で100万以上というんだから、私の経験では腐食や耐候試験など社内でできないものは試験所とかに依頼していたが、100万となれば、まあA4サイズで数十ページの資料は作ってくるよ」
山田
「ISO審査報告書というのは認証機関によって若干違いはありますが、少なければA4で3ページ、多くて10ページというところでしょう。そして文字がぎっしりじゃありません。1ページ300文字というところでしょう。ま、報告書一つ読むのに5分もかかりません。70件あっても1日かかりません」
藤本
「つまりなんですか・・私が審査員になって作成する報告書がその程度ということですか?」
山田
「審査員が認証機関に報告するものを、別に作成しているかどうかはわかりません。しかし審査した会社においていく正式文書はそれだけです」

藤本
藤本は絶句した。
「先ほど山田さんは『ISO認証の効果があまりない』と言われたのはそのことですか?」
山田
「そればかりではありませんが」
藤本はまた黙り込んだ。
山田
「藤本さんに勉強していただきたいのがあとふたつあります」
藤本
「ハイ、なんでしょうか?」
山田
「まず、企業における実際の環境管理を知ってほしいです。
環境管理の仕組み、職制とか文書体系とか、実際の動きというものは、会社によって規模が違い、文化が違い、管理者や担当者の考えも異なります。要するに同質のものではありません。
当社は大企業ですのでピラミッドのハイラルキーになっています。他方、当社の子会社など人員が30名から100名というところは職制とか目に見える形での環境管理体制はないかもしれませんが、現実には環境マネジメントは行われています。規模に応じて会社の環境管理というものは仕組みや方法が異なりますから、そういう現実を知ってほしいと思います。
ISO審査員の多くは、そういう現実を知らないのでISO規格とおりの言葉で説明されないと、企業の環境管理、EMSといってもいいですが、理解できないことが多いのです。いや、はっきり言えばEMSが存在していないと考えるようです。特に大企業出身の審査員は、大企業のように仕組みが立派でないと気に入らない方が多いようです。私が段取りしてティピカルな会社をいくつかご案内するようにしましょう。
次に重要なことですが、環境法規について勉強していただきます。本来なら公害防止管理者を受験すると水質なり騒音なりの法規制を理解できるのですが、今回は時間がありません。ですからさっき話が出ましたが、危険物つまり消防法ですね、それと特管産廃つまり廃棄物処理法の二つを良く理解してもらいたいと思います。環境関連法規制というのは100くらいあると思いますが、法律の構成とか読み方を理解すれば、あとはひとりでに分野を広げていくことができます。我々はすべての法規制を覚えることはできません。特殊なものは順次勉強していくしかありません。常在戦場、いや人生常に勉強です」
山田は今までのことをメモしたホワイトボードを見ながらそう言った。
藤本
「山田さん、よく分りました。
山田さんの説明は、まず最初に全体を示して、そして個別論を具体的に語るのでとても分りやすいです」

本日予想するご質問
私がこのようなことをしていたのかという、ご質問があろうかと思います。
勤務していた時の秘密は言えませんので、本日はノーコメント。
ちなみにノーコメントというのは、一般には同意とみなされるそうです。

更なる予想するご質問
目上、目下の言葉使いが変わらないではないかというご指摘
私が勤めていた会社では、あまり上下関係を気にしたり敬語を使うということはありませんでした。それは私の気に入っていました。



N様からお便りを頂きました(2012.06.12)
藤本さん。ものすごく常識人で共感を持ってしまいます。
いろいろな意味で今後に期待します。

N様 毎度ありがとうございます。
前の森本君がISO至上主義だったので、二人目も同じではつまらないと思いまして、藤本部長は常識人にしてみました。実際に多くの会社で上位管理職までいった人は、当たり障りがなく、頭の回転が速く専門以外についてもすぐに知識や考え方を身に付けてしまいます。日本の大企業ではそういう人でなければ偉くなれないのでしょう。
ところで、このケーススタディシリーズは、みなさんからのお便り次第でストーリイが決まっていくといういい加減なのです。
以前、森本君が山田の指導でまっとうになりかけたら、同志たちから「森本をもっとアンポンタンに、KYに、ISO至上主義、天動説に書け」と言われて、再び不良少年に戻してしまいました。嗚呼、なんてひどい人たちでしょう!
昨日は外資社員様からISOと購買の関係について書いてほしいとか、グループ企業の場合についてなどご注文をいただきました。
N様も藤本部長をこんな性格にしろとか、こんな問題が起きた時どうするのかとか、審査員になれなくなったらとか、アイデア(意見)を提案してください。
常識人のままで行くと何事も起きませんので・・


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(2012.06.12)
ISO審査報告書というのは認証機関によって若干違いはありますが、少なければA4で3ページ、多くて10ページというところでしょう。

3ページですか。。。
量より中身が大事なのは当然ですが、3ページでは肝心の中身もスカスカに違いありません。ヒドイ話ですね。
ちなみに、ウチを審査している認証機関の報告書は、正味部分で40ページぐらいあります。もちろん、「○○の記録にハンコが押してありませんでした」なんて箸にも棒にもかからないことが、延々と書かれているのではありません。ちゃんと中身が詰まっております。

たいがぁ様 毎度ありがとうございます。
たいがぁ様の会社の認証機関は存じ上げております。その認証機関のエライさんも存じ上げています。あそこはまっとうです。
そういう認証機関が多ければ、私ごときに笑われることもなかったでしょうね・・
でも現実は・・
賭けませんか?
たいがぁ様が引退するまで第三者認証制度が持つか崩壊するか?


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