天狗退治 その4

12.12.04
ISOケーススタディシリーズとは

内山
内山です
前回のあらすじ
甲府工場の環境管理課に内山という若者がいました。ちょっとばかし有能で天狗になり、上司の命令には従わず文句ばかり言っている鼻つまみ者です。
困り果てた甲府工場の島田部長は、内山を本社に預けて鍛えてもらうことにしました。当然、環境保護部のよろず引き受けの山田課長にその仕事が回ってきました。
ところがこの内山さんは本社に来ても山田さんの指導が気に入らず、文句ばかり言うのです。不満を持つ人はどこに行っても、誰にでも不満をもつのですね。困ったものです。
でも本社に来て、山田課長やその部下のはねっかえり娘の横山と一緒にひと月もいると、彼らのすごさというか、知識も知恵も馬力もあることがわかってきました。今まで内山は自分の方が本社の連中よりも優秀だと思っていたのです。しかし彼らを見て自分の能力を、いや能力のなさを自覚してだいぶ自信喪失してきました。
さて、本日はどんなもめ事を起こすのでしょうか?



監査から戻った翌日、内山は会社に出社しなかった。内山から会社に何の連絡もない。
昼前に山田は横山に寮に電話して様子を聞いてくれと指示した。内山は普通の転勤ではなく、1年間と期間が決まっているので、単身赴任で寮に住んでいるのだ。
横山が内山の部屋に電話するが何度かけても出ない。寮の管理人に電話をすると、部屋には鍵がかかっていて様子がわからないという。内山は個人の携帯電話の番号を会社に届けていないのだ。
山田は医者にでも行ったのかもしれないので、明日もう一度確認してほしいと横山に言う。
翌日、再び電話しても出ないので、横山は管理人に合鍵で部屋を調べてもらった。すると部屋はもぬけのから。
横山の話を聞いて、山田は甲府工場の橋本課長に電話をする。

山田
「橋本課長ですか、本社の山田です」
?
「おお山田課長、このたびは内山が大変お世話になっております。もう本社に行ってひと月以上になりますが、まじめにやっていますか?」
山田
「それが困ったことに、失踪しちゃったんですよ。それで橋本さんへその件の報告と、なにかご存じないかと思いまして電話を差し上げたんです」
?
「えー」と絶句
山田
「ご存じないようですね。もし橋本さんの方に彼から連絡があれば、すぐにこちらに知らせてください。こちらとしてはあと数日連絡がつかなければ警察に失踪届けといういか捜索願いをしなければならないと思います」
?
「内山は結婚しています。すぐ自宅に連絡をとってみますから」
橋本はそう言って電話を切った。
待つこと30分、橋本から電話があった。
?
「山田課長、大変申し訳ないことです。内山は自宅に戻っていました」
橋本課長の声は息を切らしているという感じである。
山田
「はあ〜、そうだったのですか。とりあえず本人が見つかって良かったです。それで、いったいどうしたのでしょうか?」
?
「本人はだいぶしょげている様子で、自分にはとても本社の仕事は務まらないと分かったので帰ってきたというんです。山田課長に断りもしないで帰ってきて大変すまなかったと言っています」
内山「ボクにはとてむ無理です」
山田
「はあ?」
?
「要するに本社に行ってかっこよく仕事をしてみせる気で行ったのでしょうけど、現実はそんなに甘くなく、意気消沈、自信喪失して逃げ帰って来たらしいのです。
うちの島田部長と相談しますので、しばらく、そうですねえ、二三日、時間をいただけますか。
ともかくお宅の廣井部長さんにも内山は無事だとお伝えしていただき、とりあえずご安心願いたいと・・」

橋本課長はあわてている雰囲気だ。
山田は了解して電話を切り、廣井に状況を報告をした。
廣井
「なんだ、ひと月ちょっとで逃亡か、意気地のないやつだ。
しかし、向こうの工場で本社でいじめにあったなんてホラを吹かれると、困るね」
山田
「この程度でいじめなら、私は廣井さんにもう7年もいじめられてきましたよ」



数日後、甲府工場の島田部長島田部長 が環境保護部にやってきた。
廣井
「おお、これは島田部長、ご無沙汰しております」
島田部長
「今日は本社に用がありましてね、ついでと言えば失礼ですが、内山の件についてお詫びかたがた・・」
廣井
「まあまあ、こちらにどうぞ、おーい、山田君、ちょっと来てくれ」
三人が打ち合わせコーナーに座る。
島田部長
「どうにもこうにもこのたびは大変ご迷惑をおかけしましてまことにすみませんでした。それでですね、本人も十分反省しているようでして、もう本社の研修の目的は果たしたかと思います。それでどうでしょうか、こちらからお願いしていて、止めますというのも言いにくいのですが・・」
廣井
「島田部長、それでいいんですか? 奴がおとなしくなればいいというものでもないでしょう。真に彼が甲府工場の戦力になるように教育する必要があると思いますよ。だいたい今回の失踪だって本人が弱いからです。ここは心を鬼にしてちゃんと教育しないといけないと思いますが」
島田部長
「これは廣井部長、意外なお言葉ですが」
横山
横山がコーヒーをお盆に載せてもってきた。
「島田さん、いらっしゃい」
横山
コーヒー コーヒー
コーヒー コーヒー
島田部長
「おお、横山さん、お久しぶり。甲府工場の監査ではお世話になりました。
このたびはまったく内山にはご迷惑をおかけしております。横山さんの方が内山より年下ってのが信じられませんよ」
廣井
「私としても今回は失敗しました」
島田部長
「失敗と言いますと?」
廣井
「チューターが悪かったと思います。
教育を山田に任せたのがいけなかったのではと思います。山田も優秀な人を育てることはできても、そうでない人を育てることはできないのかもしれないね。
それでチューターを変えることにしました」
山田
え!」
廣井
「今後は横山に指導を任せましょう」
横山
え!」
廣井
「ともかく、逃げ帰ったままでは内山はおとなしくなっても自信喪失で今後当社の社員としては期待できない。内山は入社してから保守部門にいたのだが、まわりとあわず環境管理部門に来たと聞いています。ここで問題となると彼も行き場がないでしょう。私の方で当初の予定通り1年間引き受けて、心身ともに鍛えてお返ししないとならないと思いますが」

島田部長はしばし腕組みをして黙っていたが、
島田部長
「わかりました。工場に戻りまして本人によく言い聞かせましょう。横山さん、すみませんがよろしくお願いします」
と言った。


島田部長が去ってから、横山が山田に話しかけてきた。
横山
「山田さん、内山さんの一件ですが、これからどう教育していったら良いと思いますか?」
山田
「何事も仕事をするには、やる気と能力が最低必要だね。彼の場合は、廃棄物が得意だといっていたが、口ほどに実力が伴わなかったことが一番問題だ。私に改善提案を持ってきたが、現実を知らないから見当はずれのアイデアしか出てこない。横山さんが教えるにはまず体力つくりというか環境管理に関する基本的なことを教えることだ。それも廃棄物だけでなく、排水処理や化学物質管理など全般的にレベルアップしないといけないね。当社は大気汚染関係はあまり関係はないけれど・・」
横山
「環境管理部門に5年いれば基本的なことは理解しているでしょう」
山田
「私も廣井さんがいうように彼のレベルを見誤っていたのかもしれない。基本的なことを知っているだろうではなく、基本的なことを確実にする教育をすべきだろうね。
それにしてもやはり問題は、今までの管理者が内山さんをどう教育してきたかってことだ」
横山
「それはどういうことですか?」
山田
「内山さんが30歳ということは、もう10年近く会社で働いているわけだ。その間、上司がどのように彼を指導してきたのか、いや指導しなかったということが問題だということだ」
横山
「環境管理課に異動になったとき環境基本教育はうけたと言ってましたが」
山田
「そればかりではない。いやしくも成人になれば、誰だって自分の行動の責任はその人がとらなければならないのは当然だ。だが客観的に見て、その人となりというものは本人だけが作ってきたわけではない。両親をはじめとする家族、幼友達、学友、会社に入れば上司、先輩、同僚となどの影響を受けて人格というか性格や好みが形作られる。酒とか喫煙とか趣味なんてことは周りからの影響で決まるだろうと思う」
横山
「あ、わかります。朱に交われば赤くなるってやつでしょう」
山田
「そうそう、だから彼が甲府工場に入社したときから今までの上司や先輩がしっかりと会社というもの、会社ではどういうふうに振る舞わなくてはならないということ、を教えなければならないし、教えなかった上司や先輩にも問題があると思うよ。そういうことをしっかり教えなかったんじゃないだろうか。
そして扱いにくいからと他の部門に出してしまうという考えも責任逃れだよね」
横山
「つまり内山さんには、環境管理の基礎と会社の仕事に対する姿勢を教えなければならないということですね」
山田
「そう思う」
横山
「とすると、そのカリキュラムは私がここに来たとき、山田さんから示されたようなもので良いのでしょうか?」
山田
「うーん、横山さんも自分を基準に考えるのではなく、内山さんのレベルに合わせて考える必要がある。だから、あれよりももっと具体的に内容を示す必要があるのではないだろうか。
あのときも森本さんはとても無理というスタンスだったね。横山さんがチャレンジしますといったので、いやいやながらというところだったと思う。今回は一人だから、もう少し分りやすいものにして、彼の力で達成できるものにした方が良いね。それは内容を易しくするという意味ではなく、課題の説明を具体的にするという意味ですよ」
横山
「計画を考えてみます。
でも、先ほど山田さんがおっしゃった上司や先輩の教育なんて、私は特に思い当たることもないですけど、普通の上司っていろいろ指導してくれるんでしょうか?」
山田
「上司が指導するとか部下が指導されている意識を持つことでなく、日常の業務において社会や会社の約束事を教えるというのがあるべき姿なんじゃないのかな」
横山
「なるほど、すると山田さんは理想の上司ですか?」
山田は吹きだした。


1週間後、内山は再び環境保護部に顔を出した。
廣井と山田、そしいて横山と打ち合わせコーナーで顔を合わせた。
内山
「このたびは大変申し訳ありませんでした。残り11か月一生懸命頑張りますから、よろしくお願いします」
内山は立ち上がってそう言った。殊勝である。
廣井
「まあ、過ぎたことはいいや、これから頑張ってくれ。我々も指導方法を変える。今まで山田君の下で自由に考えてもらうという方法だったが、これからは横山さんが君の指導担当になる」
内山はえっと言う顔をした。
廣井
「我以外皆師というじゃないか、女性とか年下と思ってはいけないよ。指導は横山さんが担当するが、具体的な方法としては課題を示してそれを達成してもらうことにする。私どもも甲府工場から君を預かっているわけで、お返しするときにそれなりに力量が向上していないと島田部長に顔向けできないからね」
横山
「内山さん、よろしくお願いします。 早速ですが、今後の約11か月の教育の予定です」
横山はそう言って全員にA4の紙一枚を配った。


横山
「内山さんの教育計画を立てろと言われて考えました。まず基礎体力というか、工場における環境管理の基本的な知識を身つけることがひとつ、それから当社の環境管理の実態を知ることを目標としました。
基本的な知識として、省エネは通常電気担当の方がいるので今回は対象別として、また大気汚染防止は現時点甲府工場にはボイラーの小型化で法規制も受けずあまり問題ないと思います。また内山さんは資格としては特管産廃だけというので、公害防止管理者の水質と騒音振動、危険物取扱者を受験してもらうことにしました。もちろんもっと幅広く奥深く勉強してもらいたいのですが11か月ですから、これだけやれば以降は個人的に努力してもらいたいと思います。
次に、当社の実態を理解してもらうために過去のデータ調査や、工場に出張して調査してもらいその調査報告を出してもらいます。これは内山さんの勉強のためだけでなく、環境保護部の今後の検討資料にしたいと思います。
私が環境保護部に来たときは10か月で課題は7つでしたけど、それは通常の仕事をしながらでした。今回内山さんは日常業務を担当していませんので負荷はだいぶ軽いと思います。
毎月ひとつ報告していただければ完了します。
内山さん、どうでしょうか?」
内山
「正直非常に難しそうです。でもデキマセン、ワカリマセンは禁句と言われましたので、できるようにする方法を横山さんと相談して進めたいと思います」
いやに殊勝である。
ではこれから内山さんの努力を見守っていきましょう。

失踪なんてことが実際にあるのかというご質問があるでしょう。
あります。
20年以上前ですが、田舎の飲み屋で知り合った人は中卒でしたが、抜擢されて田舎の工場からどこか都会にある開発部門に転勤になりました。引っ越すとき私をはじめ何人かの飲み友達が集まって、ご栄転おめでとうって送別会をやったわけです。ところが、ほどなくして会社に黙って地元に帰ってきてしまいました。社内では結構問題になったようですが、幸いその後は以前通り田舎の工場で働いていました。
そんな例はほかにもありました。やはり田舎にいたときですが、別の会社の人でしたが数か月研修に行ってくるとどこか遠隔地の研修所に行ったものの、あまりにも講義が難しくついていけないとノイローゼになってしまい、やはり誰にも言わずに自宅に帰ってきてしまった人もいます。そのときその人は30過ぎでしたが、そういう状態になると周りの人に相談するという気もまわらずに帰巣本能だけで戻ってきたのでしょうか。ともかくその人の場合も、上司がしょうがないとあきらたようで穏便にとりなしてくれ、その後は元の職場で仕事をしていました。
あまり高く評価されて能力以上の出世や難しい仕事に就くと、自信喪失するのはありがちでしょう。それにしても、まわりに断りなしに黙って消えてしまうなんてのは社会人として非常識で論外です。

うそ800 本日のツッコミの予防処置
外資社員様からだいぶ甘いんじゃないかというツッコミを予想します。
実際の会社でこれほど内山さんに温情を示すかといえば、あるでしょうね。
もしこれで内山さんが自信喪失して病気になったり、最悪退職してしまったらご家族も大変ですしご本人もかわいそうだけでなく、会社も好ましいことではありません。もし本人にやる気があればもう一度頑張ってもらう機会を与えるのは普通でしょう。
あるいは本人がギブアップしたなら、あまり頭を使わない別の職場に移すということになるでしょう。
ともかく私は内山さんに同情はしません。

うそ800 歴史にイフはないが
私が今あるのは、社会人となってからの先輩や上司の教えるところによるところが大きい。そして過去もっと良い先輩や上司に巡り合っていたなら、今より私はレベルアップしてしたと思う。そういう意味で、運不運はあると思う。もっと良い先輩とか上司といってもきめ細かく指導してくれるという意味ではなく、先輩が努力家であるとか職場の雰囲気というものが新人に大きく影響する。
工業高校をでて数年後の同級会で、大手電器メーカーに入った奴はまわりが英語どころかフランス語など第二外国語を話せる人たちばかりで、一生懸命外国語を勉強していると言った。また別の者は先輩がみんな夜学に通っているので、本人も都立大に入ったとのこと。その後そいつは会社を辞めて大学院に行ってドクターになった。
他方、中堅建設会社に入った奴は、毎日昼休みには近くにノミ屋がいるしダフ屋が注文を取りにくるとか、夕方帰るときはコップ酒をあおっていくとか語っていた。
私の周りはマージャン狂と酒飲みばかりだったので、私はその感化を受けたのだろう。私もそれなりに頑張ってはきたのだが・・・・
もちろん人生の指標はひとつしかないというわけではなく、複数の外国語が話せたりドクターになることが幸せとか成功というわけでもない。ただ朱に交われば赤くなるというのは本当だ。


緑青の看板様からお便りを頂きました(2012/12/4)
専門学校からの新人で一人おりました
5月の始めの技術研修でした
家族からの電話で分かったのです
行方しれず
幸いなこと?に
お財布落とし、名刺から連絡あって
本人は無一文になり交番へ
課長が金沢市までいきました

緑青様
ともあれ無事でなにより
でも勤め先の上司に迷惑かけちゃいけないよね
私は能がなくてもひたすら頑張るしかありません

名古屋鶏様からお便りを頂きました(2012/12/4)
あー・・・ウチでもありましたねぇ「失踪」。ホントに「ある日突然に」居なくなるんですよ。若い人でしたが。その方は「海の向こう」で保護されたと聞きましたが、スデに家族の承諾を得て退職扱いだったので、その後のことは存じません。

えーーー、すると失踪なんて珍しくないんだ
失踪ではなく疾走だったりして


N様からお便りを頂きました(2012.12.05)
内山さんの失踪には驚きました。
そういえば、ずいぶん昔ですが、納品日に間に合わないといって前の日に失踪して、2,3日消えた人がいましたね。
周りは大変でしたが、本人はへらへら笑って帰ってきました。
でも結構出世しました。今では考えられないかもしれません。
いろいろですね。

N様 毎度ありがとうございます。
私が以前働いていた会社には、3月は50日くらいまでありまして、3月エンド納期の品物を間に合わせていました。
おっと、あまりいうと身が危ないです。
最近はネタ切れですから、燃料投下をお願いします。

外資社員様からお便りを頂きました(2012.12.05)
すでに皆様がお書きになっているように、鬱病がらみでは穏便が多いのでは?
大手は言うに及ばず、私のような小さき企業でも、無関係ではありません。
鬱については、一時は「がんばっては禁句」だと、マニュアル化された対応まで出回りましたが、経緯や原因をつかんで、関係者の忍耐強く対応するしかないですね。
その上で、どこまで面倒を見て、待てるかは、会社のポリシーや状況次第だと思います。
ただ言えるのは、当事者が「自分に問題あり」と自覚しているならば、なるようになるでしょう。
一番の問題は当人が気づいていない場合で、偉い人が巨額の赤字を出して、それでも社長を続けたり、事業部長から社長になったりなど、不思議な事をやれば やはり会社はおかしくなりますよね。
こういう自覚のない場合こそが、本当の天狗、いえ 天魔の所業かもしれません。

外資社員様 まいどありがとうございます。
ウツの話ですが、本当にそんなにウツが多いのか私は疑問に思っています。
仕事でつらいことがあったり、自分の能力では無理だというとき、精神的に参ってしまうというのはウツかもしれませんが、逃走してしまうというのがウツなのか、私はどうも納得しません。
実話ですが、もう20年近くなりますが、以前私の部下だった人が別の職場に異動して5・6年たってからウツ病になりました。そこの管理者が以前の上長だった私がその人を厳しくこき使ったからウツになったのだと社内で公言して私はいささかウツ(病ではありません)になりました。
仕事でつらかったとして、それから何年も経ってからウツになるものでしょうか? 私にはそうは思えません。それにそもそも私の下で働いていた時は、残業などは多かったですが、結構明るくしていたのですが。
そんな経験があるので、ウツの人を見ると本当かいな? と疑ってしまうのです。
それと私の身近にいた逃走したご本人はその後もウツとは診断されませんでした。
とりあえず、ここは内山さんはウツではないことにして、彼が立派な環境担当者になるように物語を進めましょう。


N様からお便りを頂きました(2012.12.06)
今回の内山さんの失踪も面白かったのですが、もっと面白いのが横山さんの育成計画。
環境にしろ、品質にしろ、企業活動は社会からの制約を受けています。
こうしたことは漠然とは理解しているものの、実際の現場では過去の経験を活かすことはできても未来への備えはできません。
「自分はいったい何を学べばよいのか」は実は誰も分かりません。
横山さんが、山田さんの薫陶を受けて内山さんへの教育計画を立てるプロセス自体が一つの解なのかなと思います。
自分で解を探せない人たちへの支援。

N様 毎度ありがとうございます。
物事の知識を教えることよりも、学ぶこと、学ぶ方法を教えることに価値があると思います。
これをネタに次回につなげます。
感謝



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