マネジメントシステム物語78 仕組みでないもの

14.09.11
マネジメントシステム物語とは

ここ数日、竹山は出張だ。佐田は課長代行のような仕事をしているものだから、以前のように出張ばかりしているわけにはいかない。グループ企業に何か問題が起きたら中心になって対処しなければならない。だからちょっと難しいところの環境監査には竹山が行く。もちろん工場のメンバーにも監査に協力してもらっているのだが、ややこしいというか問題があるところや、新しく設立された会社、あるいは指導が必要なところは誰でもいいというわけにはいかない。竹山はもう完全に一人前だ。とはいえ課長にするにはまだ10年早いだろう。
佐田も、もう58歳だ。いつまでもここにいるわけにはいかないし、どうしたものかと時々考える。あと2年あるともいえるが、2年などあっというまである。
今の大河内部長も、ここに来てもう5年になる。今年か遅くても来年には異動するだろう。大河内の前任者の熊田部長は業界団体に出向したが既に転籍して、今は業界団体の広報をしているらしい。
塩川課長も関連会社に出向して早2年になる。関連会社の定年は62歳くらいらしく、塩川はまだまだ現役を務めるようだ。
佐田の経歴では業界団体に出向というわけにもいかず、またあまりにもニッチな専門家だから関連会社に出向しても使いみちがないと思う。高卒だから62歳まで勤めれば年金がもらえるので、なんとか定年後2年間は働きたいと内心希望している。はてさて、どうなるものだろうか。ヒマがあるときに人事の知り合いにでも相談しようと思っている。いや本当を言えば人事部には歩いて数分だからいつだって行けるのだが、仕事ならともかく個人的なことを相談するというのはいささか気が引ける。

通常は大きな問題、つまり違反が見つかったとか事故が起きたなんてことはまずない。そんなことは年に二三度あれば十分だ。だけど新設施設の届をどうするかとか、廃棄物の法律問題の相談をしたいなどというのは毎日のようにあるし、提出された監査の報告書のチェックと確認後の報告、場合によっては口頭で監査部長などに説明しなければならないこともあるし、また是正処置のために会議を開催することもあり、夕方になればもう満腹という感じになる。それでも最近は要領を分ってきたようで、土日の出勤はなるべきしないようにしているし、残業しても8時には帰るようにしている。
今日も特段、冷や汗をかくようなこともなく定時を過ぎた。ヤレヤレ今日は7時前には帰れるかと思ったときに竹山がキャスター付のスーツケースをころがして部屋に入ってきた。
佐田
「おお、お疲れさん。何かあったかい?」
竹山
「いや、問題というようなものはありませんでした」
佐田
「それは良かった」
今回の出張は四国の高松だったはずだ。飛行機にしろ新幹線にしろ、向こうを午後早く出たとして、今やっと着いたところだろう。本当にお疲れ様だ。佐田は本社に閉じこもっていないで以前のように出歩きたいと思うときもあるが、夜10時とか11時に羽田に着いて最終のリムジンバスに乗ろうと走ることを思うと、もうたくさんという気持ちが強い。家に着くのが午前様で、翌朝8時前には会社に来ていなくてはならないのだから。まあ竹山はまだ30歳半ばだから頑張ってもらおうと虫の良いことを考える。
竹山はスーツケースを壁際においてドサット自分の席に座った。
竹山
「佐田さん、話していいですか?」
佐田は、これは長引くなと思ったものの、明日にしようとも言えない。
佐田
「いいとも、コーヒーでも飲みながら話を聞こうか」
二人は打ち合わせ場に座る。ときどき一人二人と退社する人が脇を通り過ぎる。
竹山
「今回行ったところはご存じと思いますが、去年創立された会社です。とはいえ元々四国中国素戔嗚すさのおの販売という会社がありまして、それが本社の事業上の政策で四国素戔嗚販売と中国素戔嗚販売に分かれたんです。ですから創業からの歴史はもう30年くらいあるわけです。今回は新会社として会社の文書が整備されているかなというところを見ようと思っていました。別れたと言っても、同じくらいの規模じゃなくて、四国が25%、中国が75%くらいになりました。ですから中国の方は組織も事業もほとんど従来と変わらず、会社規則についても今までのものを若干職制名を変更した程度でまにあっていたのです。
それで四国の方はどうしたのかということに関心を持っていました」
佐田
「なるほど」
竹山
「初めは当然、環境管理について見せてもらいましたが、まったくといっていいほど何もしていませんでした」
佐田
「なにもしていないというと?」
竹山
「元の四国中国素戔嗚すさのおの販売当時の規則のままなんですよ。職制名どころか社名さえも書き換えていませんでした」
佐田
「非製造業だからあまり環境規制に関わりがなく、運用上問題になることはないのかな?」
竹山
「そんなことありませんよ。行政への廃棄物やエネルギー報告もありますし、あれで仕事になるのかなと思います。もっともまだ分社化して2年ですから、今働いている人たちは前の職制と今の職制の対照が頭に入っているから何とか仕事ができるのでしょうか。でも部外者には、元の会社の規則で『だれそれ課長の決裁を受ける』とあっても、その仕事を今はだれが担当なのか分らず、書類の決裁さえ受けられません。
実は私もはじめは環境はあまり重要でないから書き直していないのかと思ったのです。ところで天叢雲あめのむらくも電子の一件があったでしょう、それで廃棄物の支払いの決裁をどうしているかと会社規則をたどって行ったら、なんと資材購入や各種サービスの支払いの規則も全然直していないんです。古いままです」
佐田
「おやおや、それで仕事になっているのだろうか?」
竹山
「まあ、会社規則が全然ないって会社もありますからね、分社化する前の規則集でごまかすというか、なんとか仕事になっているのでしょう。今はですが」
佐田
「当たり前のことだけど、必要な文書はたくさんある。就業規則くらいは作っているんだろう?」
竹山
「ああ、法律で決まっているものは見直しているようです。ただ義務ではないようなものは真面目に整備していなかったですね」
佐田
「なるほど、竹山さんの話の流れからすると、そういう実態に憤懣やるかたないというところかな?」
竹山
「アハハハハ、まあなんといいますか、そこんところを佐田さんと話をしたかったんですよ」
佐田
「あのさ、ここで話しているよりも、どこかで飲みながらというのはどうかな? 神田駅前あたりでどうだい」
竹山
「確かに、でも東京で飲んでから電車で帰るってのもつらいですね。佐田さんは市川でしたね、私は稲毛ですから市川で飲みましょうか? 市川から稲毛なら快速で十数分ですから」


二人は30分後、市川駅前の居酒屋にいた。まわりを気にせず話をしたかったので個室を頼んだ。既にそれぞれジョッキ1杯を飲みほして、今2杯目に取りかかっていた。
竹山
「会社の続きですがね、実は私は手順書がないということに驚きました。しかしレベルが低いとは思いませんでしたし、ましてとんでもない会社とも思いませんでしたね」
ビール
佐田
「ほう、それは意外だな。どうしてそう思ったの?」
竹山
「ものごとの良否を判断するのに、理屈から考えることもあるでしょうけど、現実の結果から判断するのもあるでしょう。つまり文書化された手順書がないけれど不具合が起きていないならば、現状を悪いとは言い切れませんよね」
佐田
「確かにISO的に言えば、現実に問題が起きておらず、要求事項に文書化が記述されていない事項なら適合か観察だろう。観察は不適合ではない。まあ、いつか問題が起きるかもしれないというリスクはあるね」
竹山
「それですよ、その四国素戔嗚で分社化する前の手順書を参照して仕事をしているというのは、ISO的判断基準ならダメとは言い難いけれど、常識では危ないと判断されるでしょう。しかし現に問題なく過去2年間運用しているならそれを否定するのは難しいなと思いました」
佐田
「竹山さんらしくない発想だね。いや、私が竹山さんの考えを否定しているわけじゃないよ。竹山さんならそうじゃないと考えるだろうと思っていたということだ」
竹山
「問題は、この会社が今後5年、10年と現状のままで、不具合を起こさないでいけるかということですが・・」
佐田
「見方を変えると、その会社は分社化する前でも会社規則を見て仕事をしていなかったんじゃないだろうか?」
竹山
「その可能性というか、そういう事情は大ありなんです。実は20年くらい前は中国と四国は別会社だったんです。当時、親会社であるウチの営業本部の要請で合併したのですね。そのときまでどのような社内規則があったのかはわかりません。ただ合併後はすべての点で大きい方の中国勢の考えで進んできて、マイナーな四国勢は引きずられていたようです。ですから分社化前の規則は中国勢にとっての標準化であり、手順書であって、四国勢にとってはあまり好ましくなかったのかもしれません。そこんところは私の想像です」
佐田
「なるほど、とすると元々四国においては、社内ルールは運用基準ではなく建前だったのかもしれないな。となると分社化しても元々が不文律で動いていたならそれまでと変わらないということか」
竹山
「まあ、そんなところなんですが、さてそこでその状態をどう判断すべきかということが課題というか難題だったのですよ」
佐田
「ISO規格要求などは埒外として、そのような状態で適正な運用、要するに間違いとか決裁権限の逸脱などが起きないのかということを考えなければならないね」
竹山
「一般的に文書化することがレベルが高いという考えがあるように思うのですが、そうじゃなく、組織の構成員や業務内容によって文書化レベルが決まるという考えもありますよね」
佐田
「ISO9001でもISO14001でも、それは明記されているね」
竹山
「ISO規格では最低文書化するものとして、方針、品質マニュアル、文書管理、記録管理、内部監査、不適合品の管理、是正処置、予防処置だけだったと思います。
(この物語の設定年代は2010年でISO9001:2008を基にしている)
文書化されたシステムのひとつとして、ISO規格の描くものがあると思います。しかしかってISO9001があまりにも多くの文書を要求したことの反省としてISO14001では文書要求を大きく減らしたと聞きます。まあ、その後規格改定の変遷があって文書の要求が増えたり減ったりいろいろあったようですが・・
とにかく文書化されないシステムが悪いという基準はなかったと思います
それ以外は組織が決めていいわけです」
佐田
「本来ならどんな文書や記録を作るかは組織の裁量でしょう。ISO規格は第二者あるいは第三者を納得させるための最低条件をあげているにすぎないでしょう」
竹山
「すると四国素戔嗚の場合は、彼らが業務遂行するときに問題が起きないかどうかということに尽きますね」
佐田
「自分たちだけでなく株主などの利害関係者、まあ四国素戔嗚の場合は上場会社ではないから、親会社であるウチの監査部を納得させるか否かということもあるだろうね」
竹山
「そういう意味では法規制のあるものは最低限制定しているわけで、それで十分、あとは自分たちの運用で問題を出さなければいいと考えているってことでしょうか」
佐田
「そういうことになるのかな? とはいえ、竹山さんの環境監査は監査部の業務監査の一部として行ったわけで、君が監査結果どう判断したかということがその評価そのものだよ」
竹山
「そうなんですよ、ですから悩んだのですがね・・・環境管理について全く何もないわけじゃないのです。
省エネの届や廃棄物の報告などはいわゆる文書化された社内手順はありませんでしたが、行政からの通知がファイルされていて、過去数年間の届や報告も保管していました。またこれまたいわゆる文書ではないのですが年間のスケジュールなどが作られていて、それを見れば行政報告などの年中行事が一目瞭然で、まあよほどのことがなければ漏れやミスはないと思えました」
佐田
「なるほど、そういう形式で運用しているところは多いね。四国素戔嗚のような規模が大きなところはともかく、100人もいないような規模の非製造業ではそういった方法が通例だ」
竹山
「そういうところの問題発生はどうなんでしょう?」
佐田
「規模が小さいと関係する規制も少ないから特段不具合があるわけではないね。それにまったく何もないわけじゃなくて、例えば廃棄物なら行政のパンフレットを見るとか、省エネなどはビル管理会社の指示に従っているとかしているからね。
ただISO的に言えば、そういったものを外部文書として定義して、外部文書の扱いを決めておく必要はあるだろうなあ〜」
竹山
「確かに外部文書であることさえなににも決めてありません。そのへんがいい加減と言えばいい加減ですよね
ところでだいたいの形があり、それを構成員が認識していて、運用結果問題なければ適合と判断するべきでしょうか?」
佐田
「ちょっと待ってくれ。竹山さんが判断するのは適合・不適合ではないよ。遵法は大丈夫か、事故は起きないかということだ。より具体的には前回監査以降の遵法は問題なく事故もなく、そして次回監査までの今後2年間それが維持できるかどうかということだよ」
竹山
「おっしゃる通りです。前者については問題がありませんでした。後者の今後についても現在の構成員であれば問題ないと思ったのです」
佐田
「分った。仮に不具合が起きたとしよう。不具合が起きるのはどうということはないが、そのとき再発防止をしようとすると、文書が必要になるのではないだろうか?」
竹山
「どうなんでしょうかねえ〜、今文書化された手順がないことが問題とするのはいきすぎかと思うのです。問題が起きたとき、その是正処置として手順を文書化するという意識があればよろしいのではないでしょうか?
一歩下がって、標準化は必要でしょう。でも標準化したものを文書化する必要性はなんでしょうか?」
佐田
「ひとつの仕事のやり方を考えて、一番いい方法に決めたとしよう。その方法がどんなものかを固定し伝達するには文書化が必要だろうと思う。もちろんここでいう文書化とは書き物だけでなく、写真やサンプルあるいは看板などもあるだろう。しかし口承とか踊りのような伝承だけでは形が維持されないのではないかな?」
竹山
「なるほど、確かに。しかしですよ、文字がない時代、語り部が神話や歴史を言葉で伝えるのが基本でしたね。世界中どこでもそういうのがあったわけです。旧約聖書だってアメリカインディアンだって、ハワイでだって、日本の古事記だって書き物になる前は口承文学だったわけでしょう。そういう存在が情報伝達する役割を果たしていたわけですよね。文書化されないからだめというわけではないでしょう。
伝説についての本にあったのですが、語り部の語る言葉は毎回違うそうです。でも芯になる物語は変わらない。その言い回しや形容が変わってもコアとなるストーリー、登場人物が変わらなければ物語は変わらないと言えるでしょう」
佐田
「会社のルールも伝承されるだろうということか」
竹山
「まあ、そういうわけで私は問題ないと判断したということです」
佐田
「いいんじゃないか」
竹山
「ええ、いいんですか? 実は私はその判断が佐田さんから問題だと言われるのではないかと気にしていました」
佐田
「いろいろな観点があるけど、まず監査は現場に行って現物をみるだけでなく現場の雰囲気をつかんだ人の判断を尊重する。
それから私は文書至上主義ではない。というかシステムが最重要とは考えていないんだ」
竹山
「システムが重要ではないのですか?」
佐田
「重要だとは思うよ。最重要ではないと思っている。重要なものはたくさんあって、システムはそのひとつだということだ。
よくISOで会社を良くするとか、マネジメントシステムで儲けるとか語る人がいるけれど、半分は正しいかもしれないけど、半分は間違っていると思う」
竹山
「そうなんです。四国素戔嗚もそうなんですが、仕組みがはっきりしていなくても組織が動いているんですね〜。ISO規格はしっかりとした仕組みを作れというのが基本ですが、仕組みがなくても意識と技能があれば世の中は動いていくってことでしょうか?」
佐田
「その通りだと思う。だいたい仕組みだけで良くなるという発想がわからないよ。組織の成果は管理技術だけで成し遂げられるはずがない。固有技術がなければなにもできないし、組織のメンバーがファイトを持っていなければならない」
竹山
「ISO規格を作った人たちはそういうことを知らなかったのですか?」
佐田
「そういうことはない。なぜならISO9001:1987の序文で『この規格に規定した品質システムの要求事項は、技術的規定要求事項を補うものであることを強調しておく』と書いてある。最初にISO規格を作った人たちは、仕組みだけではどうにもならないと知っていた。それでISO規格は重要なものの中で仕組みだけを決めたことを表明していんだ。
だけどいつのまにか、ISO規格は万能であると考える人が増えてしまって、固有技術のことや、士気については忘れられてしまったのだろうね」

成  果
固有技術管理技術士 気
矢印
ISO規格の守備範囲

竹山
「なるほど、良い成果を出すには仕組みだけではダメなのは当たり前ですよね。良い仕組みがあるのではなく、良い成果を出す仕組みが良いというだけですか」
佐田
「私はISO規格が絶対とか、それを満たさないものはダメという発想がおかしいと思う。組織の規模、構成員のレベルなどによってバリエーションは多様だと思う。極端なことを言って一航海一企業というケースとか、期間限定のプロジェクトなどにおいては、仕組みを考えるより優秀なメンバーを集めた方が成果が確実だろう」
竹山
「すると、このような会社なら、ルールをこまかく定めるのではなく、いや違うなあ〜、順守するルールではなく参照するガイドラインを整備するというのがあるべき姿なのでしょうか?」
佐田
「実態を見なくちゃなんとも言えないけど、そういう可能性もある。しかし先ほども言ったけど、必要なら文書を作るという最低のルールは欲しいね。
それからもっと大事なことだけど、暗黙知があって動いているわけだから、新人に対してその暗黙知の教育ということが大事になるだろう。
組織の構成員として持つべき文化、精神、理念というものを伝承することが大事になるだろう。そしてそれも文書化するのではなく、そういう文化を維持するということじゃないのかな」
竹山
「なるほど、そうすると私は監査でそういう文化があるかどうかを調査しなければならなかったわけですね」
佐田
「そうだね、さっき竹山さんが過去2年間は大丈夫だったと言った。それは過去だから白黒がはっきりしている。しかし今後2年間大丈夫だろうかという判断は、その会社の文化が維持されるかということの心証が得られるかどうかによってなされるよね」
竹山
「なるほど、そういう意味では私は調査不足でした」
佐田
「気にすることはないさ。しかしそれは非常に難しいだろう。ISO審査が簡単なのは、文書記録が定義されていて、その具備すべき要件も標準化されているからだ。文書化された手順がない場合、その組織が要求事項を満たしているか否かを判断することは非常にむずかしい。まあ、そうでないと監査のやりがいがないけどね」
竹山
「佐田さんの後を継ぐには、まだまだ修行をしなければなりませんね」
佐田
「冗談を言うなよ。私の今の悩みは定年まで2年しかないことだ。でも後進の教育が悩みではなく、年金がもらえるまでどうして食べていくかってことだよ。娘は大学を出たけど息子はまだ大学生だからね」
竹山
「部長が佐田さんに嘱託で残ってもらおうって言ってましたけど、その話はお気に召さないのですか?」
佐田
「それは初耳だな。そういうことはこちらから聞くのもなんだしなあ〜」
竹山
「佐田さんならどこに行っても大丈夫ですよ。あ、ビールもう一杯いきますか? それとも焼酎に切り替えますか?」
佐田は過去の経験から、うまい話は期待薄ってことを知っていた。

うそ800 本日の疑問
最近考えているんですけどね、マネジメントシステムって必要なんでしょうか?
ISO14001規格にはしっかりと序文に書いてありますよ、「組織のパフォーマンスを将来も満たすためには、組織に組み込まれ体系化されたマネジメントシステムが必要だ」と。
つまり優秀なファイト溢れる人たちの組織であれば、組織に組み込まれ体系化されたマネジメントシステムはいらないのです。あるいは期間限定のプロジェクトや企業体においてもいらない。
そしてどんな組織にあっても、後輩に力量を持たせファイトを持たせなければ明日はありません。じゃあ、後輩の育成がしっかりしていれば文書化されたシステムはいらないのか?
私はいらないと思います。
おっと文句を言わないで、ISO14001の序文にそう書いてありますから

うそ800 本日の言い訳
毎回いろいろなストーリーを書いているわけですが、物語とか事故の処理について語りたいわけじゃないんです。お分かりと思いますが、仕事にどう向き合うべきかとか、生きがいとは何かてなことを書きたいと思っております。そんなことができていれば良いのですが・・・



N様からお便りを頂きました(2014.09.11)
雑感
マネジメントシステムは「必要」なんではなく、もともと存在するものだと思っています。
その内容は組織によって違うし、うまい下手もあるでしょう。
認証は、そのうちの規格に対応したところをみて過不足を判断するだけだと思います。

N様 同感です。
でも不思議なことに、ISOの雑誌、書籍、講演などでは「マネジメントシステムの導入をするとこんないいことがあります」とか「マネジメントシステムを構築しなければなりません」なんて言い方が普通です。
N様のご意見と同じですが、私は「マネジメントシステムの改善をしよう」とか「マネジメントシステムを補強しよう」と言わねばならないと考えています。
まあ、本を書いたり講演をされる偉い人は考えが違うのでしょう。
それとも単なるアホなのでしょうか?
どっちがアホかと言われると・・・

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