審査員物語49 大震災その2

15.10.05

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。但しここで書いていることは、私自身が過去に実際に見聞した現実の出来事を基にしております。

審査員物語とは

会社から何も連絡がない。明日からどうするのかまったく情報がないので、震災から二日たった日曜日の夜、三木はスケジュールを決めている事務方の自宅に電話した。不祝儀発生など緊急時発生時連絡先としてスケジュール担当の自宅電話は教えられていた。三木は来週の審査予定の会社に直接問い合わせ審査できる状況でないことを確認した旨を伝えた。そして明日からどうするのか問うた。担当もまったく対応状況を把握していないようで、とりあえず月曜日は自宅待機とする、月曜の夜までに火曜日以降の予定を連絡するとのことである。

盆栽 そんなわけで月曜日も三木は自宅の内外の被害箇所を点検し、自分でできる片付けや修理をした。
庭にあった盆栽を置く台は根元が腐っていたこともあったらしく、今回の地震で完璧に崩れて植木鉢が散乱している。とりあえずバラバラになった板切れを縛って次のゴミの日に出せるようにした。もっとも当分ゴミ収集車が来るとも思えない。盆栽は値打ち物はないが長年手を入れてきて愛着がある。植木鉢は割れているし、新しい台を作るにもすぐには材木も何も手に入らないから、とりあえず地植えにしておく。根が伸びたりするのはこの際目をつぶるしかない。

家が地震でねじれたせいか雨どいが上側のつなぎ目がで外れている。このまま放っておいては水が落ちるとはじくし地面に穴ぼこができる。完璧に修理するにはちょっと素人の手には負えない。とりあえず雨どいを元の位置まで戻して針金で縛り応急処理とする。
屋根も気になるが総二階だから梯子がないと屋根に登れない。トタンぶきだから破損してはいないとは思うがトタンがずれて継ぎ目から雨漏りがあるかどうかは雨が降らないと分らない。
そんなことをしていて一日が過ぎた。

夕方会社から電話があり、可能なら明日から出社してほしいという。東京以西は計画とおりに審査を行うとのこと。かなりの審査員が交通手段のトラブルやご自宅の損壊などで出社できないそうだ。関西方面の審査予定していた方で、自宅の損壊とか交通機関が動かず出張できなくなった人の代わりに、ピンチヒッターを頼むかもしれないという。三木は了解したと回答した。
三木の家から駅までのバスは動いていないので妻の陽子に送り迎えしてもらうことにしよう。そういえばガソリンが不足していると報道されていたが我が家は大丈夫だろうか? 陽子に満タンにしておくように言っておこう。


火曜日に三木はとんでもなく混んでいる東海道線で出社した。乗客の顔を見ると何かテンションが高い。みなが自分が頑張らなくて会社が動くのか、日本を救うのは俺たちだなんてオーラを発散している。不思議なものだなと三木は思う。新橋駅で降りると外気の冷たさが心地よい。
月曜日に出社したのは幹部と一部の社員だけだったようだ。朝一にナガスネ本体と子会社全員を集めて、といっても出社したのは40名にも足らないが、社長の話があった。
要旨は関東より西は通常通り業務を行うが茨城群馬以北の審査は一時停止状況であること、被災地についてまず状況把握をして今後の計画を立てる。当面の予定がない者は顧客の状況確認と審査予定について確認する業務をしてもらう。
今後被災地で行う審査は、1年間隔にこだわらず融通をきかせること、今後の復旧計画などを実施計画の一部とみなすなどを考えているという。詳細についてはJABと打ち合わせる必要があるだろうとのこと。
元々が企業において環境のための実施計画などないのだから、三木はそんなこと当たり前というか、過去からしていることがすべてだと思う。まあ見方によれば今回の震災でバーチャルから実質への移行のきっかけになれば良いと思う。
その他、当社社員の被害はなし。ただ東北にお住いのご家族についてはまだ不明であるとのことであった。

三木は被災地に所在する認証企業の状況確認部隊に入れられた。指揮は潮田取締役で、簡単な1ページのマニュアルを配って説明する。
聞取り事項として、認証組織の損害状況、審査の実施可否、審査希望日時などが列記されている。しかし具体的な話し方とか手順は書いてない。細かいことはよきに計らえということのようだ。
三木は自分に割り当てられたリストを見た。福島県の認証組織約30社である。聞取りがトントンと進めば1件数分で済むだろうし、時間がかかれば1時間か・・・いやその前に電話が通じない恐れもある。
とりあえず三木はリストの一番上の会社をながめる。会津若松か、テレビ報道ではここはあまり被害がなかったはずだ。もっとも交通機関はどうなのだろうか。東北新幹線は不通だし高速もだめだ。工場が無事でも審査員がたどり着けるはずがなく実質的に実施不可能だ。
まわりでは既に電話をジャンジャンかけているが、三木はあわてずにいろいろ考える。ヒアリングの項目ごとに応答を考える。まずこちらの自己紹介、電話をした理由、地震見舞いの言葉、被害の概要確認、改めてのお見舞い、被害の復旧予定、交通機関の状況、こちらから援助できることがないかなどについて問い合わせ、今後のISO認証についての考えの確認、審査予定について確認、そんなところかなと思う。メモの項目をエクセルで枠だけ作って書き込みそれを数枚プリントアウトする。実際に聞取りを行ううちに内容を加除することもあるだろう。ここまで30分以上かかったが三木はあわてずにリストの最初の企業に電話をかけた。

三木が二社ほど問合せを終わったとき、隣で電話をしていた茂木が大声を出した。
茂木審査員
「ISOどころじゃないって、おたくも大変でしょうけど我々も一生懸命なんですよ」
まわりの者が片手に受話器を持ちながら驚いたように茂木を見つめた。
茂木さん
「そうしますと今月の審査は無理ということでよろしいですね」
三木は心中ヤレヤレと思う。どんなやりとりがあったのか分らないが、大地震でテンヤワンヤしているところに、今月のISO審査ができるのかとかいつなら良いのかなんて聞くのは、まともな人のすることではない。
耳を澄ますと別の者も電話の相手ともめているようだ。
?
「え、別の者が既に電話していましたか。私は聞いてませんでした。そんなあなた、電話に出るのも大変なんだとおっしゃられても・・
我々もしなければならないことをしているわけでして・・・もう電話するなって、あなた
れっ、切られちゃったよ、まったくもう」

これはまずいなあ〜、三木が潮田を見ると席にいない。首を伸ばして見回すとガラス窓で囲まれた喫煙室にいる。他に数人いて談笑している。
三木は立ち上がり潮田のところに行く。
電話
三木
「潮田取締役、ちょっとお話があるのですが」
潮田取締役
「どうぞ」
三木
「私はタバコが苦手なので表でお願いします」
潮田が面白くなさそうな顔をして喫煙室から出てくると、三木は潮田を小さな会議室に連れ込んだ。
三木
「潮田取締役、今みなで認証されている会社に電話で問い合わせしていますが、ちょっと問題があります」
潮田取締役
「問題とは?」
三木
「みなさんの応答を聞いていますとお客様ともめているのが時々聞こえます。これはまずいです。客が逃げて行きますよ。相手がお客様なのですから、まず挨拶、お見舞い、それから相手を思いやって話をすることとか常識的なことを徹底しなければなりません」
潮田取締役
「私が初めに配ったマニュアルでは不足ですかね」
三木
「不足というかそれ以前の基本的な心構えとかを示さないと分ってもらえないと思いました。
工場が半壊あるいはぺちゃんこになって皆がテンヤワンヤのところで電話が鳴って、出てみたら来週の審査は予定通りできますかなんて聞かれたら怒りますよ、普通」
潮田取締役
「えっ、それは、そいじゃどうすれば、いやどういう聞き方をすればいいのかな?」
三木
「まずは審査のことよりも先に先様の被害状況をお聞きするとか、地震のお見舞いを述べるとかがあるでしょう」
潮田取締役
「そりゃそうだ、みんなそういうことはしていないのかな?」
三木
「みんながみんなではないでしょうけど・・・お客様と大声でやり取りしている人もいまして私としてはいささか問題であると感じました」
潮田取締役
「そいじゃ三木さん、ちょっとみんなを集めて指導してよ」
三木は潮田の言葉を聞いて力が抜けた。この人はこの会社を背負っていく気構えがあるのか?
まあ、しょうがない。
三木
「ええと今11時20分ですか。それじゃちょっとまとめますので午後一にみんなを集めて私から話をする旨を伝えてください」

三木は自分がつくった応答記録を若干修正し、また今まで聞こえていた問題をまとめて人数分コピーをした。
準備ができたらもうお昼だった。


午後一、潮田が作業に入る前に状況確認部隊を招集した。
潮田取締役
「みなさんお忙しいところ申し訳ありません。午前中いろいろと問題があったようなので、聞取り内容の再確認とその際の注意事項について三木さんからお話ししていただきますのでご清聴願います。」
三木
「私がしゃしゃり出るのは僭越と存じていますが、当社の信頼にも関わることでもありますので、ちょっとお話させていただきます。
私たちは通勤電車の混乱、自宅も被害が出て、会社の建物も一部損壊という状況におりますが、問合せ先の工場や会社は震災をもろに受けて、建屋が全壊あるいは半壊、従業員あるいはご家族に死傷者が出ていることもあると思われます。そういう状況を良く理解して相手の心情を推し量ってヒアリングをしてほしいと思います。
電話がつながったらまずは先様にお見舞いを述べ被害状況を確認すること・・・
相手の状況を推し量り、
相手の身になって話を
しなければなりません

三木
・・・・・・・・
その他に話を聞いていてまずいと思ったことがあります。既に先方から連絡を受けている場合もあるようです。そういったとき再度同じことを問い合わせるのは失礼ですから、そういう情報は共有化して先様にご迷惑をかけないようにしてほしいと思います。
それで問合せあるいは向うから連絡があった場合はエクセルの一覧表にその旨を記入し、ダブって聞くことのないようにしたい。
・・・・・・・・
最後に初歩的なことですが言葉使いは丁寧に間違いないように願います。午前中のみなさんのやり取りの中で『おっしゃられた』とか『お承りました』なんて聞こえましたが、そういう日本語はありません。正しくは『おっしゃった』『承りました』です。敬語に自信のないときは単なる丁寧語にするか普通の言い回しにしてください。敬語でミスるなら、簡潔に平常語で話した方が百倍よろしい」
茂木審査員
「ちょっとちょっと、三木さん、我々は営業じゃないんですから敬語とか言い回しとか難しいことを言われてもできませんよ」
三木
「営業ではないとおっしゃっても、我々は社会人を何十年もしてきたわけです。それに日常審査でお客様と接しているわけでそれなりに発言することに慣れていると思います」
?
「『おっしゃられた』と言っていけないなんて言われたら、言葉が出てきませんよ」
三木
「予め挨拶で何を言おうかとか、質問の文章を決めて練習しておくのです。今資料を渡しましたが私が質問していることが書いてあります。1社1枚の紙を使います。自分が話したらチェック印✓を付けてください。そうすれば漏れをなくせます。最終的にこれは聞取りの記録になります。
もちろんみなさんのしやすいように作り直してけっこうです」

電話実施日時2011.03.15 14:30〜14:50
問合せ者三木
認証組織名○○株式会社 ○○工場
ご応対者名○○部 ○○課長
項目実施内容
自己紹介御社のISO認証をさせていただいているナガスネ認証の三木と申します。
電話をした理由報道によりますと御社所在地域では甚大な被害がでているとこと、大変心配しております。御社の事業所とお勤めの方々はご無事でしょうか。御社の状況がわからずお取込みとは思いますが、御社の状況を確認いたしたく電話いたしました。
地震見舞いの言葉相手の回答に合わせる
被害の概要ふたつある工場建屋ともに半壊、内部は設備、ワーク共に全滅状態
従業員は無事、ご自宅には多々被害あり。パートの多くは復職しないおそれあり
電力は現時点復旧
ガスは停止・・・・復旧見込みなし
上下水道停止・・復旧見込みなし
公共交通機関運休 バスは間もなく復旧見込み
被害の復旧予定工場建屋について建築会社に検討を依頼中・補強で対応予定
設備機械類はまだ手つかず、メーカー点検が必要
交通機関の状況東北新幹線、国道4号線、49号線が各地で寸断していること。ホテルなどは休業状態
審査員が行ける状況ではない
支援の可否・要否私どもにできることがありましたら及ばずながらお手伝いしたいと思います。また必要なものや情報など遠慮なくご連絡いただきたい。ISO審査にご要望があれば連絡してほしい。

特段なし
ISO認証の今後事業再開すれば継続する
審査予定について工場再開時に打ち合わせたい
その他かなり混乱しているようであった。不要不急の電話をしないことが望ましい。
改めてのお見舞い忘れずに一言申し上げること お体にお気を付けください。
一日も早く事業再開できますよう祈念しております。

?
「おお、ISOの記録みたいだぞ」
三木
「聞取りしたことはこのシートに記載し、挨拶やお見舞いを話したらチェック印を記入します。
向うは瓦礫の中で再建策、今後の生産、従業員への支援などに苦慮しているのですから、それを十分理解して無茶なことを言わないように。それには言葉だけじゃなく相手を思いやる気持ちで受話器を持ってください」
?
「めんどくさいこと言われてもなあ〜」
三木
「この震災で東北の会社は大きな被害を受けているでしょう。認証を止めてしまう会社も多いと思います。我々の電話でそういう人たちに力づけできるかもしれないし、認証を継続してもらえるかもしれません。そして当社のイメージアップもできるでしょう。
ちょっと思ったのですが・・・普通審査をするときに、みなさんは相手の心情を考えてお話しているのでしょうか。一方的に自分が知りたいこと言いたいことばかり話しているなんてことはありませんよね。
相手が話したいことを自由に話させて、自分が知りたいことを言わせるというのが審査員の力量じゃないですか」
茂木審査員
「そんな器用なことができるんですか」

三木は茂木の言葉を聞いてがっくりきた。彼が普段している審査はなごやかなのだろうか、それともぎすぎすしたものなのだろうか。仮にもめたとしてもお客様は文句を言わないから苦情もなく審査員を続けていることができるのか?
そして自分がこんな話をすることがまったく場違いな気がした。こんな話は審査員研修以前のことじゃないか。
潮田取締役
「それでは三木さんの指導に従って午後又がんばりましょう」
潮田は三木の話を理解したのかどうか能天気に陽気な大声を出した。 三木は潮田そのものがもっと真剣にならなければ皆が付いてこないよなと思う。自分はどうあるべきなのか、なにをしたらよいのだろう。何もしないほうが良いのだろうか。


翌日もまた同じ仕事であった。さすがに潮田もこの仕事に不向きな人がいることに気が付いたようで、茂木とその他二三名は客先の聞取り業務から外して社員の状況確認に回した。
昼休み、三木は一緒に仕事している数人に自宅がどうだったかを聞いた。
会社に来るくらいの人たちだからご家族が負傷したとか自宅が損壊したとかいう方はいない。しかし実家が東北にあるとか、親戚が被災地に住んでいるという方もいて、怪我をしたとか行方不明だと語る人もいた。新幹線が走れば田舎に行く予定だと語る人もいる。

三木が一人離れてコーヒーを飲んでいると朝倉が話しかけてきた。
朝倉審査員
「三木さんの問い合わせている会社はどんな塩梅ですか?」
三木
「私は福島県を割り当てられて聞取りしていますが、どこも大変なようですね」
朝倉審査員
「私は茨城県ですが、ここも操業開始までは大変な道のりのようです」
三木
「茨城県といえばつい最近事業継続マネジメントシステムを認証したという会社がありましたね。もちろんよその認証機関ですが、そこはどんなふうだったのでしょうか?」
朝倉審査員
「ああ、認証したときニュースになった会社ですね。いくら災害とかトラブルなどの対応策を整備しても従業員が出社できないとか電気も水も来ないという、こんな大災害に有効とは思えませんね。BCMSなんて認証する意味があるのかどうか」
三木
「昔々の話ですが、東名高速で事故が起きて止まったことがありましたね」
朝倉審査員
「ええっと日本坂トンネル事故ですか、私が主任になった頃だから1980年前後でしたか」
(1979年7月11日であった)
三木
「あのときトヨタが即時に生産ラインを止めて下請にも生産調整を徹底したのを覚えています。あの対応を聞いてさすがトヨタと思いました。実を言って私が事業継続マネジメントシステムと聞くとあのトヨタの対応しか思い浮かばないのですよ。
今回の大震災ではどうだったのでしょうか」
朝倉審査員
「自動車メーカーも組み立ては関西が多いですが、エンジンとか部品などは全国で作っているでしょうから、どうなのでしょうねえ? 状況を把握してラインストップなどの手を打ったのでしょうね。
でもあの時と違い今回は通信も交通も途絶ですから、情報不足でそう簡単には決定も実行もできなかったでしょうね」
三木
「ともかく形式的なシステムであれば認証を受けていても実際の緊急事態には役に立たないことが明白になってしまう。そのときは認証を受けた企業の恥なのか、認証機関の恥なのか」
朝倉審査員
「なるほど、ウチはまだこの規格の認証を始めてませんけど、このシステム認証はある意味、認証機関にとっては踏絵ですね」
三木
「まあそれを言っちゃQMSもEMSも同じですよね。今までも製品クレームを出したり環境事故を起こしたりしてマスコミや消費者団体に騒がれたこともありますし」
朝倉審査員
「でもQMSはあくまでもマネジメントシステムですからね」
三木
「それを言えば事業継続マネジメントシステムだってシステムです。でもシステムだけで結果がだせなくちゃだめでしょう。ISO9001認証というのは品質マネジメントシステムが一定基準を満たしていることだといっても、認証すれば企業は品質保証レベルが一定水準であろうと自負するでしょうし、消費者もそれを期待します。システムは良いけれど結果が常に良いとは限らないというのは理屈からいえばそうなんだけど、結果が良くならないシステムなら存在意義がない」
朝倉審査員
「そんなことをいったら認証とはなんだということになってしまう。
まあ三木さんのおっしゃるとおりですが、そこんところが微妙ですよね」
三木
「微妙と言えば微妙なのでしょうけど、それは存在意義そのものですがね」
朝倉審査員
「もっとも脱税した会社にISO14001認証を辞退しろなんて言っていた消費者団体もありましたが、あそこまでいくと言いがかりというかキチが入ってますね」

ISO認証企業の企業不祥事がマスコミで報道された頃、某認証機関の取締役と話す機会があった。そのときその方は、セクハラ、汚職、使い込みなども認証停止や取り消しの対象となると語った。
私はそれを聞いて呆れた。だってISO9001や14001の審査で、セクハラとか汚職についても審査するのか?
それに俺たちは認証してやるのだ、悪いことをしたら認証を取り消すのだという上から目線にものすごいいやらしさ、汚らしさを感じた。
その認証機関の名前は言えないが、JAB認定の大手であった。
しかしそういう発想ではISO認証とは規格適合を意味するのではなく、プライズなのだろう。もちろん品質限定とか環境限定ではなく、企業の価値、ブランドの評価のようだ。
しかし待ってくれ! それなら審査するまでもなくその企業の損益とか一般消費者のイメージを調べて審査登録証を発行すればいいじゃないか。そして不祥事があれば取り消せばいい。簡単だ!
三木
「話を戻しますと、私はこの大震災でISOマネジメントシステム認証の再評価が行われるような気がするのです」
朝倉審査員
「おっしゃることはよく分ります。ただ、どうなんでしょうか、この大震災は規模的に日本の危機とまでは言えないでしょう。ISO認証制度にとってもそう大きなインパクトはないような気がします。気がするだけですけど」

うそ800 本日の裏話
えー、被災した工場に電話して前置きなく来週審査できますかなんてノーテンキに語った認証機関はないだろうって? 被災地に電話するときは気を使うだろうとおっしゃいますか?
ここに書いたことはすべて私が見聞したものです。認証機関とか審査員ということではなく、世の中にはバカが、もとい常識のない人がいるものです。しかしそんな人たちを集めて認証ビジネスをしようってのは、やはりおかしい。少しは営業センスのある、もとい、常識のある人を集めてビジネスをしないと顰蹙を買うだけです。
ちょっと思ったのですが、審査員研修ではビジネス敬語とか電話のかけ方を教えるべきではないでしょうか。それとも審査員登録時の要件に付け加える必要がありそうです。


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