審査員物語 番外編51 木村物語(その5)

16.12.21

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。但しここで書いていることは、私自身が過去に実際に見聞した現実の出来事を基にしております。また引用文献や書籍名はすべて実在のものです。

審査員物語とは

1995年4月某日赤ちょうちん
終業まであと30分となった頃、大野部長が木村の席にやって来て今晩付き合えという。中企業と言えど部長が担当に直接仕事の指示をすることはあまりない。逆に個人的なつきあいの方が多く、部長も単身赴任なので週に1度くらい一緒に飲もうと声がかかるのだ。
二人のアパートの中間くらいにあるいつもの居酒屋に入る。ここからならお互いの住まいまで歩いて10分かからない。
大野部長
「お前もウチにきてちょうど1年になったな。どうだ慣れたか?」
木村
「おかげさまで仕事の方は慣れました。でも家庭の方はちょっと問題です」
大野部長
「問題というと、単身赴任で家庭崩壊か?」
木村
「まだ崩壊までは行きませんが・・・」
大野部長
「やっぱり家族ってのは一緒に住まないと家族じゃねーよな。俺の同期入社の奴が結婚した相手が地方都市の老舗菓子屋の一人娘でさ、同期の奴は東京の本社で働き、嫁さんは新幹線で2時間も離れた地方都市のお店を継いで、一度も同居せずに長年別居婚を続けたのがいる」
木村
「週末婚だったのですか?」
大野部長
「週末婚どころじゃない。お正月、ゴールデンウイーク、それと出張のついでに奥さんの店に寄る程度だった」
木村
「そりゃ・・結局、離婚したんですか?」
大野部長
「いやいや、そうはならずもう30年くらいになるがいまだに結婚は継続している。子供は二人いて嫁さんと両親が育てた。もちろんとっくに子供たちは結婚して独立している。同期の奴は何度か転勤したがまだ単身で働いている。定年まであと数年だ」
木村
「定年になったら奥さんのお店の手伝いでもするのでしょうか?」
大野部長
「どうなんだろうなあ〜、定年になったらとたん離婚なんてしないでほしい」
木村
「私が最初に入った会社の同期でタイ工場に転勤になったのがいます。タイに駐在する人には家族同伴と単身と半々くらいですね。そいつは単身でいったのですが、よくある現地妻を囲って優雅な生活をしています。もう・・・6年くらいになりますか」
大野部長
「ありがちだな」
木村
「奥さんの方は三浦半島の夫の実家に住んで、小さな子供二人を育て、寝たきりの義父の世話、口のうるさい姑の相手とまあ大変です」
大野部長
「よく離婚しないもんだ」
お酒
木村
「まあ愛情とか義理ではなく、損得を計算して現状維持が最善と読んだのでしょうね」
大野部長
「何年かしてそいつが帰ってきたら罪滅ぼしをしなくちゃらないな」
木村
「他の人はともかく、部長はどうなんですか?」
大野部長
「俺の場合は元々家内の実家に同居していた。それで俺が単身赴任してからも家内は実の両親と仲良く暮らしている。子供たちはそれ以前、大学のときから別居だった。今俺は月に一度くらいの割で帰っているが、もうお互いにこれが当たり前になってしまったなあ」
木村
「私の場合そろそろはっきりさせないとなりません」
大野部長
「あのよ、お前がこちらに来たときの歓迎会で言っただろう。こちらに骨をうずめるつもりにならないとダメだよ」
木村
「そうするしかないんでしょうが、家内はこちらに来たくないってんですよ」
大野部長
「お前いくつだ?」
木村
「45です」
大野部長
「それならまだ決断するまでに時間はあるな。
知っているだろうがウチは出向して50過ぎたら転籍が原則だ。関連会社で経験を積んで来いと言われたならともかく、片道切符で出向した身なら本体に戻れるわけがない。
そして転籍しなければこちらで課長はともかく部長にはなれない」
木村
「それは・・・・・少し考えさせてください」
大野部長
「十分考えてくれよ、まだ時間は5年ある。
ところでだ、お前の出番が回って来たぞ」
木村
「出番と言いますと?」
大野部長
「ISOだよ、本社から関連会社もISO9001認証しろと指示が来た。もう本体の工場は全部認証したので、これからは関連会社に認証させるんだそうだ。先週、関連会社を集めた品質会議ってのでその説明があった」
木村
「元々は欧州に輸出するのに必要ということでしたが、今では国内でも認証が必要になったのですか?」
大野部長
「そういうこともないのだが。ウチの業界は同業他社と競うってのが古くからの体質というか風土だかんね。数年前までは各社ドクターの数を競ったもんだが、バブルがはじけてドクター競争どころではなくなったようだ。ドクター取らせるには金がかかるからな。
それで今度はISO認証競争だよ。ISOならドクターよりも品質に直結すると考えたんじゃねーか」
勝った




負けた



A社B社
木村
「なるほど、それでウチはいつごろまでに認証しなければならないのでしょう?」
大野部長
「まだ詳細はわからん。本社のとも何とかっていう奴が説明に来るとか言っていたが」
木村
友保ともやすですか!」
大野部長
「そうだそうだ、友保っていったな。木村の知り合いか?」
木村
「静岡工場でISO認証するとき会いました。
余計なことですが、本社が指導するのはただじゃありません。出張旅費はもちろん、一日来ると日当10万請求されました。静岡工場では150万くらい払いました。
あの程度のことに大金を払う気にはなりません」
大野部長
「そりゃま、どんなことでも指導を受けたら費用を払うのはしょうがない。
でも木村よ、お前の口ぶりではその友保ってのと合わないようだな」
木村
「正直言いますとですね、トンビに油あげさらわれたって感じでした」
大野部長
「なるほどな・・・」

部長はしばらく手酌で飲んでいた。部長が沈黙するのは珍しくないので木村も沈黙を気にせず手酌で飲む。だが心中穏やかではない。あの友保がまた指導に来るのか。ろくな指導もせずに、結果が良ければ友保の功績、悪ければこっちの責任。木村はもうこりごりだ。

突然、部長が話しかけてきた。
大野部長
「本社の支援なしでお前ひとりでISO認証できる自信があるのか?」
木村
「あります。静岡工場のときも実際には私がすべて切り盛りしました。奴が来ても管理者への講演とか工場長と説明がてら会食しただけで、実際的なことは何もしていません」
大野部長
「そうか、お前がひとりでやれるなら本社の指導を断ろう」


1995年5月某日

会社の健保会館である。今日は木村、小林、伊藤、それに計測器管理室の担当者、技術管理課の文書管理担当など10名程度集まっている。テーブルの上には簡単なオードブルと袋に入った乾きものが並んでいる。
木村が立ち上がった。

木村
「みなさんお集まりいただきありがとうございます。話はお聞きと思いますが、当社がISO9001認証することになりました。ISO認証となりますと、品質管理部門だけではできません。文書管理ですと技術管理課、教育訓練では人事、お客様との関係は営業、保管や出荷になると物流、機械の保守管理など全社の協力が必要です。
審査は今からちょうど10か月後の1996年3月の予定で、非常にタイトなスケジュールです。ISO認証は、どこでも試行錯誤というかやってみてはやりなおしということが非常に多い。我々はそんな場当たり的、出たとこ勝負というようなことは絶対にしない。ゴール目指して一直線に進む仕事をしていきたい。
そのためには私を信じてほしい。大局的なことも細かいこともすべて私が責任をもって判断していきます。
そしてまたここにいるメンバーがお互い信じあい助け合っていかなくてはならない。自分の部門で不適合が出なければよいという考えでは困ります。どこで不適合が出てもおしまいです。
今日、この席はみなさんが10か月後のISO認証を目指し協力していくための顔合わせです。疑問などがあれば私に声をかけてください」
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こういうやり方がいいのかどうか木村はわからない。ただ自分が新参者であるから自分を売り込み、顔を知ってもらうこと、そして自分を信じて言うことを聞いてもらうためになにかしたかったのである。
木村は飲み始めたみんなにあいさつして歩く。

人事の田中
「人事の田中です。私は何をすればいいんですか?」
木村
「人事はズバリ教育訓練です」
人事の田中
「分かりました。それでしたら他社の知り合いに聞いたことがあります。ISOの教育訓練は仕事ごとにレベルを決めてそれを達成したら資格認定するとか」
木村
「確かにそういうことをしているところが多いですね。
しかし私は今までしていたOJTとか人材育成そのものが、ISOでいう教育訓練だと考えています。だから当社の教育体系、つまり新入社員から中堅、定年になるまでどのような教育をしていくかを見せてISO規格を満たしていることを説明したいんです」
人事の田中
「そんな方法でいいんですか?」
木村
「大丈夫、もちろん人事関係は関係者以外に見せられないこともあるでしょう。でも技能育成とか資格取得などのルールとか計画は本人にも第三者にも見せても良いでしょう」
人事の田中
「要するに今までしていたことをそのまま説明すればいいということですね」

営業課長鈴木
「営業課長の鈴木だがね、
あのさ、ちらとISO規格を読んでみたんだが、とっぱじめに顧客との契約なんてのがある。ところが実際の仕事では契約書なんてないぞ。電話とかFAXで注文が来るだけだ」
木村
「ISO規格は契約書とは言っていません。契約と言っています」
営業課長鈴木
「契約書と契約は違うのか?」
木村
「大違いですよ。契約とは何を何個いつ買います・売りますとお互いに合意することです」
営業課長鈴木
「といいうと、それはつまり注文書ということか?」
木村
「ISO規格で言っている契約の確認とは相手の注文がはっきりしているか、そして当社はそれを満たすことができるかを確認しているかということです。
電話でもFAXでも注文書でも型名、個数、納期もちろん価格もあるでしょう、そういったことがはっきりしているか、それに対してウチが納品できるかを確認しているかということです。ただしそれらは紙に書いてないとまずいんです」
営業課長鈴木
「ええそういうことなのか、
そいじゃ、電話で受けた場合の記録とは
木村
「電話を受けた人が相手の注文を書き留めればそれが受注した記録にあたります。
もちろんそれだけではなく、その注文に応えられるかを確認した記録も必要です」
営業課長鈴木
「なるほど、それを文書というのだな」
木村
「実を言って文書とはそれを決めたルールのことで、注文とかそれを検討したものは記録と言います」
営業課長鈴木
「わかった、わかった、すると俺が心配していたことは解消だ」
木村
「でも現実には、納期がはっきりしていないとか仕様があいまいで注文を受けているということはないのですか?」
営業課長鈴木
「ないとは言えないな。だがそういうものはISOとは無関係にあってはならないのは当然だ。それはなんとかしよう」

倉庫の関本
「関本だ。俺は倉庫管理、つまり現品を扱うことと出荷を担当している。俺は一体何をすればいいんだい?」
木村
「関本さんは倉庫に保管するとき製品が破損しないように、また環境つまり温度湿度とかの基準を守って保管することです。
もちろん出荷するとき型番を間違えたり個数を間違えたりしないこともあります」
倉庫の関本
「なんだそんなことか?」
木村
「まず保管条件が決まっているのか、それを守っているのかということから始めましょう」
倉庫の関本
「温度湿度は大丈夫だろうと思う。毎日記録もしている。
しかしウチはフォークリフトでの積み下ろしはトラックの運転手にお任せなんだ。それはいいんだろうか?」
木村
「まあ、今から細かいことを気にしてもしょうがありません。現実を調べてそれが良いのか悪いのかを考えて、今ので問題なければそのままルールにすればいいだけです」
倉庫の関本
「もし現状で問題があれば・・・」
木村
「現状で問題があればみんなで良い方法を考えて、それをこれからのルールにするのです」
営業課長鈴木
「なんだ木村は営業にも倉庫にも同じことを言っているだけじゃないか」
木村
「ええっと、皆さん聞いてください。ISOだからって今までの仕事を変えなくちゃならないってことはありません。いや、今までの仕事は過去の経験から最善の方法であるはずです。
ですからまず今までの仕事の仕方が文書つまり会社のルールになっているかどうかを確認してください。今までしていた方法がルールに決まっているなら仕事は半分は終わりです」
営業課長鈴木
「後の半分はなんだ?」
木村
「そのルールがISO規格を満足しているかどうかを確認することで、もし足りないところがあれば補うことでISOはおしまいです」
人事の田中
「木村さんがいうとなんでも簡単に聞こえるよ」
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1995年8月某日

ISO認証のための作業が動き出した。駿府照明では親会社の品質部に支援を依頼しなかったために、逆に品質部が大丈夫なのかと点検にやって来た。やって来たのは例の友保だ。
昼前にやって来た友保に部長、課長、木村が予定と実施状況を説明した。
その夜、駅前のホテルの傍の居酒屋で課長と木村が友保を接待した。

友保さん
「荒木課長、現場では言わなかったが、ここではISOのシステム構築の進め方がどうもおかしい。あちこちで聞いてみたが、ここでは現状の仕事の方法がルールになっているか、それがISO規格要求を満たしているかチェックしていると聞いたが・・」
荒木課長
「木村君が認証の指揮を取っている。その進め方で何か変なのか」
友保さん
「ISO認証のためにはまずマニュアルを作らねばなりません。規格要求に『〜する』とあればそれをマニュアルに書き写し、ルールに反映していかなくてはならない。そしてそのルールを実際に運用する、そういう基本的な手順を知らずしてなにをしているんだ」
木村
「確かにそういうやり方もあるでしょう。それは規格から始める方法で、もうひとつは現実から始める方法です。
我々は後者、つまり現実を重視した方法をとっています。規格から始めると実態とずれてしまいますし、それは過去からの企業の仕組みを否定しかねません」
友保さん
「何を言っているんだ。ISO認証は過去からの仕組みを打破し、一層効率の良い仕組みを作る方法だよ」
木村
「あまりISOというものを絶対とか素晴らしいと思い込まない方が良いと思います。従来からの方法が悪いと決まっているわけではありません」
友保さん
「君はほんとうに状況認識がダメなんだよなあ〜。静岡工場でもボクのいうことを聞いていれば良かったものを」
荒木課長
「友保さん、実は私は静岡工場と川崎工場に調査に行きました」
友保さん
「それは勉強になったことでしょう。課長さんはISO認証は初めてと思いますが、今の議論を聞いてどう思いますか」
荒木課長
「静岡工場を見て分かったことですが、過去からの仕組みはそれなりに根拠があるのです。それを大事すべきでしょう。
友保さんもいろいろご経験もおありでウチをみて感じたことも多いでしょうけど、ウチでは木村に一任してやらせるつもりです。それについては部長も承認しております。」
友保さん
「すると課長さん、私の指導を受けず、アドバイスも聞かずに進めるということですか?」
荒木課長
「ハイ、いくら田舎の小さな会社とはいえ我々の会社にも30年以上の歴史があり、固有の文化もあります。そういうものを打破とか捨て去るという発想はありません」
友保さん
「ハイハイ、わかりました。その旨本社に帰ったら上に報告させていただきます」
友保は気を悪くしたようで、そのあとすぐにホテルに帰ってしまった。

木村
「課長、友保の機嫌を悪くして後々問題ありませんか? あいつは親会社のしかも本社の人間ですから」
荒木課長
「お前、ウチは子会社とはいえ別会社だ。我々が利益を出し法を守っている限り文句を言われる筋合いはない。何か言われたらちゃんと反論するから心配するな。
その代り、必ずスケジュール通りに認証しろよ」

木村は黙ってうなずいた。


1996年3月某日

ISO審査が終わった。不適合はなくシャンシャンと終了した。実を言って木村は静岡工場が認証を受けた認証機関に依頼していた。いろいろな情報源から認証機関によって審査の方法とか考え方に違いがあることを聞いていたのでリスクは最小にしたのだ。
本社の友保が審査に立ち合い、クロージングまで陪席していた。木村は友保がどんな気分なのか聞いてみたいという欲求を抑えきれなかった。クロージング終了後、打ち上げに誘おうと友保を探したがもう帰ってしまっていた。

部長の参加者へのねぎらいの挨拶のあと、みな今までの緊張を思い出しホッとして飲み始めた。
営業課長鈴木
「いやあ、木村君の語ることを始めは信じられなかったけど、さすがだね。
認証の功績は木村君にある」
伊藤
「信じられなかったなんて失礼でしょう」
営業課長鈴木
「俺だってほかの会社に話を聞きに行ったりしたんだ。するとどこでも文書の山、記録の山、それも従来からの仕組みを説明するのではなく、ISO規格に沿った物語を紙に書いてそりゃ大変な作業だって。それに比べて木村君の方法は手軽というか今あるものをそのままという・・」
小林
「実際どこでもISO規格が要求しているからって、規格の言葉通りの規則と作ったり記録を作ったり大変だって聞きますね」
伊藤
「ボクは静岡工場の友人からいろいろ聞いてましたんで、木村さんを信じて、心配なんてしませんでしたよ」
倉庫の関本
「本当に木村さんは迷いがありませんね。何事を聞いてもスパッと答えてくれました」
荒木課長
「俺は今まで心配で心配で胃が痛くなったよ。本社の指導を断って大丈夫かってね」
大野部長
「ええとなんて言ったかな、そうそう友保といったが、我々が本社の指導を断ったものであいつは大分気を悪くしたようだ」
荒木課長
「そりゃ本社の支援が要らないと言われたら、彼らの存在意義がありませんからね。
なによりも工場や関連会社を指導して金をとってこなければ彼らは本社にいられません」
木村
「予定通り認証できたのは、みなさんのおかげです。」
大野部長
「そいでさ、木村よ、お前の新しい仕事ができたぞ」
木村
「次の仕事って何ですか?」
大野部長
「今はどこの会社もISO9001認証しようと一生懸命になっているが、環境管理のISOもできるそうだ」
木村
「そういえば新しい規格が作成中だなんて今回の審査員が語っていましたね」
大野部長
「ISO9001は親会社の品質部が主導していたが、新しい環境の規格は環境管理部という部署が担当するんだと、
そこからあたらしい規格についての説明会をするから参加しろという通知が来ているんだ。ええと今月末に本社で開催するそうだからお前に行ってもらうことにした。
それから次回の人事異動でお前をISO担当課長にする。お前も品質管理よりISOの方がおもしろいだろう」

うそ800 思い出話
品質保証と環境管理というふたつの仕事に関連はあまりない。しかし同一人物が9001と14001を担当しているケースが多い。実を言って私もそうだった。
そういう事実をみておかしいと思うか、もっともだと思うか、あなたならどうでしょう?
もしISO9001に会社の仕組みを合わせISO14001に会社の仕組みを合わせるのを疑問に思わないなら、両方のISO担当を兼ねるのは正しい選択だろう。
そうではなくISO9001のときありのまま見せるというアプローチをしたなら、ISO14001は必然的に環境管理部門が担当するだろう。
ISO部署を設け、QMSもEMSも両方担当ですなんて言う人がいる会社は、ちょっとおかしいというか、内部化されておらず借り着を着ているようなものだ。
お前はISO9001を担当しISO14001も担当したと言ったじゃないかと突っ込む方もいるだろう。残念ながらそれは工場の規模が小さく、元々私が品質保証と環境管理を担当していたということに過ぎない。だがそれによってISO9001とISO14001の本質を理解したような気がする。気がするだけだけどね


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