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定義 | 要求事項 | |
3.7環境目的 環境方針から生じる全般的な環境の到達点で、組織自ら達成するように設定し、可能な場合は定量化されるもの | その目的を設定し見直しをするときに、組織は、法的及びその他の要求事項、著しい環境側面、技術上の選択肢、財政上、
運用上及び事業上の要求事項、並びに利害関係者の見解に配慮しなければならない。
目的及び目標は、汚染の予防に関する約束を含め、環境方針と整合させなければならない。
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3.10環境目標 環境目的から導かれ、その目的を達成するために目的に合わせて設定される詳細なパフォーマンスの要求事項で、実施可能な場合に定量化され、組織又はその一部に適用されるもの |
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3.9 環境目的 組織(3.16)が達成を目指して自ら設定する,環境方針(3.11)と整合する全般的な環境の到達点。 | 目的及び目標は、実施可能な場合には、測定可能であること。そして、汚染の予防、適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守並びに継続的改善に関するコミットメントを含めて、環境方針に整合すること。 その目的及び目標を設定しレビューするにあたって、組織は、法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項並びに著しい環境側面を考慮に入れること。また、技術上の選択肢、財務上、運用上及び事業上の要求事項、並びに利害関係者の見解に配慮すること。 組織は、その目的及び目標を達成するための実施計画を策定し、実施し、維持すること。実施計画は次の事項を含むこと。 a) 組織の関連する部門及び階層における、目的及び目標を達成するための責任の明示 b) 目的及び目標達成のための手段及び日程 |
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3.12 環境目標 環境目的(3.9)から導かれ,その目的を達成するために目的に合わせて設定される詳細なパフォーマンス要求事項で,組織(3.16)又はその一部に適用されるもの。 |
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3.2.6環境目標 組織が設定する、環境方針と整合のとれた目標 | 組織は、組織の著しい環境側面及び関連する順守義務を考慮に入れ、かつ、リスク及び機会を考慮し、関連する機能及び階層において、環境目標を確立しなければならない。 環境目標は、次の事項を満たさなければならない。 a)環境方針と整合している。 b)(実行可能な場合)測定可能である。 c)監視する。 d)伝達する。 e)必要に応じて、更新する。 |
実際問題として、届け出遅れ程度で罰金を受けたというのは知りません。騒音規制法などでは10年くらい届け出漏れしていてもお叱り程度でしょうし・・
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内訳 | 具体的施策 | 突っ込みどころ |
30% | 代理店の訪問を月3回から4回にアップする。 | 1回訪問するとおいくら売り上げが伸びるのですか? |
20% | 各代理店で1回以上イベントを行う。 | 1回イベントするといくら売り上げが・・・ |
15% | 魅力ある販促品を開発する。 | 販促品1種でいくら売り上げが(以下省略) | 10% | TVCMスポット3件企画する | スポットひとつで(以下省略) |
・・・ | ・・・ |
おばQさま 連載が終わりましたが、お話はまだ続くので喜んでおります。 特に今回は、測定屋としての立場でかかわれるネタです。 測定可能であって定量化できないものがあるのだろうか? 定量化の定義にもよりますが、「定量化:測定した結果が判断の材料にならない」という事ならば、計測の世界では結構あります。 むしろ、計測する場合に、まず考えるべきなのは、測定された数値をどう扱えるという事なのです。 例としては、1)土壌の放射線測定結果、2)新薬の効果などが良い例です。 1)は、311の直後、 猫も杓子もガイガーカウンタを持って測定して、大騒ぎをしておりました。 そこで測定された値は事実なのですが、報道の多くが、判断基準としては不適切な値を扱っておりました。 例として、地上に落ちた放射性物質の影響を考えた場合には、地表との距離を一定にして測らないと、比較データにすらなりません。 当時の報道をみると、地面に装置が寄って測定している例が多数ありました。 また、先端のプローブが露出したままで、土などにつけると、そこにある放射性物質が常に加算されます。 設定でも、γ線のみの測定か、α線まで含むのか、など基本的な設定条件を正しく理解しないまま測定していた事例もあったようです。 このような誤った測定値ならば、混乱や誤った判断の原因になります。 2)で注意が必要なのは、プラシーボ効果など、試験対象の薬を飲まなくても治ってしまった例を差し引く事です。 純粋に対照になる薬の効果を確認するには、フェイクの薬を投与した事例も比較したり、サンプル数を増やす必要もあります。 数値化する事は、比較や判断を容易にします。 しかし、数値化にこだわる余り、誤った測定の仕方や、数値化をしてしまうと、非常に危険です。 ですから、数値化をする場合には、その測定法が正しいか、測定値をどのように扱えるかを正しく理解する必要があります。 結論としては、測定や定量化がする場合には、その測定方法や結果を継続的に観測し、正しい判断基準となっている事を確認するべきなのだと思いました。 |
外資社員様 毎度ありがとうございます。 審査員物語にアンコールを1件ですが頂きましたので、細々と、いやアカデミー賞を頂いた気持ちで番外編を始めようかと考えております。 乞うご期待? 測定可能と定量化ですが、それを考える前にまずご承知いただきたいことがあります。 ISOMSの世界は、ものごとの実質というよりも言葉の遊び、言葉のあやというべきかもしれません。いや言葉の遊びそのものが本質だとお考えください。 次にISOの世界は、定義された言葉は定義以外の意味はなく、定義されていない言葉は一般的な意味で使うことになっています。 また日本語でどんな訳語を使おうと、その訳語がどんな意味を持っていようと、疑義があれば原文(英語)で解釈することになっています。 とこれが前提です。 さて測定可能と定量化の原語はmeasurableとquantifiedです。この二つともISO14001では定義されていません。またISO14001では引用規格はないとなっております。しかしISO14001とISO9001は双子のようなものです。そしてISO9001では用語が多数あるために定義集をISO9000という別規格で定めています。ではISO9000で定義しているかとみると定義されていません。要するにISO14001でもISO9001でもmeasurableもquantifiedも一般的な意味で使われているということになります。 ではこの二つはどういう意味なのか、どんな違いがあるのかということになります。外資社員様の前で私が英語を語るなど恥ずかしい限りですが、一応英英辞典を引きますと measurable 1 large or important enough to have an effect that can be seen or felt [= noticeable]: The law has had little measurable effect since it was introduced two years ago. 2 able to be measured: measurable results quantify to calculate the value of something and express it as a number or an amount: とありました。 私のつたない力ですが、quantifiedは文字通り1個2個と数えるようなイメージであり、それに対してmeasurableは数を数えるということもあるけれど、これよりあっちが大きいぞというニュアンスも含んでいると考えます。 それで規格策定時に、1996年時は絶対に数字でないとダメと考えていたけれど、2004年以降は大小関係がわかればよいとしたのかと勘繰ります。 以上が私が測定可能と定量化についての論を進めた根拠です。 ともかくここは、外資社員様があげたような、実質的に意味のある議論ではありません。 ISO規格を正しく読めば、測定可能であって定量化できないものがあるのだろうか?という問いに対する回答は「ある」ということになります。 ただ現実に目標管理をしていくには、大小という感覚ではどうしようもありませんから、なるべき客観的な指標を考えて代用特性であろうと数値化しそれを管理することになるだろうと思います。 とすると回答は、測定可能であって定量化できないものは代用特性を検討し定量化に努めるべしとなるのでしょうか? |
おばQさま なるほど、測定可能はmeasurable、定量化はquantifiedですか。 勉強になります。 前の会社でも、ISOの事務局が色々と活動しておりましたが、その経験からは“数値化”という事を随分言われた記憶があります。 数値化できない活動は無意味だとまで言われて、関係者は無理やり数値化をしていた記憶があります。 人は、どうしても自分の経験から物事を判断してしまいますね。 なぜか悪い経験ほど印象が残っています。これは反省です。 ご教示頂いた辞書の内容からみると、Measurableは“効果が確認できる”、Quantifiedは“数値化できる”という感じでしょうか。 それならば“効果が確認できるが、数値化はできない”というものは、ずいぶんとありますね。 そもそも自然科学で言われる「観察者効果( Observer effect)」が、該当します。 ある事象の効果を確認する為に、観測する行為自体が結果に影響を与える事は良くあります。 観測者による影響は定量化できませんから、審査結果を補正する事は大変難しいのです。 数値化する為には、何らかの観測装置を用いる事もありますが、これは対象そのものを測定するのではなく、何らかの測定可能な現象に置き換えています。 放射線の測定も同じで、311の事故の経過観察ならば、本当に測定したいのは「事故によって発生した放射性物質の影響」ですが、実際に測定できるのは、その場のγ線の量です。 それ以外の放射線測定は不要なのか、事故前の状態はどうだったのかなどの考察が無いと、そこで測定された値の意味が正確になりません。 今では、多くの測定器がデジタル化されて、何桁も数値で出てきます。 しかし、その数値も、何桁までが信頼できるかを理解していないと、全く無意味になります。 これが、計測屋なりに申し上げたかったこのなのです。 ISOの場合も同じことが言えて、経過観察やら、数値化目標などを立てても、そもそもその数値が、本来の目標と正しい相関性や、判定基準である事が担保されていないと無意味になります。 この考察には、長年 対象を見ていて経験的に重要な数値がつかめている必要があると思います。 そうしたものを、すっとばして、始めて来た会社で、「これが重要」だと言える人がいれば、よっぽど能力があるか暴虎馮河の勇なのでしょうね。 |
外資社員様 毎度ありがとうございます。 いつも思うのですが、外資社員様は役に立たなきゃしょうがないだろうってことがお考えの根本にあると感じます。 いえ、私も同じです。それはまっとうな考えだと思います。 しかしながらISOの世界はそうじゃなくて、文言はこうだから、それを満たしているかいないかが重要だという考えがはびこっています。 規格に書いてあるからしなくちゃならない、書いてないなら関係ない、そんな発想ではISO審査で問題なく「適合」になっても、会社が倒産するかもしれません。お客さんに嫌われるかもしれません。だけどISO審査ではそういう発想で行いますから、世の中の企業担当者は自分の仕事で「不適合」を出さないために規格に書いてあるからする、書いてないからしないという価値観になっているのが現実です。 まあ、私はそんなアホな考え、対応はくだらないから止めよーよという発想で生きてきましたが、これが結構難儀な渡世でした。 でも大の大人が「規格には測定可能と書いてあるけど定量化しろと書いてないからこれでいいのだ」とか議論しているのですから、ちょっと変だぞと思うのが常識というものでしょう。 測定可能と定量化どころか、「規格では環境方針は利害関係者が入手可能とありますが、それがどこに書いてありますか?」なんてやりとりを真面目な顔でしているのですから、もうアホかバカかと・・ ISO9001は顧客満足、ISO14001は遵法と汚染予防が目的です。しかし規格となるとそのために何をするかということ明示しなければなりません。じゃあ明示されたことだけしているからいいのかと言えばそうではないでしょう。一般的に目的達成のための施策を立てるとそれが目的化します。我々は手段を目的化せず、常に最終目的を忘れず、目標や手段を柔軟に見直すというスタンスでなければ戦争でも競争でも負けてしまいます。 目的達成が最終目的だよ、規格を満たすことはその手段だよ、ということをISO審査体制側も企業側もわかっていなければ、この制度は形式化、形骸化するのは必然だったのでしょう。 同様に、目標そのものを定量化するのが難しいからと代用特性を考えるのもいいのですが、代用特性を決めた途端、その代用特性達成が絶対化し真の目的を忘れてしまうというのも世の常。 そんなことを考えると、これは人間の業というものでしょうか? |