異世界審査員72.品質保証その7

18.04.02

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。

異世界審査員物語とは
日本の工業製品は小銃でも飛行機でも戦車でも船でも自動車でも、初めはすべて輸入品で、次はそのコピー作りから始まったというのが歴史である。日本人が構想したものはないし、初めて製造したものもない。いや、あるかもしれないがまずない。日本人として残念というか悲しい。
更なる問題は、一度そういう立場になると、新規開発することができない、許されないという事態になる。特許などで規制されているものもあるし、技術などが秘されていることもある。あるいは発明者がオリジナルを国際標準としてしまい、後発者はそれに従うしかないというのもある。
そういう多様な規制でがんじがらめ状態で、日本は一流国になれないのだろうか?
無念である。

明治維新からロシアとの戦争までは、欧米諸国はお金さえ出せば武器や弾薬を扶桑国に売ってくれた。むしろ向こうから扶桑国に売り込みにきた。
ワシは死の商人じゃき
鉄砲や軍船を売って
儲かればいいんじゃ

坂本龍馬
軍艦、大砲、その他なんでも。アメリカは南北戦争で不要になった大量のミニエー銃、ゲベール銃を売り込んだ(注1)グラバーは武器を売り込みに来た死の商人だったし、坂本龍馬も死の商人と言われても否定できないことをしていた。
風向きが変わったのは欧州大戦である。同盟国であっても自国の軍隊の需要を優先して、扶桑国に輸出してくれなかった。それは当然と言えば当然である。自国が戦争中で武器弾薬が足りないとき、外国に武器を売る余裕などない。
更に欧州大戦後は、同盟、非同盟の関係が流動的になってきて、扶桑国が欲しいものを売ってくれるとは限らない。いや既にそういう雰囲気となってきている(注2)
現に今、扶桑国は戦車が欲しいのだが、フランスが売ってくれるのは中古のFT17だけで、開発中の新型戦車は口の端にも登らず、売ってくれるのか怪しい。イギリスの新型戦車はまだ形になっておらず、欧州戦争で主力だった中古Mk1は時代遅れで買うまでもない。
今後、我が国の武器は我が国が開発するしかないと考えなければならない。特に欧米列強と並ぶに必要なのは、欧州大戦で現れた4つの新兵器である。もっとも毒ガスは、1919年のベルサイユ条約でドイツの保有が禁止された。ゆくゆくはドイツに限らず禁止されるだろう。元々、扶桑国は対毒ガス戦は研究しているが、毒ガスを保有していないし戦闘で使用することは考えていない。

ルノーFT17戦車
フランスのルノーFT17軽戦車
第一次大戦中大量に作られた。モノコック構造、リアエンジン、旋回できる砲塔を有することが画期的であり、この形が現在に至るまで戦車の基本形である。
戦後、世界中に輸出されベストセラーになった。日本にも輸入され、最初の戦車部隊が作られた。
イギリスのソッピース・パップ練習機が、第一次大戦後の1919年に日本に輸入されてソ式と称されて練習機や戦闘機として使われた。
赤とんぼが作られたのは1934年、はるか後年である。
イギリスのソッピース パップ
イギリスのSopwith Pup練習機

そんなわけで今、自主開発を急いでいるのが戦車と飛行機である。残るもう一つ、潜水艦も重大である。
いずれも小銃のように小さく簡単なものではなく大きく複雑な機械であり、それを製造するには高い技術と広いすそ野が必要である。

政策研究所の会議室である。10名近い人が大きなテーブルで激論している。
中野中佐
「戦車開発の進捗報告をお願いします」
吉沢課長
「エンジンですが、5年前に異世界から入手した車のエンジンを基に研究はかなり進んでいます。陸海軍共同の発動機工廠が作られたのが2年前で、直列4気筒ガソリンエンジン2000cc70PS、直列6気筒3000cc100PSという二種類を完成しました。しかしこれでは力不足なので2基搭載するか、拡大版を検討中です」
中野中佐
「戦車用としては使える見込みですか?」
吉沢課長
「2基搭載すれば、向こうの世界で第二次大戦初期までは戦車用として十分でしょう。しかし実用にはディーゼルエンジン1基で250馬力を狙いたい。それはあと1年必要とのことです。もちろん完成したエンジンはトラックなどに使えるわけです」
中野中佐
「ディーゼルエンジンはトラックにも使えるんじゃないか?なんでガソリンエンジンを研究しているの」
吉沢課長
「ディーゼルエンジンは圧縮比とか噴射ポンプのハードルが高く簡単にいきません。それに用途によってガソリンエンジンも必要なのです」
藤田少佐
「機関銃についてはサイズ的に対応する工作機械や計測器を整備しまして、現在、航空機、陸軍、軍艦用として13ミリと20ミリの試作を進めております。進捗は異常ありません」
南武少将
「砲煩兵器であるが、戦車砲として50ミリと75ミリを検討中である」
米山中佐
「閣下、それは少し大きすぎませんか? 現在世界の主流は37ミリから47ミリ。口径が大きければ強力ですが、その分装弾数が少なくなりますし発射速度も・・」
南武少将
「敵と同じ大砲ではしょうがない。エンジンが史実より一歩進んでいるなら、搭載兵器もひと時代進まなければならんだろう。
そしてそれはそのまま対戦車砲にもなる」
中野中佐
「車体はどうなっていますかね?」
米山中佐
「それは大阪工廠担当ですが、今日は報告に来ておりません」
南武少将
「史実では1927年2月の試製一号が国産初めてという。今は1919年9月、我々は再来年には動くものを作りたい」
兼安中佐
「我が国が異世界からの技術移入によって本来のレベルよりも大きく前進しています。ですからそれは大丈夫でしょう」
中野中佐
「自動車生産はどうなっているのか?」
工藤社長
「21世紀の日本で2年ほど前に倒産したカスタムカーメーカーが会社がありました。大した設備もありませんが、いちおう組立ラインとボディーの製造ラインがあります。そこで債権を買い集め、居抜きで土地ごと手に入れました。それからそこへの通路を開設しました。
エンジンは大手メーカーからの供給を受けていまして、在庫も100台ほどあります。自動車そのものの完成品、半完成品が約50台。ということでその完成品と組み立て工程を研究していただくようお願いします」
中野中佐
「それを研究すれば、完成品そのものと設計や製造方法が手に入るということか」
工藤社長
「そう期待します。もちろんこちらで生産するには先進的な電子的な装置とかパワーステアリングなどは除く必要があるでしょう」
吉沢課長
「変速機はトルクコンバーターをそのまま使いたい。トルクコンバーターは戦車に使いたいし、油圧の扱いに慣れていれば航空機の潤滑や操縦系統、それにパワーシャベルなどの基礎技術になる」
工藤社長
「なるほど、でもそれならパワーシャベルやブルドーザーを向こうから持ち込んだ方が早いですよ」
伊丹
「ちょっと待ってよくださいよ、なんでもかんでも向こうから持ち込んじゃまずい。こちらの人が苦労しないと技術が確立できません」
中野中佐
「その買収したメーカーはどんな車種を作っているのか?」
工藤社長
「乗用車だけです。トラックはこちらの技術者が考えてほしいですね」
中野中佐
「まあ、それはそうだろうなあ〜。
とりあえず、その完成品と仕掛りは完成させてこちらに持ってきてください。検討用以外は高官用に使いたい」
工藤社長
「あのう、いくら未来の車と言っても大衆車ですよ。高級車じゃありません」
中野中佐
「とはいえ乗り心地も速さも違うんだろう。誰だってこの時代のキャディラックよりそっちが欲しくなるわ」
Uボート
中野は心中、次は飛行機で、その次は潜水艦かと思うと気が重い。疲れたよと思う。
ところで震災対策は大丈夫だろうか?


某日、砲兵工廠である。南武少将、藤田少佐、そして伊丹が話し合っている。

藤田少佐
「先日、伊丹さんがものづくりは皆同じだとおっしゃいましたね。私は小銃と自動小銃しか作ったことがなかったのですが、やってみれば機関銃も同じでした。
結局、図面をよく見て工程設計を行い、管理項目を決めてしっかり工程管理することなのでしょうね」
南武少将
「ということは小銃が作れれば機関銃は作れる」
藤田少佐
「閣下、作るという言葉も説明が要ります。やすりで削ったり玄能で叩いたりする現物合わせは製造とは言えません。機械加工したものが力を加えずに気持ちよく勘合し摺動しなければ組み立てじゃありません」
南武少将
「藤田少佐の言うとおりだ。ところで閣下は止めろ、お尻がムズムズする」
藤田少佐
「とはいえ機関銃といっても小さなものなら小銃と変わりませんが、銃身長が長くなったりすると加工する機械が異なります。寸法測定するにもノギスもマイクロメーターもとんでもないものになります。そういう条件整備というか生産準備が極めて重要です」
伊丹
「でもすることは小銃と機関銃は変わらないでしょう」
藤田少佐
「そうではありますが、寸法が大きくなれば計測器とか作業台を新規に手配しないとなりません。中でも計測器は金を出せば手に入るわけではなく、自分たちが作らねばなりません」
南武少将
「ところでワシも偉くなったものだから技術部だけでなく、製造の月報とか報告書なども回ってくるようになった。それを見ると、なんだ藤田、品質が上がっているとは言えないな」
藤田少佐
「確かにここ1・2年、品質指標は変わらないですね。品質も上がるところまで上がってしまったのではないかと思うのですよ。伊丹さんがここに指導に来られたのは、ええと、もう8年いや9年くらい前になりますか。あの頃は組み立てでは、一個一個、削ったり曲げたり調整していました。まさに品質以前でした。
でも現在は部品が集まればスイスイと完成品になっていきます」
南武少将
「だが組み立てで使うものは部品検査で合格になったものだけだ。部品検査ではいまだ不良がゼロになっておらん」
藤田少佐
「でも内作や外注の部品の不良だってものすごく減りました。当時は部品検査をすると、2割不良なんて珍しくありません。今は内作では、そうですねえ1%とか2%でしょう。外注だってその倍はありません」
伊丹
「藤田少佐、1%もあったら問題だと思っていただかないと困ります。半分にしよう、ゼロにしようと思わなければ」
藤田少佐
「でもねえ〜、伊丹さん、不良を減らすための手間暇と不良になった損失を比較したら、最適値ってのがあると思います」
伊丹
「おっしゃる通り、製造品質というのは不良による損失と不良削減のコストがバランスがとれるところに設定すべきでしょう。しかし、損失金額とは工場の中だけではありません。不良による損失にはどこまで含むでしょうか?」
藤田少佐
「だいぶ前に伊丹さんの講義で品質コストについて聞いたことを思い出しました。あのとき伊丹さんは人命や作戦の成否も考慮すべきとおっしゃった。しかし部品検査で不良をはじけば、それ以降では不良はないはずです」
伊丹
「抜取検査はもちろんのこと、全数検査であっても100個不良があれば数個は検査ミスで通り抜けるでしょう。ですから不良が人命に関わるほど問題なら、検査を厳しくするのではなく元々の不良を少なくしなければなりません」
南武少将
「なるほど、そういう考えがあるのか」
伊丹
「検査では品質が上がりません。最終的に品質を上げるには、工程で品質を作り込まなければなりません」
藤田少佐
「とすると、検査で不良品を取り除くのでなく、部品不良を減らさなければならないのですか」
伊丹
「それが最善で唯一の方法でしょうね」
藤田少佐
「ちょっと以前、品質保証という話がありましたが、ああいった考えですね?」
伊丹
「どんな話だったか覚えていませんが、どんな工程でも5Mを決定し、それを維持することです。品質保証とはそれを維持する仕組みといいますか」
南武少将
「5Mというのは人、材料、機械、方法、管理だったな」
伊丹
「最後の一つはお金とか測定とか人によってさまざまですが、」
南武少将
「それはあれか、図面通りに物を作るだけでなく、物の作り方とか条件整備についても製造部門に要求しなければならないということだな」
伊丹
「その通りです。製品仕様と工作仕様を指定するという考えですか(注3)図面で作らせて物ができたら図面と比較して検査する。合っていればお金を払ってものを引き取るというのはオーソドックスな方法です。
しかし検査でものの良否が判定できないときは、例えば作業工程とか人の技量など、つまり5Mですね、それを示して遵守することを要求するのも当然です」
南武少将
「検査で良否判定できないとは?」
伊丹
「例えば焼き入れ条件とか、切削時の材料の過熱などは検査ではわからないでしょう。人の手による作業は技能者とそうでない人の差が検査では分からないかもしれない」
南武少将
「そういうものは検査するだけでなく、製造部門、外注にこういう方法で作業をしろと言ってそれを守らせるということか」
伊丹
「もちろん頭の中で考えてむやみやたらに要求しても、管理費用が上がるだけで意味がありません。真に管理が必要なことを定めて必ず実行させることです」
南武少将
「今の話はこれから出てくる戦車とか飛行機とかでは、非常に重要になるという気がする。しかし管理項目があまりにも膨大になるのではないだろうか」
伊丹
「膨大だからどうなのですか? 必要ならしなければならないというだけです。
それと品質ということも物を作るときだけでなく、使う場面でも考えられます。
つまり飛行機を考えたとき、故障が多いか少ないかということです。ものすごく性能がいい飛行機だけど10日のうち8日故障しているより、性能はまずまずだけどめったに故障しないというのはどちらがいいか、」
南武少将
「敵の飛行機に対抗するならものすごく性能が良くないとやられてしまうとすれば、いくら故障が少なくても使い物にならない」
伊丹
「おっしゃる通り、だから考えるのです。なぜ故障が多いのかを」
藤田少佐

「だいぶ前ですが伊丹さんが絵を描いて説明してくれたことがありましたね。こんな風かな?」

成  果
矢印矢印矢印
固有技術管理技術士 気

伊丹
「ああ、覚えています。この図で管理技術に入るものが品質管理とか品質保証となりますね」
藤田少佐
「あのあとずっと考えていたのですが、この図は正しくないような気がしてきました。この図では成果を3本柱で支えています。実際には柱は1本なのではないかと思うのです」
成 果
矢印
管理技術
矢印
士 気
矢印
固有技術
伊丹
「1本柱と言いますと、要素は一つしかないということですか?」
藤田少佐

「いやそうではなく・・・こんなふうになるのかなと。
この重なる順序にも意味があるのです」

藤田少佐はもう一つの図を描いた。

南武少将

「つまり、これはどういうことなのかな?」

藤田少佐
「物を作るには最低限、固有技術が必要です。言い換えると固有技術があればできます。
しかしそれだけでは大した成果は期待できません。成果、つまり品質なり出来高を上げていくには、関係者の意識、まあ真面目さとか改善意欲とかが必要でしょう。そういうものが固有技術の上に積み上がれば成果は前より高くなります。
更に上げようとすると、管理を良くしなければなりません。管理とは現場監督が目を光らせるということではありません。職工の教育をするとか、治工具や計測器は正確なものが使えるようになっているかとか、休憩とか安全とか配慮されて職工が働きやすいとか、そういうものを向上させる必要がある。そうすれば成果はさらに上がる」
伊丹
「なるほど、私が何十年も考えていたことは間違いだったのか」
実を申しまして、 上に掲げた3本柱の絵は私がずっと考えていたもので、このウェブサイトでも何度も力説していました。ところが少し前のこと、某氏より3本柱ではなく三つが重なった柱なのだというご教示をいただきました。どちらがホントなのか分かりません。あるいは見方の違いだけなのかもしれません。


政策研究所である。後藤議員、幸子、米山の三人がいる。

後藤新平
東京大空襲 「構想の骨を考えたのだが皆の意見を聞きたい。関東大震災だけでなく東京大空襲の状況も参考にした。アメリカ軍は東京大空襲は関東大震災の被害状況を調べて最大限に火災の被害が大きくなるよう爆撃場所、焼夷弾を検討したという(注4)
米山中佐
「ということは閣下の案は将来の東京空襲の被害を防ぐことになりますか」
幸子
「東京大空襲が起きないようにすることも大事よ」
後藤新平
「大地震を予防することはできないから、防災計画、直前対応、発生時対応、直後の復旧計画、再建計画という塩梅になるかな(注5)
米山中佐
「ちょっと具体的イメージがわかないのですが」
後藤新平
「ワシも具体的詳細までは考えておらんのだが・・」

後藤議員は大きめな紙を黒板に止めた。

矢印時間の方向
時期2年前〜1週間前〜発生時〜数日〜半年〜2年
段階防災計画直前対策発生時対応非常時対応復旧計画再建計画
実施事項
必要な技術開発
組織体制
道路・区画整理
避難場所
消防隊
米山中佐
「なるほど、さすが時系列に沿っていて包括的ですね」
後藤新平
「実施事項はこれから順次埋めていくわけだが、それぞれ専門家を集めていくつかの委員会を作りたい」
幸子
「消防、警察、軍隊、建築、土木、医療、など必要な事項を上げましょう。官公庁、自治体、大学、企業などから必要な人材は集めます」
後藤新平
「その前に、皆の意見を聞きたいのだが」
幸子
「向こうの世界の後藤新平の復興案と21世紀の防災計画を参考にされたのでしょう。ならもう議論することがないじゃないですか」
後藤新平
「おいおい、難関だと思っていたがスイスイ進みすぎてしまうじゃないか」
幸子
「人を集めて審議するまでは簡単ですが、具体的解決策が見つかるかが大問題です」

うそ800 本日のまとめ
やっと品質保証の敷居にたどり着いたようです。これから品質保証要求事項となり実際に品質保証を要求し、その監査をして、更には第三者認証にたどり着かないとタイトルの異世界審査員が・・・
ところでタイトルとの乖離も心配ですが、第一回で宣言した1話5000文字を守ったことがありません。今回は短文ですが、それでも7000文字オーバー・・・ヤレヤレ

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注1
ミニエー銃は、1849年にフランス陸軍が開発した前装式ライフル歩兵銃である。
他方ゲベール銃とはオランダ語で小銃のことで、戊辰戦争時の前込めのライフルのない雷管式小銃を意味し、全く異なる種々のものの総称である。

注2
日本の武器はほとんどが欧米のものを輸入してライセンス生産したものか、パテント無視でコピー生産したものばかりだ。純粋に日本が一から設計した小銃とか機関銃とかはないはずだ。ゼロ戦の20ミリ機関砲はエリコンのもの、7.7ミリはビッカース。
日本オリジナルの兵器となると酸素魚雷と風船爆弾くらいになるのかもしれない。もっとも魚雷に酸素を使うのが良いというのは知られていて、実用化したのが日本というだけだ。それも大変なことだけど、
まあ、「習う」は「倣う」から、「学ぶ」は「真似る」から来たという。コピーから始まってもオリジナルを超えれば良しとするか。
エッ、劣化コピーだってそれはウリジナルだ。

注3
品質保証要求の守備範囲は管理についてのみであり、製品やサービスの仕様は対象外である。それはISO9001の1987年版から2015年版まで一貫して変わらない。
要するに製品またはサービスの品質は製品仕様であって、管理対象外である。
だがそこを理解しない人がISO審査員にもコンサルにも認証機関の幹部にもいる。そんなことはないなんて言ってはいけない。「ISO認証すれば品質が良くなります」と語っているISO関係者がザクザクいるのだ。

注4
「ドキュメント・東京大空襲」NHKスペシャル取材班、新潮社、2012

注5

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