背景のウソ

20.11.30

ここで「背景」とは一般的な意味である人物の後の景色とか、なにごとかの裏にあることがらという意味ではない。ISO14001:2015の「序文」の最初の項「0.1背景」のことである。
今から4年前に、「背景の背景」という文を書いた。そのときは持続可能性が存在するとは証明されていないこと。存在がはっきりしていないものを実現しようとする規格はその存在意義が疑われると書いた。

あれから4年経って、私は持続可能性が存在しないと確信するようになった。そういう前提に立つといろいろおかしいと思うことがあり、湧き上がってきたことを書く。

まず下記の文章をお読みください。

将来の世代の人々が自らのニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすために、環境、社会及び経済のバランスを実現することが不可欠であると考えられている。到達点としての持続可能な開発は、持続可能性のこの"三本柱"のバランスをとることによって達成される。

上の文章は、前述したISO14001:2015の「0.1背景」である。
ISO規格の意図と概要を語るのが「序文」であり、その序文の書き出しが「0.1背景」である。
もし、仮に、万が一、上記「0.1背景」が「真」でなく「偽」であれば、ISO14001の本文も「偽」ということになる……ここまでは4年前と同じである……いや、ネガティブな言い方ではいけない。ISO14001本文が「真」であるためには、この「背景」が「真」でなければならない。

本日は上記「0.1背景」について考える。