文書の標準化3

21.12.06

文書の標準化について思いついたことをダラダラと書く。


うそ800 本日の開き直り

私は会社規則(procesure)とか作業指示書(instruction)を大量に作った。もちろん品質マニュアルも環境マニュアルも粗製乱造とは言わないが多数書いた。
そして書いただけでなく、それを説明し使わせた。また自らそれらを常に参照して仕事をしていた。
その経験から「すべての文書は読み手(顧客)のためである」と認識している。
誤読された、読んでもらえなかった、不鮮明であった、図が分かりにくかった、それはすべて書いた人の責任である。
JISに従ったのに…、製図通則では正しい…、図の表題は下に…、ちゃんとここに書いてある…、俺は間違っていないと言ってもせんない話だ。結果が良くなければ書いた人(指導した人)の責任であり、書いた人はどこか誤ったのだ。
間違える可能性を最小にすることが、文書作成者に必要な力量だ。

いかに分かりやすく誤解されないように文章を書くか、図表を描くか、それが腕の見せ所だ。
デ・レ・メタリカ それは文章で事細かく書くことでもなく、JIS規格や三角法に合わせることでもない。
アグリコラのデ・レ・メタリカにあるような遠近法を無視したポンチ絵が分かりやすいなら、そういうふうに描けばよい。
結果がすべてというと非論理的とか無節操に聞こえるかもしれないが、失敗しないためにはなりふり構わずである。文書を書くことは挑戦的で創造的なお仕事なのだ。

侍とは死ぬことと見つけたりという言葉がある。文章とは誤解されることと見つけたり






外資社員様からお便りを頂きました(2021.12.06)
おばQさま
今回の記事に関連した体験をしたので,いつもの部分突っ込みです。
「文章とは誤解されることと見たり」と「遵守」についての体験のご披露です。
とある一部上場の大会社の購買部門から誓約書が送られてきました。
その趣旨自体は問題ではないのですが,中にあった一文を見てびっくり。
「当社のCSRを遵守することを誓約する」とあります。
誓約書の中の「遵守」ですから,永続的な命令であり、取引先はそれを守らなければならないし、逸脱した場合は取引停止と解釈しますよね。
膨大なCSRの中身を見れば,この会社は消費者向けの生産物もありますから,環境から労働環境,消費者保護まで多岐にわたり,本気で遵守するならば,「大会社」と同様の体制が必須となります。
大会社ならばCSR専門部門だのコンプライアスだけやっている部門や人員もおりますが,小さな会社にはとても無理。 背景は想像できます,CSRのサプライチェーンまで広げるべきという事で担当者がさらっと入れたのでしょう。これぞ「読み手の立場を考えない」行為。
調達先が調達元と同じ環境やグループ会社ならば必然もありますが,調達先が中小企業ならば,その業務範囲は限られる。
つまりCSRの中で要求される部分は,もっと限定されて当然と思います。
ですから,せめて「当社CSRを正しく理解し,関連する部分については」という一言を入れてほしかった。
他の大手はどうだと調べてみると,セブン&アイHD、調達先に関連する部分のみ抜粋,さらにセミナーも設けて,チェックシートまであり。
確かに本気で調達先にも同じことを求めるならば,正しいやり方です。
困難な約束を誓約させるよりも,チェックシートで現状を把握,改善の方向に導く方がまともで誠実なやり方だと思います。
言い方は悪いですが「誓約書」の提出は,何かあったときに「やるいっていったよね」と責任を相手に転嫁できるための証拠のように思えます。
本気でやってほしいならば,セミナーやって,チェックシートを提出し,不明点は質問にも応じて,未達部分は改善に導く方が建設的だと思いました。
という事で文章は誤解されるけれど,文章から本気度も読み取れるなという感想でした。

おっしゃること、良く分かります。私も経験あります。
1990年頃、某リンゴ会社から「ぜーったいに有機塩素系溶剤を使ってないと社長のサイン入りの誓約書を出せ」なんてメールが来たことがありました。
そんなことわかりませんよ。社内での使用の有無ならわかっても、購入品なら調べようがありません。MSDSでさえ告示が出たのは1993年で法制化されたのが1995年。ましてや含有でなく工程での使用など営業秘密ですよ。
あんな横暴なことができたのは大会社だからでしょうね。もっとも回答が集まったのか無視されたのか、定かではありません。神に誓ってなんてとても無理です。正直な人人ほど誓うなんてできません。だって情報がありませんから。
本日の都都逸、
三千世界のリンゴ🍎を食べて主と朝寝がしてみたい


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