22.08.22
お断り
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。だからとりあげた本の内容について知りたい方には不向きだ。
よってここで取り上げた本そのものについてのコメントはご遠慮する。
ぜひ私が感じたこと、私が考えたことについてコメントいただきたい。
ご注意
今回は見出しだけ表示して、本文は折りたたんでありまして、読むために広げると原稿用紙50枚、読むと1時間くらいかかります。
お時間のあるときにお読みになるか、興味のある所だけお読みください。
最近、杉山大志に凝っている。この本はまだ読んでいなかった。というのは少し前にした市図書館の蔵書検索で引っかからなかった。別の方の地球温暖化の本を読んだら引用していたので、改めて市図書館の蔵書検索をしたら、ジュブナイルというカテゴリーにあった。児童向けの分類だったので、大人の本(怪しい意味ではない)のカテゴリーではヒットしなかったのだ。
ともかく市図書館にあったので、借りてきて読んだ。成人向けを年少者が見るのはいけないが、年少者向けを老人が読んでも悪いことはない。
書名 | 著者 | 出版社 | ISBN | 初版 | 価格 |
15歳からの地球温暖化 | 杉山 大志 | 育鵬社 | 9784594089948 | 2022.01.31 | 1540円 |
タイトルからの印象は、ゴア元副大統領の映画のように世間ずれしていない子供たちを洗脳しようという本のように受け取れる。とはいえ今まで杉山氏の本を10冊近く読んでいたことから、彼は絶対にそんな本を書くとは思えない。きっと肩透かしとか打っちゃりを決めてくれるだろう。そう思って読み始めた。
本の構成はマスコミや政府あるいは学校で教えられている地球温暖化による現象や悪影響などについて20の設問を上げて、それは本当かを読者に考えさせる形式である。
その質問もその解説も面白い。ということでここでは本の設問だけあげ、それについて私はどう考えたかを書く形式でいってみよう。
彼がこの本でどのように答えているかを書いては、本が売れなくなるし、そもそもそんなことは禁じ手だからそこは書かない。
興味があったら是非お読みください。たった80ページしかないから一通り読むなら1時間で読める。じっくり考えたら何日もかかりそうだけど。私の場合は出典を見たり、他の本を参照したりしたので三晩(10時間くらい)かかった。
「問」と「色のついた部分」は本書からの引用で、「私が考えたこと」以下の文責は私にあります。
グリーン
の部分をクリックすると、「私の考えた回答」が表示されます。
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グリーン
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問1 ホッキョクグマは絶滅するの?
BBCは2020年7月21日にホッキョクグマが2100年までに絶滅の恐れがあると報じた。
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私が考えたこと
ゴアの映画で、大きさが数メートルという小さな氷山(流氷?)に、痩せこけたシロクマが乗っている映像は、
ご存じ「不都合な真実」の一場面。映画では北極海が凍らなくなるとシロクマが餌をとれなくなるから絶滅してしまうと語った。
当初は反響を呼び、シロクマさんかわいそうと同情とそしてお金を集めた。だが嘘はすぐにばれた。
あれは2006年だったよね、2020年になってもBBCはそんなこと語っているんだ、
シロクマの生息数は実際には増加しているというデータも出たし、北極海の氷はシロクマという種が現れてから何度も溶けてなくなったことも判明した。
それでゴアの映画はその後「都合の良いウソ」と言われるようになった。
そんなことを複数の書籍で読んでいた私は「絶滅しない」という一択である。
なおシロクマ人口が増えたのは地球温暖化とは関係ない。シロクマ保護で狩猟が制限されたからだそうだ(注1)。
ところで多くの本では「シロクマの人口」という表現をしている。Populationは多くの場合、人口と訳されているが、シロクマの人口はないだろう。といって熊口でもおかしい。英語では、人の数もpopulation、シロクマの数もpopulation、馬鹿の一つ覚えでなくここはひとつ生息数と訳してほしい。
問2 北極海の氷は減っているの?
IPCCは2021年に「北極海の氷は過去30年間の間に減っていて、地球温暖化が主な要因である」と発表した。 |
私が考えたこと
北極と南極は何が違うか……なんて子供のとき、なぞなぞではないがクイズがあったように思う。違う点はいろいろあるだろう。
ペンギンがいるのが南極でシロクマがいるのが北極とか、氷山が尖っているのが北極で平らなのが南極というのもあり、地面があるのが南極で地面がないのが北極というのもある。
南極大陸が温暖化して氷が解ければ広大な南極大陸が表れて、昔生息していた様々な生物、恐竜の化石なども見つかるだろう(注2)。
おっと恐竜も南極もどうでもいい。北極の氷が減ってやがてなくなってしまうかもと懸念されている。
欧州とアジアを結ぶ航路はアフリカ喜望峰周り、南アメリカのホーン岬周り、そしてスエズ運河(1869開通)とパナマ運河(1914開通)しかない。
運河がない時代、北極海を経由していけないかと考えた人は多い。
いやスエズとパナマのふたつ運河が作られた今でも、北極海航路が使えれば運河を通る半分の航路で済む(注3)。
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- 紺色…パナマ運河経由
- オレンジ…南米ホーン岬経由
- 緑色…スエズ運河経由
- 茶色…ケープタウン周り
- 赤色…北極海航路
ケープタウンやホーン岬経由はともかく、パナマ運河やスエズ運河を経由するルートも東アジアと欧州のルートはとんでもなく長いことがわかる。
北極海航路を望むのは良くわかる。
この図は著作権フリーです。なんせ私が書きましたから。
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実際に北極海を通り中国に至る航海をしたのは1496年ベネチアのジョン・ガボットだ。
その後も北極海航路にチャレンジした人は多いが、16〜17世紀には開水面が見つからず通過できなかったのはもちろん、挑戦者のほとんどが未帰還で遭難したと思われる。
なお過去1000年くらいの気温変化を見ると、1500年頃までは温暖だったが、1500〜1900頃は低温が長く続いた。ジョン・ガボットは最後のチャンスだったようだ。
この時期は中世の温暖期と呼ばれる。
更にさかのぼり縄文時代は中世温暖期よりも高温だったから海氷の面積はさらに少なかったはずだ。ともかく北極海の氷は増えたり減ったりしているのは間違いない。
これからどうなるのかなんて私に分かるわけはないが、北極海の氷が溶けたらもう二度と海氷が張ることはないと言われることはなさそうだ。
20世紀に入り、無線通信、砕氷船、動力船の発明によって、条件付きではあるが北極海を航行できるようになった。1935年以降は商業利用されていたという。
現代はどうかというと、21世紀に入り、夏季のわずかな期間、北極海航路から氷が消えるので、日本、中国、韓国が実験的に航行している。北極海航路についての本もいくつかある(注4)。
これらの書籍や、北極海航路をキーワードにしてネットをたどると、温暖化になると北極海航路が期待できると書いてあるばかりで、温暖化が困るとか心配だと書いているものは見当たらなかった。海運関係者はみなウェルカムのようだ。
それで良いのか?という気もするが、海運の大幅な省エネができるのだから悪いことではないのかもしれない。
問3 キリマンジャロの雪は消えてしまうの?
2009年にアメリカの科学アカデミーが「キリマンジャロ山頂の氷雪が急速に失われており、今後20年で完全に消滅する」と発表した。
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私が考えたこと
この記事によるとキリマンジャロの氷雪は2029年までに消えるそうです。あと7年です。こりゃすぐ観光に出かけなくちゃと納戸からスーツケースを引っ張り出して……いやそんなお金がないし、そもそもコロナが流行しているうちは旅行は無理ですよ。
書名は忘れましたが、次のようなことを書いている本がありました。
キリマンジャロの氷雪が減少しているのは間違いない。但し気温上昇によるのではなく、降雪が減ったからであり、それは気温ではなく周辺の森林が伐採され土地利用が変わり湿度が減少しているからだとありました。
別の本ではキリマンジャロは火山であり、火山活動の影響もあるとしているものもあります。
ところで2007年にIPCCは「地球温暖化が現在のペースで続いた場合、ヒマラヤに数多く存在する氷河は2035年までに消滅する可能性がある」と発表し、2010年に取り消したことがある(注5)。
誰にでもポカミスはあり勇み足もある。だけど反対方向に間違えたことがないから、地球温暖化論者はどうしても氷河をなくしたいようだ。
ところでブライアン・フェイガンの「歴史を変えた気候大変動(注6)」を読むと、17世紀末から18世紀初頭にかけて欧州では氷河が前進してきて、アルプスの麓では凶作どころか農地も村も氷河に覆われてしまった。アルプスの氷河が後退を始めたのは1850年からである。
2010年頃、アルプスの古い写真で氷河がホテルのそばまで来ていた写真と、現在のはるか数キロ離れたところまでしか氷河がない写真を並べて、地球温暖化を警告するポスターがあった。
あのポスターを作った人はそういう歴史を忘れたのか? そしてそれを見て温暖化に恐怖する人たちは、150年前の自分たちの祖先の苦しみを忘れたのか?
ちなみにこの小氷期は世界共通で、16世紀末から始まり19世紀なかばに終わった。
日本ではこの時期は寛永の大飢饉(1642〜1643)享保の大飢饉(1732)、天明の大飢饉(1782〜1787)、天保の飢饉(1833〜1839)など寒い時期が続いている。
問4 サンゴ礁の島国は沈んでしまうの?
2000年10月、グリーンピースは「地球温暖化は太平洋のサンゴ礁のほとんどを荒廃させる」「中でももっとも脆弱なのはツバルとキリバス」と予測した。
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私が考えたこと
ツバルが沈むなんて話を耳にタコができるほど聞かされたのは、2010年頃だ。当時、地球温暖化によってツバルが沈むと声高に叫ぶ人がたくさんいた。
私は環境部門で働いていた。そういうところにいる人は意識高い系が多く、「ツバルを救わなければならん」なんて悲壮な顔をして語る人とか、私に募金を求めてきた人もいた。
笑ってしまった。
笑ってはいけないって? 心配するな、大晦日まではまだ4か月ある。
なぜ笑ったかといえば、私はその何年も前から、毎日 京葉線で千葉から東京に通勤していた。その間ディズニーランドも葛西臨海公園も少しも海面が上がっていない。ツバル周辺の海面が上がって、東京湾の海面が上がらないという理屈があるのだろうか? もしかしてツバルと日本の間の太平洋のどこかに仕切りでもあるのか? とすると航行する船はパナマ運河のように閘門を通っているのか?
注:閘門(こうもん)とは、水位の異なる河川や運河を繋ぐときに設けられる船を通航させるための施設。
二つの扉があり、両方の扉を閉めて入り口側の水位に合わせてから入り口を開け、船が入ると入り口側の扉を閉めて出口側の水位に合わせてから出口側の扉を開いて船を出す。
すると船が通行するだけ水を使うことになりますが、まあ川の水をせき止めていると考えると同じですか。近年は熱帯雨林の減少で水不足もあるそうです。
政府が「ツバルが沈む」と公報するとあなたは信じるのか? マスコミが「海面が上昇している」と報道すると洗脳されるのか? ツバルが沈むのを心配するなら、まずは東京湾を見に行け。ディズニーランドを見に行け、百聞は一見に如かずである。
その頃、私はまったくのカナヅチでしたが、グアムが大好きで毎年のように行っていた。
でもさ、10年たっても海岸線はホテルに近づいてきません。ツバルもグアムも海面の高さはどちらも同じでしょう?
それにツバルからグアムまでの距離は、日本までの半分しかありません。どうしてグアムの海岸線はホテルに近づいてこないのでしょうか? 水面は水平だってのは嘘だったのでしょうか?
私は単純な人間ですから海面が上昇してツバルが沈むなら、ディズニーランドも沈むはず、グアムも沈むはずと思います。
2013年に退職するまで京葉線を通い続けましたが、一向にその気配はありません。
冗談抜きに、おかしいじゃないですか! ツバルが沈むなら浦安市もグアムも沈まなくてはつじつまがあいません。
それとも海面上昇ではなくツバルが沈降しているのでしょうか?
昔ならそうかなぁ〜で終わりでしょうけど、21世紀の今は種々の人工衛星が回っており、土地の状況も測定しています。土地の海抜も見ています。
私は「正確な高度計」というアプリをスマホに入れており、それはGPS高度計、地図の海抜、気圧による高度計とみっつあります。どれが正しいかというより用途によって使い分けるのでしょうけど、とにかくGPSでも高度がわかります。
いずれにしても、ツバルが沈んでいる気配はないそうです。
私は年を取り定年になり嘱託になり、そして引退しました。そして10年、いまだにツバルは沈みません。それどころか島の面積は増えているそうです。少しではありません。3%も増えたそうです(注7)。
3%とは半端じゃありません。日本の国土面積の3%というと面積ランキング6番目の秋田県11,612km2です。10年間で日本に秋田県ほども面積が増えたら、これは半端じゃありません。誤差とかハナクソではありません。10年毎に秋田県がひとつ増えていったらうれしいですね。
今の私の願いは、2010年頃ツバルが沈むから募金をしようと語っていた男の両ほっぺをつまんで、ツバルはなぜ沈まないのか言ってみろと問い詰めたい。
おっと、グリーンピースよ、いい加減なことを騙るな。
今後何か予想するときは、外れたら腹を切ると宣言してからにしろよ、嘘をついていいのは殺される覚悟のある奴だけだ
問5 そもそも海面はどれくらい上昇しているの?
1986年、アメリカ環境保護庁(日本の環境省にあたる)のタイミス氏は「フロリダ周辺の海面が2020年までに60cm上昇する」と予測を発表した。
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私が考えたこと
しかし2020年になったとき、実際の上昇は9cmだったそうです。60cmと9cmでは大違いだろう! 昔の預言者なら首をはねられるところだ。
9センチというと年割にすると2.6ミリになる。それは大きいだろうか? 問題になるほどなのだろうか?
年2.6ミリでも1000年経てば2.6mも海面が上がる。どれくらいの土地が沈むのかを知りたけれflood mapで海面上昇の数字を入れるとすぐにわかる。
縄文海進のときは2〜5メートルといわれているから、2.6メートルでは人間が滅亡するほどのことはないようだ。
ちなみにIPCCは「1977年以降ツバルの首都フナフティの海面は年平均3.9ミリ上昇している」と発表している。研究者によっては年4.3mm上昇しているという者もいる(注8)。
だが世界の海面は1850年以降2021年までに20cmの海面上昇があった(注9)。出典がグリーンピースではいささか信頼性がないが、とりあえずこれを採用すると、20センチ割ることの172年で、年1.2oとなる。
これから加速する、暴走するというが、それはいかほどなのか? そこがはっきりしないと何とも言えない。
私は海面上昇が問題ないとも、問題だともいえないが、参考になるかどうか、似たような事例を考えてみよう。
海面でなく地面である。日本は地震国でしょっちゅう地震がある。
関東大震災の時、三浦半島は1.5m隆起した(注10)。
東日本大震災で気仙沼市気仙沼小は65cm地盤沈下したが、2021年までに43p隆起したという(注11)。
別の事例である。東京の多くの地下駅のホームの反対側の壁面にものすごく太いパイプが取り付けられている。これはなんだろうか?
昭和30〜40年頃、工場が地下水をくみ上げて利用していた時代は、地盤沈下が公害の一つだった。地面は固いものではなくスポンジのような感じで、地下水があれば地面が膨らみ乾燥すると縮むから、地下水をくみ上げすぎると地盤沈下する。
その後、地下水の利用が規制されたことや、工場の多くが郊外や地方に移転したことにより、東京の地下水位が上昇してきている(注11.5)。
すると今度は地下鉄の駅が浮き上がるという問題が起きた。それで駅の構造物に重しをつけて浮くのを防止しているという(注12)。
言いたいことは地面というのは、動かないものではないということ。平常時でさえ雨が降れば膨らみ、日照りになると萎む。地震があれば数m変化する。
海面が年2.6mmでは何とも言えないのではなかろうか。
問6 日本の砂浜の9割は消えてしまうの?
2021.01.09放送のNHKスペシャル「未来への分岐点「暴走する温暖化"脱炭素"への挑戦」では、「日本の砂浜の9割が海面上昇で消滅する」という予測を報じた。
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私が考えたこと
へえ! そりゃ大変だ。沖縄の川平湾もグアムのラグーンも三番瀬もみななくなっちゃうのか、悲しいな〜なんて私が思うわけがない。
およそ環境を学んだ者なら、ここ半世紀、海岸の砂浜が痩せているのは地球温暖化ではないことを知っている。
砂が補給されないからだ。
どこから?
山からだ!
海岸の砂は、日本列島の山間部を流れる川が岩石を削り、それが下流に流れるについて細かい石となり海岸にたどり着いたものである。それは時間がたてば沖合に流されてしまう。しかし常時上流から補充されるから白砂青松という日本の風景が保たれている。
もちろん山岳部が完全に侵食されて平野ばかりになればおしまいです。地形の回春を待つしかありません。心配することはありません、我々人間から見れば永遠ですよ、永遠。
いってみればダイナミックなつり合いというか、平衡状態であるわけで、ダムの建設や河川の流路を変えたりするとすぐに変化が起きます。
大事なことですからもう一度言います。地球温暖化とは関係ありません。
川にダムを作って洪水を防いだり、発電するようになってから上流の土砂が下流に流れないようになった。下流に流れなくなった土砂がダム湖に溜まり大きな問題となっている。そして河口では砂浜が痩せるようになりこれまた問題になった。
とはいえ洪水がしょっちゅう起きたり電気が足りないのはもっと困る。そのへんは折り合いをつけるしかない。
観光などでやむを得ないところではトラックで砂を運び補充しているところもある。
地球温暖化による海面上昇のために砂浜が消えたというなら、日本の海岸だけでなく世界中の砂浜が同様に減少しないとつじつまが合わないよ。
NHKってろくな番組も作らず高給を食んでいるから以前から嫌な奴らだと思っていたが、そんな一般的な知識も知らないとは高給どころか月給をもらってはいけない。早急に民営化するなり解散するべきではなかろうか?
N党頑張れ!
ところで、世界中の同情を集めたツバルには砂浜がないそうだ。サンゴ礁の島々では、どこでも真っ白な砂浜がみられるのに不思議だね?
それは地球温暖化のせいなのか?
その理由はもちろん温暖化ではない。建物や道路の建設のためにコンクリートの骨材として使われてしまったからという(注13)。
「砂浜が消えた、それは地球温暖化のせいに違いない」という、馬鹿の一つ覚えの脊髄反射をしないように注意が必要だ。
20問のうち、まだ6問目だ。これ以上コメントすることもなさそうだけど、まあ、頑張ろう!
問7 地球の気温は何℃上がっているの?
2021.01.09放送のNHKスペシャル「2030未来への分岐点「暴走する温暖化"脱炭素"への挑戦」では、「ホットハウスアース」という仮説を紹介し、2030年までに世界のCO2排出を半減させないと、地球の気温上昇が1.5℃に達して、「地球温暖化の暴走が始まり、気温上昇は2100年に4℃をこえ、甚大な被害が出る」と訴えた。
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なんだかこの文章はSVOCがあっていないのか、複文/重文のせいか、良く分からない。NHKは標準日本語を話すなんて自称していたが、まあ事実とは違うようだ。
私が考えたこと
ええと今2022年だ。1.5℃とはいつからなのだろう。
気象庁のウェブサイトに日本の気候の変化というページがある。
1900年に比べ2020年は1.5℃上昇している。2030年というとあと8年。このグラフをみてあと8年たてば1.6℃くらいになるだろうが、「2030年までに世界のCO2排出を半減させないと、地球の気温上昇が1.5℃に達して」というフレーズがそもそも事実とあっていない。いったいNHKは何を言いたいのか? 自分がアホだと自慢したのか?
アホな私はわかりません。
ところで、地球温暖化というと必ず氷山が崩れて海中に雪崩れる情景が映される。氷山は地球温暖化していなければ崩れたり溶けたりしないのだろうか?
大陸中央に降った雪がやがて氷塊になり氷河になり、どんどんと押し出されて海岸までたどり着き、順繰りに氷塊は海に崩れ落ちて氷山になり、やがて溶けて消滅していく。これって自然の摂理だよね。
これは多くの人が温暖化と無関係な自然現象と言及している。南極も北極も氷は地面に固定されているわけではない。雪が積もり氷となり、中央部から周囲に押し出されていき、最終的に海に崩れ落ちていく。川の水が海に流れ出ていくのと同じで、氷の量は一定だという。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」と方丈記にも書いてある。
もしそうでなければ南極の氷はどんどん増えていくことになり、それはそれで困る。
要するに氷山が海に崩れ落ちるのは、川が上流から下流に流れるのと同じことで、地球温暖化とは関係ない当たり前の風景に過ぎない。
もちろんそのスピードが従来と異なって速まっているなら問題だ。だが現実は南極の氷は毎年1000億トンずつ増えているといわれる(注14)。
もちろん南極大陸の海氷は増えても陸氷は減っているとか、一時的な異常気象によるものとか、オゾンホールの影響だとかいろいろなことを語る人がいて、真実はわからない。
だが氷山が崩れ落ちる映像を地球温暖化の証拠とかシンボルに使おうという人たちが、語ることは信用できないことは間違いありません。
問8 「温暖化の暴走」になると、どんなことが起こるの?
気温の上昇が臨界点を超えると、自然界のさまざまな現象が動き出し、温暖化が加速するという。まず臨界点が低いもの(1〜3℃)のスイッチが入り、それによってさらに気温が上がると、臨界点が高めの現象に連鎖していくという。
(国立環境研究所)
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私が考えたこと
暴走か……最近は暴走族も減ったよね。だから補填する意味で温暖化が暴走しているのだろうか? いやあ、哲学的な話だなあ〜
なんて私が思うはずがありません!
40年も前、会社で上司から教え込まれました。「「たぶん、だろう、はずだ」そんなことで仕事をしてはいかん。根拠を確認して動け」
上記の文章には「という」と誰が言ったのかわからない、責任逃れの言い回しがふたつもあります。上記の文章を読んで信じるようでは詐欺にあいます(キリッ)
考えるまでもなさそうで考えませんでした。
問9 日本の猛暑は地球温暖化のせい?
気象庁は2018年の夏の気象について、地球温暖化の影響があったという見解を示した。 |
私が考えたこと
私の体験だけど、田んぼがなくなるとものすごく暑くなることは間違いない。
1970年代、私は塗装の仕事をしていた。当時は溶剤蒸発型塗料…早い話がどこでも見かけるシンナーに溶けている塗料だ(正しくは溶剤とかシンナーとかあるが省略)。塗料を塗って放置すれば表面からシンナーが飛んで、塗膜形成要素が固まるという理屈だ。
しかし雨の日など湿気が高いと塗膜表面に水分がついて、ブラッシングといって白っぽくざらついて不良になる。乾燥炉で強制乾燥すればよいが、
大物は乾燥炉に入らない。だから毎年梅雨時は気分が落ち込んだ。
しかしあるときから雨が降ってもブラッシングが起きなくなった。何のことはない、近く……といっても工場から100mは離れていたところに広がっていた水田地帯が埋め立てられて、そこにどんどんと建売住宅が建ったからだった。
もちろんそのぶん夏は暑くなった。ブラッシングも困るし暑いのも嫌だ。私はどうしたらよいの?
とはいえ私が水田の埋め立てや家を建てるのを止められるわけがない。愚痴を言いながら仕事をするしかなかった。
話は変わって、過去120年間に日本の平均気温は1.5℃上がったと気象庁のウェブサイトにある。私が子供だった頃より0.7℃暑くなったことになる。では今40℃のところが1960年頃39.3℃だったのかといえば、そう単純なことではない。
下に示すグラフはわが故郷の福島市と日本で最も暑い都市の一つ熊谷市の、過去127年間の毎年の最高・最低気温の推移である(注15)。
グラフを見れば熊谷市は1920年代に38℃を超えたことがあったが、ほとんどの期間は最高気温が36〜37℃で推移している。
グラフを見ると1901年から1975年までは、熊谷市と福島市の最高気温は似たり寄ったりで、年によって上下が入れ替わっている。
だが1975年以降は明らかに熊谷市の勝利だ。温暖化が進むことを勝利というのかどうかは定かではないが……
だけど、日本平均は120年間で1.5℃上昇なのだが、熊谷市は50年で4.0℃上昇して、福島市は1.8℃だったとはどういうことなのだ?(近似線の両端の差をみた)
福島市と熊谷市は何が違うのだろう? 熊谷市は都市化が急速に進んだのだろうか? 先ほど書いたように田んぼがなくなると気温が上がることは間違いない。とりあえず田んぼがなくなることを都市化と考えよう。そして都市化とは人口増加と仮定する。
では二つの都市の人口増加は違ったのだろうか?
二つの都市は共に緩やかに人口増加をして2000年頃ピークになり、以降わずかに減少を始めたようだ。ともかく差は見られない。
最高気温は1975年に熊谷市は福島市を抜き去っているが、この年代近辺で人口増加に特異なものは見えない。
いや、都市化とは人口が多い少ないではなく人口密度だろう。熊谷市と福島市の人口増加は大差なくても、人口密度の変化はどうだろうか?
さてお立合い、熊谷市と福島市の人口密度の推移である。
熊谷市の面積は160km2であり、福島市は768km2とその5倍近い。同じ比率で人口が増えても、人口密度は5倍の差がつく。
最高気温の差がついたのは1975年からだが、それ以前の1950年代末から人口密度増加は福島市を大きく引き離している。もちろん人口密度が高いからではなく、ここでは都市化の一指標としてみているとご理解ください。
注:日本のどの都市も合併を繰り返して現状がある。だから福島市も熊谷市も20年前・30年前とは面積も違うし、その時合併していない人口も含んでいない。
研究者でもない私はそこまでは考慮していない。研究者の方はそこんとこ厳密に願います。
実は更に追加することがある。それは熊谷市だけでなく、近隣一体そしてその先、海からの風の通り道も都市化されてしまったということだ。
他方、福島市は21世紀の今も小さな地方都市で、その市街地はせいぜい半径3キロの範囲しかない。その外は田園であり更に進めば森林である。
つまり熊谷市が猛暑で苦しんでいるのは経済発展した証左であるのだ。そういっても熊谷市民はうれしくないかもしれないけど。
いやもちろんこれだけでは証拠不十分だ。私は研究者じゃない。どこぞの学部生か院生がしっかりとした調査分析をして人口密度と気温の関係、いや本来の目的からは土地利用と気温の関係を調べて報告してほしい。
長々書いたが、私は「日本の猛暑の原因は地球温暖化だ」なんて断定的なことは言えないと考える。
問いの答えになっただろうか?
問11 東京は暑くなって住めなくなるの?
気象庁の推計では、東京23区。多摩地区、神奈川県東部、千葉県西部などは、都市化の影響によってその周辺地域に比べて1月の平均気温が2℃以上高くなっている。(2019.08.05)
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おいおい、問8では温暖化の暴走と言い、問9では地球温暖化の影響と言っておいて、問10では気圧配置とかジェット気流、問11では都市化なのかよ!
こんなの構わないで次行こう、次、
問13 15歳で環境活動家になったグレタさんは何を訴えたの?
2019年9月、国連の気候変動サミットで当時16歳だったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんは、地球の平均気温を1.5℃以下におさえるという目標を達成するために、CO2排出量を今後10年間で50%削減しても不十分だと訴えた。(時事通信フォト)
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私が考えたこと
黄色いレインコートを着た女の子が、黄色い声で叫んでいる。それを見てハゲがつぶやいた。
「愚れた少女か」
いや、実際のプーチン大統領はもっと上品に語った。(2019.10.5スプートニク日本)
「皆さんを落胆させるかも知れないが、私はグレタさんのスピーチへの賞賛に共感できない。環境問題を含めた今日の深刻な問題に注意を傾けるのは正しいが、子どもや10代の若者を自身の利益のために利用するのは非難に値する。現代の世界が複雑で多様であることを誰も彼女に教えていない。彼女は優しくて誠実だと確信しているが、大人は未成年者が極端な状況に陥らないように全力を尽くすべきだ。」
ここで「皆さん」と呼びかけている対象は、2019年の気象サミットに集まった各国首脳たちである。要するに各国のトップが小娘に媚びているのを批判したのである。
私はプーチンが語ったことがまっとうだと思う。もっとも前記のハゲの言葉なら一言で済む。
当時のプーチンの相方 トランプ前大統領は「彼女は感情をコントロールしなければならない」(2019.12.13BBC)と語った。
私のグレタ・トゥーンベリの評価は、プーチンやトランプと同じだ。この二人と意見が一致したとは珍しいことである。
この二人の政治家の評価はこれから固まっていくのだろう。二人とも発言が批判されることが多いけど、コンテキストを踏まえて考えるとまっとうだと思える。
女の子に限らず、大人であろうと男性であろうと、誰もが皆、人に噛みついたりキャンキャン吠えるのは良くないことだ。
彼女はいかなる資格で発言できたのだろう?
彼女の発言の根拠は検証されているのだろうか?
私は活動家なる身分を全く認めない。科学者とか政治家とかいう立場/資格なしに根拠もない与太話を騙るのははた迷惑である。
彼女の態度を見るとにつけ、国政選挙にアイドルとかユーチューバーとかプロレスラーが立候補したような違和感というか嫌悪感しかない。
おっと、私はアイドルやプロレスラーが政治家になってはいけないとは言わない。だけど政策もなく主義主張もあいまいでは止めてほしい。最近では当選しても一度も国会に出席しないとか、出席しないと明言して立候補したとか、わけのわからない人もいる。どうなんだ?
おっと、振り返れば大橋巨泉のように、お金儲けが優先して国会にほとんど出たことのない議員は、昔からいたのに気が付いた。誰だ!あんな奴に投票したのは!
CO2を出さないためと高性能ヨットで大西洋を渡ろうとして難破したり、帰りは飛行機とか、環境保護を語るのをやめてほしいものだ。
最低限 独りよがりを止めて、エコノミークラスを使うとかつつましさを表すべきだろうね。この子は恥という感覚が欠如しているようだ。
注:つましい(倹しい)は、質素、贅沢をしないこと。 一方、つつましい(慎ましい)とは、控えめな様子をいう。
グレタはつましくなくてもよいが、つつましい態度をとるべきだ。いや、環境保護を語るならつましくもあるべきか?
また特急に乗って座る椅子もなかったと偽る不良少女なら、その子が語るそれ以外のことも疑ってかかるのはまた当然だ(注16)。
一刻も早く過去の人になってほしい。過去の人になりたくなければオーディナリーパースンになれ。
*2022.10.03追加
過去の人になれと書いたが、実は2021年に既に過去の人になっていたようだ。
環境運動から共産主義に"転向"して、COPから追放されたグレタ・トゥンベリ(2021.12.02)
「国中停電してしまう」グレタさんから距離を置くドイツの大人の事情(2021.11.22)
問14 大気中のCO2濃度が増えたらどうなるの?
1978年カナダの新聞は「サイエンス誌」に掲載されたワシントン大学のスツーバー氏の論文を引用し、「大気中のCO2濃度は2020年までに2倍になる」とした。
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1978年のCO2濃度は340ppmほど、そして2020年は410ppm程度であり、ほぼ2割増であった。2倍は2割の誤植だったのかもしれません。いや、英語では〇割という言葉も活字もなかったと思う。
考えるまでもない、大きく外すようじゃ、予想屋にはなれないな。
問15 台風は強大化して増えているの?
環境NGOのWWF(世界自然保護基金)は2015年8月24日「地球温暖化による世界各国や日本の社会への影響」として「あいつぐ強い台風の襲来や地域的な大雨、洪水などが多発している」と報告した。
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私が考えたこと
テレビで天気予報とか解説をしている天気予報士にも「強い台風が増えている」とか「上陸する台風が…」と語る人が多い。
オイオイ、うそを言っちゃいかんよ!
発生する台風が増えているかどうか、上陸する台風が増えているかどうか、強い台風が増えているのか、気象庁のウェブサイトを当たってから語ってほしい。
近年の自然災害状況(出典により数字がかなり違う)
(注17)
年 | 台風 発生数 | 台風 上陸数 | 地震回数 震度5弱以上 | 自然災害による死者・不明者数 | 備考 |
2010 | 14  | 2  | 5  | 89  | |
2011 | 21  | 3  | 71  | | 東日本大震災 |
2012 | 25  | 2  | 16  | 190  | |
2013 | 31  | 2  | 12  | 173  | |
2014 | 23  | 4  | 9  | 283  | |
2015 | 27  | 4  | 10  | 77  | |
2016 | 26  | 6  | 22  | 344  | |
2017 | 27  | 4  | 33  | 136  | |
2018 | 29  | 5  | 8  | 300  | |
2019 | 29  | 5  | 11  | 337  | |
2020 | 23  | 0
| 7  | 107  | 台風上陸0は12年ぶり |
2021 | 22  | 3  | 10  | 62  | |
まあ、WWFなるものを信用できないね。
WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)でなく、「我々は笑い話でふざける」あるいは「We welcome fake.」の頭文字なのかもしれません。
上の表を見て「2009年以前はどうなのか?」という疑問を持ち、自力で調べるくらい常にしなければいけません。私はそういうことには手を抜きません。
問16 超強力台風が上陸するようになったの?
NHKは2019年9月9日に関東をおそった台風15号について、関東に接近・上陸した台風としては「過去最強クラス」であり、「地球温暖化が進んで海の温度も上昇すると台風はより強くなる」と報じた。
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私が考えたこと
そんなこと言われると、そんな気がしてきましたか?
でも「NHKと朝日新聞が言うことは疑ってかかれ」というのはネットの常識です。最近は、そこに池上彰も加わりそうです。
2019年の台風15号は中心気圧955hPa、最大風速45m/sだったとあります。では、過去の台風の強さランキングなんて見てみましょうか、
- まずは中心気圧から
トップは昭和36年台風18号で925hPaで、10位までみても940hPaである。
アァ? 955hPaだぁ〜、それで強いと…顔を洗って出直せ、
hPaは気圧の単位で数字が小さいほうが低気圧が強い。当然940hPaの方が955hPaより強い台風だ。
- では最大風速ランキングでは
トップは昭和41年台風24号、26号で91m/s、10位が昭和45年の台風10号で69m/s
風速が45mが過去最強だってえ〜? 志村けんが存命なら、はっ倒されんぞ、
関東に限って言えばとおっしゃいますか?
関東に来るか来ないかは偶然でしょう? まさかそれも地球温暖化のせいだとか
😁
問17 ゲリラ豪雨や集中豪雨は増えているの?
2021年環境白書「地球温暖化の進行に伴い、今後、豪雨や猛暑のリスクが更に高まることが、予想される」
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これは考えてもわからなかった。
だって私が調べても知ることができるのは過去の大雨の記録だけだ。リスクがさらに高まるかどうかは専門家以外わからない。
内挿は信頼できるが、外挿は信頼できないのだ。
問18 山火事は増えているの?
イギリスのBBCニュースは2020年9月5日、「気候変動がアメリカのカリフォルニア州の山火事の規模や被害を拡大していることが、最近の分析で明らかになった」と報じた。
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私が考えたこと
私が生まれてから見た火事といえば、幼児のとき住んでいた長屋でもあったし、勤めていた工場でもあったし、東日本大震災のときは、はるか彼方に千葉のコンビナート火災が見えた。
しかし山火事というと、小学校の時、近くといっても1キロくらい離れている農家で春の野焼きをしようとして燃え広がって手に負えなくなり、結局消防車を呼んで農家の人が叱られていたのを見たくらいしか経験がない。
要するに山火事というのは少ないという印象がある。
実際に日本では山火事は、めったにないことのようです。なにしろ年間火災が34,691件発生している中で、林野火災が1,239件で3.6%にすぎない 。
そして焼損面積は600ha、つまり一つの山火事の面積は0.5ha、つまり70m四方です。1,500坪といえば広いけど広い山林のほんの一部でしかない。
ではアメリカではとなると年間平均70,000件(注19)、焼損面積は2020年1020万エーカー(注20)、だったそうです。1020万エーカーとは41,000km2になります。日本で一番広い都道府県である北海道が83,000km2ですから、毎年その半分くらいが山火事になっていることになります。それに1件の焼損面積は0.6kmだから770m四方になる。いやあ、ハンパじゃありませんね。
とはいえアメリカの場合、国土面積が983平方キロ、つまり日本の25倍ありますから、0.8%ということになります。まあすごいことはすごいよね!
ちなみに日本の場合、毎年山火事の平均面積は0.001%、まあそれくらいならしかたないか。
私は日本のマスコミ報道だけでは信用できないので、毎日数回CNNとBBCを見ていた。最近になってCNNの偏向報道が気になりだして今はそれにFox Newsも見ている。もちろん英語が不得手な私だから見出しを読んで興味を持った記事は、右クリックして自動翻訳している。
2022/8/1 まさにカリフォルニア州で大きな山火事が起きて消火活動や避難が報道されていた。リベラル(要するに地球温暖化支持だ)なCNNは山火事を地球温暖化のせいだと報道しているが、保守(温暖化否定論)のFox newsでは淡々と被害や現状などを報道している。
主義思想によって報道がこれほど違うってのも面白いと思う。もちろん視聴者はそれを知ってテレビチャンネルを選んでいるのだろう。私は両方見て考えよう。
ただ被害や保険支払いに関しては1980年頃から増大している。これは森林近くに住宅を建てたり、不動産・動産の価値が増大してきたことではないかと思える。
BBCが「最近の分析で明らかになった」というなら、今までの膨大な統計とかを否定することになるが、そこんところはどうなんだろう。
ところで私は西部開拓物の映画や小説が大好きだ。もちろん最近はネイティブのインディアンを迫害した歴史の反省とか、黒人やメキシコ人が西部開拓に大きな貢献をしたとか論じられるようになった。何事にも明暗両面がある。私はとにかく人が入り込めないようなところを開拓していったという物語が好きということだ。
ともかくそういう小説とか映画を見ると、山火事というのはレアケースではなく、日本でいえば台風が来るようなものとして描かれていた。我々とは山火事とか竜巻に対する認識というか、受け入れる気持ちが違うのだろう。日本人が台風はしょうがないというようなものかな?
パトラッシュ、僕はもう疲れたよ、よって以降の問はパス、
本書で杉山氏がどう解説しているかは……本を読んでください。
正直言って、歯に衣を着せず皮肉を交えズバズバ語っています。もちろん地球温暖化の専門家だからすべて迷いなく一刀両断。
こういう本を読んだ子供たちは、多面的にそして論理的に考えるようになるだろう。2010年にツバルが沈むから募金をしようと語った善意の人になることはないだろう。
注:法律で「善意の人」とは「事実を知らない人」をいいます。要するに騙された人のことで、自慢になりません。無知は罪なのです。
ところで地球温暖化で大変だあ〜とIPCCの報告書には書いてありますが、IPCCは研究しているわけではありません。世界中から気候変動に関する論文を集めて読んで、それらをまとめて報告書にしているのです。
まとめるってことは、IPCCが気に入ったものを抜き出すことなんでしょうかねえ〜
現実には、過去にもおかしな論文を信用しておかしな結論に至ったこととか、温暖化の論文だけ尊重して温暖化否定の論文を排除しているとかいろいろ噂があります。
ホッケーステック(注21)とかヒマラヤの氷河(注22)が消えてなくなるとか
まあ、IPCCは権威があるなんて信じることもありません。何事でも疑って……いや何事も裏をとって考えましょう。つじつまの合わないことは納得できませんからね。
自然現象は理屈が分からないとか、因果関係が分からないことが多い。だが人や国を動かそうお金を出させようとして、
証拠がなければ捏造するとか想像で補ってごり押ししようとするのは最低だ……いや犯罪だ。
私に地球温暖化が真実か否かを判断できるはずがない。それは私が愚かということではなく、情報不足だからだ。
だけどシロクマが減っているか、海面上昇が進行しているかは、調べることができる。
そしてそれらが真実でない、嘘だと分かればそれ以外も疑うのは当然だ。
「嘘をついた罰は、それ以外のことも信用されなくなることだ」とは、ジェームズ・ミッチナーの「ハワイ」の主人公のセリフだ。
だからシロクマが減っていると騙る映画や本ならば、それが語る地球温暖化も疑うのは必然だ。
本日の推薦
「15歳から……」と題しているが、油断召されるな。中身は巷にあふれている地球温暖化解説本などとは比べ物にならないほどレベルが高く真面目なものだ。本の表題から「15歳」を取り除き、本文で漢字でなくカナで書いているところを漢字にすれば大人用の地球温暖化解説本として最高のものだろう。
その理由の一つを挙げるなら、本書で取り上げた地球温暖化の主張、そして著者が反論する根拠についての出典を明記している。「そういう研究があった」とか「…と言われている」という表現が一切ない。そういうことは他の温暖化解説本では見られない。怪しげな専門家が書いている地球温暖化解説本で引用文献欄があるものがいかほどあるか?
当然ですが、私も気になったことについては出典をたどって調べました。そういうのが面白いのですよ。
最後に驚いたこと、
なんとお値段が1540円もする。杉山氏もこの本が新書では不向きだと思ったのだろう。確かに白黒印刷では子供は読まないし、グラフなどは識別できない。それにこういう本はきれいなイラストや写真が欲しい。
でも15歳に1540円は大金だ。この本を買う代わりに、デートでハンバーガーセットを食べるかもしれない。杉山氏はそのリスクを考えなかったのだろうか?
書き終わってから驚いたのは、19,000字にもなっていた!
本書の文字数が28,000文字くらいしかないのだから、その3分の2も書いてしまったことになる。
注1 | | |
注2 | |
1憶8千万年前まで南極はゴンドワナ大陸の一部で、当時は南半球の中緯度にありました。ですから恐竜の生きていた時代には温暖でした。実際に南極から数種類の恐竜の化石が見つかっています。
氷漬けの恐竜が見つかるかもしれないという人もいます。
参考: アンタークトペルタ
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注3 | |
今の時代、アフリカのケープタウン周りの航海などありえないと笑ってはいけない。2021年日本の貨物船(?)がスエズ運河で座礁して運河は通行止めになった。そのため多くの船がケープタウン周りを選んだ。それは単に距離が延びるだけでなく暴風や暗礁があり日数的にもリスクが高い。
1956年エジプト大統領となったナセルはスエズ運河の国有化を宣言する。当然利権を持つ英仏両国は、ドル箱 スエズ運河を奪還する計画立てる。老獪な英仏は直接エジプトに軍事行動するのではなく、代わりにイスラエルに援助してエジプト侵攻させて、それを英仏が仲介してスエズ運河を確保しようとする。まさに悪巧みだ。
イスラエルに攻撃され運河を守り切れないと読んだナセル大統領は、イスラエルが運河を抑える前に大量の艦船を沈めて航行不能にした。そこで英・仏・イスラエルが組んで、エジプトに侵攻した。しかし突如としてソ連とアメリカがタッグを組み、停戦と英・仏・イスラエルの撤退を要求した。結局、3カ国の軍隊は撤退しスエズ運河はエジプトのものとなった。これがスエズ危機あるいは第二次中東戦争と呼ばれる。
スエズ運河は戦争、そして船を沈没させて引き上げられるまでの2年ほど航行不能となり、インド洋と大西洋の航路は喜望峰周りとなり、コスト的に船舶の大型化が必要となった。その代わりスエズ運河が通れる4.7万トン以下という制約はいらない。これがタンカーモンスター化の始まりである。
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注4 | |
参考
・ 「北極海航路」シップ・アンド・オーシャン財団、2000
・「グローバル・ロジスティクス・ネットワークー国境を越えて世界を流れる貨物」アジア物流研究会、成山堂書店、2019
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注5 | | |
注6 | |
「歴史を変えた気候大変動」ブライアン・フェイガン、河出書房、2001、第7章
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注7 | | |
注8 | | |
注9 | | |
注10 | | |
注11 | | |
注11.5 | |
「地下水と地形の科学 水文学入門」、榧根 勇、講談社学術文庫、2013
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注12 | | |
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注14 | | |
注15 | | |
注16 | |
グレタさんとドイツ鉄道がツイッターで応酬
2019.12.15グレタ・トゥーンベリがドイツ鉄道でスペインからスウェーデンに帰るとき、ドイツ鉄道の床に座った写真を載せて「満員電車で座れない」ツイッターに書いた。これに対してドイツ鉄道は彼女は1等車に乗っていたはずと苦情を言ったという。写真では彼女は床に座っているが、周りの席に座っている人がいないとかツィートされていた。要するにパフォーマンス(演技)らしい。
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