「ああ、堂々の自衛隊」 宮嶋 茂樹著 goodbetter
出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
双葉文庫 4-575-71104-7 1993581全1巻

この本は10年ほど前に出版されました。恥ずかしながら私はこの本を知りませんでした。
正月休み、本屋で暇つぶししていたら『オッ、おもしろそうだ!』と買いました。
おもしろい! それは絶対保証します。
おもしろいという意味はいささか複雑ですが・・・
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著者、宮嶋氏はカンボジアPKOの自衛隊と生活を共にした取材の過程で、いつも自衛隊とアメリカ軍と比較してしまいます。それ以前に彼はあちこちの戦場に取材に赴き、他国の軍隊を知っているからです。
片やアメリカ軍は国民の盛大な壮行の声を聞いて出発する。そして帰国するときは高らかに軍楽隊が演奏し、紙ふぶきが舞う!
此方(こなた)、自衛隊は『帰ってくるな、死んで来い』という言葉に送られ、そして帰ってきても政府高官の出迎えもなく、反自衛隊の報道を命とするメディアが待っているだけ・・・

なんということだろう!
神は我を見捨てたか?
いえ、日本人は日本を見捨てたのか?

いや、違う!
一般市民はそうではない。
はじめてのPKOが出航していくとき、通り過ぎる島々から手を振って見送る普通の人々、海岸で消防団が放水して激励し、子供たちが手を振ってくれる。
ふつうの人たちは誰もが自衛隊員が厳しい環境で立派に勤めを果たして、無事帰国することを祈っているのだ。
きりしま

PKO基地にはたくさんの日本人が訪れたそうである。
社会党議員は牛歩どころかすばやく歩き、灼熱の地からあっという間に立ち去ったそうだ。
あの有名なピースボートの辻元氏・・・横領の容疑で国会議員を辞任した・・・が率いる団体は化粧して、ご訪問遊ばされたそうである。
そして道路を作る土砂をとるにあたって環境影響評価をしてないことを非難し、隊員の糧食を奪い、コンドームを配っているのかと訊き、言いたい放題いって去っていったそうである。


おーい! 帰ろうよ!
軍隊でカンボジアの
平和は生まれない

日本軍=自衛隊の海外派兵反対!


訪問者がPKOの門の前に掲げた旗にはこう書かれていた。

「お前たち消え去れ!」
と叫ぼうとする宮嶋氏を自衛官は止めた。


カンボジアに道路を作ったのも、民主的な選挙ができたのも、
社会党のおかげでもなく、ピースボートの力でもなかった。
自衛隊を含めたPKOの成果であった。



隊員たちが家族に電話するのに月何万もかかったそうだ。
なぜ、政府が電話代を持たないのか?
中国に何千億もの無駄金を投じ、北朝鮮の独裁政権に米を与えているならば、なぜ遠い異国で厳しい勤務にあたっている日本国民の代表が家族の声を聞くための電話代を出せないのか?


時の宮沢首相はタイを訪問しても、そこから1時間ちょっとのところにあるPKO基地を訪問しなかった。
アメリカ大統領ならきっと来てくれる。その方が人気が上がり選挙に有利だろうに・・・


朝日新聞は自衛隊が起こした交通事故を日本で報道したが、自分たちが大事故を起こして自衛隊に助けられたことは決して報道しなかったそうだ!
 さもありなん、

本書は次の言葉で終わる。


「(帰国した)部隊はバスに分乗し、それぞれの原隊へと帰っていった。
アメリカであれば、あの湾岸戦争の後のように、ニューヨークの紙吹雪の中を凱旋パレードするのであろう。
それに比べると、自衛隊の凱旋には首相すら来ない。

しかし、部隊の車には紅の花吹雪が降り注いだ。
朝日に匂う桜花。
それは、隊員たちの労をねぎらって天が降らせているようであった。」
私は涙がこぼれてとまらなかった。




霧衣様よりお便りをいただきました。(2003.03.02)

こんばんは。失礼があってはいけないと、丁寧を心がけて書いてましたが、どうもかえってカドが立つようなので、今度からちょっと砕けたいと思います。
『ああ堂々の自衛隊』! カンボジアから第一次派遣部隊が帰国した春は、桜が例年になく、遅くまで散らずにいたんですよね…。
自衛隊は昔から嫌いではありませんでしたが、決定打は、3年前だったか、入間基地の練習機墜落事故。「パイロット二人は脱出しようと思えばできたのに、そうすると住宅街に機が墜ちる可能性があったため、安全地帯まで機を持っていった。そして、脱出に必要な高度が足りなくなって殉職した」…という顛末を知って、滂沱の涙でした。本気で自衛隊を応援するようになったのはそれからですね。
現役か退役かわかりませんが、とある自衛官さんが自衛隊理解にお薦め、と言う本を紹介して下さってます。
    私が見つけた自衛隊関連本としては、
  • 『カンボディアPKO奮戦記』大蔵省印刷局(写真は宮嶋茂樹氏提供です)
  • 『銀座に装甲車を入れた元陸将の「国防軍」改革案−自衛隊に誇りを』志方俊之 小学館文庫
  • 『ファントム無頼』新谷かおる/史村翔 小学館コミックス(汗…でも、史村翔は元空自で、ウソ設定も空自官からみて我慢できる程度だとか)
逆光のファントムU 幸いというのも変ですが、「北」の脅威というチャンスが来てます。この危機感を利用して9条改正もしくは廃止(第一希望は憲法そのものの取り替えですが)、国軍創設まで一気にいかないでしょうかね。民意が政府を左右するなら、ここは私たち一般人の踏ん張りどころです。がんばりましょうね
…というわけで、おもむろに某新聞のウソ記事に抗議メールを出す霧衣でした(笑)

霧衣様いつもお世話になっております。
『カンボディアPKO奮戦記』は読みました。
『ファントム無頼』ですか?実は私『新谷かおる命』という男で彼の作品はほとんど読んでます。
正直言いまして『ファントム無頼』と『エリア88』は平均レベルでしょうね、
私のイチオシは『クレオパトラDC』とか『砂の薔薇』『アリス12』ってとこですね、必読本は『ふたり鷹』かな?
またご指導をお願いします。
丁寧はやめて肩から力を抜いてください。私は抜けっぱなしですが・・・



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