「安全保障とは何か」 江畑謙介good better

出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
平凡社新書 4-582-85004-9 1999/05/20660全1巻

著者はテレビで誰もが知っている恐怖の九一分け男
あの江畑さんである。
おばQを自称する私だが、もう髪型で江畑さんには位負けである。

この本は国家安全保障ということが基礎から日本の現実まで平明に書いてある。
佐々さんの緊急事態とか有事というのはやはり警察レベルのものであって、国家安全保障という観点とは違う。
江畑さんはそういったことについて語るのはやはり「ウマイ」

この本は紀元前に書かれた。
エッなんて言っちゃいけない。
今ではBC(紀元前)とは Before Christ(キリスト生誕前)ではなく Before Crisis(テロ事件前)のことだ。
時代は911WTCテロで区切られる。

これはマンハッタンではなく丸の内でも起きるかもしれないテロは悪である

14歳のパレスチナ自爆テロリスト
テロを撲滅せよ

OH,NO!

では紀元後の現在に書けば違った本になったのか?と問えば、まったく変らないだろう。
この本に書かれていることは紀元後の現在でもそのまま通用する。
現代のテロ、来るべき時代の戦争、そういったものはこの本を読めばすべて分かる。

正直言って、私はこの本を読んで「そうだったのか!」というものはない。
僭越であるが一応私なりにこのようなウェブサイトを紡いでいるわけで、安全保障などに関する本はたっくさん読んでいる。そしてもちろん、普通の頭があればここに書いてある結論には到達するはずだ。
でも、この本は平明で説得力がある。
とにかく一般の方にぜひ読んでいただきたい本である。
日本が、日本人が安全に生活するためにはなにをしなければならないのか?今何が不足しているのか?といったことを説明してくれている。
言い換えれば、この本に書いてあるようなことを知らなければ、ネットの世界で国家安全保障などを議論しちゃいけない。
もっとも社民党や共産党の議員たちは、このようなベーシックな知識もなくて防衛や憲法を語っているようだ。
それもアメリカ軍と自衛隊が守っているコップの中だからできることなのであろう。
国家安全保障とは最悪の事態を考えるということと江畑氏はいう。
「最悪の事態を想定する前にそうならないようにするのが先決だ」と語る人がいる。
江畑氏はそういう理屈に対して、「じゃあ、消防車はいらないよね」と切って捨てる。

平和維持を国連に期待する。
そう語る政党もある。そう思っている人もいる。
イラクに派遣したのが国連だったら日本も参加してもいいと語っている人もいる。
本当か?

いかに日本やドイツが国連の運営費を払っているかという事実をみて欲しい。
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中国が日本ほど払えないなら、常任理事国なんてご辞退して更には核兵器を捨てるべきではないのだろうか?

もっとも重要なことは、
国連憲章にある「敵国条項」である。
日本とドイツは今現在、国連の敵国なのである。

あなたを犯罪者とみなしている国連に平和維持を期待することができるのでしょうか?
私は国連に頼る以前に日本は独立国家としての義務と権利を行使すべきだと考えるのだが、


「在日米軍はボトルキャップである。
もし、米軍が日本から引き上げれば、びんのふたを取ったように日本人は祖国防衛のためにあっというまに憲法を改正し、軍備を強化するだろう。」

とは10年前の米軍司令官の言葉である。
確かにそうだろう。
一般日本人は命も財産も惜しい。日本国憲法にある『近隣諸国の信義』を信頼するとは思えない。
「米軍は出て行け」というサヨクの叫びは自己を破滅に追い込もうとするレミングなのか?
それとも日本が自立する前に北朝鮮や中国に侵攻して欲しいという願望なのか?

それにつけても、不思議なのは憲法である。
日本国憲法とは日本人を殺そう、日本を滅ぼそうと願っているとしか思えない。
平和憲法と呼ぶ人がいる。・・・実を言って大勢いるのだ・・・しかし、断じて平和憲法ではない。
あえて言えば「平和ボケ憲法」なのだろう。

一人一人の日本人が現実に目覚め、一刻も早く憲法を改正し、日本を普通の国してほしいと念じる。

f117
国を守るということは、高性能兵器とか核兵器を持つことではないと思う。
もちろん非武装なんて寝言を語るつもりはない。
国家安全保障とは国民一人一人が、国を愛し、国を守るという心を持つことだと信じる。

そんな日本人を作るのが本当の教育ではないのだろうか?



わざわざ危ない地域に行って、テロ組織に誘拐されて大騒ぎをするような人は、悲しいことに本当の教育を受けていなかったのだろう。
何よりも自己責任ということを教えて欲しいものだ。



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