「中国の危ない食品」 周 (へんが京でつくりが力) goodbetter

出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
草思社2007.10.05978-4-7942-1638-01400円全1巻

最近、チャイナフリーという言葉をよく見かける。
バリアフリーといえば体の不自由な人やご老人など社会生活するうえで支障となる物理的な障害をなくすことをいう。
鉛フリーといえば、有害な鉛を使用してませんということだ。
チャイナフリーとは中国製の原材料を使っていない製品(食品や工業製品)をいうそうだ。
中国大好きの週刊朝日の特集にチャイナフリーという言葉を見つけて驚いた。朝日も中国の製品の有害性を隠せなくなったというわけだろうか。

今年(2007年)はじめ、アメリカ・カナダでドッグフード、キャッツフードで多数のペットが中毒になり死亡した犬猫も多かった。
それどころではない、パナマでは中国から輸入した薬品で何百人も死亡したという。 このようなことはわざわざ列記するまでもない。Googleで中国、毒劇物と入れてクリックするともういやというほどたくさん出てくる。
我が家では家内と中国産野菜は危ないぞ、高くとも国産買いなさいなんて言っている。家内が言うにはほとんどの食材は国産で間に合うのだけれど「にんにくの芽」だけは中国産しかないという。
以前そんなことをYosh師匠に言ったら「じゃあ食べないことだ」と即答された。
kabu1.jpg うーん、でもあれおいしいんだよね、食うべきか食わざるべきか? いささか食欲がつのる・・
日本が食料自給率40%(最近は40%を割ったともいう)といわれているが、これは農産物がそれしか取れないというわけではない。消費者が安いほう安いほうとなびいたことによって、採算が取れなくなったために農業を放棄してきたこともある。
私の住まいの近辺でもスーパーで野菜を買うこともできるが、道端で近くの農家の人が直接販売している。もちろんそういった産地直売の売店では季節の野菜しかなく種類も乏しいが、言い換えればみずみずしい野菜が手に入る。それだけで満足できるなら安全性はかなり高い。
それに日本政府が弱腰で中国に文句を言えないのは問題ではあるが、一応検疫はするし、それによって危ない食品を発見し輸入禁止などの措置をとっている。
日本ではこれを食べたら危ないなあとか、食中毒とか癌になる覚悟をして食べるということはないと思う。日本産食品で覚悟して食べるというのは、ふぐとか、アニサキスの危険性、あるいは肉の刺身くらいではないだろうか?
いずれもおいしさと危険性を天秤にかける必要はあるが、通常の生活でリスクを考えることはないだろう。
10年以上前、タイにいたときときどき軽い食中毒になった。下痢が一晩とか一昼夜続いて何も食えないという程度の症状である。死ぬとかもうだめと思うほどではない。抗生物質を飲んでひたすら寝ていた記憶がある。
日本人がタイの食品を食べて食中毒になるのなら、タイの人は食中毒にならないのだろうか?と疑問に思った。直接は聞けなかったがいろいろと聞いたことを考え合わせると日本人ほどではないがやはり下痢とかになるのは日本にいる日本人よりははるかに多いらしい。熱帯で食べ物が痛みやすいこと、衛生条件が悪いことを考え合わせるとそれはやむを得ないのではないだろうか。

では中国人は大丈夫なのか?
moudoku.gif 単に食品が傷みやすいというだけのタイとは違う。中国では使用禁止の農薬やポストハーベスト、あるいは工業用薬品を見た目を良くするとか長持ちさせるという理由でジャンジャン使っているという。
DDTというと私にとっては子供の頃身近な殺虫剤であったが、今の人たちにとってはとんでもない毒というイメージだろう。そして現物を見たことがないに違いない。中国では現役の殺虫剤として活躍しているそうだ。
 これって?
DDTはマラリアの発生する地域でのみ使用が許されているはずだ。それを単なる菜っ葉の漬物の殺虫剤として使ってよいのか?
それでは生身の人間の肝臓では処理しきれないのではないか?
そんな疑問を持つ。
この本は、中国に住む中国人が「中国の食品は危険だ」と調査した結果を報告したものである。
もちろんその真偽はわからない。この本の信頼性というのがどのくらいなのかわからない。
しかし、著者は何度も書いているが、命をはって調査し書いて出版している。だからわざわざウソをつく理由はない。間違いはあるかもしれないが故意のうそはないと信じる。

本の具体的内容は書けないが衝撃的なことがたくさんある。驚きの連続だといっても間違いではない。
chainafree.gif しかし著者は中国に生まれ、そして中国しか生きるところはないと思っていることは良く分かる。私が日本人をやめることができないように、著者も中国人を止めることができないのだ。

日本から多くのジャーナリストが著者にインタビューに来たけれど、しかし、そのインタビューは一切報道されなかったそうです。日本の友人から著者は聞いたそうです。
「あなたのインタビューは中国政府の面目をつぶすものだ、彼らを怒らせてはいけないとの配慮があったのだと思います」
私は日本人として恥じる。
このような日本政府を断固改革しなければならない。

私は知らなかったがマルクスは言ったそうだ。
「適当な利潤があれが資本は大胆になる。資本は10%の利潤があればいたるところで投資される。20%なら暗躍してくる。50%なら危険を冒す。100%になると一切の法律を無視する。300%となえば例え絞首刑になろうと犯罪を犯す。」
中国はこのハイリスクハイリターンの悪のスパイラルに陥っているという。
中国が食料不足をいいながら安全上の問題で廃棄しているものも多いそうだ。悪循環である。

日本で活躍している平和団体、環境団体、自衛隊基地、米軍基地に反対する方々、そんなことより前に、まず中国の環境汚染に反対しませんか?
その方が人類の平和と安全に寄与すると私は思います。
中国旅行を考えている方々、食の安全に十分お気をつけてください。
もっとも食中毒になっても抗生物質を飲む必要はありません。なにせ中国の魚は抗生物質を含んでいるそうで適切な魚を選べば必要な抗生物質を摂取できるそうです。

著者は言う、食の安全の崩壊は政治にある。中国共産党の独裁が、国民に「今さえよければ、自分さえよければ」という風潮を生み出した。その結果であると
そうなのだろうか?
その前提も結論も真偽は私にはわからない。
しかし中国の食品そして工業製品が危険なのは間違いない。
日本人にとって、チャイナフリーが実現するのはこれまた困難だろう。


本日の結論

当面、中国旅行はしないことにしよう




保守の一大生様からお便りを頂きました(07.10.27)
ちょっと前に、仲間がチベットを旅行して土産に買ってきたというチョコレートを食べたのですが…不安であります。
チベットも中国の蹂躙により環境破壊が進んでおり、食品にも悪影響が及んでいる可能性がなくないですから。
うーん、チベットのチョコレートですか?いかがなものでしょうか?
中国の悪影響は受けているでしょうが、そこで作られた食べ物も中国並みになったかどうかは判断しかねます。
話は変わりますが、私は中国出張者のお土産のお菓子は・・・食べないようにしています。
同僚がここを読んでいませんように・・

ある高校生様からお便りを頂きました(08.01.30)
最近は大変な話題が多いですね。
中国から輸入された冷凍食品の「袋に」致死量1,5グラムの有機リン系殺虫剤がついていたらしいですね。具に農薬が残留していたのならまだいいわけは可能だと思いますが、意図的につけた、なんて言うことだったりしたら大変なことですね。しかも、この「メタミドホス」中国でも去年1月に使用が禁止され、今月9日に生産流通全面禁止された劇物のようで、手違いで混入するようなものではないですね・・・まったく何があったんだか。
厚生省は年金をどう照合していると思えば、コンピュータで合わせるためにコンピュータに台帳から入力するのに中国人のアルバイト雇って、そのアルバイトがめちゃくちゃな仕事したうえに逃げたらしいですね。何やってるんだか。
再生紙だって、エコや環境問題の偽善の一端が見えたようで、どうにも不愉快極まりないです。
誰ですかこんなパンドラの箱を開けてしまったのは・・・
ある高校生様 毎度ありがとうございます。
家内は以前から中国産と書いてある野菜は買わないようにしていました。でもギョウザとか冷凍食品まではどうにもできません。
これで国産食品の回帰が起きるでしょうね。期限を偽ったとかいろいろありますが、まさか劇薬が付いていたりはしないでしょうから日本産は安心でしょう。
ところで古館伊知郎さん、またもチョンボしたそうですね。 彼によると、今回の問題は中国の管理が悪いのではなく、出来合いの食品を買い求めるようになった主婦が悪いそうです。
不思議なことです。

ある高校生様からお便りを頂きました(08.02.01)
やっぱり
こんな記事が毎日新聞ネットニュースに載ってました。
兵庫県高砂市で1月、中国製冷凍ギョーザを食べた親子3人が中毒になった事件で、ギョーザのパッケージに小さな穴があいていたことが兵庫県警の調べで分かった。捜査当局は人為的に穴があけられ有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が注入された可能性があるとみて、殺人未遂容疑も視野に捜査を始めた。県警は、中国での製造段階か国内の流通過程であけられたのかは不明としている。
調べでは、穴が見つかったのは「中華deごちそう ひとくち餃子20個入り(260グラム)」。県警科学捜査研究所がパッケージを詳しく調べたところ、袋の側面に縦1ミリ、横3ミリの針状のもので突き刺したような跡があった。穴はトレーにも達していた。パッケージ内と被害者の胃の洗浄液からは既にメタミドホスが検出されている。
嫌がらせの度がすぎ過ぎですね。これが彼らの歴史教育によるものなら断固抗議です。
ある高校生様 毎度ありがとうございます。
勉強の方は大丈夫でしょうか? こんなウェブサイトに関わっている時期ではないのではという気もしますよ

おっしゃる件、テレビなどで大々的に放送してましたね。
これで問題は中国ではなく、日本国内のテロあるいは悪質ないたずらという方向に収束させようということになるのでしょうか?
古館君、中国が悪いのではなく日本が悪いのだとハッスルしてましたね。
獅子身中の虫、敵は本能寺いや敵は日本国内のようです。

あらま様からお便りを頂きました(08.02.07)
三段論法
佐為さま あらまです
いよいよ「ぞろ目」ですね。おめでとうございます。予想以上に早い到達ですね。
さて、落語で「風が吹けは桶屋が儲かる」といいますが、中国にとっては「毒餃子事件も、廻りまわって日本の責任」なんだそうですね。
つまり、中国としては「食の安全」問題にしたくないので、「日中関係」を破壊しようとする者の犯行に転嫁するようです。
要するに、日本に不満を抱いている人がやったことにしたいようです。そうなつたのも、不満を抱かせる日本が悪いので、日本は謝罪・補償をすべきだ・・・という「論法」みたいですよ。
中国にとっては、郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも、み〜んな「日本」が悪いみたいです。
本当は、自国民の政治に対する不満を外に向けようとする政策なんでしょうが、そんな考え方で「平和の祭典」を全うできるのでしょうか ?
あらま様 777,777トトカルチョ残念でしたね。私ももう一週間後くらいかと見積もっておりました。最近アクセスが多くみなさまの予想を裏切ったようです。
さて、中国のぎょうざ! もう大変な騒ぎですね。
中国の発言は、国内向け、日本向け、それ以外の外国向けといろいろと意味があると思います。
しかし、アメリカをはじめ、パナマ、その他多くの国は中国の毒物に迷惑を受けていますから、またか!とは思っても、日本のせいだとは思わないでしょう。
日本人も中国産を買うときは注意するようになるでしょう。
ところで、ネットでは古館さんを非難する大合唱!
久米はダイオキシンの責任を取って辞めたのになぜやめないと非難しています。
古館さんも空気嫁と言いたいですね。まあ、生暖かく見守りましょうか?

あらま様からお便りを頂きました(08.02.16)
我々が最大の被害者
佐為さま あらまです
マスコミが伝えるところによりますと、毒ギョウザの中国の食品会社の工場長が「品質には問題はなく、我々が最大の被害者だ」と述べたそうな。
最大の被害者は、この餃子を食べて今でも入院している少女だと思うのですか・・・。
これは、中国語ではなんと言うのか知りませんが、日本語の四字熟語では「被害妄想」というのではないでしょうか。
こんな調子で中国という国は「南京の大虐殺」も語っているのでしょうか。これでは、南京大虐殺の最大の被害者は日本ということになりますね。
本当に、北京五輪は大丈夫でしょうか ?
あらま様 毎度ありがとうございます。
中国ではすでに犯行が特定され報道されています。
「販売店で汚染」徳島のギョーザで中国各紙が報道(2008.2.16)
中国製ギョーザ中毒問題
中国各紙は16日、徳島県で中国製ギョーザの袋外側から有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出された問題で、同県の飯泉嘉門知事が記者会見で「発生源は店内の殺虫剤とほぼ特定できた」と述べたことを報じた。
いずれも新華社電を掲載し、見出しは「日本、徳島県の“問題ギョーザ”は店内の殺虫剤で汚染と認める」(人民日報)「“問題ギョーザ”は日本の販売店で汚染」(新京報)などとしている。日本での中毒事件については「残留農薬による食品の安全問題でなく、個別の事件。原因はまだ調査中」と伝えている。(共同)

いやあ、素晴らしい捜査能力です。日本警察も見習わなくてはいけません。
もっとも日本の主婦も少しは学習能力があるでしょうから、身の危険を避けるようになるでしょう。
少なくとも我が愚妻は従来はにんにくだけは中国産を買ってましたが、もう食べなくてもいいと言っております。

南京大虐殺の最大の被害者は日本!
これは元からそうだったような気が・・・

あらま様からお便りを頂きました(08.02.22)
日本が悪い・・・ですって
佐為さま あらまです
先日の中国での、日本 vs 中国の「少林サッカー」に驚いていたら、今度は、22日の中国の国家品質監督検査検疫総局の見解に驚きました。
なんでも、山東省の日系企業が製造したニラ肉まんと冷凍とんかつから農薬がが検出されたのは「日系企業の原料野菜を仕入れる過程の検査が厳格でなかったからだ」と発表したんだそうです。
つまり、日系企業の生産管理に落ち度があったと言うのです。
日本側の基準に従って管理・生産が行われ、日本側の職員が駐在し、監督と管理を行っているから「日本側」の責任だというのです。
だんだんとホンネが出てきましたね。
これでは、トーカセンが謝罪しないのも無理がありません。
ほんとうに中国は滅茶苦茶です。国交断絶と五輪ボイコットを提案します。
あらま様 中国の語ることを聞いていると・・・もう目が回って立っていられません。
きっとこれも中国の毒野菜を食べたせいかもしれません。
あ--あ----
目が-回る・・・
バタン(倒れた音)


あらま様からお便りを頂きました(08.02.28)
ふざけるな 中国 !
佐為さま あらまです
中国製毒ギョーザ事件で、中国公安省が同国内での殺虫剤混入の可能性は極めて低いと発表したことについて、日本の警察庁幹部は「まったく理解できない」「科学的根拠を示してほしい」と話しているといいます。
こんなことになるのは、目に見えておりました。どうして、日本の警察は強気に出ないのでしょうか ?
しかし、これで明らかになりました。
中国という国は、自国での不祥事を責任転嫁する国です。
先日も、中国で卓球大会がありましたが、中国人のマナーの悪さが目に付きました。
こんなことで、平和の大祭であるオリンピックに参加できますか ?
こんな不道徳な国とは、国交断絶、北京五輪のボイコットを重ねて提案します ! !
あらま様 大賛成です。
トップページに北京オリンピックをボイコットしようと大書しております。
中国が崩壊したら、日本も大被害でしょうけれど、ここはぐっとこらえて、肉を切らせて骨を切る覚悟で邁進するしかありません。

北京オリンピック ボイコット



保守の一大生様からお便りを頂きました(08.07.23)
ご無沙汰しております
明日は丑の日なので、それにまつわる小話。
「死んだ生き物に指をさすと呪われる」というジンクスを聞きます。
鷲尾さん(29・仮名)は丑の日に友達と買い物に行き、スーパーでウナギが安く売ってるのを見つけ、「あ、安いよ」とウナギを指さして言いました。
で、当然、そのウナギを買って食べたわけです…

鷲尾さんとその友人は体調不良を訴え病院送りになりました。
実はそのウナギは、お隣の危険な国で生産されたウナギだったそうです。

ウナギに限らず、中国産の品物には注意ですね。
保守の一大生様 ご無沙汰しております。
しかし死んだ生き物を指さすと呪われるのですか!!
しっ、知りませんでした。
すると、焼き鳥なんて買うとき指さしするのではなく、こぶしとかあごで示さないといけないですね?
釣った魚を数えるときは指さして数えるのではなく、足で一二と数えるのでしょうか?
謎が増えました 

木下様からお便りを頂きました(08.07.27)
保守の一大生様の書き込みに関して
はぁ、そんな風習がありますか。私の地元ではそんなとき指先に息を吹きかけます。私の母もしていたのでまだ廃れているとは言い難いです。
こういう古い慣習は大事にしたいものですね。
えええっ
私はそういうのって全然知りませんでした。
大事にするもしないも・・・すみません、親から教えてもらえませんでした。


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2007/05/09 yohooニュース
米国で発生したペットフードによる犬やネコの中毒死事件以降、中国で製造された原料の安全性に対する懸念が高まっている。
昨年(2006)秋に中米パナマで発生した、風邪薬のせき止めシロップによる大量中毒死事件でも、中国で製造された毒性のある工業用ジエチレングリコールが原料に使われていたことが新たに分かった。米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。 相次ぐ中国原産品による問題の発覚に、米食品医薬品局(FDA)は、製薬会社などに注意を呼びかけている。
昨年9月、パナマでは、患者が異常な症状を訴える"謎の疾病"が発生した。患者の多くが腎臓障害を起こし、やがて神経がまひし、呼吸困難に陥った。死者が続出したが、原因は不明だった。
しかし、米国の疾病予防管理センター(CDC)が調査協力に乗り出した結果、せき止め用のシロップに毒性物質のジエチレングリコールが混入していたことが判明した。
ジエチレングリコールは通常、溶剤や不凍液など工業用に用いられる物質で、医薬品の原料としての使用は認められていない。
せき止めシロップはパナマ政府が配布したものだっただけに、衝撃が走った。だが、なぜ毒性のあるジエチレングリコールが混入したかは不明のままだった。
報告された死者数は365人。当局の調査で確認された死者数は100人に上った。AP通信は、死者は少なくとも51人としている。
6日付ニューヨーク・タイムズは、この物質の流通経路を浮かび上がらせた。
それによると、パナマ政府は"謎の疾病"の発生前、26万本分のせき止めシロップを製造。その際、スペインのバルセロナを経由して輸入した「99・5%純正のグリセリン」とされた原料を使用した。通関手続きでも同様に表記されていた。 グリセリンは、せき止めの薬や解熱剤に使用される物質であるため、パナマ当局は、「グリセリン」と表示のある原料を、毒性のあるジエチレングリコールだと知らずに、中身を確認せずに薬の製造過程で混入してしまったとみられている。
グリセリンと偽表示された原料は、北京の貿易会社とバルセロナの貿易会社を通じて、パナマに輸入されたものだった。この間の通関手続きでも原料の中身は確認されなかった。
さらに、この原料は中国国内の化学工場で製造されたことも判明した。中国から輸出された段階で偽表示されたとみられている。コストの高いグリセリンの代わりに、安い工業用のジエチレングリコールが不正に輸出された疑いだ。
中国原産品に関する懸念が高まる中、AP通信によると、中国外務省報道官は8日、「該当企業は医薬品の製造会社ではなく、化学製品の製造会社だ」としたうえで、「中国では医薬品などの製造は厳格に管理されている」とのコメントを出した。
偽原料のブローカーが暗躍し、通関手続きをくぐり抜けた可能性が出ている。