ワンインチデプスジャーナリズム 2003.03.16
ワンイチデプスジャーナリズムという言葉をご存知でしょうか? 直訳すると「一インチの深さのジャーナリズム」、意訳すれば「薄っぺらなニュース解説」とでもいうのでしょうか?
実はこれは櫻井よしこさんが盛んに使う言葉です。
インチとはヤードポンド法による長さの単位で25.4mmに等しい。
取るに足らないといったニュアンスで、日本古来の表現では「一寸」といったところでしょう。
一寸も3センチですから1インチに近い寸法です・・・・
櫻井さんによると元はどなたか外人のジャーナリストが日本のメディアを評したフレーズだそうです。(すみません、その方の名前を忘れました。もはや、ぼけ老人です)
確かに日本の新聞の社説を読んで国際情勢を考える糧にしようとするわけにはいきませんね、・・・・もっともその中では読売新聞はかなり信頼が置けます・・・・。
ところで、日本の新聞ほど記者がいる新聞社は外国にはないそうです。一説によると朝日新聞には記者と呼ばれる人が8000人、読売新聞には7000人いるそうです。これだけ従業員がいる企業は日本でも数えるほどではないでしょうか?
毎度つまらないことですが・・・・
ええと、普通の新聞紙のサイズは縦55cm、横40cmで、朝刊は40面、実際には広告が半分近く面積を占めます。まあ広告の面積を4割としましょう。
それから計算すると    55×40×40×0.6=52,800cm2 となります。
もちろん、地方版、夕刊もありますからエイヤでこの2倍の量の記事が毎日書かれるとしましょう。
そうしますと
   52,800cm2×2=105,600cm2 が一日の記事の量となります。
さあ、では一人当たりの記事の面積は朝日を例に取ると
105,600cm2÷8,000人=13.2cm2/日人 となりました。
これは縦4センチかける横3センチといったところです。ここに何文字あるでしょうか?
60字ないし70字というところです。
なんだかこれら記者の方々はろくな仕事をしていないような気がしてきました。

私の「日本人よ、ほこりを持て」は毎日だいたい1,500字から2,000字です。もっともこのウェブサイトはただ駄文をならべておるだけです。
文字数が少なくともテニスンやハイネのように世紀を超えて世界中に謡(うた)われ唱(しょう)される方もいます。
文字数からでは価値は決まりません。

でもそのたった70字が、ワンインチデプスジャーナリズムと称されたのでは立つ瀬がないのではないでしょうか? 

ところで薄っぺらな主張というのはマスメディアに限らないようです。
最近見聞きするものでは、ワンインチどころか表面しかとらえていないと思われるものがあります。

平和運動です。
「ワンイチデプスジャーナリズム」という表現になぞれえれば「サーフェスパシフィズム」つまり気分だけ平和主義とでもいうのでしょうか?
数日前に沖縄で反戦デモの参加者にテレビがインタビューしておりました。
某老紳士「先の戦争で散々ひどい目にあったからもお戦争はいらんよ」
某女性「平和が大事だから参加しました。」
某女性「戦争をさせないために来ました。」
まあそんなコメントがえんえんと続きました。
平和というのは「戦争反対!」と叫べば招致できるのか? なんて愚問でした。 

アメリカによる平和が嫌いだ!という主張をよしとしましょう。ではどういった形態の国際平和がお望みなのでしょうか?
中国による世界支配でしょうか? 北朝鮮の統治がお好みでしょうか? もちろん自分たちが統治するという図もあるでしょう。

さあ、現実を考えてみましょう。
アメリカの平和(パックスアメリカーナ)反対!といったとき、あなたは自分の希望する国際平和をどのようにして具現化するという構想をお持ちでしょうか?
仮に沖縄からアメリカ軍が撤退すればあっというまに中国の軍事力は沖縄だけでなく日本、台湾に及ぶでしょう。

毎度のことですが、東アジアの兵力を図にして示しましょう。
国 名
三軍総数 一人10万人
日本 
韓国 
北朝鮮 
中国 
台湾 

日本が主権国家として存在するためには税金のそうとう割合を軍備に費やさねばならないでしょう。当然核兵器を持たなければならないでしょう。私個人の考えですが、日米安保条約下において比較三原則を唱えて、政治的・軍事的独立を果たしたときに核武装することは笑い話のように思えます。
でも、そうしなければ日本・韓国・台湾にかけて東アジアは中国の支配下に入ります。そういった仮定を否定されるなら否定する根拠を示してくださいね、

もちろん、平和運動をしている方が、本当は平和運動でなくて中国による世界支配(あるいは東アジア支配)を望んでいるなら、それは 大成功 となるでしょう。

今、現実に韓国で反米デモが渦巻いています。彼らはアメリカ軍が撤退したときにいかなる朝鮮半島の秩序を望んでいるのでしょうか? そして、それをどのようにして確立しようとしているのでしょうか?
私は日本の安全保障のために是が非でも知りたい。
単なる激情、感情論で動いているならば非常に危険なことです。
今一度、世界平和をもたらすにはどうするのがいいのか考えてほしいものです。純粋な気持であっても「戦争反対」と叫ぶことが、戦争をもたらす危険性が否定できないのです。

第二次世界大戦をもたらしたのはイギリスのチェンバレンをはじめとする非戦主義者だったことを忘れてはいけません。
そして終わらせたのが、戦争屋と嫌われていたチャーチルであったとは喜劇でしょうか? 皮肉でしょうか?
平和主義者のチェンバレンがいなければ日本も太平洋戦争を始めなかったかもしれない。
まあ、このあたりは門外漢だから水城先生から突込みが入るといけない・・・・
戦争はなぜ起きたのか? を勉強するなら「私見・戦争論」を片っ端から読み尽くしてください。
ためになります。
戦争を起こすのは戦争を嫌っている平和主義者であるとは断定しませんが、戦争を恐れないと発言する人だけではないことは確実です。
参考になる本が多々あります。勉強しましょう。



平和運動をされている方々、
せめてワンマイルデップスアジテーションと呼ばれないようにしてほしいものです。

笑っちゃいますよ

直訳すると「限りなくずるい扇動」となりましょうか?




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