めだか物語 2005.07.31
えー、物語シリーズであります。ボールペンピアノに続きまして、本日はめだか物語でございます。
毎度お断りしておきますが、めだか物語と聞いて、めだかの生態とかめだかを飼う方法などを予想してはいけません。私の願いはただひとつ、皆様の予想や期待を裏切ることでございます。

私が小学校低学年のとき、学校にプールなんてありません。なにせ昭和30年の頃ですから日本全体が貧しく、いなかの自治体もそんなことまで手が回りません。学校を作る金もなく、通学距離が4キロもあり、一学級にこどもが50人も60人もいた時代です。
プールがなければ夏はどうしたのかといいますと、先生が近くの川に連れて行ってそこで遊ばせたのです。
小学校から歩いて7・8分のところに、けっこう大きな川がありまた。幅ニ・三十メートル、深いところで1メートルくらいはあったでしょうけれど、数十センチのところで水遊びをさせたものです。
boy.gif 今なら万一の事故のときの監督責任とかで先生も怖くてそんなところに連れて行くことはしないでしょうが、当時はどこでもそんなものでした。
さて、泳ぐほどの深さはないので、友達と水のかけっことかする程度です。もっとも目的は涼を得るためでしたからそんなもんでよかったのでしょう。
川底はぬるぬるがありませんでした。石も砂も表面が酸化され黒い色をしていました。
なぜそのような状態になるのでしょうか?
川の水には有機物つまり人間や動物の活動による食べかすや糞尿が入ってきますが、水の中の酸素によってそれらは酸化され水は浄化されます。
このとき入ってくる有機物が酸化されるのに必要な酸素の量を生物化学的酸素要求量(BOD)といいます。有機物が酸化されて水がきれいになるかならないかは入ってくる有機物の量と水の中の酸素(DO)の量で決まります。有機物が必要とする酸素より水の中の酸素が多いとあっというまに酸化され川底にはなにも残りません。水の中の酸素がたりないと有機物が沈殿しぬるぬるとなり、やがてはヘドロとなり、ひどいときには嫌な臭いのする死の川になります。
きれいな川になるか臭い川になるかは有機物と酸素量によって決まります。もちろん、川の水が攪拌されるとか、有毒物質があるかないかとかその他の要因もあります。
ア、なんということでしょうか!

このウェブサイトはとうとう環境問題を論じるようになってしまいました。次回は大気汚染やオゾン層破壊になるのでしょうか?
私はダジャレでこのウェブサイトを溢れさせようとしているのですが、これでは私の狙いから大きくそれてしまいます。

ではそのようなきれいな川には魚がたくさんいるだろうとお考えのあなた! それは間違っています。
白河の清きに魚は住みがたく・・・そういった川にはあまり鮒も鯉もいません。生態系というのはイコール食物連鎖であって、餌がなければそれを食べる動物はいません。きれいな川にはトビゲラやゲンゴロウなんかがいる程度でございます。川に栄養物があふれ、そこに水辺の植物が生え、昆虫類がいて、はじめてそれを食べる鯉やなまずが生きていけるということになります。
ただ、栄養物が多すぎると、自然の力では処理できずに死の川になるということは前に述べたとおり。

もちろん今でも故郷にはその川が流れています。しかし、悲しいことに年に一度公表される日本の汚い川ワースト20の中に入っているのです。
もう30年以上その川を見ていませんが、二度とあの川を訪れずに子供の頃のイメージを保った方がよさそうです。

めだかは、日本、アジア、東南アジアにのみ生息する。日本に住んでいるのは、ニホンメダカ。
グッピーなどを卵胎生(らんたいせい)めだかと呼びメダカの一種と思われてるが、めだかとは違う熱帯魚である。
ニホンメダカは寒さに強く、一番北に生息している。成体で25〜45oくらい。水田を中心に繁殖していた。
さて、やっとめだかの話になります。
めだかというのをご存じでしょうか?小さな淡水魚で昔はどこにでもいたものです。
もちろん私たちが小学校の先生に連れられて行った川にもいました。
めだかの学校という歌がありますが、まったくあれと同じに群れをなして泳いでおります。もちろん歌に歌われているようにのんびりではありません。彼らも過酷な生存競争を生きているのであり、私たちこどもがバシャバシャとしているところには近寄りませんし、それどころか川岸に近づく前に遠くに行ってしまいます。

よく小説やテレビドラマで悩み事をもつ人物が動物のように生きていけたらよいのにと思うシーンがありますが、あれって間違ってますよね。
動物の生活は過酷な生存競争そのものであって、悩みを持つこともできないと思います。彼らなら悩みをもてるほど当面の生命の安全保障があることをうらやましがるでしょうね。

こどもにとってめだかというのはやはり一番なじみがあった魚です。
私たちは鮒をそのへんの竹を切った釣竿で釣ろうとしたり、鯉をやすで突こうとしたりはしたものですが、めったにとることはできませんでした。せいぜいかえるを餌にザリガニを捕まえたくらいです。私たちもさすがにザリガニを食べようとはしませんでした。私のいとこはザリガニをエビのようにしてゆでて食べたといいます。エビと同じ味だったというのですが・・・・真偽はわかりません。

話が大幅にそれてきました。
私たちトロイ子供が捕まえることができたのはせいぜいめだかくらいだったということです。二人が手ぬぐいの両端を持って川ですくったものだ。もちろん簡単につかまるものではない。
獲ってきても食べることもできず、せいぜい金魚鉢に入れて飼うくらいでそれもすぐに死んでしまいました。
私にとってのめだかの思い出はそのくらいです。

環境という仕事をしておりますと、環境運動についていろいろな話を聞く機会が多い。
日本のどこかの工場では、工場のそばの小川でめだかを増やそうという運動をしているそうです。環境保護イコール昔の自然復活、なんか安直な感じです。
自然を残そうとすることは悪いことではなく、そのためにやるべきことはたくさんあり、小川のめだかを増やそうというのも批判しません。しかし工場でつくる製品の環境負荷を減らす、環境負荷の少ない原材料を使う、そして環境に負荷をかけない生活様式を選ぶという方が私は好きです。
その結果、自動的にめだかが増えるのではないかしら
いけない、これではサヨクばかりか自然保護団体を敵に回してしまう。 
もっとも、自然保護団体のメンバーには人間の盾とか、よど号犯支援団体のお名前をチラホラとお見かけいたします・・・
「中国の砂漠化防止のために日本の自衛隊を減らしてその予算を回せ」といっている国立大教授も存じ上げています・・・
お断りしておきますが、私の納めた尊い税金を中国に貢ぐのには反対でございます。

私にはかわいい娘がいる。もちろんかわいい婿さんもいる。
この夫婦が飼っているのがめだかである。
どういういきさつか知らないが、だいぶ前にめだかを何匹か買ってきて、飼いはじめたのである。何度か試行錯誤があったようだが、繁殖に成功しめだかのこどもがどんどん増えているという。
喜ばしいことである。めだか社会では年金問題は解決のきざしにあるようだ。
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ところが、当然の帰結であるが、余剰となっためだかの処理先に我が家が選定されたのである。光栄である
娘は数匹のめだかを持ってきて、「これかわいいよ」と言った。
家内はプラスチックのハコに水をいれそのめだかを飼うことになった。
めだかの餌というのもあるのだ。私は関心もなく細かいことを聞かなかったが、何かをすり鉢ですった粉らしい。家内は毎日決まった時間にそれを水槽(と呼べるのだろうか?)にまくのだ。
娘の家ではすり鉢をする音、我が家では家内が餌を容器から出すときのトントンという音を聞くと、めだかはパット水面に集まってくる。
鯉のいる池でポテトチップをまくとものすごく集まってくる。あれと同じだ。
家内はめだかのそんな動きがかわいいという。娘と同じ状態になってしまった。

そんな娘や家内を見ていると、私もめだかとはどんなものかと興味を持ってきた。
小さな魚だがまっすぐではなく、腹が膨れている。オスとメスでは形が違うなどということに気がついた。だんだんと昔の頃を思い出す。
もちろん都会の堀にめだかが泳いでいるわけはない。
娘がいったいいくらくらいで買ってきたのだろうと興味を持ってインターネットで調べた。
驚いた、今売られているめだかは安くて1匹300円から高いものは10万円以上するのだ!
これが驚かずにいられよか!
どこにでもいた子供の遊び相手だっためだかは、今では高級熱帯魚と同類となってしまったのだろうか?


本日のまとめ

私のかわいいめだかは「レモンエンジェル」の小川めだか わたべじゅん作
どこにでもいるちょっとエッチな女子高生である
もし実在するならば彼女も30代後半・・・
歳はとりたくないものだ



本日は休みなのですが、年寄りの悲しさ、出勤するときと同じ時刻に目覚めてしまいこのような長文と相成りました。




阿部麻理愛様からお便りを頂きました(05.08.02)
「めだか物語」拝読しました
私は生き物を飼うのが好きなので、これまでに随分多くのペットを飼って参りました。短期間ですが、めだかも飼育致しました。
めだかといえば、グッピーも飼っておりました。グッピーは非常にポピュラーな熱帯魚でして、めだかの親類であると聞いております。普通熱帯魚は観賞用に飼うのが一般的ですが、エンゼルフィッシュやディスカスなどの綺麗な魚が既におりましたので、グッピーは繁殖させてみたいと思い、雌雄をペアにして水槽に入れました。この魚は少し特殊な子育てをするもので、卵は産まず、雌の腹の中で卵を孵して、稚魚の状態で出産するのです。運良く雌は子を産みました。多数の稚魚が自由闊達に水槽の中を遊泳していたのを記憶しております。さて、しばらくしてみると、どうも稚魚の数が減っているのに気が付きましたので、死んでしまったのかとも思って水槽の中を隈無く調べてみましたが、死んだのであればそこにあるはずの死体が見あたりません。あな不思議なこともあるものよと、そのときは大して気に致しませんでしたが、後にとある本で驚愕の事実を知りました。なんと、グッピーは自分の子を食べてしまうというのです。とすれば、ぁ

以下文字化けでした。

阿部麻理愛様、お便りありがとうございます。
動物の多くは共食いをします。それも自然の摂理かもしれません。
人間は共食いをしないだろうと思っておりましたが、大陸にある国家では胎児は珍味であるそうです。
ゾットしますね!


阿部麻理愛様からお便りを頂きました(05.08.05)
嬰児食いについて
大陸にある国とは中国のことでしょうか?
ある本で読んだところでは、どうもあの国には古来より、食人の習慣があるようで、特に野蛮人(中国人以外の人)や敵の血肉が万病に効く薬になる、という迷信が中華民国の頃まであったそうです。
ある女性が政治上失脚して、あのような国ですから、政敵は当然粛正されます。その人の処刑場には大勢の民衆が群がり(多分公開処刑でしょう)、したたる鮮血を饅頭に染み渡らせて食したという、常軌を逸したおぞましい「事件」もあったそうです。
また、これは随分昔のことですが、ある国の王だったか中原を統べる皇帝だったかは記憶に御座いませんが、とにかく彼は大変珍味が好きで、それを知った料理人が、出世のために自分の息子を殺して、その脳を献上したという話も伝わっております。「中華」とは「世界の文明の中心」という意味ですが、単なる誇大妄想に過ぎないようです。

阿部麻理愛様、お便りありがとうございます。
おっしゃるとおり、中華人民共和国という近代(とは思えない)国家です。
この話は多くの本などで書かれていて、それを中国が否定していないのですから事実であろうと思います。
ネットで検索するとそれに関する写真も多々見つかります。
しかしながら、まもなく夕飯をいただきますので、この話はおしまいといたしましょう。




我が、愛する娘からお便りがありました(05.07.31)
父よ!
私のめだかは一匹25円であった・・・。
一緒に買った水草は400円であった・・・。
それから一緒に水槽にいれているエビが300円であった・・・。
高級なメダカは、白めだかという蒼白なやつらとか、黒いやつとかで、私がブリーディングしているのは、名も無き普通のめだかである。
marilyn3.gif ちなみにエビは脱皮する。たまに脱いだ殻(と言っても堅くなくて、へなへなしている)が水槽に沈んでいるのだ。

メダカは安い。しかし、卵を産んだり、オス同士のメスをめぐる戦いのドラマがあったり、タニシの大発生が起こったり、私にいろんなことを教えてくれた。
メダカを飼っている私をバカにしたり、白い目でみたりする人もいる・・・。しかし、彼らはメダカを飼い、育て、増やしたことも無いのに、何を言ってるんだ!
私は、犬やネコを飼う人を批判はしない。でも、避妊してしまったり、必要以上にケアしたり服を着せたりするのは本当のペットの生態を分かってないんじゃないかと思う。
メダカの赤ちゃんが生まれたときは3ミリもない、透明な頼りないホントごみみたいで流れちゃいそうなシーモンキーみたいなのだった。しかし、今、成長して親と同じ大きさに近づいている!
メダカを飼う人を暗いなんて言ったら失礼だ!
生命のすばらしさを教えてくれた。
と、娘は言っている。とお便りいただきました、コーナーに書いてくれ・・・。

だそうであります。
えー、いつも私に話題を提供いただき感謝いたしております。
むずかしいこと言わないで、来週でもだんなといっしょに遊びに来なさい。
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