ISOその1 2002.08.10
同志たちからISO(あいえすおー)の説明をせい、と脅迫されていますのでしばしISOについてご説明申し上げます。
ISOとはアイエスオーと読みます。
いそと読んでも間違いではありません。
通ぶる方はアイソと読みます。
間違ってもウソと読まないでください。
ISOとは世界の標準化の元締めで国際標準化機構の略称です。ISOは組織名の頭文字からではなく、ギリシャの「同じ」という意味の「ISO]からきているといるそうです。
ここでは工業や技術の発展のために種々の標準化を進めています。
ねじの山の規格を定めたり、
各種シンボルを決めたりしています。
非常口や交通標識なんかもあります。
最近(でもないか?)話題となっているISOとは品質保証とか環境保護のために制定されたISO規格のことです。
実を言って話は簡単ではないのです。
ISO(国際標準化機構)には各国から代表が参加していろいろな規格を検討し制定します。
しかし、この規格は強制力はありません。
ISOが定めたISO9001(品質マネジメント規格)もISO14001(環境マネジメントシステム規格)も単にひとつの基準を示すものでありそれ以上でもそれ以下でもありません。
ある会社が『この規格は使えそうだ、ひとつこの規格に合わせて会社の仕組みを見直そうか』と考えたとしてもそれだけの話です。 あるいは『当社に納品するならISO9001に基づいて生産してね』という会社もあるかもしれません。
まあ、それでどうだということもありません。
話変わりますがもうひとつの事情がありました。
大量購入者といえば昔から軍隊と決まっています。
軍隊では武器だけでなく、毛布から軍服からいろいろなものを調達します。この時いちいち受け入れ検査をしていたらたまりません。
そこでこういった管理をしなさいと納入業者に要求し、その会社がそのとおり管理しているかを監査するという方法を取りました。
同様に特殊な業界、具体的には薬事(GMP)あるいはNTT、原子力品質保証(NQA)、JRなどでも調達品の品質保証をさせるために独自の品質保証規格を定めて供給者(製造者)にこれを要求していました。
複数のお客さんに納入している会社ではこのようないろいろな品質保証規格基準を要求されてはたまったものではありません。
それで要求事項をひとつにまとめて欲しいと考えていました。
そこで納入業者も調達側もISOが作った規格で品質保証をしようと合意したとしてもよくある話です。
ところが、ここで頭のいい人が考えました。
あちこちの会社にいって、会社の仕組みがISO規格に適合しているか否か審査してお金をもらえないだろうか?
そうすれば調達者はいちいち納入業者にこれを守れと言ったり、ちゃんと管理しているか確認にいかなくともよくなる。
納入業者はたくさんのお客さんに来られるより一人の人が来て調べてもらったほうが楽だと思ったわけです。
ついでに言えばまだ取引はしてないけど、第三者に見てもらえば売り込みに行くとき『当社は第三者に品質保証を確認してもらいました』とはったりも利くぞと考えたわけです。
株取引には現物の取引もありますし、先物相場とか空売りなんてのもあります。
まあ、そんなたぐいでしょう。
この審査に行く人は購入者でもなく、製造者でもないから第三者(third party)と呼ばれました。
第三者は購入者に代わって管理状態を(製品品質ではありません)チェックして合否を表明しました。
はじめはこれを『第三者認証』と称しました。
いや〜、いい響きですね、第三者認証! きっとご利益があったのでしょう?
ところが気がつきました。もし万が一、製造体制に問題があった時に調達者から第三者が訴えられないか?ということです。
アメリカなんかではPL訴訟は親が子を、子が親を訴える時代ですから認証なんて言ったら責任重大です。
そこで第三者認証機関は名前を変えることにしました。
私たちは認証はしない。製造者に行って調べて合格だったら当社の台帳にリストアップしてあげます。
私たちは今後『審査登録機関』と称します。
するとお金を払って台帳に載せてもらって何がご利益なのでしょうか?
謎が深まります。
まあ、世間は日本に限らず流行に弱いものですからなにはともあれISO9001なんてのは世間に膾炙(かいしゃ)するようになりました。
ところが問題が明白になってきました。
『品質保証のISO9001審査登録した会社なんだが、ちっとも品質が良くならんのよ!』
という声が世界中から聞こえてきたのです。
困りましたね、、
これは品質保証だけじゃだめだ! 品質マネジメントの規格としてグレードアップしようという考えがでてきました。
そして2000年に大幅見直されたのです。
はたして、この結果品質は良くなるのでしょうか?
再三さん、キーボードを叩く指が疲れた、本日はこれまで・・
下に絵を載せておきますのでよくご覧ください。
本日のおさらい、、
ISOは技術・工業発展のために標準化を進める国際機関です。
第三者審査登録とはISOとは関係ありません。
なお、この中の絵はすべて私が作成したものであり、一切の著作権に抵触することはありません。
引用することに制限はありません。
もっとも書いてることが間違ってたらごめんね(^^)
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