環境方針 2007.01.06
ISO14001では環境方針を作れと要求している。
RequireとかRequirementsというのも傲慢というかふざけた表現である。官公庁でも顧客でもないのに要求とはなんだ? と感じるのは私だけでしょうか?
まあ、これも渡世の義理、文句を言ってもしょうがない。
環境方針を作れといっても好き勝手に・・・いえ、社長の熱い思いで・・・環境方針を書いてもだめなんだそうな・・・
実際に知り合いのところで社長が「なぜワシの書いた方針ではだめなんだあ〜」というのを必死に説得したと事務局から聞いたことがある。
正直言って、私は社長の方が正しいような気がする。それについては最後に語る。 woman6.gif
ISO14001規格4.2項で環境方針の具備する要件を羅列している。
規格を読んでみると、規格で要求していることを方針に記述できるか否か? 実現可能か否か? と疑問に思うものもある。
規格に書いてある文言にあわせようとするために、どこの会社の環境方針も似たようなものとなっているのが事実である。ISO規格に合わせて標準化された(皮肉です)マスプロ製品のような環境方針がその会社の環境行動の骨となるのか疑問である。
ISO審査が始まった頃には、環境方針が規格を満たしていないという不適合がたくさんあった。はたして方針の不適合というのがあるのか? と疑問に思う。
最近は方針が要件を満たしていないという不適合はあまり聞かない。
想像であるが、これは審査というにはあまりにも簡単で楽で金がもらえないと審査員も考えたのだろう。だってせいぜいがA4で1ページの環境方針の単語と規格の文言を比較して過不足を見るだけなら子供にでもできる。いやソフトを組めば一瞬である。
それとシステムがまずいとか手順不足と言っても受査企業の顔をつぶさないが、社長の書いた方針にケチをつけたら「帰れ!」と怒鳴られる危険性があると思ったのかもしれない。 
もちろん審査を受ける会社側が審査員の好みに合わせて環境方針を書くようになったこともある。
まあ、これが世の中一般の理解なのだが、こんなものが環境方針でいいのかと私は疑問を感じている。
すべての会社にはISO対応のバーチャル経営者ではないその会社の真の経営者(社長・CEO)が自分の会社の事業に対する思いを込めた会社の理念、社是というのがあるはずだ。
それを当面の課題に展開したものが会社の方針であろうと思う。その方針には売り上げや利益拡大もある、社員の賃金や労働安全も、取引先との共存共栄もある、品質、個人情報も企業機密も、輸管・下請法・公取法・知的財産権などの倫理遵法も、そして環境配慮も網羅しているだろう。それを環境方針であるとするのがあるべき姿であろうとおもう。
もしそういった真の経営者の方針にいちゃもんをつける審査員がいたならば、そりゃ社長が教え諭さねばならない。
あるいは一言「君は会社経営をしたことがあるのか?」と言うべきだろう。
それとも「帰れ!」と言うのもある
いたちの最後っ屁であるが、
このような経営全般の中での第三者認証というものの位置づけを考えたとき、「経営に寄与する審査を行います」と語る度胸と自信のある審査機関と審査員はいるものだろうか?・・・・反語である

本日の確認

環境方針は経営者の熱い思いである。
規格通りじゃ悲しいじゃないか



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