「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」
地方自治とはなにがどこまでなのか?ということを日本国憲法は規定していない。
憲法92条では「地方公共団体の組織運営にかかわる事項は地方自治の本旨に基づき」とかいう言葉でごまかしているだけです。

痴呆自痴の本旨なのかもしれません。
本旨とはまったく理解できない語でありますが、本条では地方公共団体の行える事項が記述してあります。
それには
「その財産の管理、事務処理、行政を執行する権能、法律の範囲内で条令を制定すること」だそうです。
- その財産の管理
ちょっとまってください、財産と簡単に言わないでください。地方公共団体の財産とはなんですか?
地方公共団体がいかなる範囲の財産を持てるのか、持てないのかなんもいってません。(それとも他の条項にありましたでしょうか?)
「財産の管理」というなら、その前に「地方公共団体は何々を保有する」と規定すべきです。
- 事務処理
これもちょっとまってくれ!
憲法では「なにを地方公共団体が行う。」あるいは「国は何を地方公共団体に委任する。」とも書いてない。
憲法で「地方公共団体」という語句は第八章に7回出てくるだけです。
いったい地方公共団体の事務処理とはなんでしょうか?
今現在、義務教育の公立学校の設立やごみ処理などのサービスは市町村が行っているけれど、憲法の文言には地方公共団体が行うとは書いてない。すべて国が行っても憲法違反ではない。
よっく読んでください、憲法には地方公共団体のやるべきことは書いてありません。
- 行政を執行する権能
上記に述べましたように「地方公共団体が行うことを決めず」にその事務処理とは?
謎 は深まります。
- 法律の範囲内で条令を制定すること
おおっと!ついにでた!
法律の範囲内で条令を制定すること!てえことは、つまり、この憲法では「地方自治を法律に丸投げ」しているのだ!
私、法律はまったくのアマチュア 素人でございますが、環境関連法規はかなり読んでおります。
騒音振動の規制は運用をかなり条例に任せています。これらは大気水質と異なり近隣に限定した影響しかなく広域性がないせいだろうと思います。
でも、その根拠がたかが騒音規正法とか振動規正法で定めるのは不遜ではありませんか?
そういった条例制定の根拠・・お墨付きといってもいい・・は憲法で規定すべきでありましょう。
毎度のことですが、マッカーサー君の母国の合衆国憲法をのぞいて見ましょう。
州の権限ははっきり書いてます。
修正第十条 本憲法によって合衆国に委任されず、また州に対して禁止されなかった権限は、それぞれの州または人民に留保される。(1791年)
要するに憲法に書いてないことは州議会が決めてよく、州政府が執行してよいということです。
州は何ができるんだろう?何をするんだろう?などと考えることはありません。
憲法で連邦議会がすることを決めています。
- 国家予算に関すること(第1条7節)
- 国債の発行、防衛、一般福祉とそれにかかわる課税(以下第1条8節)
- 対外借款
- 帰化に関すること
- 貨幣の発行
- 度量衡の決定
- 郵便の運営
- 知的財産権
- 連邦裁判所の設置
- 戦争の開始と終結
- 軍隊を保有すること
そしてそれ以外を連邦政府はしてはいかんと規定しています。
今現在、道州制なんてことが話題になっています。
そうすることが日本にとってよいことなのでしょうか?
道州制になると活力を生み出して日本がパワーアップするのでしょうか?
本日の結論
自治体ごとに異なる法律が存在しても問題ないためには、日本が広くなければならないようです。
道州制がいいのか、そのとき自治権をどこまで認めるのか?それは今後おおいに議論すべきでしょう。
ただ一言申し上げておきますが、自治の範囲は憲法で明記しなければなりません。
「法律に丸投げ」はいけませんなあ〜
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