第97条 2002.01.23
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」


これを読んで、あれっ、似たような条文があったという気がしませんか?
そうです、憲法11条
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」
というのがあります。

しかし、また別のことが気になります。
憲法11条はまだ憲法たる意味合いがありますが、憲法97条はいったい何を言っているんでしょうか?
じゃまな形容詞を省けば97条は
「基本的人権は、現在及び将来の国民に対し、永久の権利として信託されたものである。」
これ論理的におかしくありません?
まず、言っている意味がおかしいですよ〜
次に基本的人権は信託されたものなのでしょうか?信託とは「信用して預けること」「他人に財産などを管理させること」(広辞苑)ですよね、基本的人権は基本的というくらいですからもともと個人が持っているものです。なにも国家から預かっているわけじゃありません。一方国政は国民から信託されたものです。前文にそう書いてあります。なにか主客転倒じゃありません?
こまった議員が多いのよ これに比べたら、11条のほうがよっぽどましというもの、
97条は盲腸だ、屋上屋だ、天然痘だ、細菌兵器だ、いらないぞ〜
いったいこの憲法を書いた人物は日本語も分からんのか!仕上げのチェックもせんかったのか!

と、昨年までの私なら書いたんですが、
正月休みに西 修さんの「日本国憲法を考える」を読みました。それで、この条文のいきさつを読みましたのでここにそれを書きます。
占領軍のホイットニー将軍が書いた条文を体面上ぜひ入れてくれとGHQから頼まれて、日本側の憲法起草者たちがやむなく10章に入れたそうです。
それを読むと憲法起草者の苦労がしのばれます。
すまじきものは宮仕え、いえいえ相手は占領軍ですからね。
ということで、この条文にはいちゃもんを付けるのはやめます。

本日の質問

それにつけても、
この憲法は『断固守る!』価値がないのは一目瞭然!
護憲論者の方々、どう解釈するのでしょうか??




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