憲法論と日本国憲法論(その26) 2003.01.14
お金を取るならもっとまともな本を書いてくれ 最近は憲法に関する本を結構読んでおります。
その気で見ると憲法に関する本は結構たくさんあります。
まあ、全部買うわけにもいきませんので少なくとも広告を見かけた本については本屋で斜め読みくらいはしております。
読んで感じるのは、いったいこの著者たちは何を考えているのか?ということです。私の憲法論のほうがまともじゃないか?とさえ感じることがあります。
もちろんそういった本をお書きになる方々は法律の先生とか、弁護士とか、政治学者とかなんでしょうけど、その値打ちを立証されていないようです。

  • まず、第一の勘違いとしてあげられるのは日本国憲法を論じているのではなく、憲法を論じているものがあります。もちろん憲法について論じ憲法について研究するのは大変結構なことです。
    ところが一般論としての憲法を論じているにもかかわらず、当人は日本国憲法を論じているつもりになっているのです。
    これは致命的といえるほどの重大な勘違いです。
    例えて言えば、今競馬場にきてどの馬券を買うかと考えているとき、
    競馬の歴史とかサラブレッドの語源とか過去の賞金の記録なんて語っても価値がないのです。何枚かの1万円札を汗ばんだ手で握り締めたあなたにとってそんな話は意味がありません。
    どれを買うか?本命か、穴狙いか?そのアドバイスが欲しいんじゃないですか?
  • 第二の問題点は日本国憲法について先入観といいますか、思い込みがあって虚心坦懐にみること、読むことができないのです。
    その意味では以前社民党の福島幹事長が憲法第1章を改正しようと語ったのは、その改正案の正否はともかく、論理的にはまともです。
    ところが多くの著者は「日本国憲法は平和憲法だ!改正とは軍国主義者だ!」という思考停止といいますか、思考できないで本を書いているのです。それも、市井の方ではなく学者と称して憲法本を書いているのです。
    困ったものです。
    オイオイ、憲法を語る以前に学校で国語を習わなかったんかい?
    小学校くらい出ていれば日本語の読み書きができたでしょうに・・・・
  • 第三に日本国憲法が国内法ではなく、国際法であると勘違いされている方が非常に多い!
    たとえば、あなたはとある会社の社長であるとしましょう。
    あなたは「当社が予測したのだからライバル他社はこう動くはずだ!」とのんきに構えていてよいでしょうか?
    あるいは、「我が家では泥棒・強盗は入っちゃいけないと決めたから戸締りをしなくとも大丈夫だよ、」なんてお考えになりますか 
    「馬鹿なことを!」なんて言っちゃいやですよ。憲法にはこう書いてあります。
    「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
    繰り返しますが、日本国憲法は国内法です。
    日本人が外国を信頼しますと叫んだところで、そんなことが諸外国を規制するいわれはありません。
    国際法に則り宣戦布告することもあるでしょう。
    中国のように日本向けに核ミサイルを配備している国もあり、非合法に日本国民を誘拐したり工作員を進入させている国があるのが現実なのです。
    日本国憲法は国内法ですから、同じ理由で中国が「日本の自衛隊の派遣は日本国憲法違反である」と声明を出すのはまったくのお門違いです。
    憲法違反だといえるのは日本人だけです。
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    憲法学者の土井さん、間違いありませんでしょうか?
  • 第四に平和主義、主権在民、民主主義あるいはその他なんでも良いのですが「書いてあることがすばらしい」とご理解されている方々がこれまた非常に多いのです。これまた大いなる幻影なのです。
    そういう人たちは日本国憲法を読み取ることができないのでしょう。
    日本国憲法にはちゃんと書いてありますよ・・・
    「第12条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」
    憲法起草者であったアメリカ人も日本人も憲法とは紙に書いた餅に過ぎないことを十分理解していたのです。紙に書かれた憲法を生かすも殺すも運用なのです。
    日本国憲法に限らずいかなる規則、法律も守ることによって価値があるのです。
     憲法に実質を与えることとは信じることではありません。
     憲法に書いてあることを遵守し実行することです。
    消防法が防災に効果があるか否かは、その規制基準が定めてあることではなく、その規制基準を国民が守るかどうかなのです。守らない人がいるから歌舞伎町の雑居ビルでかけがえのない命を落とす羽目になるのです。
    シートベルトをしなさいと決めれば交通事故死が減るわけじゃありません。それを守るから事故の際の死亡率が下がるのです。
  • 第五に軍備を持たないことが平和だという考え、これは致命的ですね。
    それがまったくの間違いであることは反論するまでもありません。

    サヨクの方々、サヨク政党の方々、市民団体の方々、うそを言っちゃいけません。
    あなた方の大好きな中国、北朝鮮、かってのソ連は彼らの平和を維持するために超膨大な軍隊を持っています。核兵器もね、
    また、軍備を持たなければ戦争がおきないかについては歴史がそれはまったくの間違いであることを証明しております。これが正しいとするならば軍備を持たない国家が長期にわたり存在した事実をあげて欲しいものです。
    コスタリカおっと、良心的軍事拒否国家論者の言うコスタリカはだめですよ。ネタはばれてます 



いやあ、今日は大きな本屋で数冊憲法の本を立ち読みしてしまいました。その結果、とんでもない憲法本が高い値段で売られているのを憤慨し、この拙文を書いたんであります。

みなさん、憲法に関する本を買い求めるときは以上5点についてチェックされることをお勧めします。
そうでないとお金をどぶに捨てることになります。
西修先生の本、これなら間違いありません。

もし、これらの著者がどなたでもこの拙文をお読みになられて「俺のことか?」と感じられましたら、「そのとおりです。」
ぜひ反省してもう少しまともな日本国憲法論をお書きになることを希求いたします。
反論を期待しております。



本日のまとめ



日本国憲法を語ろうとおっしゃるなら、
日本国憲法をよく読んでください。
あなたの頭の中にあるものと日本国憲法はちょっと違うような気がします。







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