憲法改正は可能なのか 2002.02.27
憲法を読めば読むほど現実とマッチしてないな〜と感じます。
みんさんもそうお感じになりませんか?
今、憲法改正というと気が狂ったように『誤憲だ、平和憲法を変えさせないぞ!』と目じりを吊り上げて叫ぶ人がいます。
こういう方と話しても拉致があかないので、とりあえずほおって置くとして、憲法改正は可能なのでしょうか?

憲法を改正するということはきわめてハードルが高いことはご存知のはず。
簡単に言えば、国会議員の総数の3分の2以上の議決が必要です。通常の法律や予算は出席議員の過半数ですからこれがいかに厳しいかは言うまでもありません。硬性憲法といわれるゆえんです。
過去の与党がこの数字に達したことはないはずです。
まして、現在の野党は日本の国益より周辺諸国の国益を重視し、日本没落をもくろんでいるようですから、まず野党が改正に同意することはないでしょう。

ではどのような場合に憲法改正は実行可能となるでしょうか?
憲法が破棄あるいは改正される場合として、
  1. 周辺において戦争状態となり、日本の安全がきわめて危ない状況となった場合。このとき、国民が挙国体制を望み、第一政党が大多数を占めた場合に可能となる。しかし、その危急が時間的余裕がない場合は、実際問題として超法規的と呼ぼうと一種のクーデターとなり二番めの選択肢となるだろう。
    以前も書きましたが、致命的でないレベルの有事であるならば日本にとって良い方向に働くことが期待できる。外国人犯罪の多発、不審船などは日本の国家主権に対する重大な侵害ですが、このようなことが多発するならば国民が国家意識に目覚め日本の国益を主張する政治家・政党が多数を占めることが期待できる。

  2. クーデター
    右派政党あるいは一部右派勢力がアメリカと手を組んで武力で首都機能を制圧することが考えられる。
    この場合、政権樹立後の正統性を保つために行政機構は現状維持でなければならないし、アメリカの同意が必須だろう。
    革命、クーデターお断り! 右派が行動をとったとき、当然左派勢力も中国と手を組み内戦状態になることが考えられる。しかし、テロはともかくアフガンレベルの内戦にはならないだろう。日本は豊かすぎる。左右ともこの富を失うまでの破滅は望まないだろう。
    もっとも中国なら人口圧力のはけ口として徹底的に破壊しても日本を占領する可能性はある。20年後には日本はなくなるといっていた外相もいるから。

  3. 革命
    左派政党が外国(今のところ中国以外考えられない)と手を組む場合が考えられる。
    北朝鮮と手を組んだ、あるいは北朝鮮勢力が生物兵器などで日本を攻撃し、傀儡政権を樹立する可能性も否定できない。
    しかし、いずれの場合もアメリカは黙っていないだろう。なにせ、日本はアメリカの工場であるし、債権国でもあり、アメリカから見て日本は運命共同体なのだから。
    万一、後継政権がアメリカに対して債務の払い戻しを要求したらアメリカは破産です。
    可能性が低いとは言え、30年前の赤軍派、あるいはオウム真理教のような違法集団が独自に武力抗争を引き起こすことも考えられる。但し、この場合は首都の一部を占拠しても全国を支配し新憲法発布までいくとは考えられない。

  4. 日本国民に憲法に対して正しい認識を持たせ、日本のあるべき姿を目指して行動するという積極的、ポジティブな意識付けを行った結果もたらされる。
    このためには教育を本来の姿、偏向した思想の呪縛から解放さなければならない。
    日本の現状を考えるとこの道は長く険しい。
No.2とNo.3はご遠慮したいし、No.1も到来して欲しくない。
理想なのはNo.4だがこれは実現可能なのだろうか?
ソ連が崩壊してやっと国民がイデオロギーの呪縛から開放されるはずなのに、いまだ革新勢力は自分たちが存続するためにあらゆる手を使って日本を迷走させようとしている。
イデオロギーでなく、周辺諸国のご機嫌伺いでなく、真に日本の国益を追求する政治家、政党が多数を占めないと憲法改正は不可能である。


本日の結論

憲法改正は限りなく不可能に近いことを認めざるを得ない。


2002.02.27 北海道の星 北斗様より
実情では、1〜3でまっとうな憲法になる可能性しかないでしょう。
4が理想ですが、そうなると売国勢力は外国(露中韓朝)と結託し己の全存在をかけて妨害するでしょう。なんせ、奴らは日本を貶めることでメシの種にしているので。悲しいことですが...
ある本で読んだのですが、“憲法廃棄”と言うことになればどうでしょうか?これじゃ過半数で可能かも...
差為さん、コメントをよろしく。

北斗様、お世話になっています。
クーデターとは「政権保持または権力を持つものが、その権力を拡大しあるいは政権を掌握するために非合法手段をとること」(広辞苑)
憲法改正については憲法で定めていますが、破棄について定めていません。
そうである以上、武力を使わなくとも、あるいは超法規的措置と呼ぼうと法にさだめていない憲法破棄という手段をとることはクーデターであることは否めないと考えます。その本では、合法的であることを説明をされてるのでしょうか?
しかしながら、クーデターが倫理上いけないとか、悪であるという理由を私は知りません。
専制政治が民主主義より悪いことであると証明されていないと同じく、クーデターが悪であるとはいえません。
タイなどではクーデターは悪どころか反国家的行為ではなく、政権交代の形式に過ぎません。それどころか共産主義国家においては唯一の政権交代手段だったような気がしますね(^^)
ただ、日本では民主主義に則って憲法改正して欲しいとは思いますが、

と、書いた後で気がついたんですけど、、
現憲法だって成立過程ははなはだ疑義のあるところです。
主権が存在しない状態で、成立あるいは改正した憲法は無効とする学者もいたはずです。
よって、現憲法を廃止して、いったん明治憲法に戻るという考えもありますね。

あるいは国民の多数が現憲法が無効だと決定すれば、国会での決議や国民投票といった手間をかけることはなさそうです。
国民主権に基づいて決議するといえば、少なくとも非合法とはいえませんね。
これはなんと言いましょうか?
やはり市民革命かな?




元気のない相方、再三様より(2002.04.22)

相方!ちょいと教えて頂けますか?
佐為さん。憲法に対しての見識及び造詣の深さに敬意を表します。
チョットした疑問があるのですが、教えて頂けませんか?というのは日本国憲法は有効なのか無効なのか?と言う問題です。
どういう事かと言いますと、1907年オランダのハーグにて陸戦法規が締結されたのはご存じですよね。
この国際法に「国家の権力が事実上占領者の手に移ったときは、占領者は絶対的な支障がない限り、占領地の現行法規を尊重しなければならない。」と規定されています。
日本国憲法は、占領軍のきびしいチェックのもとに成立しました。国会での審議過程全てを総司令部及び極東委員会に報告し、承認を必要としたわけです。また、日本国憲法の原案自体が総司令部民政局にて作成されました。
と言う事は、占領者は占領地の現行法律を尊重するという、ハーグ条約違反じゃないのですか?てことは日本国憲法は無効じゃないのでしょうか?有効だとするとその根拠をお教え願えませんか?
つまらない質問ですみません。無効だとすると一端破棄して、作り直すのが妥当なのかな?石原慎太郎都知事などが言ってるのは、こういう根拠なのでしょうかね。話が飛躍しすぎですか?じゃ!宜しくお願い致します。

「元気がない」なんておっしゃって、またまた何かたくらんでますね(^^)
地雷が仕掛けてありそうでちょっと危ないですね。
まず、「見識」とか「造詣」なんて言葉は私の辞書にありません。
私の辞書には「粗雑」とか「思いつき」なんてのばかり載っています。
 閑話休題
ハーグなんたらは知っています。
この記事の上の方でも書いていたと思います。
しかし、「・・てことは日本国憲法は無効じゃないのでしょうか?」というご意見は私はそうともいえないと思います。
理屈ではなく、既に現憲法が制定後55年経過していること、誰が起案したにしても多くの日本人が現実に日本の憲法と認めている事実があります。
ですから、現憲法が無効であると否定することは難しいと思います。
もちろん私は現憲法が不十分であると確信していますし、改正が必要と考えていますが、それはあくまでも改正であって、現憲法を無効とは思っていません。

しかしながら、と続くのは毎度のことですが、、
現憲法を改正するのは非常に困難です。
(あっ、改正のハードルが高いということじゃありません)


「現憲法はあまりにも矛盾だらけで改正のしようがない」

というのが私の結論です。
ここはひとつ、櫻井よし子さんとか読売新聞案のように全面改正でないといけないようです。

ご満足いただけましたか?



相方、再三さんがご満足いただけないようです。

善良な相方、再三様より(2002.04.23)
やはり!さすがは相方です!御礼の便りともう一丁!
相方!ご丁寧な解説、有り難う御座います。
『またまた何かたくらんでますね(^^)
 地雷が仕掛けてありそうでちょっと危ないですね。

めっそうもござんせん!私にその様な能力などありゃしませんぜ!
そう、相棒を疑っちゃいけませんぜ。
『理屈ではなく、既に現憲法が制定後55年経過していること、誰が起案したにしても多くの日本人が現実に日本の憲法と認めている事実があります。』
なるほど!よ〜〜〜くわかりました。って事は北方領土も55年たってるから、ロシアの領土ってこってすね???私間違ってますか?


おっと、予想外の方向からパンチが来ましたね、
民法にありますでしょう

第百六十二条  二十年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ物ヲ占有シタル者ハ其所有権ヲ取得ス
 ○2 十年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ不動産ヲ占有シタル者カ其占有ノ始善意ニシテ且過失ナカリシトキハ其不動産ノ所有権ヲ取得ス
つまり、他人(ロシア)が使っているのを黙っていれば失ってしまうけど、
常に『国後択捉は俺のもんだ!返せ!』って、言ってれば権利を失わないってことでっせ(^^)
民法が国際的に通用するわけないけど言ってみただけ、
でも現実には、私もそうですが、憲法を改正しようという国民、国会議員は多いければ、憲法が無効だと言っている人は少数でしょう?
現憲法が現実に日本に根を下ろし、実効性を持っていることを否定できません。

もちろん、我々はそれをより現実に合うように改正しなくちゃいけません。

再三さん、某県人のように相手のパンチをかわしているだけじゃだめですよ。
自らがイニシャチブをとり、自らが動き、人を動かさなくては、
私はバカだと思われても自分から火中の栗を拾っています。
それだけは認めてもらわねば(^^)


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