タングラム



タングラムは、最古のストマッキオンと同様、正方形を分割したピースを組み合わせて、問題に出された図形を作るパズルである。

その起源は、中国に見ることができる。1803年に出版された「七巧図合壁」というタングラムの本で、現在確認されているタングラムの文献では最も古いものらしい。
この本の中では、タングラムは七巧の板と呼ばれている。七巧という言葉は、紀元前からあった七夕に由来する言葉であり、以前は、4000年も前に発明されたとも言われていたが、実際は、18世紀にその起源があるようである。
この後、1820年頃まで急速に欧米に広がり、たくさんの本が出版されている。
タングラムという名称は、このとき生まれたようである。


正方形の分割方法は左のようであり、三種類の大きさの異なる直角三角形と正方形、平行四辺形の7ピースで構成される。

このたった7ピースで作り上げる図形の問題は、人物、動物、植物、日用品、建物、漢字やアルファベット等あらゆるものに及び、その魅力ははかりしれない。


タングラムが中国やヨーロッパで流行っていた数十年も前、日本で同様のパズルが流行っていた。それは「清少納言知恵の板」と呼ばれ、1742年の小冊子に記されている。その起源は、源氏の頃とされるが明らかではない。
清少納言知恵の板もタングラムと同様、7分割したピースを使用するが、分割方法は異なる。


正方形の分割方法は左のようであり、二種類の大きさの異なる直角三角形と二種類の台形、正方形、平行四辺形の7ピースで構成される。

特に興味深いのは、左の正方形以外の正方形がもう一つできることと中央に穴の開いた正方形ができることである。