ハワイ島へ:ハワイ時間3月9日

ホノルル空港でアロハ航空に乗り換えてハワイ島に向かうのですが、待ち合わせ時間が約3時間もあります。この時点で日本時間の午前2時を回った頃でしょうか、眠さはピークに達しています。ここでようやく時計を現地時間に合わせました。待合室の椅子でしばらく仮眠を取ったあと、再び機上の人となりました。今度の飛行機はボーイング737で、座席は左右に3列ずつでした。自由席ということだったので、早めに搭乗町の列に並び、父も母も別々に左側の窓際を確保しました。ホノルル空港の係りの方から左側が景色がきれいだということを聞いていたのです。おかげで私たちはダイヤモンドヘッドを左に見て、太平洋に点在する島々の風景を堪能することができました。マウイ島の高い山のいただきは少し下のほうに雲を置いてそびえていました。地図には約1万フィートとあります。私はメートル法しかわからないので実感が沸かないのですが、どうもかなり高い山のようです。アメリカ人はいつになったらメートル法を使うようになるんだろう....。
 
 

ホノルル空港にて
ハワイ島

ハワイ島ではホテルまでの足として、あらかじめ車での送迎を頼んでおきました。ドライバーのリッキーは「私は日本語がしゃべれない。英語でガイドするから日本語に直してみなに聞かせてくれ」といってホテルまでの道のりをちょっと遠回りして、ゆっくり走ってガイドしてくれました。私の力では100%はわからないのですが、リッキーが説明してくれるのを日本語にして父や母に聞かせてあげたらとても喜んで、父はリッキーに思いっきりチップを弾んでいました。ホテルまでの道の両側は溶岩の流れたあとのいかにも荒涼とした風景が広がる一方、色鮮やかな花が咲き乱れていました。そう、ブーゲンビレアですから、色鮮やかなのは花ではなくて、がくの部分でしょうか.......。

お湯が出ないゾ!!:ハワイ時間3月9日午後3時ころ

リッキーが遠回りして通ってくれたアリイ・ドライブを抜けてちょっと走ったところに私たちのホテル(コナ・サーフリゾート)はありました。そこはちょっと古い、とても大きなホテルでした。海岸沿いの溶岩の上に建っていて、庭にはいかにもハワイという植物が茂り、赤や黄色の小鳥たちが我が物顔で遊んでいます。私たちの部屋は2014号室で、大きな窓からの眺めはとてもよく、正面には先ほど通ってきたアリイ・ドライブのあたりが、右に目をやるとマウナロア山の麓のあたりが見えます。窓の下にはホテルの庭が広がり、左には海が見えます。部屋に入って落ち着いて、時計を見るとすでに1時になっていました。朝7時前に軽く食事をしたきりで、何も飲んだり食べたりしていません。ホテルのカフェテリアで軽く昼食をとり、庭を散歩しました。
 

コナ・サーフ・リゾート・ホテル ホテルは溶岩の上に建っている

夕食までの時間は少し休もうということになり、風呂にお湯を張ろうとした父が「お湯が出ない」と騒ぎます。まだつかってなかったから出てこないだけで、しばらくすれば出てくるでしょうと言いながら私も試してみるのですが、いくら待っても出てきません。左に回すとCOLD、右はHOTと書いてあります。いろいろ試したのですが一向に出てくる気配がありません。父は暗に私にどこかに連絡するようにと言いたそうです。父は私がさっきのリッキーのガイドを完璧に訳したと思っているようで、私はこの程度の英会話には困らないと勘違いしているのです。ただでさえほとんどできない英会話を、電話でやるなんでとんでもありません。たまにオスカーやブライアント「元気??」「ウン、元気」とやるくらいです。こんなものを英会話というのなら、日本人の半数は英語が話せることになるでしょう。

なんだか話がそれてしまいましたが、とにかく今回のツアーの責任者として私は自分の任務を遂行しなくてはなりません。思い切ってフロントに電話をかけ「風呂場でお湯がつかえないから、誰か来てほしい」と告げました。幸い先方に私の意思は(正確か否かは別にして)伝わったようで、ハウスキーピングを行かせるといってくれました。ところが待てどくらせど......といってもほんの5分ほどなのでしょうが.....誰もこないので、父がいらいらしてきました。私も「やっぱり通じてなかったのかな」と不安になり、いざとなったら直接フロントにでも行こうと思いました。またしばらく待ってもどうも埒があかないようなので、とりあえず今度はハウスキーピングに電話をして、同じことを告げました。待つことしばし,,,,,ようやくハワイ人と思しきおじさんがやってきて「お湯が出ないって....どれ」といってバスルームに行き蛇口をひねりました。するとあーーら不思議、さっきまであんなに時間をかけてもぬるま湯しか出なかったものが、おじさんの手にかかるとザーッと熱いお湯がほとばしるではありませんか。

私はきっと「こいつ何か魔法をつかったな」というような顔をしていたのかもしれません。おじさんはにこっと笑いながら私を促すように場所を空けました。私が手を差し出してみると、蛇口からは熱ーーいお湯がたっぷり出ています。おじさんにどうやって出したのかと目でたずねると、おじさんはカランを思いっきりCOLDのほうにひねりました。「違うじゃないか、私はHOT WATERを出したいのに、なぜCOLDなんだ」と叫びたかったのですが、悲しいかな言葉という大きな障害を考えると、黙っておとなしく引っ込むしかありませんでした。まあ、時間はかかったのですが、とにもかくにもお風呂を使うことができ、旅の垢を落とすことができたという次第です。


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